サイバーエージェントに就職をした理由

ーーー就活の中では、企業の社会課題への取り組みを重視されましたか?

もちろん意識はしていましたが、当時はそれ以上に自分の力を高められることを軸に判断していました。

具体的には、「若くても挑戦できる、決裁権がもてる」、「経営陣とより近い環境で仕事が出来る」などを主な視点としていました。

ーーーなぜその就活軸をおいたのですか?

「新卒からの3年間は、社会人として働く上でのDNAになる」と先輩から言われたからです。

今の自分にとって必要なのは、社会人として最短で成長できる環境へ身を投じることだと思い、ファーストキャリアとしてサイバーエージェントに就職をすることを決めました。

ーーーサイバーエージェントが軸に合っていたのですね。

そうですね、会社の組織的な面が関係すると思います。

サイバーエージェントは、会社の中で事業それぞれが子会社化されていて、各々の会社に社長がいます。

ですので、事業が生み出されることを常に身近に感じる刺激的な環境でした。

また、社長や役員が身近にいるので、自分の取り組みたいことをすぐに伝えられることも軸に当てはまったのかなと思います。

ーーー就活の中で、将来的に事業を立ち上げることは考えていましたか?

特に考えていたわけではありません。

ただ、「世の中に影響力があって、人に喜んでもらえるものを作り出したい」という思いは持っていましたね。


アニマルライツがきっかけで「食」に取り組む

ーーーサイバーエージェントから転向しようと思った背景は何ですか?

目の前のことで忙しく本当にやりたいことを見失うと感じたので、一度身の回りをゼロにしたいと思いました。

サイバーエージェントはとても働きがいがある素敵な環境だったのですが、いったん手放して環境を整えてみよう!と会社から離れることを決意しました。

ーーー現在の事業に携わるまで、どのような活動をされていましたか?

会社で身につけたスキルを活かしながら、事業作りができる力をつけていきました。

サイバーエージェントは、企業に代わって広報活動を行う広告代理事業を行っています。

そのスキルを活かして、知人の会社立ち上げやマーケティング事業のお手伝いをしていました。

また、夫が飲食店を始めたことをきっかけに、飲食事業にも関わるようになりました。

ーーー様々な事業に携わる中で、「食」に関心を持った原体験を教えてください。

NPO法人「アニマルライツセンター」による講演が大きなきっかけです。

「食」に関わる事業を行う者として勉強をしようと思っていたタイミングで、一般社団法人エシカル協会の末吉さんが主催するイベントをご紹介いただきました。

その中で、アニマルライツセンター代表の岡田さんの講演を聞き、日本と世界での食育の差を知り衝撃を受けました。

例えば、イギリスやフランスではバタリーケージでの鶏の飼育を法律で禁止しているのに対して、日本は90%以上が使用しています。

私たちは、犬や猫が虐待される現状には心を痛めるのに、苦しんで死んでいった鶏や豚などのお肉は、彼らの実情を知らずに食べているのです。

決して肉を食べることが悪なのではなく、そういった背景もあることがあまり「知られていない」ことに問題意識を感じ、「食」に関する社会課題に注力しようと思いました。

*バタリーケージ:ワイヤーでできた金網の中に鶏を入れ、それを連ねて飼育する方式

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 「誰1人取り残さない社会」を目指して