SBTiが公開している目標ダッシュボードには、2026年10月22日更新のデータで、日本の企業2,592社の削減目標が「認定済み」として載っています。

国別では世界で最も多い数です。

脱炭素に本気で取り組む会社で働きたいと思っても、これだけ多いと、どの会社がどこまでの目標を立てているのかは見分けにくいですよね。

この記事では、日本のSBT認定企業を中小企業と大企業、セクター別に数えたうえで、2050年前後のネットゼロ目標まで認定された112社を全件の一覧にまとめます。

あわせて、注目の5社と、志望先の目標を確かめるときに見ておきたい点も紹介します。

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SBT認定とは

SBTとは、パリ協定が求める水準と整合した、科学的根拠にもとづく企業の温室効果ガス排出削減目標です。

国際的な枠組みであるSBTiが基準をつくり、企業が出した目標が基準に合っているかを審査します。

認定されるのは会社そのものではなく、会社が立てた削減目標です。

目標には、5〜10年先を目標年とする「短期目標」と、遅くとも2050年までに排出を大きく減らし、残る排出を炭素の除去で釣り合わせる「ネットゼロ目標」があります。

日本で「SBT認定企業」と呼ばれる会社の多くは、短期目標の認定を受けた会社です。

基準の中身や申請の流れ、費用は、SBTの意味や認定の仕組みを解説した記事で詳しく紹介しています。

ネットゼロという言葉そのものの意味やカーボンニュートラルとの違いは、ネットゼロ(実質ゼロ)とはで確かめられます。

参考:SBT(Science Based Targets)について(環境省)


日本のSBT認定企業は2,592社

SBTiのダッシュボードで所在国が日本の企業は2,674社あり、そのうち2,592社が短期目標の認定を受けています。

残りは、認定に向けて準備中のコミットメント段階が60社、コミットメントを取り下げた状態の企業が22社です。

世界の参加企業の約18%が日本企業

環境省の資料では、2026年8月12日時点で、認定を受けた企業とコミットメント中の企業をあわせた日本の参加企業は2,580社です。

世界全体の13,969社の約18%にあたり、国別で首位となっています。

2026年10月22日更新のデータで数え直すと、日本は2,652社、世界全体は14,344社で、約18%という割合は変わっていません。

2位のイギリスは1,759社、3位のアメリカは1,441社でした。

国の削減目標であるNDCと、企業の削減目標であるSBTは、どちらもパリ協定の目標から逆算して決める点が共通しています。

国の目標の中身は、NDC(国が決定する貢献)とはで紹介しています。

参考:SBT(Science Based Targets)について(環境省)

認定企業の8割以上が中小企業

認定を受けた2,592社を組織の種類で分けると、中小企業が2,169社、それ以外の企業が423社です。

全体の約84%を中小企業が占めています。

中小企業の認定数は、日本が世界で最も多く、2位のイギリスの874社の約2.5倍です。

中小企業には、条件を満たせば簡易な手続きで申請できるルートがあり、申請の費用も一般のルートより低く抑えられています。

大企業が取引先にSBTの設定を求める動きも、中小企業の認定が増えている背景のひとつです。

取引先を巻き込んだ排出削減の考え方は、サプライチェーンと環境問題の関わりを読むとイメージしやすくなります。

参考:SBT詳細資料(環境省)

セクター別では電気機器・機械と建設が多い

2,592社をSBTiのセクター分類で数えると、最も多いのは電気機器・機械の584社で、建設・エンジニアリングの395社が続きます。

3位以下は、商社・商業サービスが200社、自動車・部品が161社、建材が132社、廃棄物処理が106社です。

中小企業を除いた423社に絞ると、電気機器・機械が60社、建設・エンジニアリングが53社、医薬品・バイオが23社の順になります。

中小企業2,169社だけで見ると、電気機器・機械が524社、建設・エンジニアリングが342社で、この2つで約4割を占めます。

目標の水準は1.5℃が約98%

2,592社のうち2,533社、約98%が、気温上昇を1.5℃に抑える水準の目標で認定されています。

2℃を十分に下回る水準での認定は53社でした。

短期目標の目標年は2030年(2030年度を含む)が2,310社で、全体の約89%を占めます。

参考:Target dashboard(SBTi、英文)

