2024年10月のCOCOCOLOREARTHには、
・第50回衆議院議員選挙(2024年10月27日実施)を前にした「SDGsに関する政党アンケート」の結果公開
・ファッションブランドABAHOUSEによる、自社製品の回収と公式リユース販売プロジェクトのスタート
という、「政治×SDGs」と「ファッション×サーキュラーエコノミー」に関するニュースが届きました。
本記事では、2024年10月にCOCOCOLOREARTHで紹介したプレスリリースをダイジェストでご紹介します。
◆今月のトピックサマリー
・政党がSDGsをどう位置づけているかを可視化した「政党アンケート」
・自社ブランド横断の公式リユースプロジェクトを通じて、服の循環を後押しするABAHOUSEの取り組み
の2つの動きを中心に、10月のニュースを振り返っていきます。
◆SDGsに関する政党アンケート結果を公開
第50回衆議院議員選挙を前に、SDGsジャパンが実施
※本記事は、一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク様からの情報提供で作成しております。
一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(通称:SDGsジャパン)は、2024年10月27日に行われる第50回衆議院議員選挙を前に、「SDGsに関する政党アンケート」を実施。その結果の一部を公表しました。
アンケートの対象は、総務省「政党・政治団体一覧」に掲載されている10の政党です。
・自由民主党
・立憲民主党
・日本維新の会
・公明党
・日本共産党
・国民民主党
・れいわ新選組
・社会民主党
・参政党
・みんなでつくる党
このうち、2024年10月17日までに回答があったのは、
・自由民主党
・立憲民主党
・日本維新の会
・公明党
・日本共産党
・国民民主党
・れいわ新選組
・社会民主党
の8党です(未回答の政党については、回答が届き次第、順次公開予定とされています)。
アンケートの概要は以下の通りです。
・アンケート名:「SDGsに関する政党アンケート」
・実施期間:2024年10月2日〜17日
・質問数:全8問(うち7問は選択式)
・回答方法:アンケート用紙およびGoogleフォームを使用
主な質問内容は、
・党内にSDGsに関する委員会や組織を設置しているか
・多様なステークホルダーとの意見交換の場の有無
・政府のSDGs推進施策の把握・評価の状況
・国会でのSDGs関連質問や、分野横断的な法案づくりへの取り組み
・衆院選の争点として優先する分野(政治資金問題、経済対策、社会保障、子育て・教育、環境・エネルギー、ジェンダー平等など)
・2030年まで/2030年以降のSDGsの位置づけに関する考え方
・SDGs達成に向けた追加的なコメント
など、多岐にわたります。
回答結果を見ると、多くの政党が、
・党内にSDGs関連の体制を持ち、政策質問などを通じて取り組もうとしていること
・衆院選の争点として「政治資金問題」「経済対策」を重視しつつ、党によっては「社会保障・医療・福祉」「子育て・教育」「環境・エネルギー」「ジェンダー平等」などを前面に掲げていること
・2030年までのSDGs推進や、その先のポストSDGsに向けて、法制度や推進体制、財源確保の必要性を認識していること
が読み取れます。
同時に、一部の政党からは、
・核兵器廃絶や平和構築を重視する視点
・格差・貧困や気候危機、ジェンダー平等といったテーマへの優先度
・ODAや国際連帯税、若者の主体的な参加などを通じた国内外の取り組みの強化
といった、SDGsをどう捉え、どんなアプローチで進めるかに関する具体的なコメントも寄せられています。
各党の違いを「点数化」するものではなく、
・どの政党が、SDGsをどう理解し、どう位置づけているのか
・2030年・その先に向けて、どのような方向性を持っているのか
を、有権者が判断するための材料を提供するアンケートと言えます。
◆ABAHOUSE公式リユースプロジェクトが始動
自社製品の回収とポイント還元で、服の循環を促進
※本記事は、株式会社アバハウスインターナショナル様からの情報提供で作成しております。
