大切にしている想い

ーーー働く中で大切にしている想いを教えてください。

自分が現地の方々の聞き役となり、彼らのサポートに積極的に感謝を示すことです。

スーダンは政情も不安定で経済状況も悪い。

さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で現地スタッフへの負担は図り知れません。

その一方で、彼らのマネージャーとなる外国人スタッフは2、3年で入れ替わります。

このように様々なストレスがかかる状況下なので、常にサポートを怠らず、感謝を言葉にして示すことを日々心掛けています。

ーーー今の活動をしていて必要だと感じたスキルを教えてください。

2つあります。

1つは、精神的・身体的なタフさです。

スーダンは昨年10月にクーデターが起こったばかりで、市民によるデモが日常の一部となっており、いつ何が起こるか分からないという不安な気持ち、またインフラの未整備や夏場は50度に届くほどの気温で身体的な負担もあります。

だからこそ、「疲れたな」と感じたら積極的に休むことを心がけています。

2つ目は、人の話を聞くことです。

前職のコンサル時代も口を酸っぱくして言われていたことですが、国連での経験を積む中で同僚や受益者の方々の話に耳を傾けることの大切さを改めて感じます。これから何に取り組む時でも、大切にしたいですね。


これからの目標

ーーー理想とする社会となぜそこに関わりたいのかを、教えてください。

「小さな声を聞くことができる社会」が私の理想です。

お客様相談センターの仕事を通じて感じるのは、「1人1人の声を反映させる難しさ」です。

国連は大きな組織だからこそ、数でみるとたくさんの人を支援できています。

しかし、個々人の声に耳を傾けると支援が十分ではなく、声を拾って良い変化に繋げられる環境や強いシステムの必要性を痛感します。

社会や文化的背景によって制限を受ける人種的、性的マイノリティ、お年寄り、女性、子ども、紛争や災害などの影響を受けた人々などの声がどんなに小さくても、当たり前のように社会に反映されることに貢献したいですね。

ーーー今後の目標を教えてください。

いつか自分のプロジェクトを持つことです。

国連という大きな看板を背負っていると説明をせずとも信頼される安心感や、大きな組織ならではの安定感を享受をしていると感じます。

その一方で、私は小さい規模でも能動的に何かを造り出したり、本当に支援の必要な人に対してよりよい人生を実現できるお手伝いをより近い場所ですることも関心の1つです。

NGO や青年海外協力隊に所属する友人から、現地の方との個々の繋がりについての話しを聞くと、人間同士の対話を持っていること、そこからニーズを拾い上げて伴走する姿に羨ましさを感じます。

私も、そのような小さな声に耳を傾けながら、人々が本来備えている能力を最大限活かすためのお手伝いをより直接的にしたいと思うので、組織名にはとらわれず、社会起業でもNPOでも自分が最も納得できる方法を見つけ、いつか自分のプロジェクトを立ち上げられたらいいなと思っています。

ーーー最後に社会課題の道を志す学生へメッセージをお願いします。

どんどん悩んで、相談して、足を動かして現場を見に行ってください。

将来何をするか、どうやって実行するかなど悩みは尽きないかもしれませんが、悩むことは悪いことではありません。

とことん考えて、気になる人に連絡を取って相談して、できれば興味があるかもしれない活動の現場に足を運ぶことで、次の扉が開くと思います。

後は、自分の心に従うこともぜひ心がけてくださいね。

みなさんが希望する道に進めることを応援しています。