アニマルウェルフェアの観点から平飼い卵が注目を集めています。

のびのびと放し飼いで健康的に飼育されたニワトリの卵は、生命の恵みに感謝することを教えてくれます。

本記事では、平飼い卵について、アニマルウェルフェアの考え方や、平飼い、エンリッチドケージ、バタリーケージ等の飼育方法、平飼いのメリット・デメリット、平飼い卵の購入先等を解説します。

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平飼い卵とは

平飼い卵とは、ニワトリが鶏舎内で自由に動き回ることができるように、地面に放して飼育し、産ませた卵のことです。

この飼育方法は、ニワトリがより自然な状態で生活できるように配慮されています。

一般的に日本のスーパーマーケットで買える卵のほとんどは、飼い卵ではなく、金網の中で飼育するケージ飼いで育ったニワトリの卵です。


平飼い卵のメリット

平飼い卵のメリットは、ニワトリの動きに制限をかけないため、自由でストレスのない状態で卵を産むことができます。

そのため卵の品質や味のクオリティが高く、力強く生命力のある卵になると言われています。

また、地面に放置して飼育することで、にわとりの糞は土壌の改良にも役立ち、化学肥料の代わりに天然肥料として環境負荷を抑えることにも繋がります。

さらに、平飼いの飼育方法は、アニマルウェルフェアに配慮した方法として、ニワトリと消費者の両者にとっても最適です。


平飼い卵のデメリット

平飼いのデメリットは、手間やコストの問題があります。

ニワトリを放し飼いする土地の確保、自由に行動するニワトリの健康管理、汚れが付着しやすいので出荷時の衛生管理など、卵を消費者まで届けるまでの工程で手間がかかります。

そのため、平飼い卵の価格が高くなる傾向です。


採卵鶏のアニマルウェルフェア

平飼いの採卵鶏を飼育するために、アニマルウェルフェアの考え方が基本となります。

農林水産省の定義した「アニマルウェルフェア」とは、快適性に配慮した家畜の飼養管理です。

アニマルウェルフェアの考え方は、家畜が快適な環境で健康的に飼育されることで、安全・安心な国産畜産物を供給し生産性の向上に繋がることを示しています。

ニワトリの飼育には、砂浴びができること、止まり木や爪研ぎがあること、適正な給餌、給水ができることなど飼育環境が重要です。

採卵鶏におけるアニマルウェルフェアの実現度の順は次のとおりです。

「放牧」→「平飼い」→「＊エンリッチドケージ」→「＊バタリーケージ」

参考： アニマルウェルフェアの考え方に対応した 採卵鶏の飼養管理指針

エンリッチドケージとバタリーケージ

エンリッチドケージとバタリーケージは、ニワトリの飼育方式です。

  • エンリッチドケージ：ケージの中に止まり木や巣箱を設置することで従来型ケージよりもニワトリの行動欲求を満たすことができるようになっています。
  • バタリーケージ：ワイヤーでできた金網の中でニワトリを飼育する方式で、採卵効率の向上に配慮されています。

日本は「バタリーケージ」が90%を占めています。

一方、欧州は2012年に「バタリーケージ」を廃止し、現在はエンリッチドケージの廃止と平飼いや放し飼いなどのケージフリーを推奨しています。

エンリッチドケージの最低基準は以下の通りです。

（ＥＵ指令「採卵鶏の保護のための最低基準を定める 1999 年 7 月 19 日の理事会指令 1999/74/EC」による）

  • １羽につきケージ面積 750 ㎠（うち利用可能面積 600 ㎠）以上
  • 全体が高20cm以上
  • 総面積2000㎠以上。ただし利用可能面積とは、幅30cm 以上、床の傾き14％以下、高さ45cm 以上を満たす部分の面積
  • 巣箱・敷料・止まり木（１羽につき15cm以上）の設置
  • 制約のない給餌容器の設置と長さ（１羽当たり12cm以上）
  • 給水装置の設置と数
  • ケージの各層間（90cm 以上）および建物の床と最下層ケージの間（35cm 以上）の距離
  • 爪研ぎ用具の設置

参考：農林水産省　平成 25 年度海外農業・貿易事情調査分析事業（欧州）報告書

アニマルウェルフェア日本の認知度

日本と海外を比較すると、アニマルウェルフェアの認知度は低い傾向です。

日本でアニマルウェルフェアの動きが浸透しない理由は、法的整備ができていないことや、畜産業の歴史が浅いこと、畜産品の輸出が少ないなどがあげられます。

東京オリンピックでは、世界レベルに合わせたアニマルウェルフェアを採用することはできず、日本独自の調達基準で留まることに決定し、動物に配慮のないオリンピックが開催されています。

アニマルウェルフェアの基準は、ロンドン・リオオリンピックより低いレベルとなっています。

参考：動物に配慮できなかった五輪が始まる・・・

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平飼い卵はスーパーでも買える？購入方法をご紹介

平飼い卵はスーパーマーケットや通販などで購入することができます。

パッケージに「平飼い」と記載されているのでチェックして買ってみてください。

平飼い卵が買えるスーパーの例

では、平飼い卵が買えるスーパーマーケットを紹介します。

イオン

イオンブランド「TOPVALU」の商品です。

  • グリーンアイオーガニックオーガニック平飼いたまご 6個入
  • トップバリュ グリーンアイナチュラル平飼いたまご 6個入
  • トップバリュ平飼いたまご 6個入

HP:https://www.topvalu.net/ge_hiragaitamago/

イトーヨーカドー

  • セブンプレミアムフレッシュ昔ながらの平飼いたまご6個入

HP:https://www.7andi.com/sustainability/statement/action/other_20230908_1/index.html

ヤオコー

ヤオコーの「Yes!Premium」の商品です。

  • 岡山県産平飼い卵10個入り、6個入り

HP:https://www.yaoko-net.com/story/2021_11/202109110044508.html

東急ストア

  • 桜川農場 平飼いたまご 6個入

HP:https://ns.tokyu-bell.jp/shop/g/g32521719/

通販で平飼い卵が買えるサイトも紹介

平飼い卵が購入できる通販サイトを紹介します。

食べチョク：産地直送の平飼い卵のお取り寄せ商品を購入できます

まつもとたまご：長崎県西海市の養鶏農家より安全でおいしいたまごがお取り寄せできます

小林農園：北海道産の平飼い有精卵25個〜160個入りを購入できます

楽天市場：全国各地の養鶏農場より新鮮な平飼い卵がお取り寄せできます

産直アウル：佐賀県産の平飼い有精卵「ほんまの卵」40個入りが購入できます

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まとめ

平飼い卵について、アニマルウェルフェアの考え方を知っておくと、卵を購入する際の選び方も変わってくるでしょう。

ニワトリの生命をいただく意味や生産者の取り組みなど、消費者として関心を持っていきましょう。

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