2026年3月19日、経済産業省と東京証券取引所は、2025年度(令和7年度)の「なでしこ銘柄」26社と「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」23社を発表しました。

対象は約3,900社の上場企業で、実際に応募したのは222社です。

女性が活躍できる会社で働きたいと思っても、その実態は説明会や求人票からは見えにくいですよね。

この記事では、49社を業種・証券コード・選定回数つきの全件一覧で紹介します。

あわせて、選定基準やえるぼし・くるみんとの違い、就職・転職で一覧をどう読めばよいかも解説します。

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なでしこ銘柄とは

なでしこ銘柄とは、女性活躍推進に優れた上場企業を、経済産業省と東京証券取引所が共同で選ぶ制度です。

2012年度に始まり、2025年度で14年目を迎えました。

ねらいは、中長期の企業価値向上を重視する投資家に魅力ある銘柄として紹介し、各社の取組を後押しすることにあります。

名前に「銘柄」とつきますが、この記事では投資の判断材料としてではなく、働く会社を選ぶための手がかりとして扱います。

参考:令和7年度「なでしこ銘柄」「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」を選定しました(経済産業省)

参考:令和7年度「なでしこ銘柄」「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」の公表について(日本取引所グループ)

Nextなでしことの違い

Nextなでしこは、正式には「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」といい、2023年度に選定が始まりました。

なでしこ銘柄が2つの柱の両方を見るのに対し、Nextなでしこは両立支援に重点を置いています。

区分2025年度の社数重視される点
なでしこ銘柄26社「採用から登用までの一貫したキャリア形成支援」と「性別を問わない両立支援」の両方
Nextなでしこ23社「共働き・共育てを可能にする性別を問わない両立支援」

背景には、出産や育児を望む女性のキャリアが中断されることが、女性活躍が進まない大きな要因の1つだという考え方があります。

制度の利用者が女性に偏ると、家事や育児の負担も女性に偏ったままになります。

そのため、男性の育児休業の取得率や日数、全社員の残業時間や年次有給休暇の取得率まで評価の対象になっています。

2025年度の49社に、両方へ同時に選ばれた会社はありません。

選定基準と選ばれ方

応募の窓口は「女性活躍度調査」で、調査票に回答することが応募にあたります。

2025年度の対象は、2025年8月25日時点で東証のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する約3,900社でした。

応募は222社で、なでしこ銘柄に184社、Nextなでしこに215社が手を挙げています。

審査は、最低限の基準を確かめるスクリーニングと、回答内容の採点を中心に進みます。

スクリーニングの項目には、次のようなものがあります。

  • 回答内容の公表に同意していること
  • 女性活躍推進法にもとづく行動計画を策定していること
  • 「女性の活躍推進企業データベース」で女性管理職比率を開示していること
  • 女性取締役の人数
  • 法令遵守の状況と、反社会的勢力とのつながりがないこと
  • 直近3年平均のROE(自己資本利益率)

なでしこ銘柄では、これに加えて2つの点が重視されます。

1つ目は、キャリア形成支援と両立支援の取組や成果が、どちらも優れていることです。

役員や階層ごとの女性比率、男性の育児休業の取得率と日数、残業時間などが見られます。

2つ目は、経営戦略と女性活躍を含む人材戦略の結びつきが、その会社独自のストーリーとして語られていることです。

記述式の調査票は、外部有識者の委員が審査しています。

選定の枠は業種ごとに決まっていて、なでしこ銘柄は18業種で1業種あたり1〜3社程度です。

選定後も、法令遵守の回答に虚偽が分かった場合などは、2027年3月末までの間であれば選定が取り消されます。

参考:令和7年度「なでしこ銘柄」レポート(経済産業省)

