今回インタビューさせて頂いたのは大分市で障がい者支援事業を行う今長学さん。
第2弾では今長さんの人生観を大きく変えることになったインドでの経験をお届けします!
今長さんが見たインドの姿とは?どのように人生観が変わったのか。
インド時代のご経験をお伺いしました。
今長学(いまながまなぶ)
大学卒業後、ガリバーインターナショナル(現IDOM社)に入社。
店舗での営業、本社でのマーケティング・広報・アナリストなど経験を経て、インド現地法人Ylem Infotech Pvt. Ltd.に入社。ネット事業責任者として従事。
その後2016年大分市にExist Japan株式会社設立。
障害者支援のソーシャルビジネスを開始する。
現在は大分県公認クラウドファンディング、SNSアドバイザーとして、世の中の社会問題を解決するソーシャルデザイナーとして活動も行っている。
インドへの渡航
ーーー日本で働いた後、インドの現地法人に転職されたとのことですが、きっかけは何だったのですか。
ガリバーインターナショナルに入社して現場で3年、本社で4年働きました。
30歳になり、これからのキャリアに関してこれでいいのかなと思っていた時に、「そういえば起業したかったな」と思いました。
理由はお金持ちになりたかったからです(笑)
ーーー意外ですね(笑)
高級車乗り回したいとか、銀座で豪遊したいとか、そういう動機です(笑)
お金持ちになりたいなら、日本よりもインドや中国のような人口の多い場所でビジネスする方が良いと思い、親日国で英語にも長けていてITが盛んなインドに興味を持ちました。
たまたまインドの現地法人の求人があったので応募して、インドで働くことになりました。
ーーー縁もゆかりもないインドに行くことに不安はなかったのですか。
ちょっと怖かったですね。
犯罪が多い、野蛮な国であるイメージがありましたし。
ーーー私もインドに対しては少し怖いイメージがあります。実際に行ってみてどうでしたか。
行ってみると、とても良いところでした。
むしろ日本よりも良いなと思いました。
私が行った場所は、人が優しくて、治安も良くて、自然がいっぱいです。
日本人が持っているインドのイメージとは真逆で、驚きでした。
ーーーインドの実際の姿は今長さんの中で衝撃的だったのですね。特に一番驚いたことは何ですか。
インド人は心が豊かだということです。
私が行った場所は、田舎で洗濯機もコンビニもないような場所でした。
洗濯は未だに手洗いだし、食器は川で洗っているし。
とても不自由ですよね。
ーーーそうですね。日本と比べたら物質的には豊かではない印象ですね。
そうなんですよ。
日本は物質的な不自由はあまりないですよね。
でも、まだまだ生活が不自由そうに見えるインド人の方が目がキラキラで、のびのびワクワクしながら生きているなと思ったんです。
それに気づいた時は衝撃でしたね。
ーーーどうしてインドの人々は物質的に恵まれていないのに、幸せそうに見えるのでしょう?
私なりに考えて出た答えは「自分自身の存在意義を感じられているから」です。
自分の存在意を感じられることが人間にとっての一番の幸せだと思っています。
そのため、私の会社の名前には『Exist』を使っています。
『存在する』という意味です。
障がいがあったとしても仕事を通して自分自身の存在意義を感じ、より幸せを体験して欲しいと願いが込められています。
インドの人々への恩返し
ーーー会社名にもインドで得た経験が大きく影響しているのですね。
今長さんはインドの子どもたちに似顔絵を届けるためのクラウドファンディングに挑戦されましたが、どうして始めようと思ったのですか。
インドに恩返ししたかったから、というのが大きな理由です。
インドの人々には、人として大切なことを教えてもらいました。
また、私はアトピーがひどく、寝たきりになるくらいでしたが、インドのアーユルヴェーダ病院に入院すると、2週間ほどでよくなったこともあって。
価値観も心も体もインドが変えてくれたんです。
その恩返しがしたくてプロジェクトを始めました。
ーーーインドの方々への恩返しの方法として様々な選択肢があると思いますが、なぜ似顔絵を届けようと思ったのですか。
このプロジェクトは大分で有名な似顔絵師の方と行いました。
彼の理念は「地球上の全ての子を自分の似顔絵でハッピーにしたい」でした。
確かに彼の似顔絵は人々を笑顔にする力があるんですよ。
彼の理念と私のインドに恩返ししたい想いが合わさって、プロジェクトを始めました。
ーーークラウドファンディングの期間中にはどんなことをしましたか。
24時間似顔絵を描き続けるイベントをしましたね。
しかも、彼の似顔絵はとても値段が高いのですが、それを無料でやったんですよ。
ーーー24時間、しかも無料で描き続けるのはすごいですね!実際やってみてどうでしたか。
彼は何度か24時間描き続けたことはあったようで、そのイベントでも見事に24時間途切れることなく描き続けていましたね。
テレビの取材も入って頂いたこともあり、クラウドファンディングも達成することができました。
ーーーインドの人々のためのクラウドファンディングは達成されたとのことですが、今度はインドでソーシャルビジネスをしたいという想いはあるのですか。
もともとインドでソーシャルビジネスをやりたかったので、その気持ちはあります。
日本でやりたいこともまだまだありますが、人生の中ではインドに恩返ししたい気持ちは強いですね。
また、もし子どもができたら、心が豊かになるインドで育ててあげたいなという想いもあります。
ーーー次回予告
次回は今長さんがこれからやってみたいこと、ソーシャルビジネスをやってみたい人へのメッセージをお届けします。
ソーシャルビジネスは『やり続けること』が大事~株式会社Exist Japan今長学さん#3~
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。