気候変動対応・ESG投資の拡大・サステナビリティ開示の義務化——企業のサステナビリティ対応が加速する中、それを支援する「サステナビリティコンサルタント」の需要が急増しています。

「環境・社会課題に関わりながら、ビジネスの文脈で仕事したい」というあなたに向けて、サステナビリティコンサルタントの仕事内容・必要スキル・キャリアパスを解説します。

環境への関心を仕事に変えたいと考えているなら、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

サステナビリティコンサルタントとはどんな仕事か

サステナビリティコンサルタントとは、企業・行政・国際機関に対して、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)に関する戦略策定・実行支援・情報開示支援を行う専門職です。

脱炭素経営・人権デューデリジェンス・TCFD/TNFD対応・生物多様性保全など、企業が直面するサステナビリティ課題への対応を、外部専門家として支援します。

コンサルティングファーム・シンクタンク・専門コンサルタント会社・大企業のインハウス部門など、多様な組織形態での活動があります。

一般的なコンサルタントと異なるのは、「財務的な成果」だけでなく「社会・環境へのインパクト」を同時に追求する点です。

サステナビリティコンサルタントへの需要が急増している理由

2023年以降、EUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)・IFRSサステナビリティ開示基準・日本の有価証券報告書でのサステナビリティ情報開示義務化が相次いで整備されました。

このような規制強化を受けて、「何をどう開示すればいいのか」「カーボンニュートラルをどう実現するか」という企業の悩みに応える専門家の需要が急増しています。

この分野は今後も拡大が続くと見られており、キャリア形成のタイミングとして非常に良い時期です。

サステナビリティコンサルタントの主な業務内容

サステナビリティコンサルタントが担う主な業務内容について解説します。

サステナビリティ戦略の策定支援

企業の中長期的なサステナビリティ目標(カーボンニュートラル・ネイチャーポジティブなど)の設定と、実現に向けたロードマップの策定を支援します。

マテリアリティ(重要課題)の特定プロセスや、経営戦略との統合設計も含まれます。

「社会・環境課題の解決と企業の成長をどう両立させるか」を経営者と一緒に考える、やりがいの大きい業務です。

ESGリスク・機会の分析

気候変動・水リスク・サプライチェーンの人権問題など、企業が直面するESGリスクを評価し、それが財務にどう影響するかを分析します。

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿ったシナリオ分析も重要な業務です。

「リスクを定量的に評価する」という作業は、環境の知識と財務の知識の両方が求められる難易度の高い業務です。

サステナビリティレポーティング・開示支援

GRI・SASB・IFRS S1/S2など、国際的な開示基準に基づいたサステナビリティレポートの作成支援・検証サポートを行います。

統合報告書・有価証券報告書のサステナビリティ関連記載の品質向上を支援します。

開示情報の品質が投資家の評価に直結するため、正確性と説得力が求められます。

ステークホルダーエンゲージメント

投資家・顧客・地域住民・NGOなど、多様なステークホルダーとの対話設計・ダイアログ運営を支援します。

特にESG投資家との建設的な対話(エンゲージメント)への対応は、上場企業にとって重要な課題です。

コミュニケーション力と専門知識の両方が問われる業務です。

現場実行・PDCA運用

戦略策定にとどまらず、現場での実装支援・KPIモニタリング・改善サイクルの構築まで関わるケースも増えています。

「戦略を絵に描いた餅にしない」ための実行支援は、コンサルタントとしての付加価値を高める部分です。

サステナビリティコンサルタントに求められるスキル

サステナビリティコンサルタントとして必要とされるスキルについて解説します。

環境・社会課題の専門知識

気候変動科学・生物多様性・人権・ガバナンスなど、サステナビリティ課題に関する幅広い知識が基盤になります。

ESGの国際動向(欧州のCSRD・米国SECの気候開示規則など)を常にキャッチアップする情報収集力も必要です。

最初から全てを知っている必要はなく、「学び続ける姿勢」が最も重要です。

データ分析・定量化の力

カーボンフットプリントの計算・Scope1/2/3の温室効果ガス排出量の集計・インパクト測定など、「社会的価値を数値で語る力」が重要です。

Excelはもちろん、GIS・データビジュアライゼーションツールの活用も増えています。

環境問題を感情論でなく数値で語れる人材」は、クライアントから高い信頼を得られます。

プロジェクトマネジメント・コミュニケーション力

複数のクライアント・ステークホルダーを動かしながらプロジェクトを進める調整力と、専門知識を経営層にわかりやすく伝えるコミュニケーション力が求められます。

「難しい環境問題をわかりやすく翻訳できる人材」が、コンサルタントとして特に重宝されます。

語学力(英語)

