「少子高齢化」という言葉を知っていても、自分の生活にどう関係するのか、何が問題なのかよくわからないという方は多いのではないでしょうか。

2023年の日本の出生数は72.7万人と過去最少を更新し、合計特殊出生率は1.20に低下。

一方、65歳以上の人口割合は29.3%(2024年)と世界最高水準の高齢化が進んでいます。

この記事では、少子高齢化の定義・現状・原因・問題点を最新データとともに解説し、若者や学生ができることまでをわかりやすくまとめます。

 

少子高齢化とは

少子高齢化とは、「少子化」と「高齢化」が同時に進む社会状況を指します。

少子化は出生率の低下によって子どもの数が減り続ける現象、高齢化は全人口に占める65歳以上の割合が増加する現象です。

少子化と高齢化は互いに連動しており、子どもが減れば将来の働き手が減り、高齢者を支える社会の負担が増す悪循環が生じます。

国連は、人口の7%以上が65歳以上の社会を「高齢化社会」、14%以上を「高齢社会」、21%以上を「超高齢社会」と定義しており、日本は2007年にすでに超高齢社会に突入しています。

少子高齢化の現状

2023年の出生数は727,277人(厚生労働省「人口動態統計」)で、8年連続で過去最少を更新しました。

合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの推計数)は1.20で、人口を維持するために必要とされる2.07を大きく下回っています。

一方、高齢化率は2024年9月時点で29.3%(65歳以上3,625万人)に達し、日本は世界でも突出して高齢化が進んだ国となっています。

人口の自然減(出生数-死亡数)は2023年に83万人超と過去最大を記録しており、このペースが続けば21世紀末には日本の人口が現在の半分以下になるという推計もあります。

参照:総務省「令和6年9月15日現在推計人口」厚生労働省「令和5年人口動態統計」

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少子高齢化はなぜ起こる?4つの原因

少子高齢化が進む背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。

1. 団塊世代の高齢化

1947〜1949年(昭和22〜24年)生まれの「団塊世代」は第1次ベビーブームの世代で、人口ピラミッドの中でも特に割合が大きい層です。

この世代が2024年現在75〜77歳に達したことで、医療・介護ニーズが急増しており、日本全体の高齢化を押し上げる大きな要因になっています。

参照:総務省統計局「人口推計(令和4年10月1日現在)」

2. 未婚化・非婚化の進行

生涯一度も結婚しない割合を示す「生涯未婚率」は、2020年時点で男性28.3%・女性17.8%と、この30年で大幅に上昇しています。

未婚化の背景には「経済的な不安定さ」「仕事の忙しさ」「パートナーとの出会いの機会の少なさ」などが挙げられており、非婚化・晩婚化が少子化の最大の直接原因とされています。

参照:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2023年版)」

3. 晩婚化・核家族化

初婚年齢の平均は男性31.1歳・女性29.7歳(2022年)と年々上昇しており、出産年齢の上昇が出生数の減少につながっています。

また核家族化の進展で祖父母のサポートが得にくくなり、育児の負担が夫婦2人に集中しやすくなっていることも出生率低下の要因です。

参照:厚生労働省「令和4年人口動態統計(確定数)」

4. 平均寿命の延長

日本の平均寿命は男性81.05歳・女性87.09歳(厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」)で、世界最高水準です。

