2023年11月は、

・フードロスや規格外食材を活かしたカレーやビール、野菜通販など「食と農」をめぐる取り組み
・着物、裁断くず、廃アクリル板など「捨てられるはずのもの」に価値を与えるアップサイクル事例
・障がい者就労やアート、学生ボランティア、社会起業家育成など、人と人をつなぐ学び・仕事の場づくり
・森づくりや再エネ、島しょ部の文化発信、災害支援など、地域と地球環境を同時に見据えたチャレンジ

などのニュースが集まった1ヶ月でした。

本記事では、2023年11月にCOCOCOLOREARTHで紹介したすべてのプレスリリースを振り返りながら、テーマ別にダイジェストでご紹介します。

◆今月のトピックサマリー

・社会起業・働き方・福祉
・食と農・フードロス
・モノづくり・アップサイクル・暮らし
・地域・環境・国際協力

の4つの切り口から、ソーシャルグッドなニュースを整理していきます。

◆社会起業・働き方・福祉・学び

・JICA×ドリームインキュベータによる「次世代社会起業家育成事業」始動(11/6)
日本と途上国の若者をつなぎ、社会課題に挑むスタートアップを育てる「ソーシャル・スタートアップ・ラボ(仮称)」構想が動き出しました。社会起業のエコシステムづくりを目指すプロジェクトです。

・鎌倉発「鎌倉ワーケーションWEEK」開催決定(11/5)
自然の中で働きながら、ウェルビーイングな働き方や地域とのつながりを考えるコミュニティ型イベント。企業・フリーランス・自治体など多様なプレーヤーが参加します。

・トントゥフェスティバル2023 in メッツァビレッジ(11/5)
※本記事は、特定非営利活動法人ディーセントワーク・ラボ様からの情報提供で作成しております。
障がい者の「働く」をテーマに、多様性を体験するイベント「トントゥフェスティバル2023」を開催。手話で謎解きを楽しむ「異言語空間への招待状」、誰でもすぐに弾ける“ゆる楽器”バンド「ゆるミュージックほぼオールスターズ」のライブ、パラリンピック開会式で国歌斉唱を務めた佐藤ひらりさんの歌、福祉事業所のものづくりワークショップ&マルシェ、ボッチャ体験など、障がいの有無を超えて一緒に楽しめるコンテンツが並びました。フェスを楽しむなかで、どこかで必ず障がいのある人の仕事や社会課題の活動に関わる仕組みになっているのが特徴です。

・SDGs「働く福祉」EXPO 出展事業者募集(11/15)
障害者就労系福祉事業所と企業をつなぐ展示会。福祉施設の製品やサービスを知ってもらい、販路開拓や協業、雇用の創出を目指します。

・障害者アートのメタバース展示と街アートフェス「Fujisawaメタパラダイス of Arts」開催報告(11/27)
障がいのある人のアート作品を、メタバース空間と藤沢の街中の両方で展示。デジタルとリアルを行き来しながら、作品との出会いを生み出す試みです。

・神田外語大学 世界6カ国で学生14名が海外ボランティアを実施(11/15)
SDGsと異文化理解をキーワードに、アジアや中南米など6カ国で学生が教育・コミュニティ支援に携わりました。若者が現地の人々と共に学び合うプログラムです。

・(株)大翔、フィリピンで斜面防災セミナー開催(11/15)
土砂災害リスクが高いフィリピンの自治体・関係者を対象に、日本の斜面防災技術やノウハウを共有するセミナーを実施。防災と国際協力を結ぶ取り組みです。

・OUI Inc.が「STI for SDGs 文部科学大臣賞」を受賞(11/19)
眼科領域での医療×テクノロジーの取り組みが、科学技術イノベーションを通じてSDGs達成に貢献する事例として評価されました。

◆食と農・フードロス

・『東京農業大学じゃがいもカレー』発売(11/4)
網走・伊勢原・世田谷など東京農大の圃場から生まれたじゃがいも(規格外品を含む)を活用したレトルトカレー。MOTTAINAI BATON株式会社の企画で、フードロス削減と農業支援を目指します。

・大阪発「箔米堂」始動(11/8)
余り米などを活かし、粉もん文化を通じて米農家と飲食店を同時に支えるプロジェクト。食品ロスや物価高といった課題に立ち向かう、新しい“粉もん×米”の挑戦です。

