2024年2月のCOCOCOLOREARTHには、

・衣類由来の循環型マテリアルを使ったインテリア・ファニチャーの新作発表
・ラオス北部のコーヒー生産を通じた、生産者の生活・栄養改善プロジェクト
・医療的ケア児を育てる母親の「働く」を支える仙台のカフェモデル事業
・障害福祉の通所支援事業所ネットワークを全国85%まで広げたソーシャルフランチャイズ
・ペットボトル由来の糸や生分解性素材を用いたサステナブルシューズの代官山ショップオープン

など、「循環」と「インクルージョン」がキーワードのニュースが並びました。

本記事では、2024年2月にCOCOCOLOREARTHで紹介したすべてのプレスリリースを、テーマ別にダイジェストでご紹介します。

 

◆今月のトピックサマリー

・循環型マテリアルと空間デザイン
・国際協力・コーヒーと生産者支援
・福祉・働き方・地域インフラ
・サステナブルファッション・ショップオープン

の4つの切り口から、2月のニュースを振り返っていきます。

◆循環型マテリアルとインテリア・ファニチャー

・循環型繊維マテリアル PANECO® / nunock「MEET UP PANECO & nunock vol.2」で新作発表(2/1)

※本記事は、モリリン株式会社様からの情報提供で作成しております。

繊維専門商社・モリリン株式会社が、衣類繊維由来の循環型マテリアル「PANECO®」と「nunock」を使ったインテリア・ファニチャーの新作発表会「MEET UP PANECO & nunock vol.2」を開催しました。

PANECO®は、廃棄される衣類を原料としたリサイクルボード。内装材や什器、家具などに加工でき、使用後も再びボードとして再資源化が可能な「循環型繊維リサイクルボード」です。
nunockは、衣類繊維や生地をレンガサイズのブロックに成形したマテリアルで、硬度調整がしやすく、PANECO®では難しかった素材も固めることができます。

展示会では、空間デザイナー・Atelier matic(外山翔)によるチェストやアートピース、パブリックスペースを想定したベンチやシェルフ、株式会社維苑とのプランターなど、「衣類から生まれたマテリアルをどう空間に活かせるか」という具体的なアイデアが多数紹介されました。

「服を売る・着る」で終わらせず、「服を素材として循環させる」という視点を、インテリアの世界にまで広げる取り組みです。

◆国際協力・コーヒーと生産者支援

・坂ノ途中 × 国連WFP × SAFFRON COFFEE「COFFEE-JAPAN」プロジェクト始動(2/19)

※本記事は、株式会社坂ノ途中様からの情報提供で作成しております。

環境負荷の小さな農業を広げることを掲げる株式会社坂ノ途中が、国連WFPと、ラオス北部でコーヒー生産を行うSAFFRON COFFEEと連携。ラオス北部のコーヒー生産支援を通じて、生産者の収入向上と生活・栄養改善を目指す「COFFEE-JAPAN」プロジェクトをスタートしました。

同社はこれまでも、森を伐採せず樹木の間で作物を育てる「アグロフォレストリー」農法でコーヒー栽培を広げ、森林保全と生産者の所得向上に取り組んできました。今回のプロジェクトでは、焼畑農業や大規模プランテーションの拡大で森が失われつつあるラオス北部を対象に、

・コーヒーの生産性・品質向上
・収益性の改善
・農家の栄養状態と生活の向上

を目標とした支援を実施していきます。

「1杯のコーヒーの背景にある、森と生産者の暮らし」を、国際機関と日本企業が一緒に支えていくプロジェクトです。

◆福祉・働き方・地域インフラ

・医療的ケア児をもつ母親6人をカフェスタッフに採用(仙台モデル事業)(2/19-3)

※本記事は、SWC(社会福祉法人)あいの実様からの情報提供で作成しております。

仙台市の社会福祉法人あいの実が、新施設敷地内にオープン予定のカフェで、医療的ケア児を育てる母親6人の採用を決定しました。医療的ケア児の家族は、夜間の介護や外出の難しさから、働くことや社会参加をあきらめざるを得ないケースが多くあります。