ネットゼロ目標まで認定された日本企業112社の一覧

以下は、短期目標に加えて、ネットゼロ目標の認定も受けている日本企業112社です。

企業名はSBTiのダッシュボードの英語表記のままで、各社の公式サイトで照合できた94社には日本語の社名を添えています。

照合できなかった18社は「—」としています。

並びは社数の多いセクター順で、セクターはSBTiの分類を日本語にしたものです。

ネットゼロ目標年の「年度」は、その会社が会計年度で目標を立てていることを示します。

企業名(英語表記)日本語社名セクターネットゼロ目標年
Daiwa House Industry Co., Ltd.大和ハウス工業株式会社不動産2050年度
Daiwa House REIT Investment Corporation大和ハウスリート投資法人不動産2050年
DBJ Private REIT Inc.—不動産2050年
Global One Real Estate Investment Corp.グローバル・ワン不動産投資法人不動産2050年
Japan Metropolitan Fund Investment Corporation日本都市ファンド投資法人不動産2050年
Japan Prime Realty Investment Corporation日本プライムリアルティ投資法人不動産2050年
Japan Real Estate Investment Corporationジャパンリアルエステイト投資法人不動産2050年
Kanden Private REIT Inc—不動産2050年
KDX Realty Investment CorporationKDX不動産投資法人不動産2050年
Kenedix Office Investment Corporation—不動産2050年
MITSUBISHI ESTATE CO., LTD.三菱地所株式会社不動産2050年度
Mitsubishi Estate Logistics REIT Investment Corporation三菱地所物流リート投資法人不動産2050年
Nippon Building Fund Inc.日本ビルファンド投資法人不動産2050年
Nomura Real Estate Holdings, Inc.野村不動産ホールディングス株式会社不動産2050年度
Nomura Real Estate Private REIT, Inc.—不動産2050年
ORIX JREIT Inc.オリックス不動産投資法人不動産2050年
Sekisui House Reit, Inc.積水ハウス・リート投資法人不動産2050年
Tokyu Fudosan Holdings Corporation東急不動産ホールディングス株式会社不動産2050年度
TOKYU REIT東急リアル・エステート投資法人不動産2050年度
Asuene Inc.アスエネ株式会社ソフトウェア・サービス2050年
Booost, Inc.Booost株式会社ソフトウェア・サービス2035年
Ceres inc.株式会社セレスソフトウェア・サービス2050年
eftax Co., Ltd.—ソフトウェア・サービス2050年
Fujitsu Limited富士通株式会社ソフトウェア・サービス2040年度
GMO Financial Gate,Inc.GMOフィナンシャルゲート株式会社ソフトウェア・サービス2050年度
GMO Payment Gateway, IncGMOペイメントゲートウェイ株式会社ソフトウェア・サービス2050年度
Itochu Techno-Solutions伊藤忠テクノソリューションズ株式会社ソフトウェア・サービス2050年度
KCCS京セラコミュニケーションシステム株式会社ソフトウェア・サービス2038年度
Nomura Research Institute, Ltd.株式会社野村総合研究所ソフトウェア・サービス2050年度
NTT DATA Corporation—ソフトウェア・サービス2040年度
TISI Inc.—ソフトウェア・サービス2050年度
Uhuru Corporation株式会社ウフルソフトウェア・サービス2050年
Azbil Corporationアズビル株式会社電気機器・機械2049年度
DAIKIN INDUSTRIES, LTDダイキン工業株式会社電気機器・機械2050年度
DMG Mori Co., Ltd.DMG森精機株式会社電気機器・機械2050年
Furukawa Electric Co., Ltd.古河電気工業株式会社電気機器・機械2049年度
Kurita Water Industries Ltd.栗田工業株式会社電気機器・機械2050年度
SMC CorporationSMC株式会社電気機器・機械2050年度
TDK CorporationTDK株式会社電気機器・機械2050年度
Toshiba Corporation株式会社東芝電気機器・機械2050年度
Yokogawa Electric Corporation横河電機株式会社電気機器・機械2050年度
ASAHI KOGYOSHA CO.,LTD.株式会社朝日工業社建設・エンジニアリング2050年度
Daito Trust Construction Co., Ltd.大東建託株式会社建設・エンジニアリング2050年
JDC CORPORATION日本国土開発株式会社建設・エンジニアリング2050年度
Kumagai Gumi Co., Ltd.株式会社熊谷組建設・エンジニアリング2050年度
SANKI ENGINEERING CO., LTD.三機工業株式会社建設・エンジニアリング2050年度
Shimizu Corporation清水建設株式会社建設・エンジニアリング2050年度
TAISEI CORPORATION大成建設株式会社建設・エンジニアリング2050年度
Takasago Thermal Engineering高砂熱学工業株式会社建設・エンジニアリング2050年度
Hitachi, Ltd.株式会社日立製作所テクノロジー・ハードウェア2050年度
Konica Minolta, Inc.コニカミノルタ株式会社テクノロジー・ハードウェア2050年度