メンズ・レディスウェアや服飾雑貨の企画・製造・販売を行う株式会社アバハウスインターナショナル(東京都渋谷区、代表取締役社長:水上雄一郎)は、2024年10月18日(金)から、自社オンラインストア「ABAHOUSE INTERNATIONAL ONLINE STORE」で「ABAHOUSE公式リユースプロジェクト」をスタートしました。
このプロジェクトは、
・ABAHOUSEグループ各ブランドで購入したものの、着用機会が少なくなったアイテムを、送料無料の宅配サービスで回収
・1点ずつ状態を検品・査定
・リユース可能なアイテムは丁寧にメンテナンスしたうえで、「貴重な一点もの」として再販売
することで、ABAHOUSEの服が次の持ち主へと受け継がれ、より長く使われることを目指す取り組みです。
プロジェクトの概要は次の通りです。
・実施期間:2024年10月18日(金)~11月10日(日)
・対象ブランド:
ABAHOUSE / ABAHOUSE GRAY / 5351POUR LES HOMMES / DESIGNWORKS / Rouge vif la cle / THE STORE by C’ / qualite / NOMINE / LOWELL Things / abahouse mavie など、アバハウスインターナショナルが製造した商品
・対象カテゴリー:
品質表示タグのあるトップス、アウター、パンツ、スカート、ジャケット・スーツ、ワンピース・ドレス、バッグ など
シューズや小物、名入れアイテム、修復不能な汚れ・破れ・ニオイがあるものなどは対象外とされています。
利用の流れは、
-
専用フォームから申し込み(宅配キットが送付される)
-
手元のアイテムを宅配キットに入れて発送
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査定結果をメールで受け取り、アイテムごとに「買取可否」を選択
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合計買取金額が1万円以上の場合は本人確認を実施
-
買取承諾後、ABAHOUSE MEMBERS CLUBポイントとして還元
という5ステップです。
買取が成立した場合、金額分のポイントがABAHOUSE MEMBERS CLUBのポイントとして付与され、アバハウスインターナショナルの直営店舗やオンラインストアで利用できます(ポイント有効期限は1年間)。
プロジェクトの基盤システムには、Free Standard株式会社が提供するリコマースオペレーティングシステム「Retailor(リテーラー)」を採用。メーカーやブランドが自社EC上にリユース機能を実装し、商品の回収からメンテナンス、撮影・登録・再販売までを一貫して行えるようにする仕組みです。
ABAHOUSEは、こうした公式リユースを通じて、
・自社製品が1回きりの消費で終わらず、“次の誰か”のもとで再び活躍すること
・服の廃棄量を減らし、ファッション業界全体の環境負荷軽減に貢献すること
・「気に入って買ったけれど着なくなった服」を、ブランドとお客様が一緒に循環させる文化を育てること
を目指しています。
◆編集部から:2024年10月を振り返って
2024年10月のニュースを通して見えてきたのは、
・政党ごとのSDGsへの向き合い方や、2030年/ポスト2030をどう見据えているかを可視化しようとする市民社会側の動き
・自社ブランドの顧客コミュニティを活かしながら、「回収 → メンテナンス → 再販売 → ポイント還元」という循環をつくるファッションブランドの挑戦
という、まったく異なるフィールドからの「持続可能性へのアプローチ」でした。
どちらの取り組みにも共通しているのは、
・“透明性”を高めることで、より多くの人が参加しやすくすること
・一度きりではなく、「これからも続いていく仕組み」として設計していること
です。
読者一人ひとりにとっても、
・政党アンケートの内容を読み込み、「自分は何を重視するのか」を考えたうえで投票に行く
・クローゼットの中を見直し、ブランド公式のリユースプロジェクトや中古・リメイクなど「服の第二の人生」を選択肢に入れてみる
といったアクションから、今月のニュースと関わることができます。
※本記事で紹介したニュースは、各プレスリリースおよび公式情報をもとに、COCOCOLOREARTH編集部が再構成しています。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
