企業と大学をつなぐ仕事に興味はあるけれど、どう目指せばいいのかわからない。

「産学官連携コーディネーター」と「URA」は何が違うのか、資格は必要なのか、文系でもなれるのかは、求人票を眺めるだけではわかりにくいものです。

文部科学省の調査では、2024年度(令和6年度)に全国の大学等に配置されたURA(リサーチ・アドミニストレーター)は2,010人でした。

2020年度の1,532人から毎年増えていて、担当業務別に見ると、最も多いのは産学連携支援を担う533人です。

仕事内容、働く場所、なるための入り口、役立つ資格、雇用の実態を、文部科学省の調査と大学・自治体の公式情報をもとに順に紹介します。

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産学官連携コーディネーターとは

産学官連携コーディネーターとは、企業のニーズと大学や研究機関の研究成果(シーズ)を結びつけ、共同研究や技術移転、事業化までの道筋をつくる専門職です。

前提となる産学官連携は、企業(産)、大学や研究機関(学)、国や自治体(官)が組んで、研究開発や新しい事業づくりに取り組むことを指します。

産・学・官それぞれの役割や国の制度は、産学官連携とは何かを解説した記事で詳しく紹介しました。

言葉の意味から押さえたい方は、先に目を通しておくと、この先の話がつかみやすくなります。

呼び方は「産学連携コーディネーター」「産官学連携コーディネーター」など、機関によって少しずつ違います。

始まりは1999年の答申

コーディネーターという役割が国の文書に登場したのは、1999年6月の学術審議会の答申です。

答申は、企業のニーズと大学等のシーズをつなぐ「産学のコーディネーター」の配置などで、大学の組織体制を強めるべきだと提言しました。

これを受けて、2001年度には、文部科学省が56校に56名、JST(科学技術振興機構)が16校に16名のコーディネーターの配置を支援し始めます。

当初は国が委託した人材派遣会社を通じて配置していましたが、2010年度からは、大学がコーディネーターを雇って行う活動を補助する形に切り替わりました。

2011年度の文部科学省の関連調査では、「産学官連携コーディネーターとして配置」している人がいると答えた機関は194機関、人数は817人でした。

JSTのデータベースをもとにした2013年7月時点の集計では、コーディネート活動を行う人は全国に約1,800名でした。

所属先は、大学・高専のほか、TLO、公設試験研究機関、財団法人などに広がっていました。

参考:文部科学省「産学官連携コーディネーター、リサーチ・アドミニストレーターのこれまでの取組と現状について」(2013年7月)

URA・TLOとの違い

産学官連携コーディネーターと混同されやすいのが、URAとTLOです。

URAとは、研究開発の内容について一定の理解を持ちながら、研究資金の調達・管理や、知財の管理・活用などをマネジメントする人材です。

TLO(技術移転機関)は、大学の研究成果を特許にして企業に使ってもらう、技術移転を担う機関を指します。

項目 産学官連携コーディネーター URA TLO
何か 職種(役割) 職種 機関(組織)
主な仕事 企業ニーズと研究シーズのマッチング、共同研究の立ち上げ 研究資金の獲得・管理、研究プロジェクトの運営、産学連携や知財の支援 大学の研究成果の特許化と企業へのライセンス
主な所属 大学、自治体・産業支援機関、公設試など 大学、研究機関 株式会社・財団法人など大学外の組織、または大学の学内組織

実際には、大学のURAが産学連携支援を主に担当しているケースも多く、2024年度のURAのうち533人は産学連携支援担当、250人は知財関連担当でした。

求人を探すときは、「コーディネーター」と「URA」の両方の名前で検索すると、同じような仕事に出会いやすくなります。

参考:文部科学省「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」、文部科学省「大学等における産学連携等実施状況について(令和6年度実績)」


