EdTechと聞いて、AIやタブレットを使った学習のこと?と思った方、いまや世界のトレンドワードであるEdTechはしっかりおさえてください!

この記事を読めばEdTechの意味から日本、世界の状況までポイントを把握できます。

エドテックに取り組む企業10選!就職・転職におすすめの大企業からベンチャー

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EdTech(エドテック)とは

 

EdTech(エドテック)とは、教育市場や現場にイノベーションを起こすような、新しいビジネス、サービス、スタートアップ企業などの総称です。

語源は、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語です。

AI、IoT、5Gなどの先進技術をもって第4次産業革命ともいわれる現在、クリーンテックフェムテック、アグリテックなど、あらゆる産業でイノベーションが起きています。

既存産業に新たなビジネス・サービスが生まれ、新たな価値が創造されていることを「X-tech」と呼び、その教育領域が「EdTech」なのです。

EdTechは、教育格差の是正や情報化社会への適応といった社会課題の解決が期待でき、世界中の大企業からベンチャー、NGOやNPOなど様々な団体が参画しています。


EdTech(エドテック)のはじまりはアメリカ

2008年ごろのアメリカで、Massive Open Online Course(通常MOOC)というサービスが生まれました。

インターネットがあれば誰でも無償で、ハーバード大学やスタンフォード大学といった大学の講義を受けることができ、教育格差の是正につながる画期的な仕組みでした。

このMOOC型サービスは2012年頃には世界中に普及し、「教育の民主化革命」ともいわれています。


EdTech(エドテック)の市場規模

2021年の世界のEdTech(エドテック)市場規模は1,687億5,000万米ドルに達しました。

2015年からこれまでの全世界のEdTech関連市場は、平均成長率18.3%と毎年順調に伸びており、2025年には38兆円超になると予測されています。

参考:JETRO;EdTech市場レポート
   EdTech市場:世界の産業動向、シェア、規模、成長、機会、2023-2028年予測

とくに活発な地域は、「中国」「アメリカ」「インド」で、この3国だけで全世界のVC投資の80%以上を占めています。


日本政府のEdTech(エドテック)の取り組み

ここでは、日本政府のEdTech(エドテック)の取り組みとして、文部科学省のGIGAスクール構想、経済産業省の「未来の教室」事業、総務省の動きをご紹介します。

文部科学省主導の取り組み

学校教育を所管する文部科学省では、2018年に「Society5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」と題して教育の方向性がまとめられ、政策の柱として以下3つが掲げられました。

・遠隔教育の推進による先進的な教育の実現

・先端技術の導入による教師の授業支援

・先端技術の活用のための環境整備

「これからの時代を生きていく上で基盤となる言語能力や情報活用能力、AI 活用の前提となる数学的思考力をはじめとした資質・能力の育成につながる教育が必要不可欠である」と示されています。

この方向性は「GIGAスクール構想」としてまとめられ、「1人1人に個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現」が推進されています。

子供1人1台端末と高速通信ネットワークの整備を進めるため、4600億円の補正予算も組まれました。

現在、全国の市区町村においてタブレット端末や高速ネットワークの整備が急ピッチで進められています。

参考:GIGAスクール構想の実現について

経済産業省主導の取り組み

民間の教育事業者を所管する経済産業省では、2018年に「『未来の教室』とEdTech研究会」が創設され、日本の学校教育や企業研修等の目指すべき姿と、それに必要なEdTechの開発、導入に向けた課題や対策が検討されてきました。

2018年度から実証事業もスタートし、2023年11月現在で175の事業が登録されています。

対象は初等、中等、高等、就学前、リカレント(社会人)と幅広く、様々な企業や団体が未来の教育を試行しています。

参考:「未来の教室」実証事業

また、近年とくに注目を集めているテーマ「STEAM」について、デジタルコンテンツライブラリーを立ち上げています。

「STEAM」とは、科学・技術・工学・芸術・数学の5つの英単語の頭文字を組み合わせた造語です。

このまったく新しい教科横断的なテーマを扱うことは現場教員にとってハードルが高く、授業実践が難しいのが課題でした。

このライブラリーでは動画で実践イメージをつかむことができ、必要なコンテンツはDLしてそのまま授業に使用可能となっており、学校現場での活用が期待されます。

参考:STEAMライブラリー

総務省主導の取り組み

総務省では、「Society5.0」へ向けたICT関連の環境整備を担っており、通知表をつけるなど教職員が利用する校務系システムと、児童生徒も利用する授業・学習系システムとのデータ連携方法などが検討されています。

「スマートスクール・プラットフォーム実証事業」を文部科学省とともに取り組んでいる他、教育現場でのクラウド活用を議論する有識者会合を立ち上げるなど、環境整備が進められています。

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今後注目のEdTech(エドテック)に取り組む企業3選

今後注目のEdTech(エドテック)に取り組む企業を3社紹介します。

atama plus株式会社 ~AI×人間の先生~

https://corp.atama.plus/

塾や予備校向けにAIを用いた学習システムを提供しているベンチャー企業で、2020年度の日本e-Learning大賞を受賞しています。

AIを活用し、1人1人に合わせた「自分専用カリキュラム」を提供し、無駄のない効果的な学習ができることが強みです。

累計数百万時間・1億問以上の膨大な学習データを基に、カリキュラムを精度高く個別最適化できることが他社との圧倒的な差別化ポイントです。

目指しているのは成績向上だけでなく、基礎学力を最短で身につけ、その増えた時間で社会でいきる力を伸ばすことを掲げています。日本の教育の進化を担う大注目企業です。

ワンダーラボ株式会社 ~子どもたちから知的なワクワクを引き出す~

https://wonderlabedu.com/

毎年算数オリンピックの問題制作に携わり、算数数学が大好きなCEOが2014年に設立したベンチャー企業です。

図形などを用いて、思考力を楽しく身につけることができる知育教材アプリ「Think!Think!」は、iOS、Androidの両プラットフォームでダウンロード1位を記録、ユーザーは100万人を突破しています。

Google Play Awardをはじめ、日本e-learning大賞など受賞歴も多く、公立学校の朝学習などにも取り入れられています。

新たにSTEAM教育分野の通信教育サービス「WonderBox」をリリースするなど、新しい学びを提供する大注目企業です。

Udemy ~社会人の学び~

https://www.udemy.com/ja/

米国法人Udemy,Inc.が運営するオンライン教育プラットフォームで、講座数は100,000以上と世界最大級を誇ります。

教えたい人が自由に講座を開講し、個人は購入した講座をいつでもどこでも何度でも勉強が可能です。

テーマはプログラミングや動画編集といったビジネススキルから、ヨガや写真といった趣味領域に至るまで幅広く、社員研修用に法人契約を結ぶ企業も増えています。

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さいごに

直近ではコロナ禍の影響もあり、遠隔授業などリモート学習が身近になりました。

また、AI技術も実用化が進んでいます。こうした技術革新に乗り遅れることなく、積極的に活用して自身の可能性を最大限広げていきたいですね。

ただ、これらはあくまでも教育のツールであり手法の変化です。とくに日本はこれから超高齢化社会そして人口減少を迎え、手探りで前例のない課題を解決していかなければなりません。

大切なのは、EdTechを通じて目指すべき姿に到達すること、教育の内容、質に革新がもたらされることです。

EdTechの目的を見失わずに取り組みを続けて、次の世代により良い日本、世界を残していきましょう。

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