「地域課題」という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどんな問題があるのかイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、日本が直面している地域課題を7つの具体例とともにわかりやすく解説します。
解決策や取り組み企業の例も紹介しているので、地域課題を学びたい方・地域に関わる仕事に就きたい方はぜひ参考にしてください。
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地域課題とは
地域課題とは、地域が抱える経済・社会・環境などの問題です。
人口減少や高齢化、産業の衰退、インフラの老朽化など、地域によって課題の内容や深刻さは異なります。
地域課題は、地方だけの問題ではありません。
東京都心でも住宅問題や交通渋滞、格差の拡大など、独自の都市型課題が存在します。
共通しているのは、「地域全体で取り組まなければ解決が難しい」という点で、行政・企業・住民・NPOが連携して対処することが求められます。
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地域が抱える問題7選
この章では、日本の地域が抱える代表的な問題を7つ解説します。
- 限界集落
- 消滅集落
- 関係人口
- 過疎化
- 空き家問題
- 都市問題
- 2040年問題
限界集落
限界集落とは、地域としての機能がうまく回らず、社会的共同生活が困難な集落を指します。
65歳以上の人口が集落全体の50%を超え、農作業の共同維持や冠婚葬祭などの共同体機能が担えなくなった状態が典型例です。
この言葉は、社会学者の大野晃が1990年代に提唱したもので、現在では行政や報道でも広く使われています。
限界集落が増加する背景には、若い世代の都市流出と高齢化の進行があります。
行政サービスが届きにくくなることで、医療・介護・買い物などの日常生活が困難になるケースもあり、地域社会の維持そのものが課題となっています。
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消滅集落
消滅集落とは、かつて住民が住んでいたものの、人口が0になった集落です。
総務省の調査によると、現在も消滅集落になりかけている集落は全国に63,237か所あります。
参照:総務省「過疎地域における集落の状況に関する現況把握調査最終報告(概要版)」
日本では2010年をピークに人口が減少しており、少子高齢化の進行とともに消滅リスクを抱える集落が増えています。
消滅集落は、山間地や離島に多く分布しますが、都市近郊の農村集落にも広がりつつあります。
一度集落が消滅すると、農地の荒廃・自然環境の変化・文化の喪失など、回復が難しい影響が残ります。
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関係人口
関係人口とは、特定の地域に移住している定住人口でも、観光客としての交流人口でもなく、地域と深く関わりを持つ人のことです。
たとえば、その地域にルーツのある人、過去に住んでいた人、仕事やボランティアで頻繁に関わっている人などが代表的な例です。
定住・移住の促進だけでは人口増加が見込みにくい地域にとって、「地域に深く関わり続ける関係人口を増やす」ことが新たな地域活性化の戦略として注目されています。
国も関係人口の創出・拡大を地方創生の重点施策に位置づけており、ふるさと納税やワーケーションの普及も関係人口拡大の手段の一つとして活用されています。
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過疎化
過疎化とは、地方から都市への人口流出によって、地域の人口が急減していく現象です。
都市への人口集中と少子高齢化が重なることで、地方の過疎化はさらに加速しています。
過疎化が進むと、生活に必要なお店・医療機関・公共交通機関が採算割れで撤退し、地域に残る人の生活がさらに不便になるという「負のスパイラル」に陥りやすくなります。
農林水産業の担い手が減り、農地の荒廃・山林の管理不全・漁村の衰退など、自然環境や食料生産への影響も深刻です。
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空き家問題
空き家問題とは、居住者が住まなくなり長く放置された家によって起こる、地域全体に影響する問題です。
