「日本は水に恵まれた国」というイメージがありますが、上水道の普及率は約98%と高水準である一方、洪水・渇水・インフラ老朽化と多くの課題を抱えています。

この記事では、日本の水問題の現状をデータとともに整理し、国・企業・個人それぞれの解決策と、水問題に関わるキャリアについてわかりやすく解説します。

 

水問題とは

水 フリー素材 に対する画像結果

水問題とは、水の不足・汚染・災害・インフラ劣化など、水に関わるあらゆる課題の総称です。

国連の報告(2022年)によると、世界では約22億人が安全に管理された飲み水を利用できていません。

気候変動による降水パターンの変化や、人口増加に伴う需要増大がその背景にあります。

SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」が掲げられているように、水問題は途上国だけでなく、日本でも日常生活に影響する身近な課題です。

日本の水資源の現状

日本の水インフラは高水準に整備されており、上水道普及率は約98%、下水道普及率は約79%に達しています。

しかし、整備が進んでいるからといって水の課題がないわけではありません。

国土交通省「水資源の利用状況」によると、日本の年平均降水量は世界平均の約2倍ですが、1人あたりの水資源量は約3,400m³/年と、世界平均(約7,100m³)の半分以下にとどまります。

急峻な地形のため雨水が短時間で海へ流れ出てしまい、梅雨・台風期に降水が集中する季節格差も大きいことが原因です。

水の主な用途

日本の水利用は大きく3つに分かれています。

用途 割合 特徴
農業用水 約70% 灌漑・畜産が中心。IT農業の普及で徐々に減少
生活用水 約16% 1998年ごろをピークに節水意識の高まりで減少傾向
工業用水 約14% 使用水の再利用率が高く横ばい推移

農業用水の割合が突出して高い背景には、日本の食料生産に必要な灌漑の規模があります。

近年は第一次産業へのIT技術導入が進み、水利用の効率化が図られています。

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日本にある水問題3つ

日本が抱える水問題は、大きく3つに分けて整理できます。

1. 豪雨・洪水・土砂災害

日本は、世界でも自然災害が多い国のひとつです。

気候変動の影響で短時間強雨(1時間50mm以上)の発生頻度は増加傾向にあり、河川の氾濫や土砂災害の被害が毎年相次いでいます。

近年は災害時の感染症対策や避難所での衛生確保という新たな問題も明確になり、被害の深刻さが増しています。

海面上昇との複合リスクも懸念されており、治水インフラの強化が急務です。

2. 渇水

渇水とは、季節に応じた雨や雪が降らないことで生じる水不足のことです。

その主な原因は日本の地形にあります。

日本の河川は他国と比べて短く急なため、水の流れが速く安定した確保が難しい状況にあります。

気候変動による降水パターンの変化がこの問題をさらに深刻にしており、西日本を中心に取水制限が繰り返されています。

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3. 水質悪化・インフラ老朽化

戦後の急速な整備で広まった上下水道は、建設から50年以上が経過した管路が増えています。

法定耐用年数(40年)を超えた下水道管は全国で約14%に達しており(国土交通省、2022年度)、更新が追いつかない状況です。

一方で、東京都水道局の漏水率は約3%と、先進国大都市の平均(約35%)と比べて世界最低水準を誇ります。

この高い技術力は日本の強みですが、老朽化インフラの維持・更新とそれを担う技術者の高齢化・人手不足が同時に進行しており、対応が急がれています。

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水問題の解決策と取り組み

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水問題はあらゆる社会問題と相互に関連しており、ひとつの対策だけで解決できるものではありません。

日本が取り組んでいる主な解決策を3つ紹介します。

浄化槽の普及・整備

浄化槽は、家庭や事業所から出る生活排水を微生物の働きで浄化し、きれいな状態で放流する装置です。

わたしたちは毎日の生活の中で、1日1人あたり約200リットルの水を使用しています。

下水道が整備されていない地域では浄化槽が水質保全の重要なインフラであり、その普及・整備を通じて生活排水による水質悪化を防ぐことができます。

2024年5月には国土交通省が災害時の下水道代替として浄化槽を公式に選択肢に位置づけ、防災面での役割も注目されています。

スーパー堤防

スーパー堤防(高規格堤防)とは、堤防の高さに対して堤体の幅を約30倍に広げた緩やかな構造の堤防です。

勾配が緩いため土砂の浸食に強く、万一越流しても決壊しにくい点が特長です。

広大な土地と長期の整備期間が必要なため、現状は都市部の主要河川に限定されていますが、大規模水害の被害を根本から抑える手段として整備が進んでいます。

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海水淡水化

地球上の水資源の約97.5%は海水です。

海水を飲料水・農業用水へ転換する技術が実用化されれば、渇水問題の抜本的な解決につながります。

東レ株式会社などの日本企業は省エネルギー型の逆浸透膜(RO膜)技術を開発しており、日本メーカーは世界市場の50%以上のシェアを持ちます。

インドネシア・パプアニューギニアなど海外への海水淡水化システムの普及にも取り組んでいます。

水問題に取り組む企業

水問題の解決に向けて、浄化槽・水処理・防災インフラなど幅広い分野で企業が動いています。

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フジクリーン株式会社

https://www.fujiclean.co.jp/

フジクリーン株式会社は、「美しい水を守る」をコンセプトに水環境の改善に取り組む浄化槽業界のリーディングカンパニーです。

浄化槽とは、トイレや台所・洗濯などの排水をきれいな水にかえる環境装置で、各国のニーズに合わせた普及活動はSDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」に直結しています。