産学官連携コーディネーターの仕事内容

2013年の文部科学省の資料では、コーディネーターの業務が、ニーズ調査、技術契約支援、知財創生、事業化支援、地域貢献などに分けて整理されています。

当初はシーズとニーズのマッチングが中心でしたが、10年あまりのうちに、知財やベンチャー立ち上げの支援、地域との連携へと広がりました。

企業訪問でニーズを集め、研究シーズを探す

仕事の出発点は、企業が何に困っているかを聞き取り、それに応えられる研究を学内で探すことです。

和歌山大学では、コーディネーターが理工系だけでなく人文社会系の研究者も訪ねて、研究シーズを聞き取っています。

主に和歌山県内の企業を訪ね、ニーズを調べるのも仕事です。

企業から問い合わせがあれば、適切な研究者を紹介し、打ち合わせに同席して、話が前に進むよう支えます。

研究者の成果を展示会に出したり、シーズ集やメールマガジンで発信したりする広報の仕事も含まれます。

参考:和歌山大学 産学連携イノベーションセンター「産官学連携コーディネーターについて」

共同研究の立ち上げと契約の支援

企業と研究者の話がまとまりそうになったら、共同研究の形に整えます。

共同研究・受託研究の契約、守秘義務契約、研究試料をやり取りするための契約(MTA)、ライセンス契約などの手続きを支えるのも、コーディネーターの業務です。

文部科学省の調査では、2024年度に大学等が民間企業と行った共同研究は32,093件、企業から受け入れた研究費は約1,065億円でした。

1件あたりにならすと約332万円です。

費用の負担や成果の扱いを1件ずつ詰めていく場面で、研究者と企業の間に立つのがコーディネーターの役割です。

知的財産の相談と技術移転

研究者から発明の相談を受け、特許調査や出願につなげるのも仕事の一部です。

2024年度に大学等が特許権などの知的財産から得た収入は約72.6億円で、うち特許権が約52.2億円と71.9%を占めました。

大学の研究成果を企業に使ってもらう技術移転は、TLOと連携して進めることもあります。

事業化・起業の支援

研究成果を製品やサービスにするため、ビジネスモデルの提案、資金調達先とのつなぎ、利益相反のマネジメントなどにも関わります。

2024年度の文部科学省の調査時点で、大学等発ベンチャーの設立数は累計5,856社でした。

起業を目指す学生・研究者向けにGAPファンド(事業化の手前の研究を後押しする資金)を実施した機関は、90機関あります。

研究から生まれた会社がどんな壁にぶつかりやすいのかは、大学発スタートアップの利点と課題を整理した記事が参考になります。

地域の企業との連携

地方大学のコーディネーターにとって、地元の中小企業の技術相談に応えることは大切な役割です。

企業相談の窓口や地域の研究会の運営も、地域貢献の業務に数えられています。

大学と地元企業の共同研究が、新しい産業や雇用につながることもあり、この仕事は地方創生とも地続きです。

自治体や地域企業など、地域に関わるほかの働き方は、地方創生・まちづくりに携わる仕事や業界とあわせて比べられます。

参考:文部科学省「大学等における産学連携等実施状況について(令和6年度実績)」、文部科学省 審議会資料(2013年7月)

産学官連携コーディネーターが働く場所

産学官連携コーディネーターの職場は、大学だけではありません。

「産」「学」「官」のどこに身を置くかで、同じつなぐ仕事でも、向き合う相手や仕事の進め方が変わります。

大学の産学連携部門・URA組織

代表的な職場は、大学の産学連携本部やイノベーションセンター、URA組織です。

2013年7月時点の集計でも、コーディネート活動を行う約1,800名のうち987人は、大学・高専に所属していました。

2024年度にURAを配置している機関は212機関で、内訳は国立大学等90、公立大学等32、私立大学等90でした。

産学官連携本部などに弁理士を置いている機関も55機関あり、専門職と組んで仕事を進める場面もあります。

参考:文部科学省「大学等における産学連携等実施状況について(令和6年度実績)」

TLO(技術移転機関)

