今回インタビューさせて頂いたのはオイシックス・ラ・大地株式で食の社会課題を解決する活動の推進や発信を担当する上田ゆうなさん。
第2弾では上田さんの学生時代の経験、就職活動についてお届けします。
学生時代には、NPO法人アイセック・ジャパンでの活動や、貧困層を支援するフィリピンのNGOでのインターンなどを経験。
2013年6月からオイシックス株式会社(現・オイシックス・ラ・大地株式会社)でインターンを始め、その後2014年4月に新卒入社。
Oisixの商品・サービスの広報を経験。また、入社以来、約400人の農業関係者が集うシンポジウム『N-1SUMMIT』や、4万人以上を動員する収穫祭イベント『東京ハーヴェスト』などをプロジェクトマネージャーとして企画・運営。現在は、食に関する社会課題を解決する活動の推進や発信を担当している。
学生時代の経験と現在
ーーー学生時代にはどのような経験をしましたか。
フィリピンのNGOでのインターンとNPO法人アイセック・ジャパンの運営です。
フィリピンのNGOのインターンで行なったことは現地の農村でのホームステイです。
そうは言っても、現地では特に与えられた仕事はなかったので、自分で考えて何かやらなければと思っていました。
そんな時に、倉庫にゴミから燃料が作れる機械が眠っているのを見つけ、活用すれば新しい収入源になると思い、挑戦しました。
それを行うためには、ゴミの分別が必要です。
しかし、現地には分別の習慣がありませんでした。
まずは、現地の人々に分別の必要性を教えなければいけないと思い、2種類のゴミ箱を設置しました。
でも、ゴミ箱の設置までで私の2ヶ月は終わってしまい、その後の運用に携われなかったのは残念でしたね。
NPO法人アイセック・ジャパンは、日本の学生が海外の企業やNGOで行なうインターンと海外の学生が日本の企業で行うインターンを運営している団体です。
運営メンバーとして経験したことは主に2つです。
1つは海外の学生をインターンとして受け入れてくれる企業を探さないといけないので、企業の方に営業活動をしました。
企業の方にアポを取っては玉砕していましたね。
全然上手くいかなかったのですが、企業側の人間になってみるとあの時の自分は全然ダメだったと思います。
熱い想いだけを語って、企業側のメリットを全然提示できていませんでした。
2つ目はイベント企画です。
当時、ソーシャルビジネスが盛り上がり始めたので、社会起業家をお呼びしてディスカッションや学生とのワークショップなどを行い、自分は何をしたいか考えるイベントなどをやっていました。
ーーーそのような経験はどのように今の仕事に活かされていますか。
イベントを企画する際に、どのようなタスクが必要なのかは入社当初からイメージがありました。
また、学生時代には組織の運営に必要な資金を企業から協賛金というかたちで集めていましたし、今もイベントの運営資金となる協賛金を集める営業もしています。
色んな企業に対して恥知らずに営業した経験は今に活きています。
就職活動
ーーー就職活動を始めて、オイシックス・ラ・大地に入社するまでの経緯を教えてください。
実は、就活の初期段階でオイシックス・ラ・大地は候補ではなかったです。
当時興味があったのは途上国開発や貧困、インフラでした。
国連を考えたこともありましたが、難しそうだったので早々に諦めましたね。
また、漠然と海外で働きたいとも思い、海外で働く機会がありそうなグローバル展開している大きな会社を受けていました。
しかし、書類審査は通るものの面接は一次面接さえ1つも通りませんでした。
おそらく私がやりたいことを一方的に言う感じだったので、大きな組織に馴染まないと判断されたのだろうなと思います。
そこで大企業は向いていないと思い、ベンチャーを1からリストアップし、たどり着いたのが当時のオイシックスです。
私自身、食が好きだでしたし、国内外の農村で学生時代に活動をした経験もあり、面接でも想いを持って話せたことでご縁があったのではないかと思います。
ーーー就活を経験してどのような考えを持ちましたか。
どんな仕事が向いているのか考えることは大切だと思いました。
先ほど国連で働くことは早々に諦めたと言いましたが、ならなくてよかったと思っています。
もちろん国連職員になるのは難しいので、なれるとも思っていませんが、もしなっていたとしても楽しめていなかっただろうと考えています。
国連は国家間の仕組みを作る大事な仕事ですが、私には向いていません。
私の場合は、現場に出て誰に対して自分が働いているのか、直接見える方がやりがいを感じ、それがモチベーションになるからです。
どのような仕事が向いているかは人それぞれですね。
食や農業に関わりたい学生へ
ーーー食や農業に関わりたいと思っている学生が学生時代にしておくべきことを教えてください。
やりたいと思った活動をやってみたり、行ってみたいと思う生産者さんのところに行ってみたりといろんな現場を見るべきだと思います。
また、なぜ自分が今それにハマっているのかを分かっておくことも大切です。
好きで食や農業に関わっていく中でも、困難な経験をすることはあります。
その時になぜ自分は好きでやっていたのかを認識できていると、折れずに頑張れると思うんですね。
色んな場に出たり、いろんな経験をしていく中で『これは頑張れた』や『これは夢中になれなかった』を振り返ることで気付くことは多いです。
色んなことに挑戦しつつ、たまにはやってきたことを振り返り、自分の本当にやりたいことや好きなことに気づけるといいのかなと思います。
ーーー次回予告
第3弾では食の課題解決のために1人1人ができることや上田さんのこれから、社会に取り組む学生へのメッセージをお届けします。
金子莉歩(かねこりほ)
大学2年生
子どもの問題に興味があります。
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。