社会貢献に興味のある方なら、「ソーシャルイノベーション」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。
しかし、漠然とした言葉なので、具体的にイメージするのは難しいかもしれません。
この記事では、日本の企業・団体がどのようなソーシャルイノベーションを起こしているかという事例を交えて解説します。
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目次
ソーシャルイノベーションとは
ソーシャルイノベーションとは、「社会問題を解決するための技術革新やビジネスモデルの変革」のことを言います。
この言葉を生み出したのは、「イノベーションの父」として有名なピーター・ドラッカーです。
社会的企業/ソーシャルビジネスや社会起業家がイメージされることが多いですが、特定のセクターだけの活動で実現するものではありません。
社会問題を解決するための基盤づくりとして、さまざまな組織や団体が連携することがポイントになります。
ソーシャルイノベーションがなぜ必要なのか

SDGsとは、2015年の9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標です。
この17の目標を達成するためには、フォアキャスティング(従来の延長線上)ではなく、未来を起点に逆算した「バックキャスティング」の思考が必要です。
そのため、ソーシャルイノベーションを起こすことで、社会的課題を解決し、将来のニーズを満たす必要があります。
企業がソーシャルイノベーションに取り組むメリット

ステークホルダーとの関係の強化
株主や従業員との関係の強化も期待できます。
従業員は、仕事が社会貢献に繋がっているという実感を得られることで働くモチベーションが向上します。
さらに、世界のESG投資の割合が35%を超えており、この数字は年々上昇していくことが考えられています。
株主の視点に立ってもサステナビリティに取り組むメリットは大きいです。
また、近年では、サステナビリティやSDGsの取り組みを就活の軸に置く学生が増えており、採用への影響も避けられないでしょう。
https://cococolor-earth.com/esg企業のイメージアップ
ソーシャルイノベーションが促進された企業は、企業イメージもよくなるでしょう。
社内の取り組みを社外にうまくPRすることでイメージアップになります。
市場開拓の機会に
ソーシャルイノベーションに取り組む中で、新たな市場を開拓できたり、新たな製品が生まれたりするかもしれません。
実際に、株式会社アーキエムズは、CSR活動から事業化に成功しています。
ソーシャルイノベーションの事例紹介
ハチドリ電力(株式会社ボーダレス・ジャパン)
ハチドリ電力とは、自然エネルギー100%にこだわる電力会社です。
また、電気代の1%を自分で選んだNPO等の社会貢献活動に寄付でき、さらにもう1%が自然エネルギー基金になることで自然エネルギーの普及を後押しできます。
エネルギー転換部門は日本の二酸化炭素排出量の大部分を占めており、一般的には「電気を使う=環境に良くない」と考えられていますよね。
「電気を使えば使うほどNPOや自然エネルギー発電を支援できる」という夢のような仕組みを作り出したのは、ソーシャルイノベーションだと言えるでしょう。
≫新しい応援のカタチ!ハチドリ電力にかける想いとは?#1~ハチドリ電力 小野悠希さん~
一般社団法人Social Compass
Social Compassは、デザインやアートを用いて社会問題の解決に取り組むクリエイター集団です。
カンボジアを中心としたアジアでの教育活動を、JICAからの依頼でアニメーションを駆使して行っています。
例えば、カンボジアの人々にゴミ・環境問題を意識してもらうために、プロジェクションマッピングで映し出された街並みに参加者が描いた魚を登場させ、ごみの詰まりが原因で魚が死んでしまうという教育活動を行いました。
私たちは何でも言葉で伝えればいいと考えてしまいがちですが、こうしてビジュアルを通すからこそ注目を集め、真の意味での意思疎通ができることもあるのですね。
≫【デザイン×社会貢献】得意を生かした一石二鳥の関わり方#1~Social Compass 中村英誉さん~
認定NPO法人フローレンス
認定NPO法人フローレンスは、「訪問型病児保育」「障害児保育」「小規模保育」など、子育てを取り巻く分野を中心に社会問題解決に取り組むイノベーター集団です。
例えば、待機児童は都心に集中していますが、20人以上の子どもを保育できる認可保育所を建てられるような土地はそうそうありませんでした。
そこで、フローレンスは発想を転換し、都心の空き物件を利用した定員19人以下の「おうち保育園」をスタートさせました。これが注目され、今では小規模認可保育所が国策化・急増しています。
行政や民間企業、NPOなどの外部と連携したプロジェクトの立ち上げや政策提言など、マルチセクターでの協働をしながら様々なアプローチで社会変革に取り組んでいます。
≫50歳を目前に大企業をやめてソーシャルアクティビストへ~認定NPO法人フローレンス 古岩井一彦~
まとめ
これからの社会では、各セクターが役割を超えて共創しソーシャルイノベーションを起こしていく必要があります。
どんな立場の方も、個人としても実践できる機会はたくさんあります。
≫ソーシャルグッドとは?個人ができることや取り組む企業を解説
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