NEC Corporation日本電気株式会社テクノロジー・ハードウェア2040年度
Nikon Corporation株式会社ニコンテクノロジー・ハードウェア2050年度
OKI Electric Industry Co., Ltd.沖電気工業株式会社テクノロジー・ハードウェア2050年度
Ricoh Co., Ltd.株式会社リコーテクノロジー・ハードウェア2050年度
Seiko Epson Corporationセイコーエプソン株式会社テクノロジー・ハードウェア2050年度
Ajinomoto Co., Inc.味の素株式会社食品・飲料2050年度
Asahi Group Holdings Ltd.アサヒグループホールディングス株式会社食品・飲料2040年
Kirin Holdings Co Ltdキリンホールディングス株式会社食品・飲料2050年
Meiji Holdings Co., Ltd.明治ホールディングス株式会社食品・飲料2050年度
Nissin Foods Holdings Co., Ltd.日清食品ホールディングス株式会社食品・飲料2050年
Suntory Beverage & Food Limited—食品・飲料2050年
Suntory Group—食品・飲料2050年
BDO Japan Limited—専門サービス2050年度
CTI Engineering株式会社建設技術研究所専門サービス2050年
EDOA Corp—専門サービス2045年
Kokusai Kogyo Co., Ltd国際航業株式会社専門サービス2050年度
NIKKEN SEKKEI LTD株式会社日建設計専門サービス2050年
PACIFIC CONSULTANTS CO.,LTD.パシフィックコンサルタンツ株式会社専門サービス2050年
ASKUL Corporationアスクル株式会社小売2050年度
J. FRONT RETAILING Co., Ltd.J.フロント リテイリング株式会社小売2050年
MARUI GROUP CO.,LTD.株式会社丸井グループ小売2050年度
Valuence Holdings Inc.バリュエンスホールディングス株式会社小売2050年度
ZOZO, Inc.株式会社ZOZO小売2050年度
NUMBER THREE, INC.—耐久消費財・家庭用品2050年
Panasonic Holdings Corporationパナソニック ホールディングス株式会社耐久消費財・家庭用品2050年度
Shiseido Company Limited株式会社資生堂耐久消費財・家庭用品2050年
Sony Group Corporation—耐久消費財・家庭用品2040年度
Yamaha Corporationヤマハ株式会社耐久消費財・家庭用品2050年度
Marelli Holdings Co.,Ltd.—自動車・部品2045年
NGK INSULATORS, LTD.—自動車・部品2049年度
Nichirin Co., Ltd.株式会社ニチリン自動車・部品2050年
Panasonic Automotive Systems Group—自動車・部品2050年度
TOYOTA BOSHOKU CORPORATIONトヨタ紡織株式会社自動車・部品2050年度
FUJI SASH CO.,LTD.不二サッシ株式会社建材2050年度
Kawasaki Heavy industries, Ltd.川崎重工業株式会社建材2049年度
KMEW Co.,Ltdケイミュー株式会社建材2050年度
LIXIL Corporation株式会社LIXIL建材2050年度
BELLSYSTEM24 HOLDINGS, INC.株式会社ベルシステム24ホールディングス通信2040年度
KDDI CorporationKDDI株式会社通信2040年度
NTT Group—通信2040年度
SoftBank Corp.ソフトバンク株式会社通信2050年度
Japan Elevator Service Holdings Co., Ltd.ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社商社・商業サービス2050年度
TOPPAN Holdings INC.TOPPANホールディングス株式会社商社・商業サービス2050年度
TOYOTA TSUSHO CORPORATION豊田通商株式会社商社・商業サービス2050年
ASICS Corporation株式会社アシックス繊維・アパレル2050年
Goldwin Inc.株式会社ゴールドウイン繊維・アパレル2050年度
YKK CorporationYKK株式会社繊維・アパレル2050年度
Sekisui House, LTD積水ハウス株式会社住宅2050年度
Sumitomo Forestry Co., Ltd住友林業株式会社住宅2050年
Daicel Corporation株式会社ダイセル化学2050年度
Takasago International Corporation高砂香料工業株式会社化学2050年度
Daiichi Sankyo Co., Ltd.第一三共株式会社医薬品・バイオ2050年度
Takeda Pharmaceutical Company武田薬品工業株式会社医薬品・バイオ2040年度
KOKUSAI ELECTRIC CORPORATION株式会社KOKUSAI ELECTRIC半導体・製造装置2050年度
Tokyo Electron Limited東京エレクトロン株式会社半導体・製造装置2040年度
Japan Tobacco Inc.日本たばこ産業株式会社たばこ2050年
Oriental Land株式会社オリエンタルランドホテル・レジャー・観光2050年度
Dentsu Group Inc.株式会社電通グループメディア2040年
Olympus Corporationオリンパス株式会社医療機器2040年度
HOKKAN HOLDINGS LIMITED—容器・包装2050年度
Kintetsu World Express,Inc.株式会社近鉄エクスプレス航空貨物・物流2050年度

