2024年4月のCOCOCOLOREARTHには、
・インドネシア・スンバ島の農業研修を通じた貧困削減プロジェクト
・シリア難民の子どもたちへの教育支援を、大学教授がアドバイザーとして伴走する取り組み
・規格外農産物を活用するホテルや、フードロス食材でつくるアップサイクルなクラフトビール
・エチオピアの少女・女性への生理セミナー、公共交通と健康の関係を探る共同研究
・高校生・学生が海やSDGsをテーマに企画・翻訳・商品開発にチャレンジするプログラム
・森や林業をボードゲームで学べる教育サービス
など、「グローバルな課題」と「身近な暮らし・学び」がつながるニュースが集まりました。
本記事では、2024年4月にCOCOCOLOREARTHで紹介したすべてのプレスリリースを、テーマ別にダイジェストでご紹介します。
◆今月のトピックサマリー
・インドネシア・シリア・エチオピアなど国際協力・教育・ジェンダーの動き
・フードロス削減・再エネ・森林教育など環境・エネルギーの取り組み
・公共交通と住民の健康をつなぐリサーチ
・高校生・学生・インターンが主体となる海・映画・キャリアのプロジェクト
・フードロスと後継者問題に向き合うアップサイクルなクラフトビール
◆国際協力・教育・ジェンダー
● 「インドネシア スンバ島から貧困をなくしたい!」農業研修で収入UPを目指すプロジェクト(4/6)
※本記事は、認定NPO法人地球の友と歩む会/LIFE様からの情報提供で作成しております。
インドネシア・スンバ島東部の農村部では、雨が2〜3ヶ月しか降らない乾燥地帯で、トウモロコシだけを栽培する自給自足の生活を続ける人が多く、現金収入が月1,000円程度の家庭も珍しくありません。
地球の友と歩む会/LIFEは、現地NGO「ラジオMAX財団」と協力し、
・キノコやライムなど新たな作物に挑戦する農業研修
・家畜のふんや落ち葉を使った有機農業の指導
・給水設備を共同管理する農業組合の立ち上げ支援
を通じ、「トウモロコシ以外の栽培なんてムリ」という思い込みを乗り越え、収入向上と貧困削減を目指しています。SDGsの「飢餓をゼロに」「質の高い教育をみんなに」「陸の豊かさも守ろう」を組み合わせて、「貧困をなくそう」の実現を目指す取り組みです。
● NPO法人Piece of Syria 教育事業に大学教授2名がアドバイザーとして就任(4/9)
※本記事は、NPO法人Piece of Syria様からの情報提供で作成しております。
シリア北部およびトルコ南部で、シリア難民・国内避難民の子どもたちに教育支援を行うNPO法人Piece of Syriaに、関西大学名誉教授・久保田賢一氏、上智大学教授・小松太郎氏が教育事業アドバイザーとして就任しました。
紛争下や避難先での教育支援に知見のある2人の研究者が、
・授業づくりやカリキュラムの監修
・教育現場の状況に即したアドバイス
・評価・検証の仕組みづくり
などを通じて、現地で行われている教育プロジェクトの質をさらに高めていきます。「現場の実践」と「アカデミア」をつなぎ、子どもたちにより良い学びを届ける体制づくりです。
● 女性支援ソーシャルプロジェクトGBA、エチオピアの少女・女性に向けて生理セミナーを開催(4/18-2)
※本記事は、株式会社Be-A Japan様からの情報提供で作成しております。
吸水ショーツブランド「Bé-A〈ベア〉」を展開するBe-A Japanが運営し、伊藤忠商事がサポートする女性支援プロジェクト「GBA」は、エチオピアで生理セミナーを開催しました。
日本国内でも学生・保護者・企業向けに生理セミナーや吸水ショーツの寄贈を行ってきたGBAが、
・生理用品の入手が難しい地域の少女・女性に、生理の正しい知識とケア方法を伝える
・フェムテックアイテムとして吸水ショーツを寄贈し、安心して過ごせる日数を増やす
・「生理の貧困」やタブー視されがちな性の話題について、対話のきっかけをつくる
といった活動を、アフリカ・エチオピアにも広げた取り組みです。
◆環境・エネルギー・フードロス・森林教育
● 広島ワシントンホテル、規格外農産物を使ったメニューでフードロス削減(4/18)
※本記事は、藤田観光株式会社様からの情報提供で作成しております。
