アフリカへのハードルを越えるには身近なものから#1~内藤獅友さん~

国際協力

今回インタビューさせて頂いたのは、ベナンを拠点にNPO法人の副代表や会社の経営者として活躍されている内藤獅友さん(通称「ナイケル」さん)。

第1弾では、NPO法人と2つの会社を経営しているナイケルさんの活動やアフリカでのビジネスで感じる魅力に迫ります!

内藤獅友(ないとうしゆう)
⻘年海外協力隊でルワンダにて活動後、株式会社Africa NetworkとNPO法人 AYINAの副代表を兼任。2019 年からAfric-DroneのCOOに就任。
Africa by African(アフリカ人によるアフリカ発展)の実現に向けて活動中。
主な事業は「アフリカホームステイ」「在日アフリカン支援」「貿易業」「アフリカビジネス進出サポート」「ドローン事業」など。
音声メディアVoicy「アフリカに行きたくなるラジオ」パーソナリティ。

ーーーナイケルさんが副代表理事を務めるNPO法人AYINAではどのような活動をしていますか。

主に、在日アフリカンを主役にした交流イベントを行なっています。

在日アフリカンの方々が抱えている課題の1つに、日本人との交流の場が少ないことが挙げられます。

留学で日本に来ている方が多いのですが、クラスの中にしか友達がおらず、学校外では日本人と繋がりがあまりない方が多いようです。

そのため、日本人にアフリカを知ってもらうイベントを行っています。

 

ーーーイベントを通して参加者の方々にはどのようなことを知って欲しいですか。

主に2つあります。

1つは、アフリカについてです。

日本では、その国自体知られていないことが多いので母国について在日アフリカンの方に伝えてもらっています。

もう1つは、主役としている在日アフリカン自身のことです。

その人がどんなところで生まれ育ったのか、どうして日本に来たのか、帰国後はどのようにして生きていきたいのかなどを知って欲しいです。

人として、友達として繋がることで初めて母国や文化に興味を持つと思います。

例えば、西アフリカのシエラレオネについているイメージは『世界で一番命が短い国』です。

そのようなネガティブなイメージから入ってしまうと、捉え方によっては日本とアフリカの間で上下関係ができてしまいます。

しかし、友達感覚で繋がると、ネガティブなイメージを持たずに対等な関係性を築けると考えています。

 

ーーーNPO法人以外にも2つの会社を経営されているとのことですが、会社ではどのような事業をされていますか。

まず、中古タイヤを使った貿易のビジネスです。

日本では、冬になるとスタッドレスタイヤに交換します。

多くの人々はまだ使えるのにも関わらず、取り替えたタイヤを廃棄してしまいます。

日本では、まだ使えるきれいなタイヤがどんどん増えているのが現状です。

一方でベナンではタイヤが不足していて、新しいタイヤは高価で買えない人々が多くいます。

また、1つのタイヤをツルツルになるまで使っているため、事故が多くなり危険です。

そこで、日本で使われなくなったきれいなタイヤをベナンやセネガルなどの西アフリカに送り、現地で販売しています。

もう一つは、ドローンで現地産業を発展させるビジネスです。

ドローンを使用することで、農業や建設業などの産業が効率化されます。

農業では、ドローンを使って農薬を撒けたり、搭載された特殊なカメラであと何日以内に農薬を撒く必要があるかなどが分かったりします。

建設業においては、広大な土地を測量するのに2~3週間かかっていました。

しかし、ドローンを使えば半日~1日で測量が可能です。

これからベナンが発展するために、必要な産業の効率化や正確性を向上させることが我々の事業の目的です。

 

ーーーアフリカでビジネスを行うことの魅力は何ですか。

本当に必要なニーズを満たせることです。

日本では、最低限必要なものはみんな持っていると感じていました。

日本のビジネスは、プラスアルファで幸せになれるものが多いと思います。

そのようなビジネスも楽しいと思いますが、私は本当に必要なものを創り出す方が好きです

現地の人々と本当に解決するべきニーズをリサーチして、日本を参考にしながら、現地の人々と悪戦苦闘しながら取り組むのは楽しいです。

 

ーーーアフリカでビジネスをしていて一番嬉しい瞬間は何ですか。

2年ほど現地で一緒に働いてくれている社員の成長を感じた瞬間です。

彼女は最初の1年、私が厳しすぎて毎週泣いていました。

英語が話せず、私が仕事の指示をしても上手く出来ませんでした。

しかし、彼女は今、英語を話せますし、コミュニケーション能力も高いので政府の交渉まで担うことができます。

彼女のお陰で会社がより回るようになり、彼女の給料も上がりました。

そのように社員が成長してくれるのは嬉しいです。

ベナンが発展するために一番大切なことは、私がベナンのビジネスで成功するよりも、現地の人たちが成長し、成功することだと思っています。

 

ーーー活動を通して創りたい社会とそう思ったきっかけを教えてください。

2つあります。

1つ目は『日本とアフリカを繋ぐきっかけが老若男女どの状況でもある社会』です。

僕がアフリカに興味を持ち、好きになるまでの過程は奇跡のようなものだと思っています。

日本に住んでいるときは、アフリカに触れる機会がほとんどありませんでした。

入ってくるアフリカの情報は、ニュースメディアでの紛争や病気などばかりで、『アフリカ=貧困、怖い』とネガティブな偏見を持っていました。

後にアフリカで活動している人に出会い、アフリカの良さを知り、好きになりました。

でも、少し違った人生を歩んだらアフリカに出会わずに年を取っていたと思います。

だから、誰でも少しのきっかけでアフリカと繋がれるような選択肢や状況を増やしていきたいなと思いました。

2つ目は、『本当に解決した方が良いニーズが解決されている社会』です。

そう思ったきっかけは色々ありますが、印象に残っている出来事を挙げます。

青年海外協力隊でルワンダにいた時、近所の青年に『自分の奥さんが妊娠して子どもが生まれそうだから、お金を貸して欲しい。』と言われました。

私はそれを嘘ではないかと疑い、拒否してしまいました。

1週間後、その青年が言っていたことは本当で、奥さんとお腹の中の子どもが死んでしまったことを知ったのです。

もう少しお金があれば手術を出来たけれど、結局お金がなくて間に合わず、死んでしまったそうです。

それを聞き、まず青年を疑ってしまった自分はダメだなと思いました。

また、私がお金を貸していたら助かったのかもしれませんが、根本的には彼が十分にお金を持っていれば、医療が発展していれば、解決できた問題だとも思いました

この出来事以外にも、日本だったら助かっていたと思うことがルワンダでは多くあり、何とかしなければならないと感じています。

ーーー次回予告

第2弾ではナイケルさんがアフリカに行くことになったきっかけ、青年海外協力隊での経験、アフリカでビジネスでの具体的な経験や大切なことついてお届けします!

ライタープロフィール
金子莉歩(かねこりほ)
大学2年
子どもの問題に興味あります。