気候変動は、地球上のあらゆる生き物の未来に関わる問題です。
ニュースで「記録的な猛暑」「線状降水帯による大雨」という言葉を聞く機会が増えましたが、これらは気候変動と無関係ではありません。
この記事では、気候変動の意味・原因・影響・対策を、最新データをもとにわかりやすく解説します。
キャリアとの接点や個人でできることも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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気候変動とは?地球温暖化との違いをわかりやすく解説
「気候変動」と「地球温暖化」は、よく混同されますが、意味が異なります。
地球温暖化とは、温室効果ガス(CO2・メタン・一酸化二窒素など)の増加によって、地球全体の平均気温が上がっていく現象のことです。
気候変動とは、地球温暖化を含む、長期的な気候の変化全体を指す言葉です。
気温の上昇だけでなく、降水パターンの変化・海面上昇・異常気象の頻発なども気候変動に含まれます。
つまり、地球温暖化は気候変動の主な原因のひとつであり、気候変動はその結果として起きる広範な変化の総称です。
2024年の世界平均気温は、産業革命前(1850〜1900年平均)と比べて1.55℃上昇しました(WMO「State of Global Climate 2024」)。
1.5℃という数字は、後述するパリ協定の目標値であり、すでにその水準に達しつつあることが世界中で警戒されています。
気候変動が起きている原因(自然要因・人為的要因)
気候変動の原因は、大きく「自然要因」と「人為的要因」の2つに分けられます。
現在の急激な気候変動においては、人為的要因の影響が圧倒的に大きいことが科学的に確認されています。
自然要因
自然要因には、太陽活動の変化・火山噴火によるエーロゾルの増加・海洋循環の変動などが挙げられます。
たとえば、大規模な火山噴火が起きると、噴出した粒子が太陽光を遮って一時的に気温が下がることがあります。
ただし、自然要因だけでは現在のような急激な気温上昇を説明できません。
人為的要因
人間の活動によって排出される温室効果ガス、特に二酸化炭素(CO2)が気候変動の主な原因です。
産業革命前の大気中CO2濃度は約280ppmでしたが、2019年には410ppmを超えました(IPCC 第6次評価報告書 AR6)。
人間活動による温室効果ガス排出のうち、CO2が約65%を占めています(IPCC AR6より)。
主な人為的要因は以下の3つです。
化石燃料の燃焼
石炭・石油・天然ガスを燃やすと大量のCO2が排出されます。
現在も世界のエネルギーの大部分を化石燃料が担っており、電力・輸送・工業の脱炭素化が急務となっています。
森林破壊
森林は大気中のCO2を吸収する「炭素の貯蔵庫」です。
伐採や焼畑によって森林が失われると、CO2を吸収する力が下がるうえ、蓄えていたCO2が大気中に放出されます。
森林伐採による温室効果ガスの排出は、世界全体の約2割を占めています(環境省「森林の減少と温暖化」)。
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農業・食料生産
農業では、水田からのメタン・家畜の排泄物から発生する一酸化二窒素など、CO2以外の温室効果ガスも大量に排出されます。
食料システム全体の温室効果ガス排出量は、世界全体の20〜25%に上るとされています。
気候変動による具体的な影響(世界と日本)
気候変動はすでに現実の影響として現れています。
「将来の話」ではなく、今この瞬間にも世界と日本で被害が起きていることを確認しましょう。
世界への影響
海面上昇
海面は1901〜2018年の間に約20cm上昇しました(IPCC AR6)。
このペースが続けば、今世紀末には低い島国や沿岸都市が浸水する恐れがあります。
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サンゴ礁の消失
気温上昇が1.5℃にとどまっても、世界のサンゴ礁の70〜90%が消失します。
2℃を超えると、消失率は99%に達すると試算されています(IPCC「1.5℃特別報告書 SR1.5」)。
異常気象の頻発
世界各地で山火事・記録的熱波・大型ハリケーンが増えています。
かつては「100年に1度」とされた極端な気象現象が、毎年のように発生するようになっています。
日本への影響
熱帯夜・猛暑の増加
気象庁のデータによると、東京の年間熱帯夜日数は、1931〜1960年平均の約19日から、2009〜2018年平均では約43日へと倍以上に増加しています。
線状降水帯の増加
気温が上昇すると大気中の水蒸気量が増え、短時間の強雨が起きやすくなります。
1時間降水量50mm以上の短時間強雨の発生回数は、1976〜1985年平均(年間226回)に比べ、2014〜2023年平均では年間346回に増加しています(気象庁 異常気象統計)。
農作物・漁業への被害
気温上昇が続くと、2100年には日本の米の収穫量が約20%減少するとの試算があります(出典確認が必要)。
また、スルメイカの漁獲量は1980年代のピーク時と比べて約10分の1程度にまで落ち込んでおり、海水温の上昇による漁場の変化が一因とされています(出典確認が必要)。
気候変動が改善されないとどうなる?
