2024年3月のCOCOCOLOREARTHには、
・旅行会社が自社のSDGsの取り組みを「見える化」する特設ページの開設
・無人店舗のリユース子供服屋が、全国の生活困窮家庭に子供服を無料で届けるクラウドファンディング
という、「企業活動」と「市民・子育て支援」の両面からソーシャルグッドを捉えたニュースが集まりました。
本記事では、2024年3月にCOCOCOLOREARTHで紹介したプレスリリースをダイジェストでご紹介します。
◆今月のトピックサマリー
・企業のSDGs取り組みを体系的に発信する「紹介ページ」の開設
・衣服廃棄・物価高・子どもの貧困という複合課題に挑むリユース子供服プロジェクト
の2つの動きを中心に、3月のニュースを振り返っていきます。
◆企業のSDGsへの取り組みを「見える化」
京王観光株式会社 SDGs紹介ページを開設
※本記事は、京王観光株式会社様からの情報提供で作成しております。
京王観光株式会社(本社:東京都多摩市、取締役社長:竹内 健)は、SDGs(持続可能な開発目標)の考え方を事業活動に取り入れ、社会の持続的な発展に貢献していくことを掲げています。
2024年3月、同社は自社のSDGs関連の取り組みをまとめて紹介するホームページを新たに開設しました。
旅行事業部では、地域と連携した「丹波山村SDGs研修プログラム」など、学びと体験を組み合わせたツアー・研修を展開。
保険事業部では、健康セミナーの開催などを通じて、お客さまの健康づくりとリスクマネジメントをサポートしています。
また管理部門では、働きやすい職場環境づくりやダイバーシティ推進など、社内での取り組みも含めて紹介。
「旅行」「保険」「バックオフィス」という異なる部門での実践を一つのページで見える化することで、
・どの事業が、どのSDGs目標に関わっているのか
・具体的にどんなサービス・施策があるのか
を、社内外のステークホルダーに分かりやすく伝える構成になっています。
今後も掲載内容をアップデートしながら、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを強化していく方針です。
◆無人リユース子供服屋「めぐりふく」
全国の生活困窮家庭に子供服を無料で届けるクラウドファンディング
※本記事は、めぐりふく様からの情報提供で作成しております。
「めぐりふく」は、2021年5月に東京都練馬区・江古田の商店街「江古田ゆうゆうロード」にオープンした、日本初の完全無人店舗のリユース子供服屋さんです。
店員のいない無人店舗にすることで人件費を抑え、子育て家庭が手に取りやすい価格で子供服を販売。
地域の方々から毎日のように寄付される洋服やおもちゃを、券売機や電子マネーで気軽に購入できるお店として運営してきました。
店舗を運営するオーナー自身も4人の子どもを育てるワーキングママ。
子ども服のおさがり文化が薄れ、忙しい保護者ほど「おさがりが回ってこない」「フリマアプリを使う余裕もない」といった声を聞くなかで、
・まだ着られる子供服が安く手に入る場
・思い出の詰まった服を誰かに着てもらえる場
として「めぐりふく」を立ち上げました。
環境省の調査では、家庭で使い終わった衣服のうち、リサイクル・再利用されるのは全体の3割ほどにとどまり、約66%がそのまま廃棄されているとされています。
一方で、日本の子どもの約9人に1人が相対的貧困状態にあるとも言われており、物価高のなかで子ども服にかけられるお金を切り詰めざるを得ない家庭も少なくありません。
こうした背景から、「めぐりふく」は全国の生活困窮家庭にリユース子供服を無料で届けるクラウドファンディング「めぐりふくプロジェクト」をスタートしました。
プロジェクトでは、
・全国200世帯の子育て家庭に、1世帯あたり子供服10枚(合計2,000枚)を無料で発送
・児童支援団体やフードバンクなどと連携して、必要とする家庭へ届ける
・リユース子供服の流通量を増やし、衣類廃棄の削減につなげる
ことを目指しています。
リターンは、御礼メールのみの「シンプル応援プラン」と、活動報告PDF・HPやインスタでの名前掲載・レター同梱などがセットになった「特別協賛プラン」の2種類。
企業・個人どちらも参加しやすい設計で、「子供服を捨てずに必要な家庭へ届ける」循環を一緒につくっていくプロジェクトです。
無人店舗の仕組みで日常的なリユースを広げながら、クラウドファンディングを通じて、地域を越えて全国の子どもたちにも洋服を届ける──
小さなお店の取り組みが、環境問題と子どもの貧困という2つの社会課題に同時にアプローチしようとしています。
◆編集部から:2024年3月を振り返って
2024年3月のニュースから見えてきたのは、
・企業が自社のSDGsの取り組みを整理・発信し、「どこで・何に貢献しているか」を社内外に開いていく動き
・市民発の小さなリユースショップが、クラウドファンディングを通じて全国規模の支援プロジェクトへと歩みを進める動き
という、規模も立場も違う2つのソーシャルグッドの姿でした。
どちらにも共通しているのは、
・自分たちがすでにやってきた取り組みを「見える化」し、きちんと伝えること
・そのうえで、より多くの人や地域を巻き込む次のステップに踏み出していること
です。
読者一人ひとりにとっても、
・企業のSDGsページをチェックしながら「どんなサービスで社会に貢献しているのか」を知る
・クラウドファンディングに参加したり、情報をシェアすることで、子ども服の循環を広げる仲間になる
といった、小さなアクションから関わることができます。
2024年3月のニュースが、
「自分の会社やお店の取り組みをどう見える化するか」
「身近なリユースから、誰かの暮らしを支える仕組みをどうつくるか」
を考えるきっかけになればうれしいです。
※本記事で紹介したニュースは、各プレスリリースおよび公式情報をもとに、COCOCOLOREARTH編集部が再構成しています。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
