今回インタビューさせて頂いたのはベナンを拠点にNPO法人の副代表や会社の経営者として活躍されている内藤獅友さん(通称「ナイケル」さん)。
第3弾ではナイケルさんがこれからやってみたいこと、やりたいことがみつからない人へのおすすめ方法、アフリカビジネスに興味がある人へのアドバイスをお届けします!
やりたいことがまだみつかっていない人も、アフリカでビジネスをしたいと思っている人も必見です!
内藤獅友(ないとうしゆう)
⻘年海外協力隊でルワンダにて活動後、株式会社Africa NetworkとNPO法人 AYINAの副代表を兼任。2019 年からAfric-DroneのCOOに就任。
Africa by African(アフリカ人によるアフリカ発展)の実現に向けて活動中。
主な事業は「アフリカホームステイ」「在日アフリカン支援」「貿易業」「アフリカビジネス進出サポート」「ドローン事業」など。
音声メディアVoicy「アフリカに行きたくなるラジオ」パーソナリティ。
ーーー日本人にアフリカのどのようなことを伝えたいですか。
言語や文化は違っていても、喜怒哀楽の感情さえ共有できれば、アフリカの人々と仲良くなれることです。
日本とアフリカでは文化や生活が大きく違うと思います。
でも、嬉しいや悔しいなどの喜怒哀楽はほぼ同じです。
人に裏切られたらムカつくし、誕生日を祝ってもらったら嬉しいのはベナンでも一緒です。
アフリカに来るまでは、そのような喜怒哀楽の感情の部分まで違うのではないか、わかり合えないのではないかと思っていました。
しかし、そんなことはなくて、感情が共有できれば仲良くなれるのだなと体感したので、そのことを伝えたいです。
ーーーこれからやってみたいことはありますか。
正直いっぱいありすぎて答えられません。(笑)
でも、この状態が理想です。
自分がやりたいことに対して忙しい時は、それほど精神的に病むことはないと思います。
逆に、人に言われてやりたくないことをやっていると、心が病んだり、振り返った時に無駄だったなと思ってしまいます。
芋4切れで生活していた時代も実際のところ本当に辛かったかと思うと、誰かの元で働いているよりは良いなと思います。
だから、やりたいことがあってそこに向かって行動している限りは、本当に不幸になることはないのではないかと考えています。
ーーーナイケルさんにもやりたいことが見つからず、悩んでいた時期はありましたか。
25歳で人生を賭けた仕事をしたいと思った時が一番悩んでいました。
人生賭けた仕事をしたい、でもこの会社にいてもできない、かといってやりたいこともない。
そんな状態でした。
その時にやって良かったことは2つあります。
1つ目は読書です。
そもそも読書をしていなかったら、人生賭けて仕事をしたいと思うまでに至らなかった可能性があります。
社会人になると、会社の文化や考え方だけがインプットされることが多いです。
そんな中、私は毎月本を10冊読んでいました。
たまに自分の仕事に関係ない本を読んで、『こんな生き方があるんだ!』『こんな人がいるんだ!』と様々なことを学び、自分にもできるかもしれないと思えました。
2つ目は、自分の気持ちをとにかく書き出すことです。
私はメモ帳に1日2ページくらい思ったことを書き出していました。
例えば『本当にやりたいことが見つからない!くそー!』みたいな。
今、出ている感情をありのままに書いてみることをずっとやっていました。
すると、自分で自分の相談に乗っているような感覚になるんです。
もし後輩からやりたいこと見つからないと相談されたら、自分もやりたいことが見つかっていなくて何か良いアドバイスしようとしますよね。
それと同じで自分が出した感情に対して『こうしてみれば良いんじゃない?』とか『大丈夫だよ。』とか言えます。
私はそれをやったことで自分を鼓舞したり、『自分の後輩にはこうアドバイスするな、じゃあやってみよう。』と思えたのでおすすめです。
Twitterのような誰かに見られるものはちゃんと書こうとするので、誰にも見られない方法でそのままの感情を書き出すのが良いと思います。
ーーーナイケルさんはとてもエネルギッシュである印象を受けますが、ずっとエネルギッシュにやっているのですか、それとも転機があったのですか?
根本的に私は頑張れない人です。
幼少期を振り返ると、楽な選択ばかりしていたように思います。
転機は中学1年生の時に、父が亡くなったことです。
亡くなる直前、父はパイロットになる夢に挑戦しなかったことをとても後悔し、泣いていました。
その様子を見て、自分が興味のあるものに対して、やらなかった後悔はせずに死にたいと思いました。
それが父への一番の親孝行だと思っています。
そこから、自分がやりたいことに対してリスクや周りの反応などは考えずにやってみる性格に変わりましたね。
ーーー最後に海外でビジネスをしたい学生にメッセージをお願いします。
大きな夢や社会的意義を最初から持つことも大事ですが、まずは自分で小さくやってみるのが良いと思います。
『海外でビジネスに成功したら~』と成功の部分を見て、楽しそうだと感じるかもしれません。
しかし、自分でビジネスをやっていて、成功した時よりも失敗した時の方が成長しているし、楽しいなと思います。
早くその魅力に気付いて欲しいです。
自分でビジネスモデルや成功した秘訣を勉強して憧れて、後で落ち込むよりは、1万円でも良いから自分でお金を使ってやってみた方が良いです。
おそらく、失敗するでしょう。
でも、その時にもう一度改善してやってみて、また失敗しても振り返ると『ここは最初と比べたら良くなった!』と思うことがあります。
また、失敗して辛い時はだいたい誰かが助けてくれるので、そこから新しいことにも繋がる場合もあります。
自分で体験してみないと出逢いや苦しみの楽しさを味わうことはできないので、とりあえず小さくビジネスをしてみてください。
ーーー編集後記
『自分がやりたいことでも現地の人たちが自分以上にやりたいと思っていることでなければやらない。』『生活レベルをあえて現地の人々に合わせて暮らしていた。』などの言葉からナイケルさんのアフリカへの熱い想いが感じられたインタビューでした。
ナイケルさんには10月のココカラアース主催のイベントにも登壇して頂きました。その時には聞けなかった内容も盛りだくさんなのでイベントに参加してくださった方々にもそうでない方々にもぜひ読んで欲しい記事です!
次回の記事もお楽しみに!
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。