えるぼし・くるみんとの違い

名前が並んで語られることの多い制度ですが、運営の主体も選ばれ方も違います。

制度主体対象選ばれ方社数
なでしこ銘柄経済産業省・東京証券取引所上場企業年度ごとの応募から業種別に選定26社(2025年度)
Nextなでしこ経済産業省・東京証券取引所上場企業年度ごとの応募から業種別に選定23社(2025年度)
えるぼし厚生労働大臣行動計画を策定・届出した企業5つの評価項目の基準で認定4,545社(2026年8月末)
くるみん厚生労働大臣行動計画を策定した企業目標の達成と基準の充足で認定6,044社(2026年8月末)

えるぼしとくるみんは法律にもとづく認定で、基準を満たせば上場していない会社や中小企業も認定されます。

なでしこ銘柄は上場企業だけの制度で、枠があるので毎年度選び直され、選定が途切れる会社も出てきます。

えるぼしは女性活躍全般を5つの項目で、くるみんは子育てサポートを、それぞれ数値の基準で審査します。

実績を見比べるなら、最上位の認定企業まで全件を並べたえるぼし認定企業一覧とくるみん認定企業一覧が使えます。

2026年8月末時点のプラチナえるぼしと同じ法人名で照らすと、なでしこ銘柄では新日本科学、丸井グループ、山陰合同銀行の3社が重なります。

Nextなでしこでは、重なる会社はありませんでした。

プラチナくるみんには、なでしこ銘柄の13社とNextなでしこの8社が入っています。

持株会社が選ばれ、事業会社が認定を受けている場合はこの数に入らないので、重なりはもう少し広い可能性があります。

国の認定制度をまとめて知りたいときは、ホワイト企業の認定制度一覧も参考になります。


2025年度のなでしこ銘柄26社の一覧

2026年3月19日に発表された、2025年度(令和7年度)のなでしこ銘柄26社です。

並びは経済産業省の公表資料と同じ業種順で、業種はTOPIX-17をもとに情報通信とサービスその他を分けた18区分です。

選定回数は、公表されている過年度実績を2025年度まで数えた回数で、初めて選ばれた3社には「★」が付いています。

かっこの中は、準なでしこ(2021年度までの過去の区分)とNextなでしこに選ばれた回数です。

LIXILはLIXILグループ、BIPROGYは日本ユニシス、NTTは日本電信電話だった時期の選定も回数に含みます。

ココキャリアの列にリンクがある会社は、企業ページから事業内容などが見られます。

業種証券コード企業名なでしこ銘柄の選定回数ココキャリア
食品2802味の素株式会社7回目(準なでしこ2回)—
エネルギー資源5019出光興産株式会社4回目—
建設・資材5938株式会社LIXIL10回目(準なでしこ1回)—
素材・化学4452花王株式会社5回目(準なでしこ2回)—
素材・化学4911株式会社資生堂6回目(準なでしこ1回)—
医薬品4519中外製薬株式会社9回目—
医薬品4568第一三共株式会社初選定 ★(Nextなでしこ1回)—
自動車・輸送機5108株式会社ブリヂストン9回目—
鉄鋼・非鉄5711三菱マテリアル株式会社初選定 ★—
機械6367ダイキン工業株式会社10回目—
電機・精密6645オムロン株式会社8回目—
情報通信8056BIPROGY株式会社2回目(準なでしこ3回)—
情報通信9432NTT株式会社2回目—
サービスその他2130株式会社メンバーズ4回目企業ページ
サービスその他2395株式会社新日本科学2回目—
電気・ガス9501東京電力ホールディングス株式会社初選定 ★—
電気・ガス9531東京ガス株式会社9回目—
運輸・物流9202ANAホールディングス株式会社5回目—
商社・卸売8001伊藤忠商事株式会社4回目(Nextなでしこ1回)—
商社・卸売8031三井物産株式会社6回目(準なでしこ3回)—
小売2702日本マクドナルドホールディングス株式会社2回目—
小売8252株式会社丸井グループ9回目企業ページ
銀行8381株式会社山陰合同銀行3回目—
金融(除く銀行)8591オリックス株式会社3回目(準なでしこ3回)—
金融(除く銀行)8601株式会社大和証券グループ本社11回目—
不動産8801三井不動産株式会社5回目—

