2024年のスタートとなる1月は、
・水とエネルギーを節約する省エネ食器
・マラウイの給食支援につながるコーヒー紹介制度
・SDGs実施指針改定への市民社会からの提言
・空き家・古民家、海洋プラスチック、アップサイクルなど“モノの循環”の取り組み
・森の再生研修やストリートチルドレン講座など「学びの場」づくり
といった、暮らし・ビジネス・政策が交差するソーシャルグッドなニュースが多く集まりました。
本記事では、2024年1月にCOCOCOLOREARTHで紹介したすべてのプレスリリースを、テーマ別にダイジェストでご紹介します。
目次
◆今月のトピックサマリー
・環境・エネルギー・資源循環
・国際協力・子ども・教育
・アップサイクル・ものづくり・消費
・地域・まちづくり・体験プログラム
の4つの切り口から、1月のニュースを振り返っていきます。
◆環境・エネルギー・資源循環
・小水量ですすげる「meliordesign」省エネ大賞・審査委員会特別賞を受賞(1/1)
ナノテクノロジーにより表面改質した食器「meliordesign」が、省エネ大賞 製品・ビジネスモデル部門の審査委員会特別賞を受賞。水だけですすいでも油汚れが落ちやすく、洗浄時間98%短縮・洗剤不要という、省水・省エネ・環境負荷低減を同時に実現する取り組みです。
・地震大国の海洋流出汚染阻止に挑むスーパージオ工法(1/6-4)
再資源化材料を使った地盤改良「スーパージオ工法」などを展開する中小企業が、インドネシア・バンドン工科大学で講義を実施。海洋流出汚染ワースト上位国の現状を共有しつつ、海洋汚染阻止とカーボンゼロを目指す技術とビジョンが紹介されました。
・古民家の古材を再生させる「木守り専科 古民家再生塗料」(1/15)
植物油などの自然素材をベースにした塗料で、古民家の梁や柱の風合いを活かしながら保護・再生。全国で深刻化する空き家問題に対し、「壊す」のではなく「活かして使い続ける」選択肢を提示しています。
・気候変動・森の荒廃に向き合う《自然林再生専門家研修2024》(1/23)
神奈川の自然林をフィールドに、3日間で森林生態・再生技術・現場での実践を学ぶ専門家研修を開催。気候危機と森の荒廃に対して、現場で動ける人材を増やすプログラムです。
・おさかな飼育からSDGsが学べる絵本型WEBコンテンツ配信スタート(1/31)
アクアリウム用品メーカーが、魚の飼育を通じて水環境やいのちの大切さを学べる絵本型WEBコンテンツを公開。家庭や学校で、楽しくSDGsを学べる教材づくりです。
◆国際協力・子ども・教育・ジェンダー
・Warm Hearts Coffee Club:マラウイコーヒー紹介制度(1/6)
※本記事は、NPO法人せいぼじゃぱん様からの情報提供で作成されています。
マラウイ産コーヒーの売上100%をマラウイの給食支援に充てる「Warm Hearts Coffee Club」が、企業向けアフィリエイトプログラムを本格展開。企業のCSRの一環として、コーヒー紹介を通じた給食支援への参加を呼びかけています。
・しんじゅくこどもまつりにNPO法人Kids Future Passportが参加(1/11)
こども食堂的な仕組み「こどもごちめし」を運営するNPOが、サッカークラブ・クリアソン新宿主催の「しんじゅくこどもまつり」に参加。登録した子ども70名に1,000円分のお食事チケットを配布し、地域の子どもたちの栄養と居場所を支えました。
・幼児期の性教育意識調査2023レポート公開(1/12-2)
保育・幼児教育施設を運営するどろんこ会グループが、保育士や保護者を対象に「幼児期の性教育」に関する意識調査を実施。大人自身の学び直しニーズや、現場での戸惑いが明らかになり、「教える側を支える性教育」の必要性が浮き彫りになりました。
