世界中で起こっている紛争や戦争、内戦は、その背後にある複雑な原因や影響により、多くの人々の生活を直接的にも間接的にも影響を与えています。
しかし、これらの違いとそれぞれがもたらす影響について深く理解している人は意外と少ないかもしれません。
この記事では、紛争とは何か、戦争と内戦の違い、現在進行中の具体的な事例、紛争が発生する主な原因、そして紛争解決に向けて私たちができることについて、詳しく解説していきます。
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目次
紛争とは
紛争とは、少なくとも2つ以上の主体が、希少な資源(富や権力など)を同時に獲得しようとして相争う社会状況と定義されています。
このように、「紛争」という言葉が持つ意味は非常に広く、武力を伴う争いだけではなく、武力や暴力を伴わない争いについても紛争と呼ぶ場合もあるのです。
紛争と戦争、内戦は何が違う?
ここでは、紛争と戦争・内戦の違いについて詳しく解説します。
戦争とは?
戦争について、衆議院は憲法をもとにして以下のように定義づけています。
”憲法第九条第一項の「戦争」とは、伝統的な国際法上の意味での戦争、すなわち、国家の間で武力を行使し合うという国家の行為をいうのに対して、同項の「国際紛争」とは、国家又は国家に準ずる組織の間で特定の問題について意見を異にし、互いに自己の意見を主張して譲らず、対立しているという状態をいうと考える。”
出典:衆議院「衆議院議員金田誠一君提出「戦争」、「紛争」、「武力の行使」等の違いに関する質問に対する答弁書)
簡単にいうと、国同士の武力による戦いのことを指すため、戦争はより広範な紛争の一形態として捉えられることが一般的です。
内戦とは?
内戦について、日本大百科全書では以下のように定義づけられています。
”一国の枠内で対立する勢力が国家権力の掌握を目ざして行う社会的規模での武力衝突である。”
出典:コトバンク「内戦」
簡単にいうと、同一国内で発生する争いのことを指し、内戦についても紛争のなかに含まれます。
起こっている紛争と戦争、内戦
ここでは、実際に起こっている戦争と内戦(紛争)についてそれぞれ解説します。
起こっている戦争
現在起こっている戦争には以下のようなものがあります。
・ウクライナとロシアの戦争
・パレスチナとイスラエルの戦争
それぞれの戦争について、以下で詳しく解説します。
ウクライナとロシアの戦争
ウクライナが「北大西洋条約機構(NATO)」に加盟するのを阻止したいロシア側の策略などが原因となって発生した戦争です。
2022年2月24日に激化し、2024年現在も続いています。
パレスチナとイスラエルの戦争
長年問題となっているパレスチナの地域をめぐる戦争として、2023年10月7日にハーマスがイスラエルに攻撃したことによって発生した戦争です。
ロケット弾や空爆、地上侵略など、激化しています。
起こっている内戦
現在起こっている内戦には以下のようなものがあります。
・シリアの内戦
・ミャンマーの内戦
それぞれの内戦について、以下で詳しく解説します。
シリアの内戦
シリアでは独裁政権から脱し民主化を訴える運動を起こしたことがきっかけとなり、2011年から長期にわたって内戦が起こっています。
ミャンマーの内戦
ミャンマーでは、1948年の独立のタイミングから現在に至るまで内戦が起こっています。
紛争が起きる主な原因とは?
紛争が起こる主な原因は以下の通りです。
・宗教の違い
・民族の違い
・資源の奪い合い
・政権が不安定
それぞれの原因について、以下で詳しく解説します。
宗教の違い
世界にはさまざまな宗教がありますが、それぞれが異なる考え方をするため、争いが激化して紛争になることもあります。
民族の違い
同じ地域や国のなかに複数の民族がいる場合、それぞれの民族を守るために紛争が起こることがあります。
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資源の奪い合い
レアメタルといった貴重な資源を巡って紛争が起こることがあります。
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政権が不安定
政権が不安定になると、国民の行動がきっかけで紛争に発展することがあります。
紛争の解決に向けて私たちができること
紛争の解決に向けて私たちができることは以下の通りです。
・支援活動を行っている団体への支援
・紛争の現状を知る
・ボランティアに参加する
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
支援活動を行っている団体への支援
NPO法人やNGO法人では、紛争についての活動をしている団体も多いため、活動支援として募金することで紛争の解決に協力することができます。
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紛争の現状を知る
日本のメディアでは多くは報道されませんが、世界中では今もなお、紛争が起こり続けている地域もあります。
この現状を知ることで、紛争の残酷さを知ることにつながるはずです。
ボランティアに参加する
紛争解決に対して行動を起こしている団体にボランティアスタッフとして参加することができます。
ボランティアスタッフは紛争地域に行くのではなく、紛争に関するイベントスタッフなども多く募集しています。
まとめ
宗教や民族の違い、資源の奪い合い、政権の不安定さなど、これらの紛争が発生する背景には深い歴史的、社会的、経済的な要因が絡み合っています。
私たち一人ひとりができることは限られているかもしれませんが、支援活動への参加、紛争の現状を知ること、ボランティアに参加するなど、小さなアクションを積み重ねることで大きな変化を生み出すことができます。
この記事を通じて紛争についての理解を深め、平和への一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。