人口オーナスという言葉をご存じでしょうか?

現在、日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国などは、人口オーナス期です。

人口オーナス期には、経済成長が低迷しがちで、たくさんの問題が発生します。

この記事では、日本の現状や3つの問題点、経済成長する方法を解説します。

人口オーナスとは

人口オーナスとは、人口ボーナスと反対に、従属人口(14歳以下と65歳以上の人口)が生産年齢人口(15~64歳)を上回る状態です。

オーナス(onus)は負担・重荷を意味します。

人口オーナスの状態では、「支えられる人」が「支える人」を上回り、社会保障費などの負担が大きくなり、消費や貯蓄、投資が停滞します。

その結果、経済成長が停滞してしまうのです。

日本やアメリカ、中国、ヨーロッパ諸国が人口オーナスに突入しています。

また、反対の言葉に人口ボーナスがあります。

人口ボーナス期は、労働力が豊富にもかかわらず、教育費や医療費アドの社会保障費が抑えられるため、経済が拡大しやすい特徴があります。

>>肩車型社会とは?超高齢社会で迎える4つの問題と私たちにできること

 


人口オーナスの3つの問題点

この章では、人口オーナスの問題点を3つ解説します。

人口オーナス期は、共通して現役世代の負担が増加します。

経済が成長しない

人口オーナス期は、経済成長が止まってしまいがちです。

経済成長を決める要因は、「労働投入」「資本投入」「全要素生産性」であるとされています。

人口オーナス期には、労働投入が減少することはわかるでしょう。

さらにそれだけではなく、資本投入も減少すると予想できます。

国全体としての貯蓄率が低下すれば、資本投入は減少します。

高齢化が進むことで、将来に備えて貯蓄を行う現役世代が減少し、貯蓄を取り崩して生活する高齢者が増えることで、社会全体の貯蓄が減少し、投資の減少にもつながってしまうのです。

社会保障制度の維持が難しくなる

多額の税金を納め高齢者を支えた先に、自身が年金を受け取れる補償はありません。

国の財源が破綻して社会保障が受け取れない可能性もあります。

また、納める税金の額によって社会保障に格差が生まれることも考えられます。

医師・介護従事者の不足

高齢者が増えることで医療・介護従事者の不足は避けられないでしょう。

現役世代が減る一方、高齢者は増え医療・介護の需要は高まります。

医療の進歩や介護ロボットの導入は期待できるものの医師・介護従事者の不足は大きな問題の一つとなりえます。

また、医師・介護従事者だけでなく、労働者不足も深刻となり、労働環境の悪化も予想できます。

>>ヤングケアラーとは?2つの問題点と私たちにできること


人口オーナスの状態で経済成長するには?

人口オーナスの状態で、経済成長するには、経済成長を決める要因である「労働投入」「資本投入」「全要素生産性」の考え方が重要です。

女性や高齢者の雇用を促進し、労働力を高める

女性や高齢者、障害のある方などの雇用を促進することで、労働投入の維持ができます。

なるべく多くの人々が働ける環境を用意することが重要です。

生産性の上昇により成長率を維持する

人口オーナス期には、労働投入が減少してしまいます。

しかし、全要素生産性を高めることで経済成長率を維持することは可能です。

参考:第14回 産業構造審議会総会 人口オーナス期に経済発展するためには

 

日本の現状は?2040年問題を考えよう

日本では、1950年~1990年までが人口ボーナスに該当し、大きな経済成長を遂げました。

しかし、その後は、人口オーナス期に入り経済が停滞しています。

2040年問題とは、日本が2040年に直面すると考えられる問題の総称です。

2040年になると、1971年~1974年の第二次ベビーブームに生まれた団塊ジュニア世代が65歳以上となります。

総人口に対する高齢者の割合は、36.2%となることが予測されます。

この割合は、約2.8人に1人が高齢者という計算になります。

このように、総人口に占める高齢者の割合が増えることで、あらゆる業種での人手不足や医療、福祉、社会保障の懸念が考えられます。

>>2040年問題とは?現役世代の負担や労働力不足にどう対応するか


人口ボーナスも知っておこう

人口ボーナスとは、生産年齢人口(15~64歳)が従属人口(14歳以下と65歳以上の人口)

よりも大きく上回る状態です。

具体的には以下3つの定義があります。

・生産年齢人口が継続して増え、従属人口比率の低下が続く期間
・従属人口比率の低下、又は、生産年齢人口比率の増加、かつ生産年齢人口が従属人口の2倍以上いる期間
・生産年齢人口が従属人口の2倍以上いる期間

人口ボーナス期は、労働力が豊富にもかかわらず、教育費や医療費アドの社会保障費が抑えられるため、経済が拡大しやすい特徴があります。

日本では、1950年~1990年までが人口ボーナスに該当し、大きな経済成長を遂げました。

>>人口爆発とは?100億人を迎える地球で生きるために私たちができること
>>人口ボーナスとは?経済成長との関係や定義、日本の現状を簡単に解説!


まとめ

いかがでしたでしょうか?

人口オーナスの状態では、「支えられる人」が「支える人」を上回り、社会保障費などの負担が大きくなり、消費や貯蓄、投資が停滞します。

その結果、少子高齢化や景気低迷など深刻な問題を引き起こします。

これらの課題に取り組む社会活動家のインタビュー記事をぜひご覧ください。

社会活動家のインタビュー記事を読む

参考
EL BORDE 投資家目線の基礎知識! 経済成長を左右する「人口ボーナス」の読み解き方

ダイヤモンド・オンライン 2027年にインドが人口世界一に!? 日本の1億人割れはいつ?