21世紀に入ってからも、人間の活動が直接・間接的に原因となり、多くの動物が絶滅しています。
この記事では、近年人間の影響で絶滅した動物14種・21世紀以前に絶滅した動物5種・日本で絶滅した種6種、そして現在絶滅の危機に瀕している動物たちを詳しく紹介します。
私たちがこれ以上絶滅危惧種を増やさないためにできることについても触れます。
動物が絶滅する主な原因
動物が絶滅に至る背景には、主に4つの人間活動が関わっています。
これらの原因を知ることで、私たちにできることが見えてきます。
① 乱獲・密猟
食用・毛皮・装飾品・民間薬などを目的とした過剰な捕獲が、個体数を急速に減らします。
キタシロサイのツノや、タイマイの甲羅(べっこう)がその代表例です。
② 生息地の破壊
森林伐採・農地開発・都市化によって生息地そのものがなくなります。
この記事で紹介する動物の多くが、森林破壊を主因に絶滅しています。
③ 外来種の侵入
人間が持ち込んだ動物や植物が在来種を捕食したり、競争で駆逐したりします。
クリスマスアブラコウモリは、人間が連れ込んだ犬・猫・寄生虫が絶滅の一因となりました。
④ 気候変動
地球温暖化による海面上昇・気温変化が生息環境を変化させます。
ブランブルケイメロミスは、気候変動による浸水で生息地を失いました。
21世紀以降の近年に人間が原因で絶滅した動物14選
21世紀以降に絶滅が確認された動物を一覧で解説します。
- ピレネーアイベックス
- テイオウキツツキ
- ヨウスコウカワイルカ
- サウジガゼル
- クリスマスアブラコウモリ
- ワキアカカイツブリ
- ピンタゾウガメ
- ミヤココキクガシラコウモリ
- ダイトウノスリ
- タイワンウンピョウ
- ブランブルケイメロミス
- キタシロサイ
- スムース・ハンドフィッシュ
- ハシナガチョウザメ
ピレネーアイベックス
ピレネーアイベックスは現存するスペインアイベックスの亜種で、スペイン北部に生息していました。
狩猟が主な原因で2000年に最後の個体が死亡し、絶滅しました。
2009年にDNAからのクローン作成が試みられましたが、誕生から数分で死亡しています。
テイオウキツツキ
テイオウキツツキは世界最大級のキツツキで、森林伐採により2003年に絶滅しました。
食用や民間療法を目的とした狩猟も追い打ちをかけました。
ヨウスコウカワイルカ
ヨウスコウカワイルカは中国の長江に生息していたイルカです。
河川や周辺地域の開発による環境悪化によって徐々に数を減らし、2006年に絶滅が宣言されました。
サウジガゼル
サウジガゼルはクウェートなど中東に生息していたカモシカの仲間です。
食用・ツノを目的にした乱獲と森林伐採が重なり、2008年に絶滅が宣言されました。
クリスマスアブラコウモリ
クリスマスアブラコウモリはインド洋のクリスマス島に生息していた小型のコウモリです。
人間が持ち込んだ犬・猫による捕食や病原菌・寄生虫・駆虫薬などが原因で個体数が激減し、2009年にオーストラリア政府から絶滅が宣言されました。
ワキアカカイツブリ
ワキアカカイツブリはマダガスカルに生息していた鳥です。
生息地の破壊・狩猟・他種との交雑によって生息数が減少し、2010年に絶滅が宣言されました。
ピンタゾウガメ
ピンタゾウガメはガラパゴス諸島のピンタ島に分布していた大型のカメです。
食用目的の乱獲とヤギによる植生破壊で生息数が激減し、2012年に絶滅が宣言されました。
ミヤココキクガシラコウモリ
ミヤココキクガシラコウモリは宮古島に生息していた比較的小型のコウモリです。
森林破壊が主な原因とされており、2012年に絶滅とされました。
ダイトウノスリ
ダイトウノスリは北大東島と南大東島のみに生息していたタカの仲間です。
もともとの生息数が少なく、餌となる小型の鳥の減少も重なり、2012年に絶滅が宣言されました。
タイワンウンピョウ
タイワンウンピョウはかつて台湾に生息していた肉食のネコ科動物で、全身が雲のような斑点で覆われていました。
原始的な密林を好む性質がありましたが、そのような森林が伐採されたことで2013年に絶滅しました。