あいの実は、自らが運営する福祉施設とカフェを同じ敷地に配置することで、

・子どもの居場所と、母親の就労の場をセットで確保
・体調変化などにも柔軟に対応できるシフト・体制づくり
・カフェを通じた地域住民との自然な交流・啓発

といった「制度に頼るだけでは届きにくい支援」のモデルケースの確立を目指しています。カフェ運営に必要な物品提供や協賛金などで関わるパートナー企業も募集中です。

・障害福祉業界で全国エリアカバー率85%を達成(2/19-4)

※本記事は、デコボコベース株式会社様からの情報提供で作成しております。

「凸凹が活きる社会を創る。」をビジョンに、障害児(者)の経済的自立を支援する通所支援事業所を展開するデコボコベース株式会社が、2024年2月時点で全国エリアカバー率85%(47都道府県中40都道府県)を達成しました。

政令市・中核市など都市部では事業所が10か所以上ある一方で、町村部ではゼロの自治体も約4割あるなど、地域によって支援インフラの格差が大きい障害福祉の現場。同社は、地域の事業者と組む「ソーシャルフランチャイズ」のモデルで事業所を増やし、

・発達障害の特性に応じた就労移行支援
・地方での通所支援の“空白地帯”の解消
・当事者・家族の「ここで暮らし続けたい」を支える選択肢の拡大

に取り組んでいます。

まだ事業所がないエリア(青森・福井・徳島・高知・鳥取・長崎・鹿児島)を中心に、地域のパートナー企業とともにネットワークを広げていく考えです。

◆サステナブルファッション・ショップオープン

・サステナブルシューズブランド「Öffen(オッフェン)」代官山にショップオープン(2/20)

※本記事は、株式会社Norms様からの情報提供で作成しております。

日本発のサステナブルシューズブランド「Öffen(オッフェン)」が、2024年2月14日、東京・代官山エリアに路面店「Öffen the House 代官山店」をオープンしました。

Öffenは、「気軽に履けるオシャレな靴。そして環境に優しい」をテーマに掲げ、次のような特徴を持つブランドです。

・アッパー部分に、使用済みペットボトルから作られたリサイクル糸を使用
・軽量でリバウンド性に優れた、バイオベースの生分解性インソール
・トウモロコシやキャッサバ由来の生分解性プラスチック製シューキーパー
・靴箱をなくし、繰り返し使えるウォッシャブルな再生紙バッグでの梱包

代官山店では、前テナントで使われていた什器や素材をアップサイクルして使用するなど、店舗デザインそのものもサステナブルな工夫が凝らされています。また、オリジナルのオーガニックコットン靴下も発売し、メッセージ入りの刺繍や再利用可能なパッケージなど、「身につける小物」からもエシカルな選択肢を提案しています。

足元からライフスタイル全体へと広がっていくサステナビリティを体感できるショップです。

◆編集部から:2024年2月を振り返って

2024年2月のニュースを通して見えてきたのは、

・衣類やペットボトルなど、これまで“捨てていたもの”を循環させるマテリアル・プロダクト
・ラオスの森と暮らしを守る、コーヒー生産を軸にした国際協力
・医療的ケア児家庭や地方の障害当事者を支える、就労と支援インフラのモデルづくり
・ショップやカフェ、展示会など、日常の延長線上でソーシャルグッドに出会える「場」のデザイン

といった、多様なソーシャルグッドの姿でした。

どの取り組みも、

・展示会やショップ、カフェに足を運ぶ
・プロジェクトの背景を知ったうえで商品を選ぶ
・パートナー企業として参加することを検討する

など、日常の選択や仕事の延長から関わることができます。

「社会にいいを仕事にしたい」「自分のキャリアや事業を、もう少しサステナブルな方向にシフトしたい」と考える人にとって、2024年2月のニュースは、

・循環型素材やサステナブルブランドのつくり方
・国際協力とビジネスをつなぐプロジェクトの組み方
・福祉・就労支援分野での“モデルケース”の作り方

を学べる、濃い1ヶ月だったと言えそうです。

※本記事で紹介したニュースは、各プレスリリースおよび公式情報をもとに、COCOCOLOREARTH編集部が再構成しています。

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