広島ワシントンホテル4階のレストラン「Bonjour Plus」では、地域の農家から直接仕入れた「規格外や通常販売ができない農産物」を使ったメニュー「オランジェット」と「マーマレード」を、朝食ビュッフェで提供しています。
形や大きさ、見た目の問題で廃棄されてしまうはずの食材をおいしく調理し、SDGs12「つくる責任 つかう責任」に貢献する試みです。
● 株式会社コレック × Looop 再エネ電力の普及に向けた業務提携(4/17-3)
※本記事は、株式会社コレック様からの情報提供で作成しております。
電気・ガス・通信などライフラインのダイレクトマーケティングを行う株式会社コレックは、再生可能エネルギーの最大普及を掲げる株式会社Looopと業務提携を開始しました。
戸別訪問や電話・Webメディアを通じて、家庭ごとに最適な電力プランを提案してきたコレックと、太陽光発電所の開発から小売電気事業まで一貫して展開するLooopが組むことで、
・再エネ電力プランの提案機会を増やす
・家庭レベルでの脱炭素行動を後押しする
ことが期待されています。
● 森について楽しく学べる「FOREST BALANCE GAME」と森の教育サービスが始動(4/24-2)
※本記事は、飛騨五木株式会社様からの情報提供で作成しております。
“当たり前に木材のある社会”を目指す飛騨五木株式会社は、森林・林業をテーマにしたボードゲーム「FOREST BALANCE GAME」を制作し、出張授業や探求学習、森林体験と組み合わせた教育サービスを本格始動しました。
ゲームでは、自分の森を育成・経営しながら、
・災害リスクを下げる森林整備
・木を伐って売る経済活動
・環境保全と収益のバランス
を考え、プレイヤーごとの方針によって森の姿が変わっていきます。小学校から社会人までを対象にした出張授業の実績も多数あり、「林業」を教科書の外から学べるユニークな教材です。
● 「アップサイクルなクラフトビール」JUNGLE BREWERYが新作完成イベントを開催(4/24)
※本記事は、株式会社ゆいまーる様からの情報提供で作成しております。
クラフトビール事業「JUNGLE BREWERY」を展開するゆいまーるは、第9弾となる新作クラフトビール「BEAROOD ORANGE」の完成を記念し、メディア関係者を招いたイベントを6月7日に開催します。
今回のビールでは、
・佐賀県太良町のブラッドオレンジを贅沢に使用
・規格外果実やフードロス食材を副原料に活用
・生産者の後継者不足という社会課題にも光を当てるストーリー設計
を通じて、「飲みながらフードロスや地域農業を考える」体験をつくっています。これまでにも、リンゴ・小豆・シークヮーサーなどを使ったアップサイクルビールを手がけており、「たのしいはツクレル」を合言葉に、SDGs12「つくる責任 つかう責任」を体現しています。
◆交通・健康・データサイエンス
● 公共交通の多様性が地域住民の健康に与える影響に関する共同研究スタート(4/19)
※本記事は、日本システム技術株式会社様からの情報提供で作成しております。
日本システム技術株式会社(JAST)は、大阪大学大学院工学研究科と共同で、「公共交通の多様性が地域住民の健康に与える影響」をメディカルビッグデータから分析する研究を開始しました。
大阪大学のCOI-NEXT「住民と育む未来型知的インフラ創造拠点」における研究開発課題の1つとして、
・鉄道・バスなどの公共交通ネットワークの状況
・地域ごとの医療・健康データ
を掛け合わせ、「移動のしやすさ」が健康状態にどう関わるのかを明らかにしようとするものです。都市インフラを住民主体で共創していくうえでの、科学的なエビデンスづくりにつながる研究と言えます。
◆高校生・学生・インターンが主役の“学び”と“海”のプロジェクト
● 穴吹学園「瀬戸内未来共創プロジェクト」でAI・先端技術コンサルタントによる特別講義(4/17-2)
※本記事は、学校法人穴吹学園様からの情報提供で作成しております。
穴吹学園が進める「瀬戸内未来共創プロジェクト」は、学校や学科の枠を超え、行政・企業・地域団体・起業家・クリエイターと共創しながら、地域課題に挑む学びのコミュニティです。