参考:令和7年度「なでしこ銘柄」レポート(経済産業省)

2025年度のNextなでしこ23社の一覧

同じ日に発表された、2025年度のNextなでしこ 共働き・共育て支援企業23社です。

選定は2023年度に始まったので、選定回数は最大で3回です。

初めてNextなでしこに選ばれた11社には「★」が付いていて、かっこの中は同じ2023年度以降になでしこ銘柄に選ばれた回数です。

社名は選定時点のもので、日本ガイシは2026年4月1日にNGK株式会社へ社名を変えています。

業種証券コード企業名Nextなでしこの選定回数
食品2269明治ホールディングス株式会社2回目
食品2502アサヒグループホールディングス株式会社初選定 ★(なでしこ銘柄1回)
建設・資材5333日本ガイシ株式会社3回目
建設・資材5334日本特殊陶業株式会社初選定 ★(なでしこ銘柄1回)
素材・化学3402東レ株式会社2回目
素材・化学4204積水化学工業株式会社初選定 ★
医薬品4523エーザイ株式会社初選定 ★(なでしこ銘柄2回)
医薬品4886あすか製薬ホールディングス株式会社2回目
鉄鋼・非鉄5706三井金属株式会社初選定 ★(なでしこ銘柄1回)
機械6326株式会社クボタ2回目
電機・精密6869シスメックス株式会社2回目
電機・精密7701株式会社島津製作所初選定 ★(なでしこ銘柄1回)
情報通信7911TOPPANホールディングス株式会社3回目
情報通信9434ソフトバンク株式会社初選定 ★
サービスその他2168株式会社パソナグループ初選定 ★
電気・ガス9532大阪ガス株式会社2回目(なでしこ銘柄1回)
運輸・物流9005東急株式会社初選定 ★
運輸・物流9201日本航空株式会社初選定 ★
商社・卸売8015豊田通商株式会社2回目
商社・卸売8053住友商事株式会社2回目
小売3099株式会社三越伊勢丹ホールディングス2回目
銀行8316株式会社三井住友フィナンシャルグループ初選定 ★
不動産1878大東建託株式会社3回目