大学の研究成果を特許にして企業へライセンスするTLOも、つなぐ仕事の現場です。

法律に基づいて承認を受けたTLOは、2026年4月1日時点で29機関あり、21機関は株式会社・財団法人など大学外の組織、8機関は大学の学内組織です。

参考:文部科学省「法律に基づいて承認を受けた技術移転機関(承認TLO)」

自治体・産業支援機関・公設試

「官」の側にもコーディネーターはいます。

大学、試験研究機関、医療機関などと県内企業をつなぐのが、公益財団法人やまがた産業支援機構の産学官連携コーディネーターです。

公益財団法人埼玉県産業振興公社では、産学コーディネーターとネットワークマネージャーが、中小企業の新製品・新技術開発に関する産学連携の相談に応じています。

民間の立場から地域の中小企業を支える会社の例は、地域企業支援に取り組む企業の記事で紹介しています。

参考:公益財団法人やまがた産業支援機構「産学官連携コーディネート事業」、公益財団法人埼玉県産業振興公社「産学連携支援」

企業の研究開発・オープンイノベーション部門

企業の側から大学と組む窓口を担う働き方もあります。

研究開発部門やオープンイノベーション推進部門で、大学との共同研究を企画したり、契約を調整したりする仕事です。

企業と大学の両方に籍を置いて働くクロスアポイントメント制度で、2024年度に企業から大学等に受け入れられた人は416人でした。

前年度から69人増えていて、企業の人が大学の中で研究に関わる形も少しずつ広がっています。

大学などの外部と組んで新しい価値を生もうとしている会社は、オープンイノベーションに取り組む企業の記事で一覧できます。

大学発スタートアップ

研究成果をもとに生まれたスタートアップで、事業開発や大学との窓口を担う道もあります。

研究者と経営陣、投資家、大学の間に立つ役割は、コーディネーターの仕事とよく似ています。

実際にどんな会社があるのかは、大学発スタートアップで社会課題に取り組む企業の紹介記事で確かめてみてください。


産学連携コーディネーターになるには

産学連携コーディネーターになるための決まったルートはありません。

ここでは、国の調査から見える前職の傾向と、新卒・文系からの入り口を紹介します。

必須の資格はない

産学官連携コーディネーターやURAになるために、必ず取らなければならない国家資格はありません。

文部科学省がURA向けに進めてきたのも、スキル標準や研修・教育プログラムの整備、認定制度づくりに向けた調査です。

スキル標準とは、業務に必要な能力を整理した指標のことで、国家資格の試験とは違います。

実際の採用では、求人ごとに、学位や実務経験、語学力などの応募条件が決められています。

前職から見る入り口

2011年度の調査では、産学官連携コーディネーターの前職の所属は、民間企業等が56%、大学等が25%、公的研究機関が9%でした。

職種では、研究職、民間企業の知財・法務部門の専門職、技術系職員、事務系職員などが多く見られました。

2024年度のURA2,010人の前職は、次のとおりです。

前職 人数 割合
事務系職員 408人 20.3%
研究員・開発スタッフ 361人 18.0%
教員(助教を含む) 247人 12.3%
URA 247人 12.3%
知財・法務部門の専門職 168人 8.4%
技術系職員 118人 5.9%
ポスドク 37人 1.8%
学生 35人 1.7%
その他 389人 19.4%

単独の区分で最も多いのは事務系職員で、研究者出身の人だけが就く仕事ではないことがわかります。

参考:文部科学省「大学等における産学連携等実施状況について(令和6年度実績)」、文部科学省 審議会資料(2013年7月)

