現在の日本においては原則として夫婦同姓が義務付けられていますが、夫婦別姓のメリットやデメリットを知らない方も多いのではないでしょうか。

日本でも選択的夫婦別性制度が認められるように動きがありますが、それでも現状は夫婦別姓が認められてないのです。

そこで、本記事では夫婦別姓のメリット・デメリットを中心にご紹介していきます。

日本では、法律上夫婦別姓が認められていない

現状の日本で結婚をする場合において夫婦別姓は認められておらず、婚姻届を提出するときに男女どちらかが一方の姓に変更しなくてはいけません。

これは、民法750条で定められており、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」という内容をもとにして作られた、戸籍法74条及び14条1項においても夫婦の姓が同じであることが前提として戸籍を作成することが決められています。

それでは、日本において夫婦別姓でいる方法や夫婦別姓が認められている国はどこなのでしょうか。

それぞれについて詳しくご紹介していきます。

日本人が夫婦別姓でいる方法

先ほどもお伝えした通り、日本では原則として夫婦別姓が認められていませんので、婚姻届を提出して結婚をする場合は夫婦別姓でいることはできません。

夫婦別姓であることを明記して原則と例外を明確にすることで夫婦のそれぞれが結婚前の姓を名乗ることのできる「例外的夫婦別姓」という仕組みがありますが、それでも夫婦同姓が原則となっているため、完全に夫婦別姓というわけではないのです。

つまり、日本において完全に夫婦別姓でいるためには、婚姻届を提出せずに結婚生活を送るいわゆる「事実婚」しかありません。

ただし、事実婚を選択すると税金や補助金などを受け取れない場合があるため注意が必要です。

結婚と事実婚の違いについては、下記のURLをチェックしてみてください。

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夫婦別姓が認められている国は?

日本では現在までの長い期間にわたって夫婦同姓が義務付けられていますが、世界的にみてみると日本のように夫婦同姓を義務付けている国はほとんどありません。

選択的夫婦別姓が認められている主な国として、アメリカやイギリス、ドイツ、ロシアなどがあります。そもそもアメリカでは夫婦の姓を規定する法律は存在せず、ヨーロッパでもイギリス・ベルギーなどには夫婦の姓を規定する法律は存在しないのです。

アジアを見てみると中国・韓国・台湾・シンガポールなどは原則として夫婦別姓です。

ほかの国を見てみても、夫婦同姓を法律で規定している国はほとんどありません。


夫婦別姓に関する世論調査

法務省が行った令和3年実施の「家族の法制に関する世論調査では、以下のような傾向がみられました。

  • 現在の夫婦同姓制度をそのまま続けるべきだと考える人は27.0%。
  • 現行の夫婦同姓制度を続けつつ、旧姓を通称として使用する新たな法制度を設けるべきだと考える人は42.2%。
  • 夫婦が別々の名字を選べる選択的夫婦別制度を導入すべきだと考える人は28.9%。

この調査結果から、多くの人が何らかの形で現行制度の改善や変更を望んでいることがわかります。


夫婦別姓のメリットは?

夫婦別姓のメリットをご紹介していきます。

  • 手続きがラクになる
  • 結婚歴が戸籍上残らない
  • 男女平等な世界を実現できる

手続きがラクになる

夫婦別姓は姓を変更する必要がなくなるため、運転免許証や保険証、パスポート、銀行口座、マイナンバーカードなどの各種名義変更の手続きが不要になります。

結婚歴が戸籍上残らない

夫婦別姓の場合、結婚のときや離婚をした場合であっても戸籍上の姓は変わりませんので、職場や友人からみても変化がありませんし、戸籍上をみても結婚歴や離婚歴が残りません。

男女平等な世界を実現できる

日本の夫婦同姓では、昔からの名残りで女性が男性の姓に変更されることが一般的ですが、女性の中にはそのような慣習だからと半強制的に姓を変更している場合もあるでしょう。

夫婦別姓になればそのようなストレスを抱えることなく男女平等な世界を実現することができます。


夫婦別姓のデメリット・問題点は?

ここでは、現状で夫婦別姓を取った場合(事実婚)のデメリットを2つご紹介します。

  • 子どもが非嫡出子の扱いになる
  • 補助金や税金優遇を受けられない

子どもが非嫡出子の扱いになる

夫婦同姓の場合は夫婦の間に生まれた子どもは「嫡出子(ちゃくしゅつし)」という扱いになり法律的にも父子関係が成立しますが、夫婦別姓の場合は「非嫡出子」となるため別途手続きをしないと法律的に父子関係が認められません。

補助金や税金優遇を受けられない

事実婚で夫婦別姓を名乗る場合、所得税の配偶者控除や配偶者特別控除などの税的優遇や子どもが生まれたときの補助金などを受けられない場合もあります。

将来的に夫婦別姓で法的に結婚ができるようになった場合も、相続・税制等の周辺制度において夫婦別姓に対応した改正が行われることや、周囲の理解を得られるまでに時間を要する可能性があります。

そのため、選択的夫婦別制度による結婚において、上述のような不都合が生じる可能性はデメリットとなり得ます。

夫婦別姓が求められる理由

日本において夫婦別姓が求められている理由はさまざまですが、女性の社会進出の障害となることや手続きが面倒になることから結婚の障害になることなどが問題視されるされています。

さらに、それだけではなく男女平等を掲げている憲法に違反しているという声も多数あがっています。

このような問題点から、海外のように選択的夫婦別制度を導入するべきと最高裁にも訴えられる事例もあるのです。


日本ではいつから変わる?選択的夫婦別姓制度

日本では、昔から選択制夫婦別姓制度を導入するべきと言われ続けていますが、「家族という一つの集団を外に示し、識別するため」「嫡出子であることを示すため」「個人が家族という集団を実感するため」という3つの問題点から民放改定に踏み切れないことを最高裁判所が示しています。

ただし、世界的に見ても夫婦別姓を認める動きが進んでいることからも、夫婦が望む場合には、選択的夫婦別姓が認められる日は近づいていると言えるでしょう。

日本や海外の現状を知って、夫婦別姓のメリットを考えよう!

本記事では夫婦別姓のメリット・デメリットを中心にご紹介していきました。

夫婦別姓はメリットも多いですが、日本においての夫婦別姓はデメリットもあるため、慎重に選択するようにしましょう。

【参考文献】
法務省:選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について


よくある質問[一問一答]

夫婦別姓のメリットは?

夫婦別姓のメリットは、各種手続きがラクになること・結婚歴が戸籍に残らないこと・男女平等な世界が実現できることなどです。

夫婦別姓のデメリットは?

夫婦別姓のデメリットは、子どもが非嫡出子の扱いになること・税金などの優遇を受けることができないことです。