社会貢献を当たり前に〜敷居を高くしない〜#1〜東京スター銀行 CSR推進 牛堂 望美さん

民間企業
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今回インタビューしたのは、東京スター銀行のCSR推進担当としてご活躍されている牛堂望美さんです。

民間企業で社会問題に取り組むとはどういうことなのでしょうか?

第一弾では現在の活動や実現したい世界、大切にしている考えなどに迫ります。

名古屋大学教育学部 心理社会行動コース卒業。名古屋大学大学院国際開発研究科 修士課程卒業。新卒で人材育成事業のベンチャー企業に入社。その後2011年より国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを経て、2015年に株式会社東京スター銀行に入行。入行以来、CSR推進を担当。

現在の活動

ーーーCSR推進の部署での活動を教えてください

現在は基本方針として、3つの柱を掲げて活動しています。

・「社会への貢献」

行員へのボランティア活動の推進、障がいのある方やご高齢の方が気持ちよくサービスを受けられる取り組み、環境問題への対応などを行っています。

・「次世代を担う人材の育成」

これは私たちが最も注力している分野で、子どもの貧困や虐待問題に取り組んでいます。

具体的には、NPOや児童養護施設と連携して行っている、子どもに対する金融教育です。

また、昨年から「東京スター 子ども応援プロジェクト」を開始し、社会養護施設出身者等への奨学金やシングルマザーへの就労支援、子ども食堂への活動支援を行っています。

・「ダイバーシティの推進と働きやすい職場環境の提供」

女性活躍推進や障がい者雇用推進など、人材と組織の活性化を目指しています。

ーーーなぜそのような活動をされているのですか

まず、1つ目の柱、「社会への貢献」についてです。

私たち行員の一人ひとりも社会の一員であるので、社会への意識や責任感を持つことを推進しております。

本年上半期には、のべ200人の行員がボランティアやチャリティーに参加しました。

コロナの影響で、人が集まるボランティアは困難だったので、子ども食堂への募金や絵本や文房具の提供などのチャリティーをしました。

次に、私たちの強みとも言える「次世代を担う人材の育成」についてです。

日本では子どもの貧困や虐待が課題になっているので、特に注力しています。

私が子どもの貧困を調べているときに、困窮家庭や社会的養護の子どもたちの、金融リテラシー(お金に関する意識や態度)に課題がある傾向を知りました。

例えば、 お金は気軽に借りられるし、返さなくてもいいのが当たり前という感覚を持ってしまっている子どもや、お金はあればあるだけ使うという感覚など、金融リテラシーが乱れている状況が確認されました。

子どもや若者に金融教育を行うことは、 貧困連鎖の防止に役立つと考えています。

実現したい世界

ーーーこの活動を通して、作りたい世界観や社会を教えてください

3つあります。

まず、子どもがあたたかく、幸せな環境で育つ社会です。

私は学生時代に、教育学や心理学を学び、 子ども時代の生育環境が豊かで満たされていることが、人生の土台になると実感しました。

子ども時代にすごく幸せであたたかい環境で育っていれば、心の土台が整い、大人になった際に困難や苦しい状況を乗り越えられます。

一方、貧困や虐待など厳しい環境で育つと、困難を乗り越えるどころか、普通の生活を送ることも難しい状況に陥る傾向があります。

次に、より多くの人が社会課題に関心をもって、気軽に行動できる社会ですね。

私は、NPOや社会貢献をする人を支援する中間支援の分野に興味があります。

1人がすごく頑張るよりも、たくさんの人がちょっとずつ社会に関心をもち、少しでも行動することが、良い社会を作るために大事だなと学生時代に感じました。

今の仕事でいえば、行員が気軽にボランティアやチャリティーを始められる環境を作ることが大事だと思っています。

最後に、企業が良いCSR(社会課題解決への貢献)をするのがあたり前になっていくことです。

日本では社会貢献への敷居が高いです。

良い社会にしていくためには、もっとたくさんの人が必要です。

大切にしている考え

ーーー活動するうえで、ご自身が大切にしている考えはありますか

ニーズや社会課題をよく理解することです。

子どもの貧困に対しては様々な誤解が生じています。

例えば、大人はどうしても「貧困状況下でも頑張っている子」を支援したいと思ってしまいます。

しかし、 今の日本においては、頑張れること自体、恵まれている人しかできません。

本当の貧困や虐待の現場では、頑張る力さえ失われていることが問題になっています。

このような問題は、一般の方にはあまり知られていません。

本当の状況や課題を理解しないままの支援では社会課題の解決につながらないので、支援するCSR担当者は理解せねばと思っています。

一方で、行員に社会貢献に参加してもらう活動では、敷居を高くしない、難しくしすぎないことが重要だと思っています。

課題に取り組むときは、ニーズをしっかり理解しなくてはいけません。

でも、何かを始めたいと思っている人に「課題を理解していませんよね?」と言ったら、みんな逃げていってしまうと思います。

まず行動したいと思っている人に、簡単に始められる機会を提供する。

そうやって活動を始めると、今まで見えていなかったものが見えてきます。

その意味で敷居を高くしてはいけないと思っています。

ーーー次回予告

CSR担当として社会問題に取り組まれている牛堂さん。

次回は学生時代や就職活動時のお話、転職、必要なスキルなどに迫ります。

CSRに携わるまでの経緯を知りたい方、自分の専門性や強みが分からず悩んでいる方、必見です!!

ライタープロフィール
石井 瑠璃子(いしい るりこ)
「エンタメ×社会問題」を広めていきたい。自殺予防やケアに興味あり。将来は韓国をフィールドに、自殺問題についての卒論を書く予定。
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