再生可能エネルギーに力を入れている会社で働きたいと思っても、どの企業が本気で取り組んでいるのかは外からは見えにくいものです。

判断の手がかりになるのがRE100です。

事業で使う電力をすべて再生可能エネルギーにすると公に約束した企業だけが名を連ねるため、掛け声で終わらせにくい仕組みになっています。

RE100公式のメンバーリストには、2026年9月時点で439社が掲載されています。

そのうち本社を日本に置く企業は96社で、アメリカの86社を上回り国別で最多です。

この記事では、日本の96社を業種・参加年・目標年つきの一覧にまとめ、そのうえで目標年が近い企業と電力の調達方法に特徴がある企業を掘り下げます。

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RE100とは

RE100は、事業活動で使う電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す企業が参加する国際的な枠組みです。

国際環境NGOのThe Climate Groupが、企業の環境情報開示を進めるCDPと連携して2014年に始めました。

加盟には、遅くとも2050年までに100%にすること、そこに至る中間目標を置くこと、進捗を毎年報告することが求められます。

宣言だけで終わらず、達成度が外から見える形になっている点が特徴です。

制度の要件や達成の考え方は、RE100の記事で詳しく解説しています。


RE100に加盟する日本企業96社の一覧

以下は、RE100公式のメンバーリストに2026年9月時点で掲載されている、本社が日本の96社です。

参加年と目標年は、RE100が公表している値です。

企業名 業種 参加年 目標年
株式会社電通グループ サービス 2015年 2030年
アスクル株式会社 小売 2017年 2030年
株式会社リコー 製造 2017年 2040年
積水ハウス株式会社 インフラ・建設 2017年 2030年
イオン株式会社 小売 2018年 2040年
生活協同組合コープさっぽろ サービス 2018年 2040年
大和ハウス工業株式会社 インフラ・建設 2018年 2025年
株式会社エンビプロ・ホールディングス インフラ・建設 2018年 2030年
富士通株式会社 サービス 2018年 2030年
芙蓉総合リース株式会社 サービス 2018年 2030年
城南信用金庫 サービス 2018年 2050年
株式会社丸井グループ 小売 2018年 2030年
ソニーグループ株式会社 製造 2018年 2030年
ワタミ株式会社 外食・宿泊 2018年 2041年
旭化成ホームズ株式会社 素材 2019年 2023年
アセットマネジメントOne株式会社 サービス 2019年 2050年
第一生命保険株式会社 サービス 2019年 2023年
大東建託株式会社 インフラ・建設 2019年 2040年
富士フイルムホールディングス株式会社 製造 2019年 2040年
株式会社フジクラ 製造 2019年 2050年
株式会社安藤・間 インフラ・建設 2019年 2050年
ヒューリック株式会社 インフラ・建設 2019年 2024年
コニカミノルタ株式会社 製造 2019年 2050年
株式会社LIXIL 素材 2019年 2050年
株式会社野村総合研究所 サービス 2019年 2030年
パナソニック ホールディングス株式会社 製造 2019年 2030年
楽天グループ株式会社 小売 2019年 2023年
株式会社髙島屋 小売 2019年 2050年
戸田建設株式会社 インフラ・建設 2019年 2030年
東急株式会社 小売 2019年 2050年
東急不動産株式会社 サービス 2019年 2025年
株式会社アシックス アパレル 2020年 2030年
株式会社アドバンテスト 製造 2020年 2030年
味の素株式会社 食品・飲料・農業 2020年 2050年
アサヒグループホールディングス株式会社 食品・飲料・農業 2020年 2040年
BIPROGY株式会社 サービス 2020年 2050年
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社 製造 2020年 2050年
J.フロント リテイリング株式会社 小売 2020年 2050年
キリンホールディングス株式会社 食品・飲料・農業 2020年 2040年
三菱地所株式会社 インフラ・建設 2020年 2026年
三井不動産株式会社 インフラ・建設 2020年 2050年
株式会社村田製作所 製造 2020年 2035年
株式会社ノーリツ 製造 2020年 2050年
小野薬品工業株式会社 医薬・ヘルスケア 2020年 2050年
積水化学工業株式会社 インフラ・建設 2020年 2030年
株式会社セブン&アイ・ホールディングス 小売 2020年 2050年
住友林業株式会社 食品・飲料・農業 2020年 2040年
カシオ計算機株式会社 製造 2021年 2050年
第一三共株式会社 医薬・ヘルスケア 2021年 2030年
エーザイ株式会社 医薬・ヘルスケア 2021年 2030年
いちご株式会社 インフラ・建設 2021年 2025年
花王株式会社 素材 2021年 2030年
株式会社熊谷組 インフラ・建設 2021年 2050年
明治ホールディングス株式会社 食品・飲料・農業 2021年 2050年
日本電気株式会社 サービス 2021年 2040年
株式会社ニコン 製造 2021年 2030年
西松建設株式会社 インフラ・建設 2021年 2050年
日清食品ホールディングス株式会社 食品・飲料・農業 2021年 2050年
セコム株式会社 サービス 2021年 2045年
セイコーエプソン株式会社 製造 2021年 2023年
株式会社島津製作所 医薬・ヘルスケア 2021年 2050年
TOTO株式会社 製造 2021年 2040年
東京建物株式会社 インフラ・建設 2021年 2050年
東急建設株式会社 インフラ・建設 2021年 2030年
浜松ホトニクス株式会社 製造 2022年 2030年
インフロニア・ホールディングス株式会社 インフラ・建設 2022年 2050年
ジャパンリアルエステイト投資法人 サービス 2022年 2050年
LINEヤフー株式会社 サービス 2022年 2030年
森ビル株式会社 インフラ・建設 2022年 2030年
日本碍子株式会社 製造 2022年 2040年
野村不動産ホールディングス株式会社 インフラ・建設 2022年 2050年
株式会社オカムラ 製造 2022年 2050年
大塚ホールディングス株式会社 医薬・ヘルスケア 2022年 2050年
ローム株式会社 製造 2022年 2050年
株式会社資生堂 小売 2022年 2026年
住友ゴム工業株式会社 製造 2022年 2050年
株式会社T&Dホールディングス サービス 2022年 2050年
TDK株式会社 製造 2022年 2050年
株式会社アマダ 製造 2023年 2040年
アルプスアルパイン株式会社 製造 2023年 2030年
ダイビル株式会社 インフラ・建設 2023年 2025年
HOYA株式会社 医薬・ヘルスケア 2023年 2041年
KDDI株式会社 サービス 2023年 2050年
プライム ライフ テクノロジーズ株式会社 インフラ・建設 2023年 2040年
ユニ・チャーム株式会社 製造 2023年 2030年
日本生命保険相互会社 サービス 2024年 2040年
日東電工株式会社 製造 2024年 2035年
サッポロホールディングス株式会社 食品・飲料・農業 2024年 2040年
ソフトバンク株式会社 サービス 2024年 2040年
株式会社AESCジャパン 製造 2025年 2025年
シチズン時計株式会社 製造 2025年 2040年
DMG森精機株式会社 製造 2025年 2040年
株式会社KOKUSAI ELECTRIC 製造 2025年 2030年
明治安田生命保険相互会社 サービス 2025年 2040年
シャープ株式会社 製造 2025年 2030年
豊田通商株式会社 小売 2026年 2040年

