活動家インタビュー 社会起業家

写真には人を動かす力がある~ソー写ルグッド株式会社CEO 汰木志保~

ソー写ルグッド株式会社・代表の汰木志保さん。

写真を使って社会をよくする彼女の姿に迫り、1部ではとても素敵な今の活動について、2部では波乱万丈な過去について聞いてきた。

3部では彼女の相棒である写真がもつ力と、汰木さんが持つ夢について深堀りする。

プロフィール

汰木志保(ゆるき しほ)
岐阜県出身。フリーランスフォトグラファーとして主に企業撮影を中心に10年活動。その間国際NGOの専属フォトグラファーとしても活動し、世界各地の様子を記録した。
西日本豪雨をきっかけに災害の実状に関する情報発信「ボラ写PROJECT」を立ち上げ、社会福祉協議会や災害支援団体と連携しながら撮影を繰り返し行なってきた。写真の力をもっと社会に活かしたいという思いが強くなり、2020年8月にソー写ルグッド株式会社を設立。現在は写真撮影を中心に事業を展開している。

 ーーー写真はどのようにして撮るんですか?

対話しながら撮ります。

写真は鏡とよく言いますが、写真というのはカメラが撮っているものではないんです。

撮っているのはフォトグラファーでカメラはその媒体にしか過ぎない。

だから、笑顔をもらうときにもカメラに笑顔をもらうというよりは自分に笑顔を向けてもらいます

お話をしながら「どうしたら笑ってもらえるかな。」なんて考えて雰囲気を作って初めて写真が撮れるんです。

ーーー写真の裏に信頼関係などがあるんですね。

そうですね。特に被害に遭った場所はとても繊細で、被災された方々や支援されている方など、現場にいらっしゃる方々が第一です。

ですから最初にカメラを構えることはしないで、まずは一緒に汗をながしてボランティアをします。

そうして理解していただいて、初めて写真を撮るんです。

ーーーなるほど。撮影における素敵なマインドがあるんですね。

そうですね、その人がいないと写真は成り立たないので。

撮影させて頂く方への許可はもちろんですし、撮影される方が嫌な気持ちにならないよう、コミュニケーションにも気をつけます。

常に「撮影させていただいている」という気持ちは忘れません。

ーーー素敵ですね。カメラに没頭してきたからこそ様々なことに気づけたんですか?

実はカメラや写真には固執していなくて(笑)

たまたま自分と合ったのがカメラだっただけです。

カメラに固執していなかったので、インドまで行ってヨガのインストラクターの資格を取ったこともあります。

日本帰ってきて一度もやってないんですけど(笑)。

でもやはり自分にとって、写真は自然と継続できて、発信できるものでした。

社会をよくするという目的の中で一番自分にマッチしたのが写真だったんです。

だから今後より自分にマッチしたものに出会えば変えるかもしれません。

でも決して写真を軽んじているわけではなくて写真には力があると思います。

ーーー写真の力というのはどんな力ですか?

人の心を動かす力です。

写真はありのままを写します。

自分の行動も行く場所も表情も全てを1枚に収めます。

そして、言葉をほとんど使わずに視覚を通して多くの人の感情に訴えかけます

これは、写真こそが持つ力で多くの場所で活かせるはずです。

ーーーなるほど。写真の力を一番感じた瞬間はいつですか?

西日本豪雨災害の時です。

災害ボランティアとして参加した私が、撮った写真をSNSにアップするとシェアが広がり、実際にボランティアさんを増やせたときに写真の力を改めて感じました。

この写真をとった時などはすごくて、何万リツイートにもなって色々な人の意見をいただくことができました。

↑汰木さんが西日本豪雨災害の際に撮った写真。わずか数日で1.3万リツイートに達した

ーーー汰木さんが今後やってみたいことは何ですか?

