みなさんが住んでいるまちは住みやすいまちだと思いますか。

渋滞の多い道路があったり防犯上危ない場所があったり、まちは様々な問題を抱えています。

その問題を解決するためにはどうしたらよいでしょうか。

現在、まちづくりにおいて持続可能でみんなが住み続けられるまちが重要なテーマになっています。

まちの様々な問題に対して色々なアプローチ方法で取り組もうとしているのです。

その1つの方法としてスマートシティがあります。

今回は近年、日本で注目されているスマートシティについて見ていきましょう。

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スマートシティとは

スマートシティとは、ICT(情報通信技術)を利活用して都市や地域の抱える課題を解決し、新たな価値の創出を目指す都市のことです。

1980年代にヨーロッパでスマートシティに関する最初の取り組みが始まり、2000年代に世界中で注目されるようになりました。

日本でも近年、数多くの事例が登場し、都市計画における持続可能な開発が進められています。


スマートシティが注目された背景

日本においてスマートシティが注目されたのはなぜでしょうか。

日本は戦後、高い技術力を駆使し、わずか半世紀で建物や道路、土地の区画整理を実現しました。

しかし、インフラを簡単に壊したり建て替えたりすることは難しく、一度できた都市を変えられなくなったのです。

これにより、人々が都市に適応しなければならなくなりました。

都市における地価の急騰やオフィスビルの共用はその例です。

このことから、都市の様々な問題に対して柔軟かつ効率的な対策が必要となり、世界中でスマートシティが注目されるようになりました。

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スマートシティとコンパクトシティの違い

スマートシティとコンパクトシティの違いは何でしょうか。
それは、手段の具体性の違いです。
スマートシティは、ICT(情報通信技術)の利活用によるまちづくりでした。

一方で、コンパクトシティは、土地利用や公共施設の有効利用に注目されています。
このように、持続可能なまちづくりという目標は同じでも、その目標を達成するための考え方が明確に違います。

≫コンパクトシティとは?詳しくはこちら


スマートシティのメリット

スマートシティのメリットは次の2点です。

ICTの利用

スマートシティではICTを手段として利用します。

これまで活用してこなかった都市のデータを自治体や住民から集め、役立てられるようになりました。

その一つがCPSです。

これは都市の状況や動きをデータとして集め仮想空間で解析を行うことで、現実の空間を最適化するシステムです。

解析には自治体だけではなく、例えば住民の購買行動を把握している企業などの力も不可欠です。

まさに、スマートシティ実現へ向けた官民一体の取り組みといえます。

社会課題の緩和

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スマートシティ実現によって数多くの社会問題の緩和に貢献できます。

日本は現在、他の先進国に先駆けて数多くの社会問題を抱えています。

例えば、人口について考えてみましょう。

日本の人口分布をみると都市部に集中していることが分かります。

これは企業や商業施設が都市部を中心に発展したためです。

しかし、人口が集中することで公共サービスの利便性が低下しています。

首都高速道路の渋滞はその例です。

この現状に対してスマートシティを実現することで人口が集中する箇所を分析し、その箇所に人が集まりすぎないよう、道路の整備や信号の制御ができます。

このように都市の問題をデータ分析することで、社会課題に対して具体的にどの場所でどんな取り組みをするべきか考えることに繋がります。

≫地方創生とは?問題となっている8種類の課題や企業の事例を分かりやすく解説

スマートシティの国内事例

国内のスマートシティの取り組みを見てみましょう。

兵庫県加古川市の安心・安全な都市づくり

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兵庫県加古川市では、2021年より安全・安心な都市を目指してICTを利活用した取り組みがはじまりました。

携帯アプリを活用し、不審者情報の早期共有や交通事故多発地域の可視化を進めています。

この取り組みは市民への意識調査でも満足度が高い結果であり、他の市町村での導入も検討されています。

見守りサービスについて/加古川市 (kakogawa.lg.jp)

北海道札幌市の健康まちづくり

北海道札幌市は2019年に国土交通省のスマートシティ先行モデル都市に指定され、特に健康促進の取り組みが進められています。

札幌市では、健康寿命が他の政令指定都市の中でも低いことが課題にありました。

その原因として札幌市では積雪量が多いため家で過ごす時間が多くなり、運動機会が少ないことが分析されました。

そこで、ポイントインセンティブを提供し市民に歩くきっかけづくりを提供しています。

ポイントインセンティブとは、歩数によって後に店舗で利用できるポイントを還元する仕組みです。

さらに、歩行データから住民の移動や滞在時間など、今後の都市計画への活用を踏まえた取り組みが行われています。

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スマートシティの海外事例

ここからは海外の事例を見ていきます。

シンガポールのカーレス都市

シンガポールでは、2021年にカーレス都市計画が発表されました。

カーレス都市は文字通り車両がない都市で、ゴミ収集車さえも存在しない都市です。

緑豊かな住宅街には約40,000の新しい家がつくられ、公園やショッピングがカーレス都市内で完結できるようになっています。

ICTの活用により混雑状況の把握もできるため、まさにコロナ禍での人の密集を防ぐことができます。

中国の交通管理システム

中国では渋滞の多い都市で人工知能を活用した交通監視システムが導入されました。

このシステムでは交通量の多いタイミングをICTで検知し、信号機を意図的に制御します。

これにより交通量を調整し渋滞の発生を防げるとともに、緊急車両が通る際には信号を青に変えて目的地への到着時間を短縮させることもできます。

その結果、激しい交通渋滞は減り、緊急車両の到着時間は平均して15分以上早くなりました。

スマートシティのこれから

スーパーシティ

スマートシティはICTを活用したまちづくりです。

各都市が諸問題を解決・緩和するためにICTを利用しています。

しかし、都市によってICTの利活用が異なり、ノウハウを独自に持つ形となりました。

そこで、日本全体で新しい技術を使って課題を解決しようと考えられるようになりました。

それがスーパーシティです。

スーパーシティは2019年に日本でうまれた独自のものであり、世界でも別の呼び方で同じ考え方のものがあります。

今後、日本のみでなく世界中で統一されたまちづくりの考え方が生まれるかもしれません。

コロナウイルス感染症と都市

感染症により、スマートシティのような柔軟な仕組みの大切さが明らかになりました。

実際、感染症以降、スマートフォンのGPS機能を使って人流調査が多く行われています。

今後のスマートシティ推進のためには、自治体や企業のみでなく、住民も含め、多くの人が協力したまちづくりが必要になるでしょう。

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さいごに

まちづくりに終わりはありません。

持続可能でみんなが住み続けられるまちをつくるためにはICTの利活用はもちろん、そのまちに住んでいる1人1人の力も不可欠です。

みなさんは将来、どんなまちに住みたいですか。

そのまちをつくるためにどんなことができると思いますか。

ぜひ考えてみてください。

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