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バーチャルウォーターとは?日本の輸入量や問題点、解決策を解説!

牛一頭育てるには、約12,000トンもの水が必要だという衝撃の事実をご存じでしょうか?

この事実を解説するには、「バーチャルウォーター」という言葉がキーワードになります。

バーチャルウォーターとは

バーチャルウォーター(virtual water/仮想水)とは、輸入食糧を生産するのに必要な水の量を推定したものであり、ロンドンのアンソニー・アラン教授によって示された概念です。

例えば、牛1頭分のバーチャルウォーターは約12,000トンです。

牛の飼料となるトウモロコシは、1kgあたり1,800リットルの水が必要で、牛はこれを大量に消費しているため、大きな数字になります。

他にも、私たちが普段食べている食品にどのくらいのバーチャルウォーターが含まれているかは、こちらの環境省のサイトから調べることができます。

日本のバーチャルウォーター輸入量

https://globe.asahi.com/article/11614201

東京大学の沖大幹助教授らが、日本の食糧輸入によるバーチャルウォーター輸入量を推計しました。

これによると、輸入量は「年間約640億トン」であり、なんと琵琶湖の貯水量の約2.5倍に相当します。

日本は、国内の年間総水資源使用量900億トンのほかに、その3分の2以上の水を海外から輸入していることになります。

バーチャルウォーターから分かる問題

日本は多くの食糧を輸入していますが、仮にそれらを国内で生産しようとすると大量の水が必要です。

つまり、食糧輸入によって日本は水資源を節約できますが、その代わりに輸出国では水資源が消費されたことになります。

結果として、バーチャルウォーター輸出国であるインド、エチオピア、パキスタンでは、深刻な水不足が発生しています。

インドでは、2019年時点で全土の4割が干ばつ状態になっています。

エチオピアでは、子どもたちが1日中水汲みに行きますが、得られるのは泥水です。

パキスタンでは、細菌で汚染された水を飲料水に使用しており、疾病や死亡の30〜40%はこれに起因します。

 

バーチャルウォーター輸出国ほど水不足に陥り、住民は劣悪な環境下での生活を強いられているのです。

また、バーチャルウォーター輸入国の日本にとって、輸出国の水不足や汚染水の問題は決して他人事ではありません。

輸出国が水不足により食糧を作れなくなれば、当然日本も輸入できないためです。

バーチャルウォーターに係る問題の解決策

実は、もともとバーチャルウォーターに関する議論は、

「水資源の地域的な偏りは、食糧の輸出入を媒体とする地域間の移動により緩和することが可能である」という仮説から始まりました。

しかし、上記の通り、食糧の輸出入が水資源の最も合理的な再配分にはなっていないのが現状のようです。

私たちにできることとしては、まずバーチャルウォーターを減らす行動が挙げられます。

すなわち、食糧は必要な分だけ購入し、廃棄しないことや、できるだけ国内産の食糧を選択することです。

さらに、世界の水問題の解決に取り組むNPO・NGOの活動に参加したり、寄付をしたりすることも問題解決策のひとつと言えるでしょう。

さいごに

私たち日本人は、蛇口をひねれば水が出る生活に慣れています。

しかし、世界は深刻な水不足にあることや、日本も間接的に海外の水に頼っていることを理解し、食糧や水をムダにしないよう心掛けなくてはいけません。

当サイトは、社会課題をキャリアにしたいと考える方のお手伝いをしています。

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ライタープロフィール

COCOCOLOR EARTH代表 吉田 宏輝(よしだ こうき)
「ボランティアを職業にする」というビジョンをもとに活動中
個人ブログ:ボランティアを職業にする人.com
Twitter:ボランティアを職業にする人

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