参考:Target dashboard(SBTi、英文)


一覧から見える3つの傾向

112社をセクターと目標年、短期目標との関係で数えると、就職・転職で企業を見るときの手がかりが見えてきます。

最も多いのは不動産の19社

セクター別で最も多いのは不動産の19社で、ソフトウェア・サービスが13社、電気機器・機械が9社、建設・エンジニアリングが8社で続きます。

不動産19社のうち15社は、オフィスビルや物流施設を保有するREIT(不動産投資法人)などです。

112社のうち20社は組織の種類が中小企業で、そのうち13社がこうした投資法人です。

2040年までのネットゼロを掲げる企業は14社

ネットゼロ目標年は、92社が2050年(2050年度を含む)です。

それより早い年を置いているのは20社で、2049年度が4社、2045年が2社、2040年(2040年度を含む)が12社、2038年度と2035年が1社ずつでした。

2040年までに置いているのは、富士通、NEC、KDDI、東京エレクトロン、武田薬品工業、オリンパスなど14社です。

IT・通信や電機の会社が多く並びます。

短期目標の認定を受けた大企業のうちネットゼロまでは約2割

中小企業を除くと、日本で短期目標の認定を受けている企業は423社で、そのうちネットゼロ目標まで認定されているのは92社、約22%です。

同じ数え方で、イギリスは665社のうち429社、アメリカは731社のうち250社がネットゼロ目標の認定を受けています。

環境省の資料も、日本はネットゼロ目標の設定数で世界6位で、短期目標の認定企業に占める割合は欧米より低いとしています。

一方で、日本企業のネットゼロ目標の認定は2024年に大きく増え、その後も毎年積み上がってきました。

短期目標の先にある2050年までの道筋を、どこまで具体的に描いているか。

その違いを見分ける手がかりになるのが、この112社の一覧です。

参考:SBT詳細資料(環境省)

ネットゼロ目標の認定企業から5社をピックアップ

112社のなかから、業種や認定の経緯に特徴がある5社を取り上げます。

キリンホールディングスはSBTの解説記事で、リコー、積水ハウス、丸井グループはRE100の記事で紹介しているため、ここではそれ以外の会社を選びました。

株式会社熊谷組

熊谷組は、土木と建築の工事を手がける総合建設会社です。

2021年に2℃を十分に下回る水準でSBT認定を受け、2024年に自社の目標を1.5℃水準へ引き上げました。

2026年10月7日には、1.5℃水準とネットゼロ基準での再認定を発表しています。

2024年度を基準年に、2035年度までにスコープ1・2を46.2%、スコープ3を31.8%減らし、2050年度にバリューチェーン全体でネットゼロを目指します。

参考:熊谷組グループ、温室効果ガス排出削減目標で「ネットゼロ基準」のSBT認定を取得(熊谷組)

株式会社日建設計

日建設計は、建築の設計や都市計画を手がける設計事務所です。

2021年に「気候非常事態宣言」を表明し、2050年のネットゼロを目指してきました。

2025年11月にネットゼロ目標の認定を受け、国内の総合設計事務所として初めての取得になりました。

2023年を基準年に、2035年までにスコープ1・2を63%、スコープ3を37.5%減らす目標です。

参考:SBTネットゼロ目標の認定を取得(日建設計)

