昨今の日本では、若年層の引きこもりだけではなく、高齢者の引きこもりの問題も深刻化しており、長期にわたって引きこもりになってしまうケースも増えています。
しかし、引きこもりの家族ができることや再就職に向けてできる対処法などを知らないという方も多いため、なかなか脱出することができないことも多いのです。
そこで本記事では、引きこもりの定義や特徴、原因、対処法などについて詳しく解説します。
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目次
引きこもりとは?定義を解説
引きこもりとは、学校や会社、友人との交流などの社会的活動に参加せずに、6ヶ月以上の期間にわたり自宅にとどまり続けている状態のことを指します。
引きこもりの定義に”なぜ引きこもりになってしまったのか”という要因は関係なく、対人関係が要因でも、精神障害が要因でも、いずれの場合でも引きこもりとして定義されています。
また、同じ引きこもりでも状態はさまざまで、例えばまったく自宅から出られないという方もいれば、コンビニや図書館などの他者と関わらない場所であれば出かけることができる状態の方もいるのです。
このように、引きこもりの定義は明確であるものの、要因や状態は人それぞれです。
参考:厚生労働省「「ひきこもり」の定義など」
引きこもりとニートの違い
引きこもりとニートの最大の違いは、社会的活動に参加するか否かです。
先ほどもお伝えした通り、引きこもりは6ヶ月以上の期間にわたり社会的活動に参加していない人のことを指します。
一方でニートは、社会的活動への参加はあるものの、働いていないもしくは働く意思のない人を指します。
このように、引きこもりとニートは社会的活動に参加しているかどうかに大きな違いがあるのです。
ニートについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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引きこもりと引きニートの違い
引きニートとは、「引きこもり」+「ニート」の造語で、家に引きこもってしまうニートのことを言います。
ニートとは、仕事をしておらず、家事や学業にも専念しているわけではない、おおかた15歳から34歳の年齢層です。
そして、引きこもりは、家族以外の人との交流がほとんど無いまま、6ヶ月以上続けて自宅に引きこもっている状態です。
つまり、引きニートの場合は、仕事をせずに自宅に閉じこもってしまい、家族以外との接点をもたない状態が6か月以上も続いている人たちのことを言います。
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引きこもりとフリーターの違い
引きこもりとフリーターの大きな違いは、以下のポイントがあげられます。
・社会活動をしているか否か?
・働いているかいないか?
ニートやフリーターは、社会活動に関わっていますが、引きこもりの場合は、家族以外の人との関わりがなく常時、家にこもっている人を示します。
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引きこもりの期間
引きこもりとして定義される期間は6ヶ月以上ですが、引きこもりの継続期間の割合は以下の通りです。
引きこもり期間 |
割合 |
6ヶ月〜1年 |
39.2% |
1年〜3年 |
28.5% |
3年〜5年 |
9.5% |
5年〜7年 |
6.3% |
7年以上 |
14.6% |
出典:内閣府「若者の生活に関する調査報告書」
このように、引きこもりの半数以上は3年未満で社会的活動に参加できるようになっていますが、約15%の方は7年以上にわたり引きこもりを続けているというデータが出ているのです。
引きこもりの高齢化
高齢化社会が進行している現代の日本において、80代の親が50代の子どもの生活を支えるために経済的・精神的な負担を負ってしまう「8050問題」が深刻化しています。
8050問題の背景には、引きこもりが長期化しやすい傾向にあることが挙げられます。20代の頃から引きこもりが続いてしまうケースもあれば、コロナなどで収入が減ってしまったことでそのまま引きこもりになるというケースもあるのです。
引きこもりになりやすい人の特徴
引きこもりになりやすい人の特徴を解説します。
- 完璧主義者
- 自己肯定感が低い
- 内向的
- 極端に周囲の目を気にする
完璧主義者
引きこもりは”だらしない人”というイメージを持たれがちですが、実は完璧主義者の人ほど引きこもりになりやすい傾向にあります。
というのも、完璧主義者は自分に厳しく、何事も完璧にこなさないと気が済まないため、失敗してしまったときに強い責任感やプレッシャーを感じてしまい、結果として引きこもりになってしまうからです。
自己肯定感が低い
自己肯定感の低い方は、他人から”愛されている”や”必要とされている”などの気持ちを感じにくく、”自分がいなくても問題ない”と自分を否定してしまうことが多いため、引きこもりになりやすいです。
内向的
引きこもりになる人は、自分の感情を伝えることが苦手だったり、人と関わることが苦手で内向的な方も多いです。
人との関わりが苦手なことが原因で対人恐怖症になり、そのまま引きこもりになってしまうケースも多く見られます。
極端に周囲の目を気にする
日頃の生活の中で他人からの評価や他人からどう思われているかなどの周囲の目を極端に気にする人は自尊心が高い一方で、他人からの評価が低くなってしまうと強いストレスを感じてしまいます。
そのようなストレスを感じ続けると、次第に周囲の目が気にならないところで過ごすようになり、結果として引きこもりになってしまうのです。
引きこもりの原因
引きこもりの原因を解説します。
- 自信の喪失
- 精神疾患
- 対人関係への苦手意識
自信の喪失
仕事での失敗や他人から低い評価をされたときに自信を失ってしまうことが原因で引きこもりになるケースがあります。
一般的に自信の喪失は年齢を重ねるごとにダメージが大きいと言われているため、高齢者の引きこもりの主な原因としても知られています。
精神疾患
うつ病やパニック障害などの精神疾患を患っている方は、自分の身を守ろうとして引きこもりになるケースも多いです。
医師から精神疾患の診断を受けていない場合でも、イライラしやすい方や極端に人に頼れないなどの症状が見られる場合は注意しましょう。
対人関係への苦手意識
学生時代のいじめや親との関わり、就職後の人間関係などで苦手意識が根付いてしまうと、それが原因で引きこもりになるケースもあります。
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引きこもりの対処方法
引きこもりの対処方法について解説します。
- 家族以外との関わりを増やす
- 小さな目標を立てる
家族以外との関わりを増やす
引きこもりから脱出するためには、家族以外との関わりを増やすことが大切です。
まずは電話やチャットでのコミュニケーションを取ることや、専門家にカウンセリングを依頼するなどで、家族以外との関わりを増やしましょう。
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小さな目標を立てる
いきなり引きこもりから脱出することは難しいため、まずは小さな目標を立てて一つずつこなしていきましょう。
小さな目標は、近所を散歩する、友達とチャットするなど、少しでも外に出たり人と関わるような目標を立てることがおすすめです。
引きこもりの家族ができること
引きこもりの家族ができることは、非常にデリケートであり、家族の理解とサポートが非常に重要です。
以下は、引きこもりの家族が試みることができるサポートの方法です。
しかし、引きこもりの要因は様々あり、一概に効果があるとは言えません。
- 話しかける頻度を多くする
- 肯定してあげる
話しかける頻度を多くする
引きこもりの人は自分から話しかけることが難しい状態であることが多いため、直接もしくはチャットや電話などでこまめに話しかけてあげることが大切です。
肯定してあげる
引きこもりの人は自己肯定感が低くなっていることが多いため、否定せずに肯定してあげましょう。
まとめ
本記事では、引きこもりの定義や特徴、原因、対処法などについて詳しく解説しました。
引きこもりは若年層に多いイメージがありますが、実は高齢者の割合も多いです。
そのため、しっかりと原因を理解して引きこもりにならないように対策することが大切です。
また、引きこもり期間が3年以上になってしまうと長期化する傾向にあるため、早期解決に向けて対処することも大切になります。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。