新卒・文系からの入り口

2024年度のURAのうち、前職が学生だった人は35人(1.7%)で、新卒ですぐにこの職に就く例は多くありません。

前職で最も多いのが事務系職員だという点は、文系の学生にとって一つの手がかりになります。

大学職員(事務職)として働き、研究推進や産学連携の部署で経験を積むルートが、入り口の一つとして考えられます。

なお、調査は前職の職種を集計したもので、文系・理系の内訳まではわかりません。

また、大学職員として採用されても、どの部署に配属されるかは大学の人事次第です。

自治体職員として産業振興を担当し、地域の企業と大学をつなぐ側から関わる道も考えられます。

公務員として社会課題に関わる働き方は、政府機関で社会課題解決に関わるキャリアの記事で、民間企業との違いも含めて解説しています。

企業で研究開発や知財・法務の経験を積んでから、大学やTLOへ移るのも一つの道です。

先に紹介した2011年度の調査でも、産学官連携コーディネーターの前職の56%は民間企業等でした。

求人の探し方

大学や研究機関のコーディネーター、URAの求人は、JSTが運営するJREC-IN Portalで探せます。

「産学連携」「URA」「コーディネーター」などの言葉で検索し、応募条件や任期、待遇を見比べてみてください。

大学の採用ページや、都道府県の産業支援機関の職員募集に掲載されることもあります。

参考:JREC-IN Portal

産学官連携コーディネーターに役立つ資格・認定制度

必須の資格はありませんが、知識や経験を示す手段として役立つ制度はあります。

URAスキル認定制度

URAスキル認定制度は、一般社団法人リサーチ・アドミニストレータースキル認定機構が実施する、URAの質を保証するための認定制度です。

研修にはFundamental、Core、Advancedの3つのレベルがあり、認定には「認定URA」と「認定専門URA」の2段階があります。

認定URAを申請するにはCoreレベルの研修修了が、認定専門URAを申請するには、認定URAであることとAdvancedレベルの研修修了が必要です。

認定専門URAの専門業務区分には、「セクター間連携」や「知的財産管理と活用」が含まれていて、産学連携の仕事と直接重なります。

この制度は、文部科学省の検討会が2018年9月にまとめた論点整理をきっかけに準備が進みました。

参考:一般社団法人リサーチ・アドミニストレータースキル認定機構「制度の概要」、一般社団法人リサーチ・アドミニストレーション協議会「URA質保証制度について」

知的財産管理技能検定

知的財産管理技能検定は、技能検定のうち「知的財産管理」の職種に関する国家試験です。

1級(特許・コンテンツ・ブランドの3分野)、2級、3級があり、合格すると知的財産管理技能士という国家資格を名乗れます。

発明相談やライセンス契約の支援に関わるなら、知財の基礎を体系立てて学ぶきっかけになります。

参考:知的財産管理技能検定「知的財産管理技能検定とは?」

弁理士・RTTP

知財の専門性をさらに深めるなら、特許などの手続きを代理する国家資格の弁理士があります。

技術移転の実務家向けには、ATTP(技術移転プロフェッショナル国際連盟)が認定するRTTP(国際認定・技術移転プロフェッショナル)もあります。

RTTPは、経験、研修受講などのスキル、業績を英文でまとめてATTPに申請し、審査を受ける仕組みです。

参考:一般社団法人大学技術移転協議会(UNITT)「Let’s be RTTP」


産学官連携コーディネーターに求められるスキル

資格とは別に、実務の中で求められやすい力を3つ挙げます。

研究とビジネスの言葉を訳す力

研究者は「何がわかったか」を、企業は「何に使えるか、いつ製品になるか」を気にします。

同じ技術について話していても関心がずれるため、両者の言葉を相手に伝わる形に言い換える力が欠かせません。

新しい事業を形にする役割は、企業の事業開発(BizDev)の仕事とも重なります。

必要なスキルの考え方は、社会課題に取り組むBizDevのスキルや仕事内容とも共通する部分があります。

契約・知財の基礎知識

共同研究やライセンスの話は、最後は必ず契約になります。

守秘義務、成果の帰属、費用の負担といった論点を理解していないと、話をまとめきれません。

契約や知財の考え方は、法学部などで学ぶ内容と重なる部分もあります。

立場の違う人をつなぐ調整力

大学の中だけでも、研究者、事務部門、経営陣と立場の違う人がいます。

そこに企業、自治体、金融機関が加わるので、それぞれの事情を理解したうえで、話を前に進める調整力が求められます。

雇用形態・年齢構成・年収

仕事の魅力とあわせて、働き方の実態も数字で確かめておきましょう。

任期付きの雇用と雇用期間

2011年度の調査では、産学官連携コーディネーターの84%が、期間の定めのある雇用(任期付き)でした。

確認した範囲では、2024年度の調査でURAの無期・有期の割合は公表されていません。

公表されているのは、URA2,010人の「雇用期間別人数」です。

1年以上3年未満が660人(32.8%)と最も多く、10年以上は258人(12.8%)でした。

ただし、この「雇用期間」が契約上の任期の長さなのか、これまでの勤続年数なのかは、公表資料からは読み取れません。

下の表は、任期付きの人の割合を示すものではない点に注意してください。

雇用期間(調査の区分のまま) 人数 割合
1年未満 316人 15.7%
1年以上3年未満 660人 32.8%
3年以上5年未満 386人 19.2%
5年以上10年未満 390人 19.4%
10年以上 258人 12.8%

応募する前に、任期や更新の条件、無期雇用への転換の制度を求人票で確かめておくと安心です。

年齢構成

2024年度のURAの年齢構成は、60歳以上が697人(34.7%)で最も多く、39歳以下は283人(14.1%)でした。

2011年度の産学官連携コーディネーターも、約50%が60歳以上で、男性が約9割を占めていました。

キャリアを重ねてから就く人が多い仕事で、39歳以下の担い手は7人に1人ほどにとどまります。

参考:文部科学省「大学等における産学連携等実施状況について(令和6年度実績)」、文部科学省 審議会資料(2013年7月)

