最近、世界一と言われることもあるオランダの教育。

そんなオランダ教育について、わかりやすく事例とともに紹介します。

この記事の目的

・オランダの教育制度・共生教育を学ぶ

・教育を理解し、日本の今後の多文化共生社会のあり方や、文化の異なる人が共存するための糸口を考える

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オランダの基本情報

オランダの基本情報を解説します。

人口:1708万人(日本人口の1/10)
面積:42,510 km²(おおよそ九州)
人口密度:410人
主な産業:サービス産業(金融、流通)、製造業(食品、化学)

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オランダの教育システム

オランダの教育システムについて解説します。

全体像

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引用:https://sekai-ju.com/life/nld/culture/4271/

オランダ教育は、3つの構成に分かれています。

12歳と早い段階で将来の選択を迫られる特徴を持っていますが、転校を認める文化も浸透しています。

また、3つのどちらに進学をしても学歴の格差はほとんどなく、その子が何になりたいかを尊重されています。

VMBO:通常の教育だけでなく職業訓練の教育も行われる。MBOに進学して職業教育を受けることができる。

HAVO:授業は大学進学や医師、弁護士などの高度な専門的教育が行われている。卒業後に、HBOに進学して専門職の職業教育を受けることができる。

 VWO:大学進学に向けての準備をするための教育が行われている。卒業後に、WOに進学して学士号を取得することができる。

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幅広い選択肢:100校あれば100通りの教育がある

1校1校に教育理念を持ち独自の教育を行っています。

・様々な道具を使って、創造性を育む教育
・異なる年齢の子ども達が一緒に学ぶ教育
・その日の学びは子ども達の興味関心から決めて、その場で学習内容を決める教育

具体例を2つ紹介します。

①イエナプラン
②モンテッソーリ教育

①イエナプラン

異年齢混合学級を取り入れており、生徒同士で教えあうことができます。

また、輪を作って話し合う事を重視した教育で、日常会話の中で出てきた話題を元に授業を展開しています。

②モンテッソーリ教育

様々な教材を使って創造性を育む学習し、先生から「習う」のではなく、子どもが自ら「発見」して学びます。

学習進度は子どもによって違うため、個別の進度に従って相応しい学びのサポートをするのが教師の役目です。

選択の自由

入学前に親がブックレットを見て子どもに受けさせたい様々な教育を選択することができます。

その後も自由に転校可能で、転校を認める文化が根付いています。

安価な費用

5歳〜16歳の間は完全義務教育です。

義務教育の間は私立・公立問わず無料。

つまり、イエナプランもモンテッソーリ教育もなんでも無料で受けられます。

憲法23条

このような制度が可能になっているのは、憲法23条の影響が大きいです。

教育費無料」、「学校における教育方針の自由」、「学校における宗教・信条の自由」が保証されています。


オランダの共生教育

まず、前提として共生の定義を見ていきましょう。

共生の定義:同化ではなく共存移民が、既存の伝統的オランダ社会 に一方的に同化することが求められるのではなく、自分の母文化を維持し、自身のアイデンティティ を積極的に持ち続けることで、初めてオランダ市民として社会に統合することが可能になるという考えである。

そのため、言語教育を重視しています。

〇言語教育をベースの教育の事例としてオランダ語補習校(ISK)があります。

オランダ語補習校(ISK)は、オランダ語をまったく話せない外国人移住者や難民向けで、独立した学校ではなく、教育プログラムの一つです。

オランダ語補習校(ISK)を取り入れている学校を2つ紹介します。

①Edith Stein College

公立中等教育学校カリキュラムとして週12時間のオランダ語補習校の授業が行われています。

通常のクラス受講で求められるオランダ語習熟度に達するまでには、平均で約1年ほどかかります。

受講して1年が過ぎた生徒たちは、通常のクラスに移動または受講することが許される仕組みです。

求められるオランダ語習熟度に達せず、受講してから2年が過ぎる生徒に対しては、学校側が別の道(別の異なる学校)を模索するシステムもあります。

生徒たちのバックグラウンドは様々であり、世界中のオランダ大使館職員の子どもや難民でオランダに移住してきた子どもたちが年齢に関係なく一緒のクラスで勉強しています。

②Parkschool

98%が移民・難民の学校です。

他の学校との複合施設で図書館や体育館、グラウンドはシェアしています。

オランダ語のサポートが手厚く、ルールに対しての教育をしています。

「ルール」とは「守らなければいけないもの」ではなく、「物事の道理」というニュアンスの方が近く、良い面、悪い面両方を伝えた上で、選択肢を与えています。

校長先生が大切にしていること「対立があるのは当たり前」です。

そもそも色んな文化の異なる人が居たら、摩擦は起きないわけがない。

それらがあるのは当たり前。

大事なのは、摩擦が起きた時に、その場でみんなで話し合い、どうすれば解決できるのかを考え合うことです。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

日本とは多く異なり自由度も高い教育でしたね。

オランダがこのような教育制度になった背景には、歴史的要因が大きく関わっています。

また、日本とオランダの教育を比べると、日本のほうが劣っていると思われるかもしれません。

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しかし、一概に劣っているとも言い切れないようです。

どこの国の教育にもメリット・デメリットがあり一面だけでなくあらゆる方向から考えることが大切です。

―――日本の教育はよく時代遅れと言われますが、どう感じていますか? 
実は日本の教育はすごくレベルが高いです。
学力という視点ではなく、「ものを考える力」と「他人を思いやる精神」がすごいと思います。
そういった精神がないと、いくら知識があっても、実際には行動に移せません。
だから、クールな頭と温かい心の両方が必要です。
この2つが結びついて、発信力になる。
そこは日本のすごくいい部分だと思います。
実際、日本では、家庭教育や学校の課外活動、地域のクラブなど、いわゆる学校教育のカリキュラム外での学びの文化があります。
ESDを本当に推進させるためには、学校のカリキュラムだけではなく、その非慣習的な文化を手厚くすることが重要だと感じます。
日本人には、当たり前のことでも、世界では違う。
私は、もっと日本人1人1人が発信者になって、日本の良い所を発信していって欲しいです。
ジャーナリストから国際機関へ就職!?異例の経歴を持つ彼女が語る日本の教育〜UNESCO 斎藤珠里さん〜

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