・淡路島発 規格外野菜通販サイト「seaside grocery」がサブスク解禁(11/27)
形やサイズの違いで市場に出づらい野菜を、定期便で全国の家庭へ。生産者の「もったいない」を生活者の“おいしい”につなげます。

・オーガニック酒イーストビール[さくら]発売(11/19)
オーガニック日本酒酵母を使ったクラフトビール。日本の酒文化とサステナブルなものづくりを掛け合わせたプロダクトです。

・おてつたび × ANAあきんど、農業を手伝う旅人に割引クーポン提供(11/27)
農業の人手不足に悩む地域と“手伝いながら旅をしたい人”をマッチングする「おてつたび」が航空会社と連携。農繁期のサポートと地域の魅力発信を同時に進めます。

・ベトナムでのAGRIEX農地開発の取り組み(11/30)
ベトナム法人AGRIEXによる農地開発プロジェクトの現状をレポート。海外の農地で持続可能な農業モデルを模索する日本企業の動きを紹介しています。

◆モノづくり・アップサイクル・暮らし

・着物に第二の人生を。着物をアートに甦らせる“ikasu”(11/6)
着物をキャンバスとして再構成し、アート作品として展示・販売。東京アメリカン・クラブのインターナショナル・バザーに出店し、着物の新たな価値を提示しました。

・洗剤を使わないコインランドリー「wash+」みずえ店オープン(11/6)
マイクロバブルやオゾン水などを活用し、環境負荷の少ない洗濯を実現するランドリーの新店舗。日常生活の中からサステナブルな選択肢を増やします。

・廃棄物をアップサイクルした循環型セメントパネルを開発(11/11)
産業廃棄物などを原料にした新しい建材「循環型セメントパネル」。廃棄物削減と建設分野での資源循環を目指す技術です。

・捨てられてきた裁断くずを活用した「サルベージパーカー」(11/14)
衣類の生産過程で出る裁断くずをアップサイクルし、天然素材を中心に作るパーカー。アパレル業界の廃棄問題に挑むプロダクトです。

・ドイツのベビー用品ブランド「kikadu」のオーガニック玩具が日本で販売開始(11/24)
GOTS認証のオーガニック素材を使ったベビー玩具が、日本のオーガニック寝具メーカーから登場。赤ちゃんの健康と環境の両方に配慮したアイテムです。

・NZ発ビューティーバーブランド「Ethique」がシンプルスタイル大賞2023 SDGs部門特別賞を受賞(11/8)
固形ビューティーバーでプラスチックボトル削減に取り組むブランドが、サステナブルなライフスタイルを支える存在として評価されました。

・青空市場「Vintage & Design Market」開催(11/28)
ヴィンテージ雑貨やクリスマスリースなど、長く大事にしたくなるアイテムが並ぶマーケット。大量生産・大量消費とは異なる買い物の楽しみ方を提案します。

・キンコーズ・川崎駅前店が川崎フロンターレのSDGsブースでワークショップ開催(11/29)
試合会場で、廃アクリル板をキーホルダーにアップサイクルするワークショップを実施。サポーターが楽しみながら環境問題を学ぶ機会になりました。

◆地域・環境・国際協力

・西粟倉村が、ふるさと納税で再エネ100%「百森でんき」の返礼をスタート(11/18)
「百年の森林構想」を掲げる岡山県西粟倉村が、森の村らしいかたちで再エネ電力プランを返礼品に。脱炭素化と自治体財源づくりを両立しようとしています。

・東広島のアカマツ林で「広島Nudgeの森」プロジェクト(11/27)
官民5社・5団体の連携で、グリーンフィンテックを活用した植樹活動を実施。累計参加者は約200名となり、市民参加型の森づくりが広がっています。

・南西諸島専門の旅行会社がエコプロ2023に出展(11/28)
島々の生活文化・環境文化を体験型で紹介し、観光を通じて島の自然や暮らしへの理解を深めるブースを展開。持続可能な観光のあり方を探る試みです。

・国内初!?コオロギ養殖場を展示会で再現(11/28)
MNHがエコプロ2023の会場にコオロギ養殖場を再現し、昆虫食の可能性や環境負荷の低いタンパク源としての価値を発信しました。

・アフガニスタン地震に対する支援呼びかけ(11/14)
大規模地震の被災地で活動する団体への寄付・支援を案内。突発的な災害に対して、できる支援の形を読者に問いかけています。