このまま温室効果ガスの排出が続けば、今世紀末の気温上昇は2.5〜4℃以上に達する可能性があります(IPCC AR6)。
具体的に予想される影響を挙げます。
食料不足
農業生産の低下・漁場の変化・水不足が重なり、世界的な食料不足が深刻化します。
気候変動による穀物生産被害は過去30年間で年間平均約424億ドルの損失を生んでいます(環境省推計)。
感染症の拡大
気温上昇によって蚊の生息域が広がり、マラリア・デング熱などの感染症が高緯度地域にも拡大する恐れがあります。
生態系の崩壊
多くの生き物が絶滅の危機にさらされ、生態系のバランスが壊れます。
農業に必要な受粉を担うミツバチが減るなど、生態系の変化は回り回って人間の生活にも直結します。
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気候変動への世界と日本の取り組み(パリ協定・1.5℃目標)
気候変動対策は、国際社会が連携して進めています。
その中心にあるのが、2015年に採択されたパリ協定です。
パリ協定では「産業革命前からの気温上昇を2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」ことが196の国と地域によって合意されました。
この目標を達成するには、2030年までに世界の温室効果ガス排出量を2010年比で約45%削減し、2050年頃にはCO2の排出と吸収をゼロにする「カーボンニュートラル」を実現する必要があります。
気候変動対策は大きく2種類に分けられます。
| 区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 緩和策 | 温室効果ガスの排出量を減らす | 再生可能エネルギーの普及、省エネ、森林保全 |
| 適応策 | 気候変動の影響に社会が対応する | 洪水対策インフラ、農業品種の改良、熱中症対策 |
緩和策だけでは間に合わない部分を適応策で補う、両輪での対応が求められています。
日本の取り組みとして、2021年に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2030年度に温室効果ガスを2013年度比46%削減する目標を掲げています。
再生可能エネルギーの拡大・省エネ促進・EV普及支援などが具体策として進んでいます。
気候変動に取り組む仕事・企業(キャリア導線)
気候変動問題に仕事として向き合う人が増えています。
「社会課題をビジネスで解決したい」と考えるあなたにとって、気候変動分野はキャリアを築ける領域のひとつです。
脱炭素コンサル・再生可能エネルギー事業・カーボン会計ソフト・環境NGOなど、気候変動に関わる仕事の種類は年々広がっています。
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以下は、気候変動に取り組む代表的な企業の一例です。
booost technologies株式会社
booost technologies株式会社は、企業の脱炭素化を加速するクラウド型システム「booost Sustainability Cloud」を提供しています。
GHG排出量の計測・管理から削減目標の設定まで、企業のサステナビリティ経営を一気通貫で支援しています。
株式会社booost technologies 社会課題解決の取り組み評判
アスエネ株式会社
https://earthene.com/corporate
アスエネ株式会社は「次世代によりよい世界を」をビジョンに、気候変動×テクノロジーに取り組むベンチャー企業です。
CO2排出量の見える化・削減・報告を支援する「アスゼロ」と、再生可能エネルギー調達を支援する「アスエネ」の2つの事業を展開しています。
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ
「グリーンエネルギーがめぐる世界の実現」をビジョンに、エネルギーを「減らす」「創る」「繋ぐ」「活かす」の4領域で事業を展開しています。
脱炭素社会の実現に向け、省エネと再生可能エネルギー普及を両輪で進めています。
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ 社会課題解決の取り組み評判