医療技術の進歩・栄養状態の改善などにより長寿化が進んでいることは喜ばしい反面、それが高齢化率を押し上げる要因にもなっています。

少子高齢化が引き起こす社会問題4選

少子高齢化は、社会の複数の場所に同時に影響を与えます。

1. 社会保障制度の維持困難

医療・年金・介護を支える財源は、主に現役世代の保険料と税収です。

高齢者が増え現役世代が減ると、1人の高齢者を支える現役世代の数が減るため、1人当たりの負担が重くなります。

2024年度の社会保障関係費は約38.3兆円(国の一般会計歳出の33%超)に達しており、財政圧迫が深刻化しています。

参照:厚生労働省「令和6年度社会保障関係費の概要」

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2. 経済成長の鈍化

労働力人口が減ると、生産・消費の両面で経済規模が縮小します。

これを「人口オーナス」と呼び、少子高齢化が進むほど経済成長の重荷が増す状態を指します。

また残った労働人口に仕事が集中し長時間労働が常態化すると、さらに出生率が下がるという悪循環も生じます。

参照:経済産業省「人口オーナス期に経済発展するためには」

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3. 医師・介護従事者の不足

2025年に団塊世代全員が75歳以上となる「2025年問題」を経て、医療・介護の需要はさらに増加し続けます。

一方で、介護職の有効求人倍率は慢性的に高く、担い手不足が解消されていません。

介護を理由に仕事を辞める「介護離職」も年間約10万人に上り、現役世代の労働力をさらに圧迫する悪循環が続いています。

4. 地方都市の衰退

小売店・金融機関・病院・公共交通など、地域の生活インフラは一定の人口規模があって初めて成立します。

少子高齢化で地方の人口が減ると、これらのサービスが維持できなくなり「生活できない街」になるリスクがあります。

消滅可能性都市(人口が急減し将来的に消滅のリスクがある市区町村)は2024年時点で744自治体に上るという調査もあり、地方行政の深刻な課題となっています。

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少子高齢化への国の対策

政府は「こどもまんなか社会」を掲げ、2023年に「こども家庭庁」を設置、少子化対策を国の最重要課題として位置づけています。

児童手当の拡充

2024年10月から、児童手当の支給対象が中学生までから高校生年代(18歳)まで拡大されました。

所得制限が撤廃され、第3子以降の支給額は月3万円に増額されており、子育て世帯への経済的支援が強化されています。

育休・働き方の整備

産後パパ育休(出生時育児休業)の取得促進や、育休給付金の引き上げ(手取りベースで育休前の10割相当)など、仕事と子育てを両立しやすい環境の整備が進んでいます。

保育・子育て支援の拡充

「こども誰でも通園制度」(2024年度試行)の開始など、保育サービスへのアクセス拡充が進んでいます。

親が仕事をしていなくても保育施設を利用できる仕組みを広げることで、子育ての孤立化防止と出生率回復を目指しています。

海外の少子高齢化

少子高齢化は日本固有の問題ではなく、東アジアやヨーロッパでも共通の課題です。

中国

一人っ子政策の長期的影響と経済発展による晩婚化が重なり、中国でも急速な少子高齢化が進んでいます。

2020年の老年人口割合17.8%は2050年には38.8%になると国連が予測しており、世界2位の人口大国でも労働力不足と社会保障費の増大が現実の課題となっています。