核家族化が進んだことで、子ども世代が親の実家を引き継がないケースが増え、空き家の数は年々増加しています。
空き家は景観の悪化、衛生上のリスク、倒壊・火災・犯罪の温床になるなど、周辺住民や行政にも被害が及びます。
また、所有者が不明・遠方・高齢の場合、解体や活用の対応が難しく問題が長期化しやすい構造的な課題があります。
2023年に「改正空き家対策特別措置法」が施行され、管理不全な空き家への行政の措置が強化されましたが、根本的な解決には地域全体の取り組みが必要です。
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都市問題
都市問題とは、都市の発展に伴って人口が集中することで起こる問題のことです。
人口集中によって住宅不足・交通渋滞・環境汚染・騒音などが深刻化し、都市特有の社会課題が生まれます。
日本では東京への一極集中が続いており、地方の過疎化と都市部の過密化という二極化が同時に進んでいます。
また、高度成長期に整備されたインフラが老朽化していることも都市問題の一つです。
橋・道路・上下水道・公共施設の修繕・更新に莫大なコストがかかる一方、財政が逼迫している自治体では対応が追いつかないという課題があります。
このような都市問題に対して、SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」のもと、コンパクトシティ化やスマートシティ化の取り組みが各地で始まっています。
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2040年問題
2040年問題とは、日本が2040年に直面すると予測される複合的な問題の総称です。
1971〜1974年の第二次ベビーブームに生まれた団塊ジュニア世代が2040年には65歳以上となり、総人口に占める高齢者の割合は約36.2%(約2.8人に1人)に達すると予測されています。
高齢者数がピークを迎えることで、医療・介護・社会保障の需要が急増する一方、それを支える現役世代は減り続けます。
地域によっては、医師・介護士・保育士などの専門職が絶対的に不足し、サービス自体を提供できなくなる「ケア崩壊」が懸念されています。
2040年問題に備えるためには、今から地域の産業構造・労働環境・社会インフラの見直しを始めることが急務です。
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地域課題の解決に向けた取り組み
地域課題の解決に向けた主な取り組みを3つ紹介します。
DX(デジタル技術)の活用
行政サービスのデジタル化や、地域データの収集・分析(RESASなど)によって、課題の把握と対策の精度が向上しています。
AIやIoTを活用したスマートシティの取り組みでは、交通・エネルギー・防災などの分野で効率化と住民サービスの向上が進んでいます。
人手不足が深刻な地域ほど、デジタル技術による「少人数でも回せる仕組み」の構築が急務です。
関係人口の創出・拡大
移住を前提とせず、地域と継続的に関わる「関係人口」を増やす取り組みが広がっています。
ワーケーション制度の活用、ふるさと納税を通じた地域との接点づくり、副業・プロボノによる都市部の人材の地域参加などが代表的な手法です。
「人口が増えなくても、地域に関わる人が増えれば地域は動く」という発想の転換が、地方創生の新しい潮流になっています。
官民連携(PPP/PFI)
自治体単独では解決が難しい地域課題に対して、民間企業・NPO・大学などと連携する「官民連携」が増えています。
民間の資金・ノウハウ・スピードを活用することで、公共サービスの質を維持しながらコストを削減できる事例が各地で生まれています。
地域課題に取り組む企業にとっても、行政との連携は事業の社会的信頼性を高める機会になっています。
地域課題に企業が取り組むメリット
企業が地域課題の解決に取り組むメリットを3つ解説します。
- 自社の経営環境が整う
- 雇用の機会が増える
- 企業イメージが向上する
自社の経営環境が整う
企業が地域貢献活動をすることで、より経営しやすい環境を整えることができます。
地域の環境が悪いと集客もしにくいだけでなく、街としての魅力が下がってしまいます。
地域活性化によって魅力度がアップし、地域住民だけでなく観光客なども増えることにつながります。
雇用の機会が増える
地域を活性化させることで、周辺住民が増加し、雇用の機会が増えます。
地方の中小企業は雇用に苦戦している場合も多いため、雇用機会の増加は大きなメリットになります。