SMC株式会社

SMCは、工場の自動化に使う空気圧機器などの自動制御機器をつくる会社です。

2024年6月に2030年度までの短期目標の認定を受け、2026年4月14日にネットゼロ目標の認定を発表しました。

スコープ1・2は2040年度、スコープ3は2050年度のネットゼロを目指します。

製品の側でも、排気エアを再利用して動く増圧弁で、CO2排出量(空気消費量)を最大40%減らせるとしています。

ダッシュボードで公開されている短期目標には、販売した製品が使われるときの排出(スコープ3)の削減も含まれています。

参考:SBTイニシアティブよりネットゼロ目標の認定を取得(SMC)

株式会社ZOZO

ZOZOは、ファッションECの「ZOZOTOWN」を運営する会社です。

2025年9月17日に、2030年までの「カーボンニュートラル2030宣言」と、長期の「ネットゼロ」の両方がSBTiの基準を満たすと認められたことを発表しました。

2020年を基準年に、2030年までにスコープ1・2を90%、スコープ3を42%減らす目標です。

具体的な取り組みとして、ブランド古着を扱う「ZOZOUSED」の拡大や、配送業者と協力した幹線輸送の積載効率の向上に取り組んでいます。

参考:ZOZOの温室効果ガス削減目標が「SBT」認定を取得(ZOZO)

バリュエンスホールディングス株式会社

バリュエンスホールディングスは、ブランド品などの買取や小売、オークションの事業を展開する会社です。

2022年9月にSBTiへコミットメントレターを提出し、2026年10月9日に認定の取得を発表しました。

2024年8月期を基準年とする2030年度の短期目標と、2050年度の長期・ネットゼロ目標が認められています。

ダッシュボードでは、2030年度までにスコープ1・2を73.0%、スコープ3を25.0%減らす目標が公開されています。

112社のなかで、ダッシュボードの更新日が最も新しい会社です。

参考:温室効果ガス排出削減目標がSBT認定を取得(バリュエンス)


