今回インタビューしたのは、東京スター銀行のCSR推進担当としてご活躍されている牛堂 望美さん。

第三弾では新卒でCSRや社会貢献に携わる方法に迫ります

新卒でCSRに携わりたいという方、必見です!!

プロフィール
牛堂 望美

名古屋大学教育学部心理社会行動コース卒業。
名古屋大学大学院国際開発研究科 修士課程卒業。
新卒で人材育成事業のベンチャー企業に入社。
その後2011年より国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを経て、2015年に株式会社東京スター銀行に入行。
入行以来、CSR推進を担当。

新卒でCSRに関わるためには

ーーー新卒でCSRに携わることは可能なのでしょうか

現状では可能性は低いとは思います。

CSR部門があるような企業では、新卒育成プランが既に決まっている場合があるので、自分で希望した部署に新卒で配属される可能性は低いです。

基本的には、その会社での本業で成果を出せる人となるように、ビジネス部門に配属されると思います。

実際に、CSR担当者は別部署から異動してくることが一般的です。

CSR部門の中途採用は多くはありませんが、募集はあるようです。

ただし、私が思うのは、どの部署でも「社会貢献」の行動はできるということです。

例えば、お客さまや社会が抱える課題解決につながる商品やサービスを開発する。

サービス・商品をNPO向けに提供する。

環境や人権に配慮した調達(原料購入)やサプライチェーン、社内の労働環境の改善など。

どんな仕事についても、社会にとって良いと思うことを忘れないでいれば社会貢献はできるし、自分のキャリアにもつながってくると思います。

社会貢献をしている組織に入ることが目的になると、キャリアを考えるうえで、つらくなってしまいます。

以前、私も「社会貢献をしている組織に入らないと、私のキャリアは成功じゃない」と考えていました。

でも、そうすると未来が窮屈に見えてしまいます。

社会貢献分野のキャリアは、狭き門でそのうえタイミングもあります。

不安になってしまう人は、少し長い目で、柔軟に考えると良いです。

例えば、本業でWebデザインの会社に勤めて、副業でNPOへサービスを提供する。

興味のある企業に入って、そこでSDGsに配慮したビジネスをする。

このように色々な関わり方があります。

その時その時に自分ができる社会貢献をやっていれば、いずれ本当にやりたいことにつながると思います。


就活を始めるまでに

ーーー就活を始めるまでにやるべきことがあれば、教えてください

まず、関心のある社会貢献分野を2〜3分野くらい決めて、ボランティアやインターンに行くなど、その世界に入るのが良いと思います。

難しければセミナーや勉強会でも構いません。

次に、キャリアや道が決まっている人は、逆算してやるべきことをやると良いと思います。

いつかCSRに携わりたいという方は、中途採用の応募要項に書いてある必要なスキルや経験を見て、逆算するのもありですね。

ただ、そこまで明確な人は多くないと思いますので、キャリアが決め切れないという人は、今の興味分野を深掘りしていくと良いと思います。

社会貢献に関係ないようなことが、あとで役に立つこともあります。

ある女子学生の方とお話した際、webデザインのスキルをもっているけれど「社会貢献に関係ないのでそれは趣味で」と話していました。

しかし、webデザインは社会貢献の分野でも役に立ちます。

私たちも、CSR活動の中でチラシを作ったり、ウェブサイトを作ったりしています。

私の場合、人の成長や教育、ワークショップなどの分野が好きで、1社目で携わっていましたが、NGOや現職のCSRでもすごく活きていますね。

自分の得意や強みは関係ないようなところで活きてきます。

ダンスやアート、動物などあらゆる分野が社会貢献につながる可能性があります。

好きなことはしっかりやる。役に立たなそうなことでも好きならばしっかりやる感じですね。

そうすると、後で振り返って、自分らしい轍(=キャリア)ができるのではと思います。

あと、英語はやっておきましょう。


読者へのメッセージ

ーーー社会貢献に関心のある読者や就活生に向けてメッセージをお願いします

社会貢献を仕事にしている人の話を聞くと皆さん立派すぎて、「こんな自分で大丈夫だろうか」と不安に思うことはありませんか?

私も色々と理由をつけては、自分に向いていないと思うことがよくありました。

ただ、社会貢献の分野では、表舞台に出てくるようなNPO起業家や海外を飛び回る人、インパクトのある原体験を持つ人だけが働いているのではありません。

こつこつ安定タイプ、サポートタイプ、ITが得意なタイプなど、色々な人がいるから成り立っています。

社会貢献の分野で働いている人全員が強いバイタリティがあって、熱い想いがありすぎたら、逆に組織は成り立たないと思うんですよね。

ぜひ、 自分の特性を大事にして、自分らしいキャリアを歩んでいってもらえればと願っています。