地球の北端に生息し、白い毛皮で知られるホッキョクグマは、その壮大な容姿と生態系での役割において、多くの人々を魅了してきました。

しかし、地球温暖化、環境汚染、そして人間による狩猟など、数多くの脅威に直面している現実があります。

本記事では、ホッキョクグマの生態や絶滅危惧種の分類、絶滅危惧種になった原因などについて詳しく解説します。

ホッキョクグマの現状を理解し、私たちにできる対策を考えてみましょう。

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ホッキョクグマとは?生態を簡単に解説

ホッキョクグマは、北アメリカ大陸北部・ユーラシア大陸北部・北極圏に分布しています。

北極に浮かぶ海氷を生活の場としており、移動や繁殖、食事などの基盤を海氷の上で活動し、アザラシや魚類、漂着したクジラの死体などをエサにしています。

クマの仲間としては最大級となっており、大人のオスで体重800kgほど、体長2.5mほどに成長することもあるほど巨大なカラダを持っているのです。

また、ホッキョクグマは生態系の頂点に立っていることから、自然界には天敵はおらず、天敵と呼べる生物は人間だけとなっています。


ホッキョクグマは絶滅危惧種のどこのカテゴリーに分類される?

ホッキョクグマは絶滅危惧種のなかでも、”絶滅する危険性が高まっている種”である「絶滅危惧II類 (VU)」に分類されています。

現在の推定個体数は26,000匹ほどと言われており、このままの状況が続けば絶滅する可能性があると言われているのです。

絶滅危惧種の分類については、環境省が以下の通りに分類しています。

絶滅 (EX) 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
野生絶滅 (EW) 飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ 存続している種
絶滅危惧I類 (CR+EN) ※ 絶滅の危機に瀕している種
絶滅危惧IA類(CR)※ ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
絶滅危惧IB類(EN)※ IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
絶滅危惧II類 (VU)※ 絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧 (NT) 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
情報不足(DD) 評価するだけの情報が不足している種
絶滅のおそれのある 地域個体群 (LP) 地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの

※絶滅のおそれのある種(絶滅危惧種)
出典:環境省「レッドリストのカテゴリー」

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ホッキョクグマが絶滅危惧種になってしまった原因

ホッキョクグマが絶滅危惧種になってしまった原因は以下の通りです。

・地球温暖化による気温上昇
・地球温暖化による環境汚染
・人間による狩猟

それぞれの原因について、以下で詳しく解説します。

地球温暖化による気温上昇

地球温暖化を中心とした気候変動によって、ホッキョクグマが生活する海氷の減少や、主なエサとなるアザラシの個体数減少なども原因のひとつです。

海氷が少なくなることはホッキョクグマが繁殖するための場所が少なくなることに直結しています。

また、ホッキョクグマが十分にエサを食べられない環境が続いてしまうと、ホッキョクグマ同士が共食いをするという行動を取ることもあり、同種による争いも個体数を減らしているのです。

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地球温暖化による環境汚染

北極圏は人口がかなり少ないこともあり、環境汚染とは無縁の地のように思えますが、世界中で発生するダイオキシンや農薬などに含まれている「残留性有機汚染物質(POPs)」が風に乗って北極圏まで影響を与えていると言われています。

生態系の頂点にいるホッキョクグマは「残留性有機汚染物質(POPs)」が生体濃縮された状態で体内に入ってしまうため、繁殖や抗体生成に悪影響があると言われているのです。

参照:WWFジャパン「ホッキョクグマの生態と、迫る危機」

人間による狩猟

地球温暖化や気候変動などに比べると大きな原因ではありませんが、北極圏の先住民によってホッキョクグマが狩猟されるという原因もあります。

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ホッキョクグマと同様の原因で絶滅危惧種になってしまった動物

ホッキョクグマと同様の原因で絶滅危惧種になったと考えられている動物には以下のような種類がいます。

・ジャイアントパンダ
・スマトラオランウータン
・ユキヒョウ

それぞれの動物について、以下で詳しく解説します。

ジャイアントパンダ

食事の99%がタケという珍しい生態を持つジャイアントパンダですが、地球温暖化によって竹林が減少傾向にあり、いずれは消滅すると言われています。

スマトラオランウータン

東南アジアのスマトラ島に生息するスマトラオランウータンは、地球温暖化が原因となる大雨や干ばつが絶滅危惧種となった原因のひとつとなっています。

ユキヒョウ

ユキヒョウはヒマラヤや中央アジアの山岳地帯に生息しますが、地球温暖化によって生活できる環境が奪われています。

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ホッキョクグマのために私たちができること

ホッキョクグマのために私たちができることには以下のようなものがあります。

冷暖房を設定温度に気をつける

エアコンの設定温度はなるべく外気温に近い温度に設定するようにすると節電につながります。

こまめに電気を消す

使わない電気をこまめに切っておくことで節電につながります。

炊飯器の保温を使わない

炊飯器の保温を3時間以上使う場合は、冷めたご飯をレンチンしたほうが節電できると言われています。

自転車や公共交通機関で移動する

自転車や公共交通機関で移動することで排出する二酸化炭素の量を削減できます。

ホッキョクグマを守る活動をする団体に寄付をする

ホッキョクグマを守る活動をしているNPO法人やNGO法人に寄付することで、間接的にホッキョクグマを守ることができます。

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まとめ

ホッキョクグマの未来は、地球温暖化、環境汚染、そして人間の活動によって大きく左右されます。

私たちが日常生活で正しい選択を行うことは、彼らの生息環境を守る上で非常に重要です。

ホッキョクグマだけでなく、ジャイアントパンダ、スマトラオランウータン、ユキヒョウなど他の絶滅危惧種の保護にも繋がるでしょう。

地球上の多様な生命と共存するために、今日からできることを始めてみませんか?

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