ブランブルケイメロミス
ブランブルケイメロミスはグレートバリアリーフの小島・ブランブル・ケイにのみ生息していた固有種です。
地球温暖化による海面上昇と浸水で生息地が大きく変化し、2016年に絶滅したと報告されました。
気候変動が直接の原因とされた世界初の哺乳類の絶滅例として注目されています。
キタシロサイ
キタシロサイはアフリカに生息していたサイで、亜種として南アフリカにはミナミシロサイが今も生息しています。
内戦に加え、装飾品・漢方薬として使われるツノを目的とした密猟によって急速に数を減らしました。
2018年に最後のオスが死亡し、事実上の絶滅を迎えました。
スムース・ハンドフィッシュ
スムース・ハンドフィッシュは「泳げない魚」として知られていた、オーストラリア南東部原産の魚です。
乱獲・海水汚染・生息地の減少が主な原因で2020年に絶滅が宣言されました。
ハシナガチョウザメ
ハシナガチョウザメは中国の河川に生息していた世界最大の淡水魚です。
乱獲とダム建設による生息環境の悪化が重なり、2022年に絶滅が宣言されました。
21世紀以前に人間が原因で絶滅した動物5選
21世紀以前に絶滅した動物の中から、特に人間の活動が原因となった代表的な5種を紹介します。
- リョコウバト
- フクロオオカミ
- ジャワトラ
- ニホンカワウソ
- カリブモンクアザラシ
リョコウバト
リョコウバトはかつて鳥類として最も生息数が多いとされていた鳥で、北アメリカに生息していました。
アメリカ先住民も狩猟を行っていましたが、自然に配慮した方法でした。
入植したヨーロッパ人が虐殺とも称される大規模な狩猟を行ったため、1900年代前半に絶滅しました。
フクロオオカミ
フクロオオカミはオーストラリアに生息していた有袋類のイヌ科動物です。
人類や家畜との競争に敗れてタスマニア島に追いやられましたが、大航海時代以降に羊を害する動物として駆逐され、1936年に最後の個体が確認されました。
ジャワトラ
ジャワトラはジャワ島のみに生息していた小型のトラです。
島内の開発で生息地が失われ、餌となるシカの減少と狩猟も重なり、1980年に絶滅したとされています。
最後の1頭も射殺されたとのことです。
ニホンカワウソ
ニホンカワウソは、本州以南に生息していた種と北海道に生息していた種の2種類がいましたが、どちらも絶滅したとされています。
毛皮を目的とした乱獲が主な原因です。
カリブモンクアザラシ
カリブモンクアザラシは、かつてカリブ海に生息していたアザラシです。
食肉目的の乱獲と観光地開発による陸地の変化で生息地が失われ、1950年代に絶滅しました。
種の保存にまだ目が向けられていなかった時代のため、有効な保護手段が取られなかったとされています。
日本の絶滅種一覧
日本でも複数の動物が絶滅しています。
主な6種を紹介します。
- ニホンオオカミ
- シマハヤブサ
- オガサワラガビチョウ
- カンムリツクシガモ
- ミナミイトヨ
- カドタメクラチビゴミムシ
ニホンオオカミ
ニホンオオカミは、本州・四国・九州に生息していたイヌ科の動物です。
1905年1月に奈良県で捕獲されたオスを最後に生息情報がなく、絶滅したと考えられています。
シマハヤブサ
シマハヤブサは、日本の硫黄島のみに生息していたハヤブサです。
太平洋戦争時にすでに絶滅していた可能性もありますが、調査が十分に行われなかったため詳しい原因は不明で、2018年に絶滅と認定されました。
オガサワラガビチョウ
オガサワラガビチョウは、小笠原諸島のみに生息していた鳥です。
1828年に4個体が採取されて以降、記録がないため絶滅したと判定されています。
カンムリツクシガモ
カンムリツクシガモは、北海道などに生息していたカモの仲間です。
1916年に朝鮮半島で採取された標本を最後に生存が確認されておらず、生態の詳細も不明なままです。
ミナミイトヨ
ミナミイトヨは、京都府と兵庫県のみに生息が記録されているトゲウオの一種です。
1960年の記録を最後に生息情報がなく、絶滅したとされています。
カドタメクラチビゴミムシ
カドタメクラチビゴミムシは、高知県の大内洞でのみ生息が確認されたゴミムシの仲間です。
