日本では少子高齢化が問題視されていますが、具体的な原因や問題点について知らないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、少子高齢者問題の現状や原因、問題点などについて詳しく解説します。

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少子高齢化問題とは

少子高齢化とは、出生率の低下から長期的に人口が減少する「少子化」と、出生率が低下することで平均寿命が高くなる「高齢化」という2つの用語を組み合わせた言葉です。

少子高齢化問題の現状

現在の日本において、少子高齢化は深刻な問題として認識されています。

日本では2022年まで12年連続で総人口が減少しており、人口減少の割合は11年連続で拡大しています。

都道府県別に見てみても47都道府県のうち、人口が増加したのが東京都のみとなっており、深刻な少子化の現状が伺えます。

また、2022年10月1日時点での日本の人口ピラミッドを見てみると、男女ともに73歳〜75歳、48歳〜51歳の人口の割合が多いため、今後さらなる少子高齢化が進むと考えられているのです。

このように、現在の日本において少子高齢化に歯止めが効かない状況が続いています。

(参照:総務省統計局「人口推計(2022年(令和4年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐)

以下の記事では、各都道府県の社会問題に対する取り組みを紹介しています。

気になる都道府県を選んでクリックしてみてください。

北海道・東北
北海道(札幌市青森県 岩手県 宮城県(仙台市秋田県 山形県 福県県
関東    
東京都 神奈川県(横浜市,川崎市,相模原市埼玉県(さいたま市千葉県(千葉市茨城県 栃木県 群馬
北陸・甲信越
新潟県(新潟市富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県
東海 
愛知県(名古屋市岐阜県 静岡県(静岡市,浜松市三重県
近畿    
大阪府(大阪市,堺市兵庫県(神戸市京都府(京都市滋賀県 奈良県 和歌山県
中国・四国 
鳥取県 島根県 岡山県(岡山市広島県(広島市山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県
九州・沖縄 
福岡県(福岡市,北九州市佐賀県 長崎県 熊本県(熊本市大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県


少子高齢化問題はなぜ起こる?原因を解説

ここでは少子高齢化問題の原因について詳しく解説します。

団塊世代の高齢化

団塊世代(だんかいせだい)とは、1947年(昭和22年)〜1949年(昭和24年)ごろに生まれた人のことを指します。

1947年(昭和22年)〜1949年(昭和24年)は終戦によるさまざまな影響によって子作りが盛んに行われた「第1次ベビーブーム」と呼ばれ、人口ピラミッドの中でも特に多くの割合を占めている年代です。

(参照:総務省統計局「人口推計(2022年(令和4年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐)

この団塊世代は2024年現在、75歳〜77歳ほどの高齢者となるため、日本全体の高齢化の大きな要因となっています。

晩婚化や核家族化など社会の変化

結婚に対する意識の変化によって、結婚の年齢が遅くなる「晩婚化」や、夫婦のみもしくは未婚の子どものみで構成される「核家族化」の割合が増加したことも少子高齢化の大きな要因のひとつです。

(参照:内閣府「第3章 人口・経済・地域社会をめぐる現状と課題」

平均寿命の延長

日本の平均寿命は男性が78.79歳、女性が85.75歳となっています。

(参照:厚生労働省「2 都道府県別にみた平均余命」

平均寿命が延びればそれだけ高齢者の人口も増えるため、高齢化の要因となっているのです。

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少子高齢化が引き起こす社会問題3選

ここでは少子高齢化が引き起こす社会問題について詳しく解説します。

社会保障制度の破綻

少子高齢化が進むと、介護や医療費を中心とした社会保障の財源を負担する若年層が相対的に少なくなります

すると、高齢者ひとりあたりを支える若者の負担が増加するため、財政破綻のリスクが高まります。

(参照:内閣府「第2章 人口・経済・地域社会の将来像」

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経済成長の鈍化

人口オーナスとは、はたらく人よりも支えられる人の割合が増えることを指しますが、少子高齢化が進むと人口オーナスになるため、経済成長が鈍化する可能性が高くなります。

さらに少子化によって労働人口が少なくなることで、労働人口に求められる一人当たりの労働力は増加します。、

そのため、長時間労働やワークライフバランスの悪化が引き起こされ、その結果としてさらなる少子化の要因になることも考えられます。

(参照:経済産業省「人口オーナス期に経済発展するためには」

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 医師・介護従事者の不足

2025年には人口の割合が多い団塊世代が75歳になり、超高齢社会となるため、医師や介護従事者の不足が危惧されているのです。

(参照:厚生労働省「第7章 国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現)