SBT認定企業を志望するときに見ておきたいこと

認定を受けているという事実だけでなく、その中身を確かめると、入社後に関わる仕事まで見えてきます。

一覧を使うときに押さえておきたい点を4つ挙げます。

短期目標の認定かネットゼロ目標の認定か

採用ページや統合報告書の「SBT認定取得」は、多くの場合、短期目標の認定を指しています。

ネットゼロ目標まで認定されているかどうかは、この記事の一覧か、SBTiのダッシュボードで確かめられます。

ダッシュボードでは社名を検索すると、基準年と目標年、削減率、対象のスコープまで英文で読めます。

目標と毎年の進捗は統合報告書にも載るため、統合報告書の読み方を押さえておくと、数年分の動きを追いやすくなります。

認定を受けた会社と応募先が同じかを確かめる

112社のうち19社は、英語の社名に「Holdings」や「Group」がつく会社です。

新卒や中途で応募する先が傘下の事業会社の場合、目標を立てているのは親会社やグループ全体で、応募先そのものではないこともあります。

グループのどの範囲が目標の対象になっているかは、各社のサステナビリティのページで確かめておくと安心です。

再エネの目標はRE100もあわせて見る

SBTは排出全体の削減目標で、使う電力を再生可能エネルギーにする目標とは別のものです。

電力の切り替えにも取り組んでいるかは、RE100加盟企業一覧とあわせて見ると分かります。

一覧の112社には、RE100の記事で紹介したリコーや積水ハウス、丸井グループも入っています。

SBTに関わる仕事の入口

SBTの目標は、算定や開示を担う部門だけでなく、調達や設計、営業の現場にまで関わります。

関わり方は、おおよそ次の4つに分かれます。

事業会社のサステナビリティ部門で目標を経営に組み込む

排出量のデータをまとめ、目標を事業の計画に落とし込み、統合報告書やCDPで社外に伝える仕事です。

一覧にあるキリンホールディングスの金田大樹さんは、入社後5年間を九州での酒類の営業で過ごし、6年目にCSV戦略部へ移りました。

取材時(2022年)は、経営戦略にサステナビリティを組み込む戦略づくりや、グループ会社との連携、投資家などへの情報発信を担当していました。

営業で知った原料の産地の課題が、異動を希望したきっかけだったそうです。

≫キリンホールディングス金田大樹さんのインタビューを読む

調達や現場で排出を減らす

スコープ3の削減は、原材料を買う調達部門や、工事・物流の現場の工夫にかかっています。

熊谷組が協力会社とのパートナーシップを目標達成の柱に置き、ZOZOが配送業者と幹線輸送の積載効率を高めているのは、その例です。

調達や施工管理、物流の経験が、そのまま削減の仕事に生きます。

算定や目標づくりを支援する

企業の排出量の算定や、SBTiへの申請の準備を、外から支える立場です。

一覧にあるアスエネは、CO2排出量の見える化・削減・報告のクラウドサービスを提供する会社で、自社も中小企業ルートでネットゼロ目標の認定を受けています。

コンサルティング会社のサステナビリティ部門も担い手で、仕事内容はサステナビリティコンサルタントの業務内容で紹介しています。

製品や設計で顧客の排出を減らす

SMCの省エネ型の機器や、日建設計の建物の設計のように、自社の製品やサービスが顧客の排出削減に直結する会社もあります。

研究開発や設計、技術営業の職種で、事業そのものを通じて脱炭素に関わる働き方です。

環境分野の業界や業種の広がりは、環境問題に携わる仕事で詳しく紹介しています。

なお、一覧の112社のうち、ココキャリアに掲載している企業は株式会社丸井グループです。

≫株式会社丸井グループの事業内容や創業理由を詳しく見る

まとめ

SBT認定とは、パリ協定と整合した企業の削減目標が、SBTiの基準に合っていると認められることです。

2026年10月22日更新のデータで、日本の認定企業は2,592社あり、そのうち2,169社が中小企業です。

ネットゼロ目標まで認定されているのは112社で、不動産、ソフトウェア・サービス、電気機器・機械の順に多くなっています。

気になる会社があれば、まずダッシュボードで目標の基準年と目標年、削減率を確かめてみてください。

そのうえで、統合報告書の進捗や、自分が志望する職種がどこで目標に関わるのかを見ていくと、会社の取り組みが自分の仕事として見えてきます。

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よくある質問

SBT認定企業について、よく見かける疑問にお答えします。

Q. SBT認定を受けた日本企業は何社ですか?

A. SBTiのダッシュボードでは、2026年10月22日更新のデータで、日本の企業2,592社が短期目標の認定を受けています。このほか、認定に向けて準備中のコミットメント段階の企業が60社あります。環境省の資料では、認定とコミットメントをあわせた日本の参加企業は2026年8月12日時点で2,580社で、世界全体の約18%を占め、国別で首位です。認定企業の約98%が、気温上昇を1.5℃に抑える水準の目標で認められています。

Q. ネットゼロ目標の認定を受けた日本企業はどこですか?

A. 2026年10月22日更新のデータでは112社です。セクター別では不動産が19社で最も多く、そのうち15社はREIT(不動産投資法人)などです。ソフトウェア・サービスが13社、電気機器・機械が9社、建設・エンジニアリングが8社で続きます。ネットゼロ目標年は92社が2050年で、富士通やKDDI、武田薬品工業など14社は2040年までに置いています。短期目標の認定を受けた大企業423社のうち、ネットゼロまで認定されているのは約22%です。

Q. 中小企業でもSBT認定を受けていますか?

A. 受けています。日本の認定企業2,592社のうち2,169社が中小企業で、全体の約84%を占めます。中小企業の認定数は日本が世界で最も多く、2位のイギリスの874社の約2.5倍です。中小企業には、条件を満たせば簡易な手続きで申請でき、費用も抑えられるルートがあります。セクター別では電気機器・機械が524社、建設・エンジニアリングが342社と多く、大企業が取引先にSBTの設定を求める動きも背景にあります。

Q. SBT認定企業を志望するとき、何を見ればよいですか?

A. まず、認定が短期目標だけなのか、ネットゼロ目標まで含むのかを確かめましょう。SBTiのダッシュボードで社名を検索すると、基準年と目標年、削減率、対象のスコープまで読めます。次に、認定を受けた会社と応募先が同じかどうかです。ネットゼロ目標の認定企業112社のうち19社は、英語の社名にHoldingsやGroupがつく会社です。あわせて統合報告書で毎年の進捗を見ると、目標に向けた取り組みの速さが分かります。

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