2024年6月のCOCOCOLOREARTHには、

・「口と足で描く芸術家」の絵画展と、故・南栄一さんの追悼展
・能登半島地震の復興支援につながるカレンダーの限定販売
・障がいのあるアーティストたちの「Self-Help, Not Charity(慈善ではなく、自立を)」というモットー

など、“アートを通じて生きる勇気と支援の輪を広げる”ニュースが届きました。

本記事では、2024年6月にCOCOCOLOREARTHで紹介したプレスリリースを、ダイジェストでご紹介します。

 

◆今月のトピックサマリー

・障がい者アーティストの絵画展「口と足で描いた絵 ~ HEART ありがとう ~」
・MFPA主要メンバー・南栄一さんの追悼展と、能登半島地震の復興支援カレンダー
・「Self-Help, Not Charity」を掲げる口と足で描く芸術家協会(MFPA)の取り組み

◆障がい者アーティストの「生きる勇気」を表現する絵画展

口と足で描いた絵 ~ HEART ありがとう ~ & 南栄一 追悼展

※本記事は、口と足で描く芸術家出版有限会社様からの情報提供で作成しております。

両手が使えない障がいのあるアーティストたちが、口や足を使って描いた作品を展示する絵画展
「口と足で描いた絵 ~ HEART ありがとう ~」が、東京・有楽町で開催されます。

・会期:2024年6月23日(日)〜29日(土)10:00〜18:00
 ※初日のみ12:00オープン
・会場:東京交通会館 B1 ゴールドサロン(JR有楽町駅前/有楽町線有楽町駅直結)
・入場料:無料

今回のテーマは「感謝の気持ちがアートに」。
日本人アーティストによる口と足で描いた絵53点が展示され、そのうち28点は、2023年に68歳で亡くなったMFPA主要メンバー・南栄一さんの作品を集めた追悼展示です。

会場では、

・口や足で描くアーティストたちによる実演
・来場者が実際に「口で絵を描いてみる」体験コーナー
・アーティストたちの作品を使ったポストカードや文具、生活雑貨などのオリジナルグッズ販売

などを実施。
特に子どもたちにとっては、「障がいのある/ない」を越えて、アートを通じて多様な身体や生き方を知る機会にもなります。

◆南栄一さんの追悼展と、能登半島地震への支援カレンダー

南栄一さんは、長野県生まれ。高校3年生のとき、柔道の試合中の事故で頸椎を損傷し、その後「口で描く画家」として50年にわたり活動してきました。

精緻な風景画や静物画、メルヘン画など、心あたたまる作品を数多く残し、MFPAの日本人アーティストを代表する存在でした。
追悼展では、その代表作28点が展示されます。

会場限定の企画として、南さんの作品を収録した2025年版カレンダーも販売されます。

・価格:500円(税込)
・1部あたり350円が、能登半島地震の復興支援として寄付されます

「悲しいことの後には、きっと喜びが待っている」
南さんの作品に込められたメッセージとともに、カレンダーを手に取った人たちから被災地への支援の輪を広げていく取り組みです。

◆「Self-Help, Not Charity」

口と足で描く芸術家協会(MFPA)の活動

口と足で描く芸術家協会(MFPA:Association of Mouth and Foot Painting Artists Worldwide)は、
両手が使えず、口や足で絵を描くアーティストたち自身によって運営されている団体です。

・1956年にヨーロッパでスタート
・現在、世界69の国と地域で約740名のアーティストが参加
・世界に45の支部(出版社)があり、日本では1961年から活動を開始
・日本には現在20名のアーティストが参加

MFPAのモットーは「Self-Help, Not Charity(慈善ではなく、自立を)」。

慈善に頼るだけでなく、「自分が口や足で描いた絵で収入を得る」ことで、
働きがいと経済的な自立を実現していくことを大切にしています。

その財政基盤となっているのが、

・絵葉書
・カレンダー
・文房具
・生活雑貨

といったグッズの販売です。
売上は、アーティストたちの生活費、画材や特別な設備の購入費、展覧会開催費などに充てられています。

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」に通じる、「障がいがあっても、自分の表現で生計を立てる」という生き方を、アートを通じて体現する取り組みです。

◆編集部から:2024年6月を振り返って

2024年6月のニュースを通して見えてきたのは、

・口や足で描くアーティストたちが、作品を通じて「生きる勇気」を発信していること
・追悼展とカレンダーという形で、亡くなった画家の想いを受け継ぎ、被災地支援にもつなげていること
・障がいのある人を“保護される側”としてではなく、「プロのアーティスト」として尊重し、自立を支える仕組みづくり

といった、アートと福祉と復興支援が重なりあう姿でした。

来場者にとっても、

・実際に口や足で描く様子を見る
・自分でも口で絵を描いてみる
・グッズやカレンダーを購入してみる

といった体験を通じて、「障がい」「仕事」「表現」「支援」のイメージが少し変わるきっかけになるはずです。

※本記事で紹介したニュースは、プレスリリースおよび公式情報をもとに、COCOCOLOREARTH編集部が再構成しています。

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