停電はどうしたら防げるのでしょうか。

日本は電力網が整備されており、頻繁に停電は起こりません。

しかし、震災時には電力供給がストップし、大きな影響が多方面で起きています。

この現状に対して、停電を100%なくすことは難しいですが、電気の需給システムを見直すことで停電の発生を減らせます。

今回は、電力需給に注目したスマートグリッドについて紹介します。

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スマートグリッドとは

スマートグリットの概念図

スマートグリッドとは、IT技術を用いてエネルギー需要をリアルタイムで把握し、効率良く電気を送電するシステムです。

スマートグリッドはスマート(賢い)とグリッド(電力網)の造語で、次世代送配電網とも呼ばれます。

人口増加や生活スタイルの変化から電力需要が高まり、スマートグリッドの考え方が注目されるようになりました。


スマートグリッドが生まれた背景と目的

スマートグリッドの考え方は、アメリカで生まれました。

2003年8月13日、2日間に渡ってアメリカ東部のほぼ全域で停電が発生しました。

この停電は、電力網の老朽化が原因でした。

アメリカ全土の老朽化や不具合により利用できない電力網を復旧させるのは、容易ではありません。

以上のことから、電力需要の変化をリアルタイムで把握し、効率よく送電を行う需要が高まり、スマートグリッドが誕生しました。

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スマートグリッドの2つのメリット・特徴

スマートグリッドのメリット・特徴を2つ紹介します。

再生可能エネルギーの普及につながる

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これは、スマートグリッドが日本で普及した理由でもあります。

クリーンなエネルギーを用いた発電は年々増えていますが、その供給可能量は決して多くなく、発電量は不安定です。

このデメリットに対してスマートグリッドは、複数の電力源を管理することで、需要に応じて再生可能エネルギーを供給できます。

このようにスマートグリッドは、再生可能エネルギーのデメリットへの対策として大きな期待があります。

電力の需要と供給を把握できる

スマートグリッドを推進することで、電力需給を把握し、必要なときに必要な量の電気を送電できます。

各家庭にスマートメーターが設置され、電力消費量をリアルタイムで計測し、モニター表示します。

また、電気を作る側も供給量を把握でき、無駄な電気を送電する必要がありません。

このような電力の見える化で、エネルギーを効率的に利用できるようになります。


スマートグリッドの導入事例

日本でのスマートグリッドの導入事例を2つ紹介します。

さいたま市の環境未来都市創造事業

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さいたま市では、スマートシティホール構想が考えられました。

スマートシティについては、詳細を別の記事でも紹介しているのでぜひご覧ください。

日本では、2020年までにCO2排出量を25%減らす目標がありました。

そこで行政機関が率先して目標達成を目指し、さいたま市内の市有施設を中心にスマートグリッドが導入されました。

日本の目標は達成できなかったものの、エネルギーの効率的な利用に繋がっています。

東光高岳のエネルギー管理支援サービスの提供

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東光高岳では、スマートグリッドの実現に向けてバーチャルパワープラントを構築しています。

バーチャルパワープラントとは、送配電事業者や再生可能エネルギー発電事業者がつくる電気をまとめ、まるで1つの発電設備のように機能させる仮想発電所です。

需給バランスの最適化を目指し、事業を展開しています。

スマートグリッドのデメリット・課題

スマートグリッドのデメリット・課題を2つ紹介します。

導入コストが高い

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スマートグリッドを実現するには、既存の電力網にIT技術を組み合わせた次世代送配電網が必要です。

そのため、設備投資のためにコストがかかります。

経済産業省によると、電力の需給を安定化するために必要な予算はおよそ50兆円です。

これは日本の国家予算の半分であり、導入コストの高さがわかります。

サイバー攻撃を受ける可能性がある

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各家庭に設置されたスマートメーターが、サイバー攻撃を受ける可能性があります。

サイバー攻撃を受けると情報漏洩はもちろん、最悪の場合、電力供給が止まってしまいます。

技術が発達したとしても、サイバー攻撃を100%防ぐことはできません。

政府や関連企業では、サイバー攻撃を受けても電力を安定供給できるよう、対策を始めています。


再生可能エネルギー等で環境問題に取り組む企業3選

株式会社Looop

https://looop.co.jp/

株式会社Looopは、「エネルギーフリー社会の実現」を目指して、電力小売や再生可能エネルギー設備の開発から保守まで、一貫したサービスを提供する再生可能エネルギー関連企業です。

再生可能エネルギーの発電から供給までを行う電力会社は世界的にも珍しく、バリューチェーンのすべての機能を持つことでコストを削減し、事業間のシナジーを生み出し新しい価値を創造しています。

株式会社自然電力

https://shizendenryoku.jp/

株式会社自然電力は、太陽光・風力・小水力等の自然エネルギー発電所の発電事業を行うエネルギー企業です。

2011年3月11日の震災の3ヶ月後、創業メンバー3人によって日本で設立しました。

未来の地球で人々が幸せに暮らし続けることができるように、自然エネルギーへの転換に取り組み「自然エネルギー100%の世界」を目指しています。

株式会社UPDATER(旧:みんな電力株式会社)

https://minden.co.jp/

みんな電力は、2011年に東京都世田谷区に設立された新電力です。

生産者の顔が見える野菜のように、電気を使う人にも電気の産地やつくり方、関わる人々の想いを知ってもらいたいという思いから、HP上に「発電所の顔」を掲載しています。

また、ご家庭だけでなく、法人に対しても再生可能エネルギーを届けています。

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さいごに

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スマートグリッドは、需要に応じた電力供給を可能にし、省エネ効果も期待できます。

SDGsとの関連もあり、多くの企業が注目しています。

とはいえ、電力需給を考える上で、生活する1人1人の節電意識も重要です。

必要なときに必要な場所へ電力が供給できるよう、普段からの意識と行動が欠かせません。


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