参照:国連「世界人口推計2022年版」

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ドイツ

ドイツは2021年時点で65歳以上が22%と高齢化が進んでいる国ですが、移民受け入れ政策によって労働力不足を一定程度補っています。

日本との大きな違いは移民政策の柔軟性にあり、少子高齢化対策の比較先として日本でも注目されています。

参照:厚生労働省「ドイツ連邦共和国 社会保障施策」

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少子高齢化に対して若者・学生ができること

少子高齢化は「国や政府が解決すべき問題」と捉えられがちですが、若者や学生にも今すぐできることがあります。

1. 問題の現状を知る

まず少子高齢化がなぜ起きているのか、自分の生活にどんな影響があるのかを知ることが出発点です。

社会保険料の負担・年金受給年齢の引き上げ・地方サービスの縮小など、少子高齢化は20〜30年後の自分の生活に直接影響します。

中学生・高校生のうちから社会の仕組みと課題を学ぶことは、将来の進路選択や社会参加の土台になります。

2. 政治に関心を持ち投票する

若者の投票率が低いと、高齢者向けの政策が優先されやすくなります。

逆に若い世代が投票行動を通じて意思を示すことで、子育て支援や若者向け政策への予算が配分されやすくなります。

選挙権を持つ18歳以上の方は、少子高齢化対策を公約に掲げる政党・候補者を比べて投票することが、政策に影響を与える最も直接的な手段です。

3. ライフプランを早めに考える

結婚・出産・住居・老後資金など、人生の大きな選択は早めに考えておくほど選択肢が広がります。

「いつか考えよう」と後回しにすることで、気づけば選択肢が狭まっていたというケースは珍しくありません。

20代のうちに人生設計の大枠を描いておくことで、行動の優先順位が明確になります。

4. 資産形成・お金の知識をつける

年金だけでは老後資金が不足するリスクが高い時代です。

少子高齢化が進むと年金の受給額が下がる可能性もあるため、若いうちから積立投資(NISAやiDeCo)などの資産形成を始めることが重要になります。

お金の知識は学校教育では十分カバーされていないため、書籍・投資信託・金融教育サービスなどを活用して自ら学ぶ姿勢が必要です。

5. 介護・福祉の仕事・ボランティアに触れる

高齢者と関わる仕事・ボランティアに参加することで、少子高齢化の現場を肌で知ることができます。

介護施設でのボランティア・地域の見守り活動・シニア向けIT支援など、学生でも参加できる機会は多くあります。

関わってみることで、少子高齢化が「社会の課題」ではなく「目の前の人の現実」として見えてきます。

6. 少子高齢化に関わるキャリアを選ぶ

少子高齢化の課題を解決する仕事を職業にするという選択肢もあります。

社会福祉士・介護福祉士・看護師といった福祉系専門職だけでなく、介護テクノロジー(ケアテック)・地方創生・子育て支援サービスなど、ビジネスとして課題解決に取り組む仕事も増えています。

「社会問題を解決することで生きていく」キャリアを選ぶことが、少子高齢化への最も大きな個人的な貢献になることもあります。

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よくある質問(FAQ)

少子高齢化についてよく寄せられる疑問をまとめました。

Q1. 少子高齢化とは何ですか?わかりやすく教えてください。

A. 少子高齢化とは、出生率の低下によって子どもの数が減る「少子化」と、全人口に占める65歳以上の割合が増える「高齢化」が同時に進む状態を指します。

日本では2023年の出生数が72.7万人(過去最少)、65歳以上の割合が29.3%(世界最高水準)となっており、少子化と高齢化の両面で世界で最も進んだ国のひとつです。

働き手が減り、高齢者を支える負担が増すため、社会保障・経済・地方インフラなどに多くの問題を引き起こす社会課題です。

Q2. 少子高齢化の原因は何ですか?

A. 少子高齢化の主な原因は4つあります。

①団塊世代(1947〜49年生まれ)の高齢化により一度に多くの人が高齢者になったこと、②未婚化・非婚化の進行(生涯未婚率:男性28.3%・女性17.8%)、③晩婚化・核家族化による出産年齢の上昇と育児負担の集中、④医療技術の進歩による平均寿命の延長(男性81.05歳・女性87.09歳)です。

特に未婚化・晩婚化が出生率低下の最大の直接原因とされています。

Q3. 少子高齢化で若者ができることはありますか?

A. 若者や学生にも今すぐできることがあります。

まず①問題の現状を学ぶこと、②選挙で投票し政治に参加すること、③早めにライフプランを考えること、④NISAやiDeCoで資産形成を始めること、⑤福祉・介護ボランティアに参加して現場を知ること、⑥少子高齢化の課題を解決するキャリアを検討することが挙げられます。

中学生・高校生のうちから社会の仕組みを知ることが、将来の選択肢を広げる第一歩になります。

Q4. 少子高齢化はどんな問題を引き起こしますか?

A. 少子高齢化は4つの大きな社会問題を引き起こします。

①社会保障費の増大(2024年度:約38.3兆円)による財政圧迫、②労働力人口の減少による経済成長の鈍化(人口オーナス)、③医師・介護従事者の不足と介護離職の増加、④地方都市の人口流出によるインフラ・生活サービスの維持困難です。

これらは互いに影響し合うため、単独の対策では解決が難しく、社会全体での取り組みが求められます。

まとめ

少子高齢化の要点を整理します。

  • 少子高齢化とは「少子化」と「高齢化」が同時に進む状態で、日本は世界最高水準
  • 2023年の出生数72.7万人・合計特殊出生率1.20はどちらも過去最低
  • 原因は「団塊世代の高齢化」「未婚化・晩婚化」「核家族化」「平均寿命の延長」の4つ
  • 社会保障費の膨張・経済停滞・介護不足・地方衰退という4つの問題を引き起こす
  • 国は「こどもまんなか社会」「児童手当拡充」「育休強化」などを進めている
  • 若者にできることは、学ぶ・投票する・ライフプランを立てる・資産形成・キャリア選択など

少子高齢化は「将来の問題」ではなく、すでに始まっている現実の課題です。

まずは現状を知り、自分の生活・キャリアとどうつながっているかを考えるところから始めてみてください。

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