「NPO」という言葉はよく耳にするけれど、正確にどういう組織なのかわからない——そんな方も多いのではないでしょうか。
「会社と何が違うの?」「NPOって給料が出るの?」「どうすれば関われるの?」という疑問を持つ方も多いはずです。
この記事では、NPOの意味・種類・会社との違い・活動分野・関わり方をわかりやすく解説します。
社会課題に関わる仕事を考えている方にとって、NPOという選択肢を理解する入り口になれば幸いです。社会課題解決を仕事にする6つの関わり方も合わせてご覧ください。なお、NPO法人に新卒・第二新卒で就職する方法についても詳しく解説しています。
目次
NPOとは何か
NPOとは、Non-Profit Organization(ノン・プロフィット・オーガニゼーション)の略で、「非営利組織」を意味します。
利益の最大化を目的とせず、社会的な課題の解決や公益の実現を目的として活動する組織のことです。
Non-Profit Organizationの意味
「非営利」とは、「利益を出してはいけない」という意味ではありません。
正確には、「活動で得た利益を構成員(役員・会員など)に分配しない」という意味です。
NPOも事業を通じて収益を生むことはできますが、その利益は活動の継続・拡大に再投資されます。
この点が、利益を株主に配当できる株式会社と根本的に異なる点です。
NPO法人の定義と認定NPO法人との違い
日本では1998年に「NPO法(特定非営利活動促進法)」が施行され、NPO法人(特定非営利活動法人)という法人格が整備されました。
NPO法人として認証を受けるには、所轄庁(都道府県または内閣府)への申請が必要です。
NPO法人と認定NPO法人の違い
| 区分 | NPO法人 | 認定NPO法人 |
|---|---|---|
| 要件 | 所轄庁の認証 | NPO法人+国税庁の認定 |
| 寄付者の税制優遇 | なし | あり(寄付金控除) |
| 信頼性・透明性 | 一定水準 | より高い基準 |
認定NPO法人は、活動の透明性・公益性が高く評価された組織に与えられる区分で、寄付者が税制優遇(寄付金控除)を受けられるため、寄付が集まりやすいメリットがあります。
NPOへの寄付や就職を検討する際に、認定NPO法人かどうかは一つの判断基準になります。
NPOの活動分野
NPO法では、NPO法人が活動できる分野として20の分野が定められています。
主な分野を紹介します。
- 保健・医療・福祉:障害者支援・高齢者介護・医療アクセス改善など
- 社会教育・学術・文化:生涯学習・地域教育・文化振興など
- まちづくり・地方創生:地域コミュニティ形成・空き家活用・商店街再生など
- 環境保全:自然環境保護・気候変動対策・リサイクル推進など
- 国際協力:開発途上国支援・難民支援・国際交流など
- 子ども・青少年の健全育成:放課後支援・不登校支援・学習支援など
- 貧困・格差解消:フードバンク・生活困窮者支援・就労支援など
- 人権擁護・平和推進:DV被害者支援・難民支援・人権教育など
社会課題のほぼすべての分野にNPOが存在しており、自分が関心を持つ課題テーマに合わせてNPOを選ぶことができます。
NPOと会社(株式会社)の違い
NPOと会社(株式会社)の主な違いを整理します。
| 観点 | NPO法人 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 社会課題の解決・公益の実現 | 利益の創出・株主への還元 |
| 利益の配分 | 構成員への分配禁止(活動に再投資) | 株主への配当が可能 |
| 設立要件 | 10人以上の社員・所轄庁の認証 | 1人から設立可能 |
| 税制 | 非課税・優遇あり(条件による) | 法人税等が課税 |
| 資金調達 | 寄付・助成金・事業収益 | 出資・借入・事業収益 |
最大の違いは「利益の使い道」です。
株式会社では利益を株主に分配できますが、NPO法人では利益を構成員に分配することが禁止されており、すべて活動の継続・拡大に充てなければなりません。
この仕組みが、NPOが「社会課題解決を本質的な目的にできる」理由でもあります。
NPOで働く・関わる方法
NPOへの関わり方は、正職員として働くことだけではありません。
自分の状況や目的に合わせた関わり方を選べます。
正職員として働く
NPOの正職員は、事業の企画・運営・広報・資金調達・現場支援などを担います。
給与水準は民間企業と比べると低い傾向がありますが、規模の大きなNPOや事業型NPOでは民間に近い待遇のケースも増えています。
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アルバイト・パートとして関わる
本業を続けながら、週数日単位でNPOの業務に関わる働き方もあります。
小規模なNPOではアルバイトスタッフを募集していることも多く、現場を体験する入り口として活用できます。
ボランティアとして関わる
最も始めやすい関わり方です。
現場に関わることで課題の実態や組織の雰囲気を知ることができ、就職・転職の検討前に「合うかどうか」を確かめる機会になります。
activoやボランティアプラットフォームで活動先を探せます。
プロボノとして専門スキルを活かす
本業のスキルを活かして、NPOの活動を無償または低報酬で支援する関わり方です。
マーケティング・デザイン・IT・法務・会計・広報などの専門性を持つ方が、副業・週末活動として関わるケースが増えています。
NPOへの就職を検討している方の「お試し」にもなります。
まとめ
NPOとは、利益の配分を目的とせず、社会課題の解決や公益の実現を目的として活動する非営利組織です。
NPO法人・認定NPO法人の違い、会社との違い、活動分野のバリエーションを理解することで、どのNPOに・どんな形で関わるかが見えてきます。
正職員・アルバイト・ボランティア・プロボノと、関わり方は一つではありません。
まずは気になる分野のNPOをひとつ調べ、イベントやボランティアに参加してみることから始めてみてください。
現場に一歩踏み出すことが、社会課題に関わるキャリアへの最も現実的な第一歩です。

この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