◆編集部から:2023年11月を振り返って

2023年11月のニュースを通して見えてきたのは、

・食と農の現場で生まれる「モッタイナイ」を、商品やサービスに変える動き
・アップサイクルやサステナブル素材を軸に、モノの価値を再定義するブランドやイベント
・福祉・教育・国際協力の分野で、「人と人が出会う場」を増やす試み
・森や島、スポーツや昆虫といった多様な入り口から、環境問題を自分ごと化する工夫

といった、非常に多層的なソーシャルグッドの姿です。

どのニュースも、「特別な誰か」だけが関われるものではなく、

・商品を手に取る
・イベントに参加する
・ふるさと納税や寄付の送り先を選ぶ
・ボランティアやワーケーションに興味を持つ

といったところから、一人ひとりが関わっていけるよう設計されています。

「社会にいいを仕事にしたい」「ソーシャルな領域でキャリアを築きたい」と考える人にとっても、

・どんなプレーヤーが
・どの社会課題に
・どんなビジネスモデルや場づくりで挑んでいるのか

を知る、良いインスピレーション源になる1ヶ月だったのではないでしょうか。

※本記事で紹介したニュースは、各プレスリリースおよび公式情報をもとに、COCOCOLOREARTH編集部が再構成しています。

参考リンク

JICA×ドリームインキュベータによる次世代の社会起業家育成事業が始動 | ドリームインキュベータ
網走、伊勢原、世田谷、各地の「モッタイナイ」が集結!『東京農業大学じゃがいもカレー』11月3日発売!
鎌倉発!ウェルビーイングに働く未来を共創するコミュニティ型イベント「鎌倉ワーケーションWEEK」11/20(月)-11/24(金)に開催決定!
【イベント開催告知】「さまざまな”ちがい”を知り、”おなじ”を見つける2日間」トントゥフェスティバル2023をメッツァビレッジで開催!!
着物に第二の人生を。着物をアートに甦らせる”ikasu”が、11月12日(日)〜14日(火)東京アメリカン・クラブ インターナショナル・バザーに出店。
エティークが「 シンプルスタイル大賞2023」SDGs部門の特別賞を受賞! | P.S.INTERNATIONAL | ピー・エス・インターナショナル 公式企業サイト
大阪発!粉もんを救え!日本の米農家と飲食店を同時に救済!食品ロス、物価高、現代の問題解決に立ち向かう「箔米堂」始動
【11/4 NEW OPEN】wash+ みずえ店がオープンしました – コインランドリーウォッシュプラス
【アフガニスタン東部地震】国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン、募金受付を開始
廃棄物をアップサイクルした循環型セメントパネルを開発
捨てられてきた裁断くずを活用。天然素材のアップサイクル、新作サルベージパーカー。
障害者就労系福祉事業所と企業をつなぐ展示会 SDGs『働く福祉』EXPO の出展事業者を募集
【SDGs × 異文化理解】神田外語大学 世界6カ国で学生14名が海外ボランティアを実施
(株)大翔、フィリピンで斜面防災セミナー開催!
西粟倉村、脱炭素化に向けてふるさと納税で再エネ100%「百森でんき」の返礼をスタート
OUI Inc.がSTI for SDGs 文部科学大臣賞を受賞
オーガニック酒イーストビール [さくら] 発売!
人にも地球にも優しいドイツのベビー用品ブランドkikadu(キカドゥ)のGOTS認証のオーガニック玩具が、オーガニック寝具メーカー株式会社ハートから新登場!2023年11月23日(木)より販売開始。
【東広島のアカマツ林にグリーンフィンテックで植樹】 官民5社・5団体による「広島Nudgeの森」プロジェクト、累計参加者数は約200名に
規格外野菜のサブスク通販(定期購入)がスタート
障害者アートのメタバース展示と街アートフェスティバル!「Fujisawaメタパラダイスof Arts」開催報告
おてつたび × ANAあきんど、農業を手伝う旅人に割引クーポンを提供|農業の人手不足解消・魅力発信へ
青空市場『Vintage & Design Market』を12月2日(土)・3日(日)に開催!4店舗のPOPUPショップがヴィンテージ雑貨やクリスマスリースなどをラインナップ
南西諸島専門の旅行会社がエコプロ2023で島々の生活文化・環境文化を体験型で紹介
日本初!?コオロギ養殖場を展示会で再現。MNH「エコプロ2023」出展でコオロギの可能性を提案します。
キンコーズ・川崎駅前店が川崎フロンターレのSDGsブースでワークショップを開催
ベトナムでの弊社ベトナム法人AGRIEX農地開発の取り組みについて