世界には一夫多妻制を認める国が今もなお存在します。

一方で日本を含む多くの国では一夫一妻制が法律で定められており、重婚は刑事罰の対象です。

この記事では、一夫多妻制の意味・認める国・制限のある国・日本の法律と歴史・ジェンダー問題との関係をわかりやすく解説します。

 

一夫多妻制とは

一夫多妻制とは、1人の男性が複数の女性と法的に婚姻関係を結ぶことを認める婚姻制度です。

英語では「polygamy(ポリガミー)」または「polygyny(ポリジニー)」と呼ばれます。

日本は一夫一妻制を採用しており、離婚せずに重ねて婚姻した場合は重婚罪として2年以下の懲役が科されます。

世界では特にアフリカやイスラム圏の国々で一夫多妻制が認められており、近年は全体的に減少傾向にあるものの、今なお続いている地域があります。

関連記事:一妻多夫制とは?認める国や日本の歴史を解説

一夫多妻制を認める国

一夫多妻制を認める国は、アフリカとイスラム圏に集中しています。

イスラム教の聖典「コーラン」では、すべての妻を平等に扱うことを条件に4人までの重婚が認められており、イスラム教徒の多い国で一夫多妻制の婚姻率が高くなる背景があります。

西アフリカ

ブルキナファソ・マリ・セネガル・ナイジェリアなどでは、一夫多妻制の婚姻率が高いと言われています。

イスラム教徒が多い地域ほど婚姻率が高くなる傾向があります。

東アフリカ

ウガンダ・タンザニアでも婚姻率が高いです。

ただし、キリスト教徒が多い地域では一夫多妻制の割合は下がります。

中東・アジア

ドバイ・エジプト・サウジアラビアなどのイスラム圏でも認められています。

一夫多妻制に制限がある国

一夫多妻制を一律に認めるのではなく、条件つきで認める国も存在します。

主に3種類のパターンに分かれます。

裁判官の許可が必要な国

シリア・イラク・パキスタンなどでは、重婚する際に裁判官の許可が必要です。

最初の妻への公平な待遇などが審査されるため、無条件で認められているわけではありません。

イスラム教徒のみ認められている国

エリトリア・インド・フィリピン・シンガポール・スリランカなどでは、イスラム教徒にのみ一夫多妻制が認められています。

宗教的身分によって適用される法律が異なる「属人主義」の考え方に基づくものです。

一部の地域のみ認められている国

インドネシアでは、一部の地域のみ一夫多妻制が認められています。

同じ国の中でも、地域によって適用される法律が異なります。

一夫多妻制を認めない国

一夫多妻制を認めない国には、違法だが犯罪とならない国と、違法で犯罪となる国の2つのパターンがあります。

ロシアなどでは重婚は法律上認められていませんが、刑事罰の対象にはなりません。

オーストラリアや日本では重婚は刑事罰の対象であり、より厳格な規制が設けられています。

日本の一夫多妻制:法律と歴史

日本で一夫多妻制が今どのように扱われているか、法律と歴史の両面から解説します。

現在の法律

現在の日本では、民法第732条により「配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない」と定められています。

違反した場合は重婚罪として2年以下の懲役が科されます。

江戸時代以前

江戸時代以前は、富裕層や武士階級が「妾(めかけ)」を持つことは一般的であり、社会的にも認められていました。

妾は正妻とは区別された存在でしたが、家制度の中で一定の役割を担っていました。

明治時代の変化

明治時代には、西洋の法制度を取り入れる近代化が進みました。

1898年(明治31年)の明治民法の施行により、一夫一妻制が法律上正式に確立されます。

現行民法の制定

1947年(昭和22年)に現行の民法が施行され、一夫一妻制が改めて明確に規定されました。

この制度は今日まで維持されています。

一夫多妻制とジェンダー問題

一夫多妻制は、ジェンダー平等の観点からも問題が指摘されています。

複数の妻の間で経済的・社会的地位に格差が生まれやすく、後から迎えられた妻や子どもが不利な立場に置かれるケースがあります。

女性が婚姻関係において対等な立場を持ちにくくなるという指摘もあり、国連や人権団体は廃止を求める声明を出しています。

一方で、文化・宗教・地域の多様性を尊重する観点から、一律に評価することの難しさも議論されています。

一夫多妻制の問題はジェンダー差別と深く関わっており、社会全体での理解が求められる課題です。

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よくある質問

Q. 一夫多妻制とはどういう意味ですか?

A. 一夫多妻制とは、1人の男性が複数の女性と法的に婚姻関係を結ぶことを認める婚姻制度です。英語では「polygamy」と呼ばれます。日本は一夫一妻制を採用しており、重婚した場合は重婚罪(2年以下の懲役)が科されます。世界では主にアフリカやイスラム圏の国々で認められています。

Q. 一夫多妻制を認める国はどこですか?

A. 西アフリカのブルキナファソ・マリ・セネガル・ナイジェリアや、東アフリカのウガンダ・タンザニア、中東のドバイ・エジプト・サウジアラビアなどで認められています。イスラム教の聖典コーランで平等を条件に4人までの重婚が認められているため、イスラム教徒の多い国で婚姻率が高くなります。

Q. 日本で一夫多妻制は認められていますか?

A. 認められていません。民法第732条で重婚が禁止されており、違反した場合は重婚罪(2年以下の懲役)が科されます。江戸時代以前は妾を持つ慣行がありましたが、1898年(明治31年)の明治民法施行により一夫一妻制が法律上確立されました。

Q. 一夫多妻制の問題点は何ですか?

A. 主な問題点として、妻の間で経済的・社会的地位の格差が生まれやすいこと、女性が婚姻関係で対等な立場を持ちにくくなること、子どもの養育環境が不安定になる可能性があることが挙げられます。国連や人権団体はジェンダー平等の観点から廃止を求めています。

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