・フィリピンのストリートチルドレンについて学び行動する「Take Action!連続講座」(1/23-2)
学生歓迎の連続講座として、フィリピンのストリートチルドレンの現状を学び、アクションにつなげる全4回プログラムを開講。オンラインと現地報告を組み合わせ、「知る→考える→動く」まで伴走する内容です。
・日本政府「SDGs実施指針改定版」に対する市民社会ネットワークの見解(1/6-3)
一般社団法人SDGs市民社会ネットワークが、4年ぶりに改定された日本政府のSDGs実施指針に対する見解を発表。人権保障や「誰一人取り残さない」原則を軸に、市民社会からの提言・懸念・期待がまとめられています。
◆アップサイクル・ものづくり・消費のあり方
・女性社員プロデュースのリユース買取店舗が神奈川にオープン(1/6-2)
不用品買取のエコリングが、女性社員だけのプロジェクトチーム「女性サステナビリティ推進チーム」による新デザイン店舗を、たまプラーザにオープン。来店しやすさや働きやすさに配慮した空間設計で、「リユースをもっと身近に」する取り組みです。
・体にも環境にも優しいフードPOPUP『concept shops』に穴太商店が出店(1/6-5)
自社農地で育てたお米を使ったギフト商品を、新宿マルイ本館のPOPUPスペースで販売。オーガニック志向のフードや環境配慮型の商品と並び、「贈り物から始まるサステナブルな食」を提案しました。
・捨てられる布をアップサイクルするNUNOUS®、中学生とコラボ製品をクラファン展開(1/23-3)
端材や廃棄予定の布を固めて新素材にするNUNOUS®が、地元中学校の生徒と一緒にデザインした製品をクラウドファンディングで発表。地域の子どもたちと一緒に、循環型ものづくりを学び・形にするプロジェクトです。
・病院の白衣から作られたサステナTをベナンの日本語学校へ(1/17)
日本の病院で役目を終えた白衣をアップサイクルし、「サステナT」として西アフリカ・ベナン共和国の日本語学校に届ける取り組み。服づくりの裏側にあるストーリーを通じて、現地の若者に日本のアップサイクル事例を紹介しています。
・海洋プラスチックで作る「うみのアクセサリーワークショップ」(1/23-5)
横浜市で、海洋プラスチックを素材にした親子向けアクセサリー講座を開催。海辺で拾われたカケラがアクセサリーへと生まれ変わるプロセスを通じて、海ごみ問題を身近に感じる機会になりました。
・化粧品マーケティング専門展に、海洋ゴミ削減アイテムで出展(1/25)
女性社員の視点で企画した、海洋ごみ削減に着目したアイテムを携え、化粧品マーケティングの専門展示会に出展。これまでのヒット商品に続く第3弾を狙いつつ、「キレイ」と「環境配慮」を両立するコスメづくりを発信しました。
・「化粧品を使いきれずに廃棄する人が続出」SDGsのためにできることとは?(1/29)
使い切られないまま捨てられていく化粧品の実態を紹介しつつ、適切な量の購入・シェア・リサイクルなど、消費者・企業それぞれが取れるアクションを解説。日々の美容習慣とSDGsをつなげる内容です。
◆地域・まちづくり・体験プログラム
・さがみこファーム、学校・企業向けSDGs体験プログラムをリリース(1/23-4)
『さがみはらSDGsアワード2023』市長賞受賞の農場が、学校団体や企業向けにSDGsを現場で体感できるプログラムを開始。農作業体験や環境学習を通じて、SDGsを「自分ごと」として学べる場を提供します。
・未来へ紡ぐ・山口市大殿地区活性化プロジェクト(1/25-2)
歴史ある山口市大殿地区を舞台に、空き家活用・文化イベント・移住促進などを組み合わせたエリア活性化プロジェクトが進行中。地域住民・企業・行政が連携し、「住み続けたいまち」を目指しています。
◆編集部から:2024年1月を振り返って
2024年1月のニュースを通して見えてきたのは、
