1万人の無戸籍者たち

メンバーコラム
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『明日を生きていきませんか?』

私が好きなドラマである『相棒』の主人公である杉下右京さんがある少年に言った言葉です。

その少年は母親に育児放棄されている状態であった上に戸籍のない子どもでした。いわゆる無戸籍児です。

育児放棄も無戸籍児もどちらも大きな問題ですが私は相棒のその回を見てから無戸籍に関する記事を見かけると読むようになりました。しかし、数はそこまで多くはありません。そのため知らない人も多くいるのだろうなという印象を受けます。

 

無戸籍者の問題とは?

何らかの理由で出生届が出されず、戸籍がない人々は私が何が何だか分からないままに入学した小学校にも病気になったら当たり前のように行く病院にも行くことができません。

そのような『無戸籍者』と呼ばれる人々が日本には最低でも1万人いると言われています。

全てを把握するのは難しく、実際にはもっといるのではないかという見立てです。

相棒の話と同じく無戸籍の子どもたちと育児放棄を題材とした映画に是枝裕和監督の『誰も知らない』があります。

存在しているのにいないことになってしまっている、無戸籍者としてさえも把握されていないようなまさしく『誰も知らない』状態に陥ってしまっている人々は多く存在することに私は衝撃を受けました。

戸籍のない子どもたちが置かれている状況は様々です。

最近では働く時に身分証明書を必要とすることが多いため戸籍がないと就職が出来ず、お金に困ってしまいます。

そのせいでひどい場合だと生きていくために犯罪スレスレの場所にいるというケースがあるのは事実であるようです。

相棒のその話でも食べていくために少年は犯罪まがいの行為に手を染めている日々でした。

 

『明日を生きていきませんか?』という言葉。

相棒に登場していた少年は

いつも目の前のことしか考えないようにしてきたんです。先のことを考えてもつらくなるだけだから。「今日をどう乗り切るか」それだけを考えようって

と言います。

 

自分はどうだろうか?と考えました。

私自身、人生はいつ終わるか分からないなんてことは承知しながらも無意識に明日やその先の未来が来ることを前提にしながら生きています。

将来のことを考えて今を生きているし、それが当たり前だと思っていました。

しかし、『明日を生きていきませんか?』という言葉を聞いて私は明日のことを考えることが辛く、恐ろしいことだから今を生きることしかできない、選択肢がない人々の存在に気付かされました。

 

今回は無戸籍者の問題を取り上げましたが他にも何らかの問題を抱えているせいで少年のように

『目の前のことしか考えられない。先のことを考えるのは辛い。』

という人々はいるのではないかと思います。

 

そんな考えから私は1人1人置かれている状況は違えどみんな明日に向かって生きていけるような社会を作ることに貢献したいという気持ちが芽生えました。

 

 

 

ライタープロフィール
金子莉歩(かねこりほ)
千葉大学2年
無戸籍者やネグレクトの問題に興味あります。
文章を書く仕事にも興味があり。

 

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