今回は、*ロスパンを全国に届けるECサイト”rebake”を運営する合同会社クアッガ代表の斉藤さんにお話を伺いました。

自然豊かな北海道で生まれ、とあるきっかけから経済と自然環境の問題に関心を持ち始めた斉藤さん。

なんと合同会社クアッガ創業当時は、ロスパンを路上販売していたそうです。

日本の食品ロスの1%程度を減らすという目標を掲げ、新たなサービスにも取り組んでいます。

斉藤さんのこれまでの経歴や食品ロスにかける思い、価値観について伺っています。

*ロスパン:パン屋さんで天候などの影響によってやむを得ず売れ残りまだ食べられるのに廃棄になってしまいそうなパンのこと。味や見た目は普段売られているものとほとんど変わりません。

≫食品ロスとは?フードロスとの違いや日本の現状、取り組む企業を解説

プロフィール

斉藤 優也(さいとう ゆうや)
北海道の農家に生まれ、広大な自然に囲まれて育つ。
幼い頃から環境に対する関心が強く、できるだけ電気を使わない、エレベーターを使わないといった小さな行動を実践していた。
大学から大学院にかけて、生態学や有機農業を学んだが、経済活動と自然維持の両立という二律背反に限界を感じ、経済活動を通じて自然を守る方法を模索し始める。
徹底的なリサーチの末、「ロスパンの予約販売によって、フードロスを削減する」という活動から一歩を踏み出した。

クアッガが行う事業とは?

ーーー現在はどんな活動をされていますか? 

食品ロスを削減する事業を行っています。

主軸の事業は、”rebake”というパンをお取り寄せができるECサイトの運営です。

rebakeでは、毎月数十トンの廃棄になってしまうパンを、全国のパン好きの家庭に割安でお届けしています。

ーーーrebakeのほかにはどんな事業をされていますか?

その他では、グルテンフリーの定期便という事業ですね。

こちらは、小麦アレルギーをお持ちの方でも食べられるグルテンフリーのパンを定期便としてお届けしています。

グルテンフリーを専門で扱っているパン屋は、全国にも100~200店舗しかなく、アレルギー等でお困りの方にご利用いただいております。


きっかけは、車の通らない高速道路

ーーー社会課題に関心を持った原体験やきっかけを教えてください。

生まれ育った自然の中に、高速道路が開通したことがきっかけです。

北海道の農家に生まれ、360度自然に溢れた土地で育ったため、小さいころから生き物や自然がとても大好きな子どもでした。

しかし、小学4年生の時に、高速道路の開通のために実家の農地の半分がなくなってしまいました。

小学生の子どもにとっては、衝撃的な出来事です。

さらに、開通された高速道路はあまり使われることなく、車が通ることは稀でした。

そのような経験から、自然や生態系を保全する考えが経済の流れに組み込まれていないことにとても疑問を持っていました。


経済活動の重要性を知った学生時代

ーーー学生時代はどのようなことを行っていましたか?

大学では、小学生の頃の経験もあり、生態系や環境問題について学び、自然保護の分野で研究職を目指して大学院に進学しました。

そして、大学院では有機農業に関して研究をしていました。しかし、学べば学ぶほど、経済活動をないがしろにしては、自然や生態系が守れないとわかってきたのです。そこで、大学院と同時に農業系ベンチャーで働き始めました。

ーーー「経済活動をないがしろにしては、自然や生態系が守れない」と気づいたきっかけはなんですか?

大学の教授の話がきっかけですね。

生態系保全の業界では、1,2を競うくらい有名な方なのですが、よく経済の話をしていました。

例えば、ある魚の漁獲量が減っており、このままだと絶滅してしまうとします。

そのような場合、教授は漁獲量の制限のため、各漁港に対して以下のように交渉します。

このままだとある魚は絶滅してしまい、結果的に漁師の年収がこのくらい下がってしまうでしょう。

そうならないためには、漁港同士で協力をして漁獲量を下げる必要があります。

一時的に年収は下がってしまいますが、長期的に考えれば損害は少ないです。

つまり、何かを保護することは、同時に誰かの職を奪ってしまう可能性もあるのです。

関係する人たちに納得してもらうには、経済的視点が欠かせません。

このような背景で、大学院に通いながら、ベンチャーでインターンをすることにしました。


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大学院とインターンの両立の日々