4月17日には、カリフォルニア在住のAI・先端技術活用型コンサルタント・大西正之氏を招き、
・「未来へのステップ 学びと成長の旅 〜瀬戸内未来共創が考える『働く』とは〜」をテーマにした特別講義
・オンライン視聴も可能なオープンな学びの場
が開催されました。テクノロジーやビジネススキルと、「地域課題に取り組む経験」を組み合わせた“未来人材”づくりの取り組みです。
● 学生インターンが英語字幕をつける、SDGsをテーマにした映画上映イベント「WATCH 2024」(4/21)
※本記事は、日本映像翻訳アカデミー株式会社様からの情報提供で作成しております。
映像翻訳者を育成する日本映像翻訳アカデミー(JVTA)は、東京外国語大学と共催で、無料オンラインイベント「WATCH 2024 : For a Sustainable Future」を開催します。
このイベントでは、
・学生インターンが、SDGsをテーマにした日本制作ドキュメンタリーに英語字幕を制作
・オンライン上映とあわせて、作品に関連する発表やトークセッションを実施
・「翻訳」「映像」を通じて社会問題を知り、考え、語り合う場をつくる
ことを目指しています。「ことばの力で社会を豊かにする」という企業理念を、学生との産学協働プロジェクトとして具体化した取り組みです。
● 高校生が地域の海の課題に挑む「LOCAL FISH CANグランプリ2024」開催決定(4/21-4)
※本記事は、LOCAL FISH CAN 2024運営事務局様からの情報提供で作成しております。
一般社団法人 全国道文化交流機構は、高校生たちが地域の「課題魚(LOCAL FISH)」を活用したオリジナル商品を開発し競い合う「LOCAL FISH CANグランプリ2024」を開催します。
今年で4年目となる本コンテストは、
・日本全国の高校生・高専生・中等教育学校生が対象
・これまでは缶詰が中心だったが、今年からレトルトパウチやその他加工品でのエントリーも可能
・地域の漁業者・企業・自治体と協力しながら商品を企画・試作
といった特徴を持ちます。
エントリーから決勝大会までのプロセスを通じて、
・海の資源や未利用魚、外来種など「海の課題」を学ぶ
・地域の水産資源を活かした商品づくりを考える
・海の未来に向けて自分たちができるアクションを形にする
ことを目指した、「海と日本プロジェクト」の一環です。
◆編集部から:2024年4月を振り返って
4月のニュースを振り返ると、
・インドネシア・シリア・エチオピアなど、国際協力の現場で「教育」「生計向上」「生理の貧困」に向き合う取り組み
・規格外農産物やフードロス食材、再エネ電力や木材・森林教育など、環境負荷を減らしながら暮らしを豊かにする工夫
・公共交通のあり方や、海と魚をめぐる課題を、研究・コンテスト・イベントとして“見える化”する試み
・高校生や大学生、インターンが主体的に関わるプロジェクトを通じて、「学び」と「社会課題」が直結していること
といった、多層的なソーシャルグッドの姿が浮かび上がりました。
読者一人ひとりにとっても、
・国際協力団体や企業のプロジェクトを知り、寄付やボランティア・購入などの形で関わってみる
・フードロスを減らす商品やお店、アップサイクルなビールや学びのイベントに足を運んでみる
・自分の学校や仕事の中で、「海」「森」「エネルギー」といったテーマをどう取り入れられるか考えてみる
といった日常のアクションから関わることができます。
「社会にいいを仕事にしたい」「キャリアや事業を通じて、少しでも持続可能な未来に近づきたい」と考える人にとって、2024年4月は、
・現場とアカデミア、企業・NPO・行政・地域をどうつなぐか
・若い世代の学びと社会課題をどう接続するか
・“おいしい・たのしい”を入り口に、環境・貧困・ジェンダーの課題をどう伝えるか
を考えるヒントが詰まった1ヶ月だったと言えそうです。
※本記事で紹介したニュースは、各プレスリリースおよび公式情報をもとに、COCOCOLOREARTH編集部が再構成しています。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