一覧から見える4つの傾向

49社を選定回数と業種で数えると、企業を見るときの手がかりがいくつか見えてきます。

26社のうち23社が2回目以上の選定

なでしこ銘柄で最も回数が多いのは、大和証券グループ本社の11回目です。

LIXILとダイキン工業が10回目で、中外製薬、ブリヂストン、東京ガス、丸井グループが9回目で続きます。

26社のうち14社は、5回目以上の選定でした。

丸井グループは2017年度から9年連続で選ばれていて、26社のなかで最も長く続いています。

長く選ばれている会社は、基準が変わっても調査に答え続け、上位を保ってきた会社だと読めます。

10社は前年度に選ばれていなかった

2024年度にもなでしこ銘柄だった会社は16社で、残る10社は前年度の顔ぶれには入っていません。

初選定の第一三共、三菱マテリアル、東京電力ホールディングスの3社が含まれます。

花王、ANAホールディングス、三井物産のように、以前の選定から間が空いて戻った会社もあります。

第一三共と伊藤忠商事は、2024年度のNextなでしこから今回のなでしこ銘柄へ移りました。

反対に、2024年度になでしこ銘柄だった日本特殊陶業、エーザイ、三井金属、島津製作所は、今回はNextなでしこに入っています。

2025年度からは、上場企業数に応じて業種の枠が1〜3社へ広がったことも、顔ぶれの変化に関わっていると考えられます。

一方で、選定企業が一部の先進企業に固定化しているという指摘も、レポートに記されています。

Nextなでしこは15業種で11社が初めて

Nextなでしこの23社は15業種にまたがり、エネルギー資源、自動車・輸送機、金融(除く銀行)からは選ばれていません。

3年続けて選ばれているのは、日本ガイシ、TOPPANホールディングス、大東建託の3社です。

2023年度以降に選定の実績がなく、今回初めて入った会社は6社です。

積水化学工業、ソフトバンク、パソナグループ、東急、日本航空、三井住友フィナンシャルグループが該当します。

働く時間を減らす制度の導入状況にも、差が見られます。

勤務間インターバル制度を導入している割合は、Nextなでしこが73.9%、それ以外の回答企業が46.2%でした。

法定より短い自社独自の残業上限も、82.6%と52.8%で差が開いています。

健康経営銘柄2026にも選ばれた10社

49社のうち10社は、経済産業省と東京証券取引所が選ぶ健康経営銘柄2026の選定企業一覧にも入っています。

なでしこ銘柄では花王、中外製薬、三菱マテリアル、ANAホールディングス、丸井グループ、大和証券グループ本社の6社です。

Nextなでしこでは日本特殊陶業、島津製作所、パソナグループ、東急の4社でした。

どちらも上場企業を対象に働く環境を見る制度なので、志望先の取組を別の角度から確かめられます。

選定企業の取組事例4社

26社のなかから、業種や回数の違う4社の取組を紹介します。

数字は各社が応募時に提出した調査票にもとづくものです。

株式会社丸井グループ

丸井グループは、小売の業種から選ばれている会社で、2025年度で9回目の選定です。

女性が社員の45%を占めながら意思決定層では8%だったことを課題とし、2013年度に独自の指標「女性イキイキ指数」を設けました。

いまは女性活躍を妨げる最大の要因を性別役割分担意識と捉え、男性の1カ月以上の育児休業を進めています。

その取得率は、2020年度の9%から2024年度には90%まで上がりました。

一方で女性の上位職志向は2024年度で58%と、2025年度の目標75%には届いていない段階です。

≫株式会社丸井グループの事業内容や社会課題への取り組みを詳しく見る

株式会社メンバーズ

メンバーズは、企業のDX(デジタル技術を使った事業の変革)を現場で支援する会社です。

2008年前後に倒産の危機を経験し、事業戦略の転換と並行して人事制度の改革を進めました。

女性管理職比率は2015年10月の14.9%から2025年6月末には32.2%へ上がり、男性の育児休業の取得率も2025年3月末時点で90.0%です。

執行役員や部長以上への女性の登用や、介護を担う社員への支援は、今後の課題に挙げています。

2020年に新卒で入社した田村唯香さんは、Webディレクターとして、社会課題の解決と利益の創出を両立するCSVマーケティングにも携わってきました。

入社の理由や仕事の中身は、田村唯香さんのインタビューで読めます。

≫株式会社メンバーズの事業内容や社会課題への取り組みを詳しく見る

株式会社山陰合同銀行

山陰合同銀行は、2023年度から3年続けて選ばれている地方銀行です。

2022年11月に従業員の発案で「女性活躍推進チーム」が生まれ、女性のキャリア意識と管理職の意識を変える施策を経営陣に提言しました。

2024年度には、女性役員と従業員の座談会を全営業エリア13ブロックで開き、323名が参加しています。

課長相当職以上の女性比率は2024年度に24.2%となりました。

男女とも子が3歳になるまで育児休業を取れる制度があり、地域で働き続けたい人にとって確かめておきたい例です。

三菱マテリアル株式会社

三菱マテリアルは、非鉄金属の会社で、2025年度に初めてなでしこ銘柄に選ばれました。

DE&I(多様性・公平性・包摂)の推進を、役員報酬の非財務目標の評価項目に含めています。

女性取締役の比率は2025年6月時点で30%、執行役の比率は2025年4月時点で29%で、どちらも2023年度から2桁のポイントで上がりました。

審査委員からも、推進状況を定期的に審議し、経営層が責任を持つ体制が評価されています。

参考:令和7年度「なでしこ銘柄」選定企業事例集(経済産業省)