・水やエネルギー、森や海を守るための技術・ライフスタイルのアップデート
・マラウイやフィリピン、西アフリカのベナンなど、世界の子ども・若者とつながる国際協力
・リユース店舗やアップサイクル素材、古民家塗料や海洋プラアクセサリーなど、「モノの第二の人生」を考える動き
・こどもまつり、連続講座、SDGs体験プログラムなど、学びと出会いの“場”づくり
といった、多層的なソーシャルグッドの姿でした。
どの取り組みも、
・コーヒーやコスメ、アップサイクル雑貨を「選んで買う」
・イベントや講座、ワークショップに「参加してみる」
・古民家や地域のプロジェクトを「訪れてみる」
といった日常のアクションから関わることができます。
「社会にいいを仕事にしたい」「自分のキャリアを通じて、少しでも社会を良くしたい」と考える人にとって、2024年1月は、
・どんなプレーヤーが
・どの社会課題に
・どのような商品・サービス・場づくりで挑んでいるのか
を知るのにぴったりな1ヶ月だったと言えそうです。
※本記事で紹介したニュースは、各プレスリリースおよび公式情報をもとに、COCOCOLOREARTH編集部が再構成しています。
関連記事
meliordesign省エネ大賞「審査委員会特別賞」を受賞
Warm Hearts Coffee Club : マラウイコーヒー紹介制度
女性社員プロデュースによる新デザインの買取店舗が神奈川にオープン
日本政府「SDGs実施指針改定版」に対する見解を発表
小さな企業が地震大国の海洋流出汚染阻止に貢献
体にも環境にも優しいフードメインのPOPUPスペース『concept shops(コンセプトショップス)』(新宿丸井本館)に穴太商店が「お米のギフト」を出品!【2024年1月4日(木)~17日(水)】
【イベントレポート】クリアソン新宿の主催イベント「しんじゅくこどもまつり」にNPO法人Kids Future Passportが参加しました。
大人の性教育、教える側の現状は? 保育士、保護者の学習ニーズを調査どろんこ会グループ「幼児期の性教育意識調査2023」レポート公開
全国の“空き家問題”に塗料で貢献!“自然素材”である植物油を、現代の“技術”で活かした塗料が、古民家の古材を再生させ、風合い、美しさを持続させる『 木守り専科 古民家再生塗料 』
西アフリカ ベナン共和国で日本のアップサイクル事例を紹介!たけし日本語学校に病院の白衣から作られたサステナTをお届け
気候変動危機・森の荒廃に、私たちが出来ることを学び・実践する《自然林再生専門家研修2024》を3日間、神奈川で開催します。
【Take Action!連続講座|2/7から全4回】フィリピンのストリートチルドレンのために私たちができること
地元岡山に貢献したい!中学生がプロデュースするアップサイクル製品
『さがみはらSDGsアワード2023』市長賞受賞のさがみこファームが、SDGsを現場で実体験できる学校団体・企業向けの体験プログラムをリリース!!
海洋プラスチックを素材にアクセサリーを作る親子向け講座 「ハンドメイドで海を救う!海洋プラスチックでつくる うみのアクセサリーワークショップ」を横浜市で開催
日本最大級の「化粧品マーケティング」の専門展に出展 海洋ゴミ削減に着目したアイテムで3度目のヒット狙う 女性社員視点で企画 化粧品業界に攻勢 1月17日~19日
未来へ紡ぐ・山口市大殿地区活性化プロジェクト
化粧品を使いきれずに廃棄する人が続出。SDGsのためにあなたが取るべき行動とは?
おさかな飼育からSDGsが学べる!?ジェックス株式会社が絵本型WEBコンテンツの配信をスタート。業界トップメーカーが考えるおさかな飼育の未来について

この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