2010年代に40年ぶりに再発見されましたが、現在は絶滅したと考えられています。
近年絶滅の可能性が高いとされる動物たち
現在も、絶滅の危機に瀕している動物が多数います。
代表的な5種を紹介します。
- ジャワサイ
- オランウータン
- マウンテンゴリラ
- クロサイ
- タイマイ
ジャワサイ
インドネシアのジャワ島に生息するサイで、乱獲と生息地の縮小で絶滅が危惧されています。
2019年時点で67頭のみが確認されており、近い将来の絶滅が懸念されています。
オランウータン
オランウータンは東南アジアに生息する類人猿で、「森の人」という別名を持ちます。
密猟と熱帯林の破壊による生息地の減少が深刻で、個体数が急速に減っています。
マウンテンゴリラ
マウンテンゴリラはアフリカのジャングルに生息する類人猿です。
現在約1,000頭が生息しており、生息数は微増していますが依然として絶滅危惧種に指定されています。
主な原因は生息地の破壊と密猟です。
参考:ナショナルジオグラフィック日本版 – マウンテンゴリラの現状
クロサイ
クロサイはツノを目的とした密猟などで生息数が激減し、いくつかの国では野生絶滅したとされています。
エスワティニなどでは野生への再導入が行われていますが、依然として絶滅の危機にあります。
タイマイ
タイマイは世界中の海に生息するウミガメです。
かつてはべっこう細工の原料として乱獲されており、現在も海洋汚染が追い打ちをかけ、急速に数を減らしています。
≫ラッコは絶滅危惧種で国内飼育数が3匹に減少?
≫ホッキョクグマが絶滅危惧種になった原因とは?
これ以上絶滅危惧種を増やさないためにできること
これ以上絶滅危惧種を増やさないために、私たちにできることがあります。
まず、購買行動を見直すことが有効です。
この記事で紹介したように、木材の過剰伐採が種の絶滅を招いた例は少なくありません。
必要なものを必要な量だけ買うことで、資源の無駄遣いを抑えることができます。
また、レインフォレストアライアンス認証など環境配慮マークのついた製品を選ぶことも、生物多様性の保護につながります。
≫絶滅危惧種が増える原因は?現状と増やさないための対策を解説
≫レッドリストとは?IUCN・環境省による評価基準やカテゴリーを解説
生物多様性に関わる仕事・キャリア
生物多様性の保護や環境問題に関心があるなら、社会課題に取り組む企業でのキャリアという選択肢があります。
自然保護団体・環境コンサルティング・サステナブル素材企業・農業テックなど、生物多様性と向き合う仕事の場は広がっています。
よくある質問
Q. 21世紀以降に絶滅した動物は何がいますか?
A. 21世紀以降に絶滅が確認された主な動物には、ピレネーアイベックス(2000年)・ヨウスコウカワイルカ(2006年)・キタシロサイ(2018年に最後のオスが死亡)・ハシナガチョウザメ(2022年)などがあります。多くが乱獲・生息地の破壊・環境悪化を原因としています。
Q. 日本で絶滅した動物は何がいますか?
A. 日本で絶滅した主な動物には、ニホンオオカミ(1905年最後の記録)・ニホンカワウソ・シマハヤブサ・オガサワラガビチョウ・カンムリツクシガモ・ミナミイトヨなどがいます。多くが乱獲や生息地の破壊によって失われました。
Q. 動物が絶滅する主な原因は何ですか?
A. 主な原因は4つです。①乱獲・密猟(毛皮・食用・薬目的)、②生息地の破壊(森林伐採・開発)、③外来種の導入による生態系の変化、④気候変動による環境変化です。この記事で紹介した動物の多くが、これらの人間活動が直接・間接的に関わって絶滅しています。
Q. 絶滅危惧種を増やさないために個人でできることは?
A. 購買行動の見直しが有効です。必要なものを必要な量だけ買い、レインフォレストアライアンス認証など環境配慮マークのついた製品を選ぶことで、生物多様性の保護に貢献できます。まずは動物の絶滅に関心を持ち続けることが第一歩です。

この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