26社のうち資生堂は、ジェンダーの問題に取り組む企業10選でも紹介しています。


就職・転職でこの一覧をどう読むか

なでしこ銘柄は、企業を探す入口としては便利です。

ただ、選ばれた事実だけで働きやすさまでは分からないので、読むときの注意点を4つ挙げます。

選定は入社後の働きやすさの保証ではない

選定は、企業が提出した調査票の回答と記述をもとに評価した結果です。

あなたが配属される部署の忙しさや、上司が制度の利用をどう受け止めるかまでを見ているわけではありません。

選定企業の平均も、すべての課題が解決した状態を示しているわけではありません。

項目なでしこ銘柄(26社)それ以外の回答企業(196社)
女性役員比率27.3%19.7%
女性管理職比率16.9%13.4%
正規雇用の男女の賃金の差異(男性を100とした女性の数字)73.7%72.3%
男性正社員の育児休業取得率96.3%84.9%
正社員の月平均法定外労働時間11.7時間13.8時間

女性管理職比率や育児休業は他の回答企業より高い一方、賃金の差異はほとんど変わりません。

Nextなでしこの23社も、男性の育児休業取得率は95.4%と高いものの、平均取得日数は42.1日で、それ以外の回答企業の49.2日より短くなっています。

2030年までに東証プライム上場企業の女性役員比率を30%にするという政府目標を、すでに上回っている選定企業は約3割です。

数字は回答企業の平均で、選ばれていても項目ごとの差は残ると考えておくと安心です。

選ばれた会社と働く会社が同じかを確かめる

49社のうち12社は、社名に「ホールディングス」や「グループ」がつく会社です。

新卒や中途で応募する先が傘下の事業会社の場合、選ばれているのは親会社で、応募先そのものではありません。

取組や数字がどの範囲の会社を指しているのかは、応募前に確かめておきましょう。

載っていない会社が取り組んでいないとは限らない

約3,900社のうち応募は222社なので、応募しなかった会社はそもそも選ばれません。

枠が業種ごとに決まっているため、応募して選ばれなかった会社のなかにも取組の進んだ会社はあります。

非上場の大企業や中小企業は対象外なので、そうした会社を探すならえるぼし認定企業一覧のほうが向いています。

女性のキャリアや健康を事業そのもので支える会社は、女性のエンパワーメントに取り組む企業10選から探せます。

数字は公開情報で確かめられる

経済産業省は、公開に同意した企業の定量データ一覧を公表しています。

厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」でも、各社が公表している実績を見られます。

有価証券報告書には、女性管理職比率や男性の育児休業取得率、男女の賃金の差異が載っています。

数年分を並べると、改善が続いているのか止まっているのかが分かります。

面接や説明会では、次のように聞くと実際の様子が見えてきます。

  • あなたが希望する部署で、男性の育児休業の取得日数はどのくらいか
  • 育児休業から戻った人は、どの部署でどんな仕事をしているか
  • 管理職になった女性は、どんな経路で登用されたか

参考:女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」(経済産業省)

参考:女性の活躍推進企業データベース(厚生労働省)