いつ起こるかわからない自然災害に備え、全国でフォトグラファーのネットワークを作りたいです。

コロナ禍に熊本で起きた豪雨災害では、東京から現地に行くこともできずに悔しい思いをしました。

もしその時、熊本に協力フォトグラファーがいれば、その方にお願いして写真を通じた支援ができたかもしれません。

そんな思いもあり各都道府県に一人でも協力フォトグラファーがいてほしい。

そうすれば次にまたどこかで発災しても私以外の仲間が写真で力になれます。

なので写真の力で助け合えるネットワーク作りに力を入れたいです。

ーーー最後に読者へのメッセージをいただいても良いですか?

読者へのメッセージなんて偉そうなことは言えないので、19歳の自分へという感じで話しますね(笑)

19歳の自分は大学を辞めてとりあえず働かないといけない、好きなことをどうやって追いかければよいかわからない、いや好きなことが何かもわからないという感じでした。

なので自分には、

「自分の感じたままに動いてやっていったら、きっとなにか見つかるから、とにかく笑って楽しく目の前にあることを過ごしていこう、なんとかなるよ」

って言ってあげたいです。

何かをやった先で会える人や物にはいろいろご縁があります。

お仕事でも出会いでもなんでも目の前のことを一つずつやっていけばその先にきっと何かが広がっていきます。

普段、「あーあれやらなきゃよかった」とか、「あーあれやらなきゃ」とか言って、よく過去のことや未来のことばかりに目が行くかもしれません。

でも過去も未来もないです。

被災してしまった場所に行っても痛感しますが、本当に一瞬でなにもかもなくなりますし、状況もどんどん変わります。

とにかく生きているのは今です。

だから、一瞬一瞬流れている時間を大事に生きていきたいです。

そうすれば何か見えてくるはずです。

今だって誰がこんなことになると考えたでしょう。

先の見えない世の中だからこそ今を大事に生きればよいと思います。

自分の人生は自分にしか生きられないので。

 ーーーインタビュー後記

写真の力で社会をよくしようとする社会起業家・汰木志保さんにお話を伺った。謙虚で気さくで明るい彼女へのインタビューはとても楽しく、1時間のインタビューはものの数瞬に感じられた。

その一時のなかで胸を打ったのは「一瞬一瞬流れている時間を大事に」という言葉。

未来に過去に振り回される19歳の私に明るく響くものだった。

過去でもなく未来でもなく「いま」を切り取り続ける写真。その写真と彼女が目指す未来の先には何が広がっているのだろうか。その光景を見たいと強く思う。

汰木さんから皆さまへメッセージ

ソー写ルグッド株式会社では緊急事態宣言中、「撮って応援!オンライン写真館」というプロジェクトを行っています。コロナ禍で撮影できずお困りの方へ、無料でオンライン撮影させていただきます。
詳しくはこちらの特設ページをご覧いただきお申し込みください。
また、ひとりでも多くの方に届ける為、シェアしていただけると大変嬉しいです。
「撮って応援!オンライン写真館」:https://socialgoodphotography.com/reliefthroughphotography/そして当社のCSR活動として行っているボラ写PROJECTは、持続可能な取り組みとして「20-for-1プロボノ」を行っています。
これは、弊社が撮影案件を20件受注すると、その収益で1件プロボノ撮影をいたします。
様々な社会課題に取り組む非営利団体様などへ伺い、活動の様子などを撮影します。
その写真を広報などに使っていただき、こちらからもその取り組みを紹介し世の中に広げていく活動をしています。
非営利団体で活動されている方で、この記事を読んで「撮影してほしい!」というご希望がある方、ぜひお問い合わせください。また、社会課題に関心のあるフォトグラファーさんとどんどん繋がって行きたいと思います。
そんな方がいらっしゃれば、ぜひお気軽にお声がけいただければ嬉しいです。
ソー写ルグッド株式会社:https://socialgoodphotography.com/
お問い合わせ:info@socialgoodphotography.com

プロフィール

木下悠(きのしたゆう)
早稲田大学社会科学部に在籍。平和学を専攻。興味分野は報道、教育。
考えるゴリラとしてnoteで執筆中。現在は面白い人へのインタビューを公開中。
Twitter:きのしたゆう@考えるゴリラ
note:考えるゴリラ@早稲田webライター

 

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