国際基準・海外規制への対応・グローバル企業支援には、英語での文書読解・コミュニケーション能力が不可欠です。

英語で最新の開示基準やレポートを読みこなせることが、専門性の根拠になります。

サステナビリティコンサルタントのキャリアパス

サステナビリティコンサルタントのキャリアパスについて、コンサルファーム・民間企業それぞれの入り口を解説します。

コンサルティングファームから入るルート

PwCデロイトEYKPMGアクセンチュアなどの大手ファームのサステナビリティ部門、または環境・社会課題特化の専門ファームに入社するルートです。

新卒採用枠も拡大しており、環境系・理工系・法律・経済系など多様なバックグラウンドの人材が採用されています。

「コンサルタントとしての基礎力」を早期に身につけられる環境で成長できます。

民間企業からシフトするルート

製造業・金融・商社など、サステナビリティ対応が急務の業界でインハウスの専門職として働いた後、コンサルタントに転身するルートです。

業界知識と実務経験の掛け算が、専門コンサルタントとしての強みになります。

「自分が経験した業界のサステナビリティ課題の解決に貢献したい」という方に向いています。

将来的なキャリアの広がり

サステナビリティコンサルタントとしての経験は、ESG評価機関・国際機関・政策機関・起業など、多様なキャリアへの橋渡しになります。

独立して個人コンサルタントとして活動するケースも増えています。

「社会課題解決のプロフェッショナル」として、幅広いフィールドで活躍できるキャリアです。

サステナビリティコンサルタントに取り組む企業3選

サステナビリティコンサルに取り組む企業を紹介します。

関連記事
サステナビリティコンサルに取り組む企業10選

株式会社クレアン

https://www.cre-en.jp/

株式会社クレアンは、1988年8月に設立されたサスティナビリティコンサルティング企業です。

「私たちは輝く笑顔があふれる地球の未来を創造します」という企業理念のもと、CSRのコンサルティング事業、CSRレポート・統合レポートの企画・編集事業を行っています。

株式会社クレアンの創業理由や事業内容を詳しく見る

PwCサステナビリティ合同会社

https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/sustainability.html

PwCサステナビリティ合同会社は、PwC Japanグループの一員として、日本企業のサステナブルな企業価値の向上を目指す企業です。

企業が持続可能なビジネスモデルを実現するための戦略策定から実行まで、一貫したサポートを提供することで、企業価値の向上と社会的責任の達成に貢献しています。

また、PwCグローバルネットワークの一部として、国内外の専門知識と経験を活用して、多様な業界のクライアントに対応しています​。

KPMGあずさサスティナビリティ株式会社

https://kpmg.com/jp/ja/home/about/sus.html

KPMGあずさサステナビリティ株式会社は、サステナビリティ保証やアドバイザリー業務を専門とする企業です。

長年の実務経験を通じて蓄積した知見や専門性に基づき、環境問題、カーボンニュートラル、生物多様性、食糧問題、人権問題など、現代が直面しているさまざまなサステナビリティ課題への対応を支援しています​。

KPMGあずさサスティナビリティ株式会社の創業理由や事業内容を詳しく見る

まとめ

サステナビリティコンサルタントは、環境・社会課題への深い関心とビジネス思考の両方が求められる職種です。

規制強化・投資家圧力・消費者意識の変化を背景に、今後もこの分野の専門人材の需要は拡大し続けます。

「環境問題をビジネスの力で解決したい」という志向を持つあなたには、非常にやりがいのあるキャリア選択肢です。

まずはTCFD報告書やサステナビリティレポートを読んでみることが、この分野への理解を深める最初の一歩になります。 → 関連記事:社会課題ごとのキャリアロードマップまとめ