女性活躍に関わる仕事の入口

女性活躍は、人事の担当者だけの仕事ではありません。

選定企業の取組から見ると、関わり方はおおよそ次の4つに分かれます。

事業会社でDE&Iを推進する

人事部や専門組織で、現状の数字を分析し、制度や研修を企画して効果を確かめる仕事です。

メンバーズの「インクルーシブワーク室」のように、専門の組織を置く会社もあります。

人事や労務の経験、データを読む力が生きます。

新卒なら人事系の職種、転職なら人事やDE&I担当の求人が入口になります。

現場の仕事をしながら職場を変える

営業や技術など本業を持ちながら、社内の活動に参加する関わり方です。

山陰合同銀行の「女性活躍推進チーム」は、従業員の発案から始まり、経営陣への提言につながりました。

専門の経験は問われず、入社後にまず自分の職場の課題を言葉にすることが入口になります。

開示や投資家との対話を担う

サステナビリティ部門やIR部門で、人材の取組を数字と言葉にして社外へ伝える仕事です。

なでしこ銘柄では、経営戦略と結びつけて語れることや情報開示の姿勢も審査の対象になります。

財務や開示の知識、文章を組み立てる力が生きます。

経営企画やIRの経験者が、転職で関わることの多い領域です。

事業や職種を通じて社会課題に関わる

女性のキャリア支援や健康課題を事業にする会社のほか、顧客企業の課題に専門職として関わる働き方もあります。

先ほど紹介したメンバーズの田村さんのように、Webディレクターという職種からCSVに関わる人もいます。

ジェンダーに関わる仕事の全体像は、ジェンダー課題のキャリアの記事で詳しく紹介しています。


まとめ

なでしこ銘柄は、女性活躍推進に優れた上場企業を、経済産業省と東京証券取引所が共同で選ぶ制度です。

2025年度は約3,900社を対象に222社が応募し、なでしこ銘柄26社とNextなでしこ23社が選ばれました。

大和証券グループ本社の11回目や丸井グループの9年連続がある一方、前年度に選ばれていなかった会社も10社あります。

えるぼしやくるみんが基準による認定なのに対し、なでしこ銘柄は上場企業のなかから年度ごとに選ぶ制度です。

選定はあくまで入口の目安なので、公開データで数字を見て、説明会や面接で自分が働く職場の様子を確かめていきましょう。

気になる会社を見つけたら、まず1社の数字を数年分並べてみるところから始めてみてください。

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よくある質問

なでしこ銘柄について、よく見かける疑問にお答えします。

Q. なでしこ銘柄2026に選ばれた企業は何社ですか?

A. 2026年3月19日に発表された2025年度(令和7年度)のなでしこ銘柄は26社です。公式には年度で表記されるため、「2026」で探す場合はこの回にあたります。業種は18区分すべてから選ばれ、1業種あたり1社か2社でした。同時に発表されたNextなでしこ 共働き・共育て支援企業は23社で、両方に選ばれた会社はありません。選定回数は大和証券グループ本社の11回目が最多で、初選定は第一三共、三菱マテリアル、東京電力ホールディングスの3社です。

Q. なでしこ銘柄とNextなでしこの違いは何ですか?

A. なでしこ銘柄は、採用から登用までの一貫したキャリア形成支援と、性別を問わない両立支援の両方が優れた上場企業を選びます。経営戦略と女性活躍を結びつけた記述式の審査もあります。Nextなでしこは、共働き・共育てを可能にする両立支援が特に優れた企業を選ぶ枠で、2023年度に始まりました。男性の育児休業の取得率や日数、全社員の残業時間などが評価の対象です。どちらも女性活躍度調査への回答で応募し、2025年度に両方へ選ばれた会社はありません。

Q. なでしこ銘柄とえるぼし・くるみんの違いは何ですか?

A. なでしこ銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が上場企業から年度ごとに業種別に選ぶ制度で、2025年度は26社です。えるぼしは女性活躍推進法、くるみんは次世代育成支援対策推進法にもとづき、厚生労働大臣が認定します。基準を満たせば上場していない会社や中小企業も認定され、2026年8月末時点でえるぼしは4,545社、くるみんは6,044社です。なでしこ銘柄には枠があるので選定が途切れる会社もあり、認定制度とは数字の意味が異なります。

Q. なでしこ銘柄に選ばれた会社なら働きやすいと考えてよいですか?

A. 選定は、企業の回答と記述を評価した結果で、配属先の働きやすさまでを保証するものではありません。26社の平均を見ると、男性の育児休業取得率は96.3%と高い一方、男女の賃金の差異は男性を100とした場合に女性は73.7%で、課題も残っています。社名にホールディングスやグループがつく会社は、応募先が同じ範囲に入るかも確かめましょう。公開データで数年分の数字を見たうえで、説明会や面接で希望する部署の実態を聞くと安心です。


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