地方都市の破綻

私たちが日常生活を送るために必要となる、小売店や金融機関、介護・福祉サービスなどは、一定の人口規模が最低限必要となります。

そのため、少子高齢化によって地方都市の人口が減少することで都市が破綻する可能性があります。

(参照:国土交通省「第2節 人口減少が地方のまち・生活に与える影響」

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少子高齢化問題に対する国の対策

ここでは、少子高齢化社会に対する国の対策をいくつか紹介します。

働きやすい雇用環境の整備

仕事と子育てを両立できるように、育児休暇を取りやすく職場復帰しやすい環境の整備や、育休給付金の水準を引き上げるなどの対策が行われています。

安心して子育てできる制度の整備

安心して子育てできるように、子育てに関する相談・情報提供体制の整備や、一時的に預けられる保育サービスの普及促進などの対策が行われています。

児童手当

少子化対策の観点から、児童手当の具体的な財源確保や扶養控除制度や社会保障制度などとの関係性に注意しながら給付金なども検討されています。

少子高齢化問題は日本だけではない?海外の現状も解説

ここでは海外における少子高齢化問題について詳しく解説します。

中国の少子高齢化

中国はインドに次ぐ、世界2位の人口を有しますが、一人っ子政策の長期的な影響と高齢化の進行により、人口構造に大きな変化が生じています。

中国では、1980年から2020年にかけて、年少人口の割合は36.1%から18.0%に低下している一方、老年人口の割合は逆に6.9%から17.8%に上昇しています。

さらに国連は、2050年に年少人口の割合は11.4%に、生産年齢人口の割合は49.7%にさらに低下する一方、老年人口の割合は38.8%に上昇すると予想しています。

労働力人口の減少と高齢者人口の増加は、社会保障システムへの圧力を高め、経済成長に影響を与える可能性があります。

参考:世界人口推計2022年版

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ドイツの少子高齢化

ドイツは世界で最も高齢化が進んでいる国の一つです。

高齢化が進展するドイツにおいては、2021年の人口約 8320 万人に対して 65 歳以上の高齢者が 22.0%、80 歳以上が 5.7%と、高齢者の割合が年々増加しています。

高齢化に伴い、年金制度の負担が増加しており、若い労働力に対する財政的圧力が高まっています。

これは将来の年金受給者にとって十分な支援を提供することが難しくなる可能性があります。

参考:ドイツ連邦共和国(Federal Republic of Germany)社会保障施策

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少子高齢化問題に対して若者ができること

ここでは、少子高齢化問題に対して若者ができることにを4つ解説します。

それでは次の章でそれぞれを解説します。

意識の向上

独身の若者が少子高齢化を「解決すべき問題」と認識している割合は5割ほどとなっているため、まずは少子高齢化について知り、深刻な問題であることを理解することが大切です。(参照:厚生労働省「少子化についての考え方」

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政治に関心を持つ

若者が政治に関心を持つことで、各政党は若者に対してもアピールする必要があります。

そのため、政治に関心を持つことは若者にとってより良い日本にするためには欠かせないのです。

将来設計を行う

結婚や転職、住宅購入など、人生のターニングポイントをあらかじめ考えておくことが大切です。

将来設計を行うことで、すべき行動が明確になるでしょう。

お金の勉強をする

日本の教育現場においてはお金の勉強をすることはほとんどありませんが、生きていく中ではお金は必要不可欠です。

とはいえ、労働の対価として得られるお金だけでは老後に不足してしまうことも多いため、若いうちから投資などのお金の勉強をすることは大切になります。

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まとめ

本記事では、少子高齢者問題の現状や原因、問題点などについて詳しく解説しました。

少子高齢化問題は今後さらに深刻になることが予想できるため、まずは現状の問題を知り、一人ひとりが改善するために行動することが大切です。

ぜひ本記事を参考にして日本における少子高齢化問題について考えてみてください。


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