2024年5月10日には、国交省が災害時の上下水道の復旧において下水道の代替として「浄化槽」を選択肢としたことで改めて注目を集めました。

製造面でのCO2・廃棄ロス削減にも注力しており、世界への浄化槽普及に向けた新卒・中途採用にも力を入れています。

社員の声はこちら

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水問題に関わるキャリア

水問題の解決には、技術・政策・国際協力など多様な職種の専門家が関わっています。

「社会に貢献する仕事がしたい」と考えるなら、水問題はキャリアの起点になる分野のひとつです。

環境・水処理エンジニア

環境・水処理エンジニアは、上下水道・浄化槽・水処理設備を設計・管理する技術職です。

インフラの老朽化対策や海水淡水化プラントの設計など、技術的な貢献が社会を直接支えます。

国際協力・NGO

JICA(国際協力機構)や水・衛生分野のNGOでは、途上国の水インフラ整備や衛生教育を支援する仕事があります。

毎年25〜50名規模の専門家が海外に派遣されており、語学力と専門性を活かせるキャリアパスです。

環境コンサルタント・研究職

企業の水利用改善・環境リスク評価・政策立案を支援する仕事です。

ESG経営への関心の高まりとともに、水問題に特化したコンサルタントや研究者への需要が増しています。

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私たちにできること

水問題を身近に感じ、日常からできることを始めましょう。

節水を習慣にする

節水は、渇水リスクの低減と水道インフラへの負荷軽減に直接つながります。

シャワーヘッドを節水型に交換するだけで30〜50%の節水効果が見込めます。

歯磨き中・食器洗いの合間に蛇口を止める、風呂の残り湯を洗濯に再利用するなど、小さな習慣の積み重ねが大切です。

ハザードマップを確認する

自分の住む地域のハザードマップを確認することが大切です。

水に関連する問題は、洪水・土砂災害・避難所生活まで想定する必要があります。

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、浸水想定エリアや最寄りの避難所の場所を確認できます。

バーチャルウォーターを意識する

バーチャルウォーターとは、食料の生産に使われた水を、輸入を通じて間接的に消費するという概念です。

日本は食料輸入を通じて海外の水資源を大量に消費しており、日々の食の選択が水問題に影響しています。

よくある質問(FAQ)

水問題についてよく寄せられる疑問をまとめました。

Q1. 水問題とは何ですか?

A. 水問題とは、水の不足・汚染・災害・インフラ劣化など、水に関わるあらゆる課題の総称です。

世界では約22億人が安全な飲み水を利用できておらず(国連2022年)、SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」の達成が急務とされています。

日本でも洪水・渇水・インフラ老朽化という3つの課題を抱えており、水問題は日常生活に直結した問題です。

Q2. 日本は降水量が多いのになぜ水不足になるのですか?

A. 「降水量が多い」ことと「安定して水を確保できる」ことは別の問題です。

日本の年平均降水量は世界平均の約2倍ですが、1人あたりの水資源量は約3,400m³と世界平均(約7,100m³)の半分以下にとどまります。

日本の河川は急峻なため雨水が短時間で海に流れ出てしまい、梅雨・台風期に降水が集中する季節格差も大きいことが主な理由です。

Q3. 日本の水問題で最も深刻なのはどれですか?

A. 構造的に最も深刻なのはインフラ老朽化です。

法定耐用年数を超えた下水道管は全国で約14%に達しており(国土交通省、2022年度)、更新費用の確保と技術者不足が同時に進行しています。

洪水・渇水は気象条件に左右されますが、インフラ老朽化は毎年確実に進む構造問題であるため、早期対策が必要です。

Q4. 水問題に関わる仕事にはどんなものがありますか?

A. 上下水道・浄化槽・防災インフラを手がけるインフラ企業、水処理技術を開発するメーカー、途上国の水衛生を支援するNGO・JICA(国際協力機構)など幅広い選択肢があります。

企業のESG経営を支援する環境コンサルタントや、行政の水政策に関わる研究職も水問題に関わるキャリアのひとつです。

詳しくは水問題に取り組む企業10選をご覧ください。

まとめ

水問題の要点を整理します。

  • 水問題とは、水の不足・汚染・災害・インフラ劣化など水に関わる課題の総称
  • 世界では約22億人が安全な飲み水を利用できていない(国連2022年)
  • 日本の降水量は世界平均の2倍だが、1人あたり水資源量は世界平均の約半分
  • 日本の主な問題は「豪雨・洪水」「渇水」「インフラ老朽化」の3つ
  • 解決策として「浄化槽の普及」「スーパー堤防」「海水淡水化」が進んでいる
  • 水問題に関わるキャリアとして、環境エンジニア・国際協力・コンサルタントが挙げられる
  • 個人レベルでは節水・ハザードマップ確認・バーチャルウォーターへの意識が身近な行動

水問題は遠い国の話ではなく、日本でも日常生活に直結した課題です。

まずは自分の地域のハザードマップを確認するところから始めてみてください。

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