年収は求人ごとに確認する

産学官連携コーディネーターやURAの年収は、国の職種別統計に独立した項目がありません。

給与は、大学の規程や職位、雇用期間によって大きく変わるため、JREC-IN Portalなどに載っている個別の求人で確かめてください。


産学官連携コーディネーターと社会課題の接点

産学官連携コーディネーターは、研究室の中にある知恵を、社会の困りごとに届ける仕事です。

地方大学のコーディネーターが地元企業の技術相談に応えれば、地域の産業を支えることにつながります。

医療や環境、農業の研究が企業との共同研究で製品になれば、研究の成果が社会課題の現場で使われるようになります。

関わり方は、大学の中だけに限りません。

自治体の産業振興の担当として「官」の側から大学と企業をつなぐ道もあれば、コーディネーターの経験を生かして、スタートアップや企業の事業開発へ進む道も考えられます。

研究者として課題そのものを調べたり、政策をつくる側に回ったりする道は、研究・政策の立場から社会課題に関わるキャリアで紹介しています。

よくある質問

産学官連携コーディネーターについて、よく出てくる疑問を4つ取り上げました。

Q. 産学官連携コーディネーターとはどんな仕事ですか?

A. 産学官連携コーディネーターとは、企業のニーズと大学や研究機関の研究成果を結びつけ、共同研究や技術移転、事業化までの道筋をつくる専門職です。企業を訪ねて困りごとを聞き取り、応えられる研究者を学内で探して紹介し、打ち合わせにも同席します。話がまとまれば、共同研究や守秘義務、ライセンスの契約を支え、発明の相談や特許出願、大学発ベンチャーの立ち上げを手伝うこともあります。職場は大学のほか、TLO、自治体の産業支援機関、公設試験研究機関などです。

Q. 産学官連携コーディネーターとURAの違いは何ですか?

A. 産学官連携コーディネーターは、企業と大学をつなぎ、共同研究を立ち上げる役割が中心です。URAは、研究資金の調達・管理、研究プロジェクトの運営、知財の管理・活用などを幅広くマネジメントする人材です。ただし、URAの中にも産学連携支援を主に担う人が多く、文部科学省の調査では、2024年度のURA2,010人のうち533人が産学連携支援担当でした。求人を探すときは、コーディネーターとURAの両方の名前で検索すると、似た仕事を見つけやすくなります。

Q. 産学連携コーディネーターになるには資格が必要ですか?

A. 産学連携コーディネーターやURAになるために、必ず取らなければならない国家資格はありません。採用では、求人ごとに学位や実務経験などの条件が決められています。知識を示す手段としては、一般社団法人リサーチ・アドミニストレータースキル認定機構のURAスキル認定制度や、国家試験の知的財産管理技能検定、知財の専門家としての弁理士があります。技術移転の実務家向けには、国際的な認定であるRTTPもあります。まずは応募したい求人の条件を確かめるところから始めましょう。

Q. 文系や新卒でも産学連携の仕事に就けますか?

A. 文系でも産学連携の仕事に就く道はあります。文部科学省の調査では、2024年度のURAの前職で最も多かったのは事務系職員で、408人(20.3%)でした。一方、前職が学生だった人は35人と少なく、新卒ですぐに就く例は多くありません。大学職員として研究推進や産学連携の部署で経験を積む、企業で知財や法務、研究開発の経験を積んでから移るといったルートが考えられます。ただし、配属や採用条件は機関ごとに異なります。


まとめ

産学官連携コーディネーターは、企業のニーズと大学の研究成果をつなぎ、共同研究や技術移転、事業化を支える仕事です。

2024年度には大学等に2,010人のURAが配置され、そのうち533人が産学連携支援を担っています。

必須の資格はなく、前職も事務系職員、研究者、企業の知財・法務担当と、ひとつに限られません。

関心を持ったら、まず自分の大学や地元の大学の産学連携部門のページを開き、どんな共同研究が進んでいるのかを見てみてください。

JREC-IN Portalで「産学連携」「URA」と検索し、応募条件や任期を眺めてみるだけでも、自分に足りない経験を確かめられます。

大学と組んで事業を進める企業に関心があれば、ココキャリアの産学連携カテゴリで、どんな会社が産学連携に取り組んでいるのかを探すこともできます。

研究と社会のあいだに立つ人が増えるほど、大学の知恵は地域や社会の課題に届きやすくなるでしょう。

あなたが今いる場所で積む経験も、いつか「つなぐ仕事」の土台になるはずです。

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