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企業イメージが向上する
地域貢献活動をしていない企業に比べて、取り組んでいる企業はイメージがよくなる傾向にあります。
企業イメージが良くなることで、周辺住民から事業への理解を得やすくなったり、採用競争力の向上につながるなどのメリットがあります。
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地域課題に取り組む企業3選
地域課題に取り組む企業を3社紹介します。
- 空き家活用株式会社
- 株式会社テイラーワークス
- 面白法人カヤック
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空き家活用株式会社
空き家活用株式会社は、日本の空き家問題を解決するためにさまざまな事業に取り組んでいる企業です。
防犯・防災から移住促進・まちづくりまで、空き家問題が関わる幅広い政策分野をカバーしています。
空き家を有効活用することで地域の魅力を高め、まちづくりに貢献しています。
株式会社テイラーワークス
テイラーワークスは、「豊かで持続可能な地域経済をつくる」をミッションに、コミュニティプラットフォームを提供するスタートアップ企業です。
「出会いとつながり」をつくり、地域を越えた産業活性と社会課題解決を支援するプラットフォーム「Tailor Works」を運営しています。
面白法人カヤック
面白法人カヤックは「つくる人を増やす」を経営理念に掲げるクリエイター集団です。
「ちいき資本主義(まちづくり)」事業では、鎌倉で培ったコミュニティづくりの経験を活かし、地域に関わる人たちがまちづくりを自分ごとにするお手伝いをしています。
地域プロモーションや移住促進、コミュニティ通貨サービスなど、具体的な事業を通じて地方創生に取り組んでいます。
各都道府県の地域課題
各都道府県の地域課題について解説した記事を紹介します。
気になる都道府県をクリックしてください。
中国・四国
鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
よくある質問(FAQ)
地域課題についてよく寄せられる疑問をまとめました。
Q1. 地域課題と社会課題の違いは何ですか?
A. 社会課題は貧困・格差・環境破壊など社会全体に広がる問題を指すのに対し、地域課題は特定の地域・自治体で固有に発生している問題を指します。
ただし、少子高齢化や過疎化のように、社会課題と地域課題が重なるケースも多くあります。
Q2. 地域課題に関わる仕事にはどんなものがありますか?
A. 地方自治体の職員や地域おこし協力隊のほか、民間でも地方創生・まちづくり・空き家活用・農業支援・移住促進などを手がける企業への就職・転職が選択肢になります。
近年は、都市部に本社を置きながら地域課題に取り組む「ソーシャルビジネス」企業も増えており、大学新卒や転職で入社する方も増えています。
Q3. 個人が地域課題に関わるにはどうすればいいですか?
A. ふるさと納税や関係人口としての地域ボランティア、ワーケーション、副業・プロボノによる地域支援など、移住せずに関わる方法が増えています。
まずは興味のある地域の課題を調べ、地域おこし協力隊や自治体のポータルサイトにアクセスしてみることが第一歩です。
Q4. 地域課題はなぜ自治体だけでは解決が難しいのですか?
A. 財政・人材・ノウハウの限界があるためです。
特に人口減少が進む自治体では税収が減り、職員数も削減される中で、増え続ける課題に対応しきれない状況が続いています。
そのため、民間企業・NPO・大学・地域住民と連携する「官民協働」の仕組みが求められています。
まとめ
この記事では、地域課題の意味と具体例7選、解決に向けた取り組みを解説しました。
- 限界集落・消滅集落:高齢化と人口流出で集落機能が維持できなくなっている
- 関係人口:移住しなくても地域に深く関わる人を増やす新たな視点
- 過疎化:人口流出が生活インフラの撤退を招く「負のスパイラル」
- 空き家問題:核家族化・高齢化で急増し、地域全体に影響が及ぶ
- 都市問題:過密化とインフラ老朽化が都市特有の課題を生む
- 2040年問題:団塊ジュニア世代の高齢化で医療・介護の需要が急増
地域課題の解決に関わる仕事・企業に興味がある方は、社会課題に取り組む企業データベース「ococキャリア」もあわせてご覧ください。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。