私たちにできること
気候変動はスケールが大きすぎて「個人では何もできない」と感じるかもしれません。
しかし、消費者としての選択・声を上げること・仕事を通じた貢献など、あなたにできることは確かにあります。
エネルギーを減らす
使っていない電気をこまめに消し、エアコンの設定温度を夏は28℃・冬は20℃にするだけでもCO2削減につながります。
再生可能エネルギーの電力プランに切り替えることも、今日から始められる選択肢のひとつです。
移動手段を見直す
自動車よりも電車・バス・自転車を選ぶと、一人当たりのCO2排出量を大きく減らせます。
次の買い替え時にEV(電気自動車)を検討することも有効です。
食の選択を変える
食料生産は温室効果ガスの大きな排出源のひとつです。
肉食の頻度を減らしたり、地元産・旬の食材を選んだりすることが、間接的に排出量を減らします。
仕事を通じて貢献する
気候変動分野でのキャリアに関心があるなら、環境系のNPO・再生可能エネルギー企業・サステナビリティコンサルなど、働く場所の選択肢は広がっています。
また、実態を伴わない環境配慮の主張(グリーンウォッシュ)を見分ける目を養うことも、消費者として重要な力です。
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まとめ
気候変動は「遠い未来の問題」ではなく、すでに私たちの生活に影響を与えている問題です。
2024年時点で世界平均気温は産業革命前比1.55℃上昇しており、パリ協定の1.5℃目標の達成には2030年までに排出量を約45%削減する必要があります。
日本でも熱帯夜の増加・線状降水帯の頻発・農作物や漁業への影響がすでに出始めています。
緩和策(排出削減)と適応策(社会適応)の両方を進めながら、個人・企業・政府が一体となって取り組むことが求められています。
気候変動問題に仕事として関わりたいと思うなら、ぜひ気候変動分野のキャリアを探してみてください。
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よくある質問
気候変動とは何ですか?
気候変動とは、長期にわたって地球の気温・降水量・風などの気候が変化することを指します。
原因として、人間の活動による温室効果ガスの排出が最大の要因とされており、特に化石燃料の燃焼・森林破壊・農業活動によるCO2・メタン・一酸化二窒素の増加が挙げられます。
気候変動の結果として、気温上昇・海面上昇・異常気象の頻発・生態系の変化などが起きています。
IPCCの第6次評価報告書(2021年)は「人間の影響が気候システムを温暖化させてきたことは疑う余地がない」と明記しています。
気候変動と地球温暖化の違いは何ですか?
地球温暖化とは、温室効果ガスの増加によって地球全体の平均気温が上昇する現象のことです。
気候変動とは、地球温暖化を含む、長期的な気候の変化全体を指す、より広い概念です。
気温の上昇だけでなく、降水パターンの変化・海面の上昇・異常気象の増加・生態系への影響なども「気候変動」に含まれます。
つまり、地球温暖化は気候変動の主な原因のひとつであり、気候変動はその結果として起きる広範な変化の総称と理解するとわかりやすいです。
気候変動によって具体的にどんな影響が起きていますか?
世界では、海面上昇・サンゴ礁の消失・山火事・熱波・大洪水の増加が起きています。
IPCCによると、気温上昇が1.5℃にとどまっても世界のサンゴ礁の70〜90%が消失し、2℃を超えると99%に達します。
日本では、熱帯夜の増加(東京では30年間で倍増)・線状降水帯による豪雨・米の収穫量減少・スルメイカの漁獲量激減などが報告されています。
気候変動対策として個人にできることは何ですか?
日常生活では、省エネ・節電・節水・公共交通機関の利用・肉食の頻度を減らすなどの行動が、間接的に温室効果ガスの削減につながります。
再生可能エネルギーの電力プランへの切り替えや、環境配慮型の製品を選ぶことも有効です。
また、気候変動に取り組む企業への就職・転職を通じて、仕事として問題解決に貢献するという選択肢もあります。
まず「知る・伝える」ことから始め、できる範囲で行動を変えていくことが大切です。

この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
