地方創生の取り組みが加速している現代において、関係人口という言葉を耳にする機会が多くなりましたが、「関係」という言葉からその意味合いを勘違いされることも多いのです。
また、間違えられる言葉として交流人口や定住人口などという言葉もあり、それぞれの人口について意味を理解していないと混合して考えてしまいます。
そこで本記事では、関係人口について意味や効果、成功事例について解説していきます。
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目次
関係人口とは?
関係人口とは、特定の地域に移住している定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもなく、地域と深く関わりのある人のことを指す言葉です。
関係人口には、特定の地域にルーツのある人や過去に居住したことのある人、頻繁に行き来している人などが代表的な例として挙げられます。
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関係人口の「関係」の意味
関係人口の「関係」とは、少しでも関係のある人を指す意味合いではなく、地域に強い愛着を持っているという関係を指すという考え方が一般的です。
住んでいる地域が遠くても、その地域に住んでいる方と深い交友関係があって頻繁に地域に訪れている人なども関係人口として数えられます。
関係人口と交流人口の違い
関係人口と交流人口の違いは、地域に対する関わりの深さです。
関係人口は地域に愛着を持って訪れる人が多いですが、交流人口は観光や通学、通勤など地域そのものには愛着を持っていない人のことを指します。
関係人口を創出・拡大する効果
関係人口の現状と増やす理由について解説していきます。
関係人口の現状
国土交通省の調査によると、2021年3月時点で全国にいる18歳以上の居住者である約1億615万人の中でも20%ほどの1800万人近くが関係人口であるとの結果が出ています。
リモートワークが普及したこともあり、関係人口の数が増加している傾向にあるのです。
参考:全国の「関係人口」は1,800万人超!~「地域との関わりについてのアンケート」調査結果の公表~
関係人口を増やす理由
各地域が関係人口の増加に力を入れていますが、その理由としては労働不足解消や地域経済活性化などのメリットがあるからです。
ただし、もともと住んでいた住人とのトラブルや交通問題、ゴミ問題などが増加するというデメリットもあるため、考えなしに関係人口を増やせばいいという問題ではありません。
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関係人口を増やす方法
関係人口を増やすためにはまず地域を知ってもらうことが大切になるため、オンラインイベントやオンライン説明会などを積極的に開催することが必要です。
イベントなどを通じて地域に魅力を感じてもらった人が地域に訪れてもらえるように、相談や受け入れの体制を整えることも重要になります。
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関係人口を増やす地方創生の取り組み事例
関係人口を増やす地域創生の取り組みの成功例について解説していきます。
千葉県匝瑳市
千葉県の匝瑳(そうさ)市では、関係人口を増やすために「SOSA Project」というプロジェクトが取り組まれており、米作りやDIYなどを体験することができます。
米作りや空きリノベーションなどを通じて100組以上の関係人口が都心から通うようになり成功を収めている取り組みです。
島根県邑南町
島根県邑南(おおなん)町では、JR三江線の「旧宇津井駅」の廃線を使用したPRで関係人口を増やしています。
JR三江線の「旧宇津井駅」は地上から20mほどの位置にある駅となっており、”天空の駅”と呼ばれていますが、その美しさから廃線後も観光スポットとして人気の高いスポットでした。
この旧宇津井駅に関係する講座や現地ツアーなどを通じて関係人口の増加に成功しています。
香川県・岡山県
香川県と岡山県の2県が組織となって瀬戸内海の2つの港で3年に1度開催されている「瀬戸内国際芸術祭」を通じて観光客や関係人口を増加させ続けています。
「瀬戸内国際芸術祭」はアート関連の作品が展示されるイベントとなっており、日本だけではなく海外からも注目を集めていますが、その中のボランティアスタッフである「こえび隊」を全国から募ることで関係人口の増加に成功しているのです。
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私たちにできること
本記事では、関係人口について意味や効果、成功事例について解説していきました。
過疎が進んでいる地域は関係人口を増加させる取り組みが行われていますが、大きなメリットがある一方でデメリットもあるため、さまざまな対策が求められます。
ぜひ本記事を参考にして関係人口についての理解を深めてみてください。
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よくある質問[一問一答]
関係人口とは?
関係人口とは、特定の地域に移住している定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもなく、地域と深く関わりのある人のことを指す言葉です。
関係人口と交流人口の違いは?
関係人口と交流人口の違いは、地域に対する関わりの深さです。関係人口は地域に愛着を持って訪れる人が多いですが、交流人口は観光や通学、通勤など地域そのものには愛着を持っていない人のことを指します。
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。