参考:RE100 member companies(The Climate Group)

一覧から見える3つの傾向

96社を並べてみると、就職・転職で企業を見るときの視点がいくつか浮かび上がってきます。

目標年が2026年までの企業が12社ある

目標年を2026年までに置いている企業が12社あります。

2023年が旭化成ホームズ、第一生命保険、楽天グループ、セイコーエプソンの4社です。

ヒューリックが2024年、大和ハウス工業、東急不動産、いちご、ダイビルが2025年、三菱地所と資生堂が2026年です。

目標年が近いということは、電力の切り替えがすでに大きく進んでいるか、達成のための投資をいま動かしているかのどちらかです。

入社後に関わる仕事の中身も、計画づくりより現場での実行に寄ることになります。

一方で、2050年を目標年にしている企業は33社と最も多く、ここは長期の計画を組み立てる段階にあります。

参加が集中したのは2019年から2022年

参加年を数えると、2019年に17社、2020年に16社、2021年に17社、2022年に14社が加わっており、この4年間で64社が集中しています。

背景にあるのが、2020年10月に日本政府が2050年のカーボンニュートラルを宣言したことと、パリ協定に沿った温室効果ガス削減目標の引き上げです。

取引先や投資家から電力の内容を問われる場面が増え、企業側が対応を急いだ時期と重なります。

製造業と不動産・建設で半分を占める

業種の内訳は、製造が29社、インフラ・建設が20社、サービスが19社、小売が10社、食品・飲料・農業が7社、医薬・ヘルスケアが6社です。

製造業が多いのは、工場で使う電力の量が大きく、切り替えたときの削減幅も大きいためです。

不動産・建設が続くのは、保有するビルや住宅の屋上に太陽光発電設備を置ける余地があり、自社で電源をつくりやすいことが関係しています。


RE100加盟企業から5社をピックアップ

ここからは、目標年が近い企業と、電力の調達方法に特徴がある企業を取り上げます。

株式会社リコー

複合機やプリンターを中心に、オフィスの機器とサービスを手がける会社です。

RE100には2017年に参加し、2040年までに事業活動で使う電力の再生可能エネルギー比率を100%にする目標を掲げています。

2025年度の比率は55.7%まで進みました。

自社の拠点で電力を切り替えるだけでなく、再エネ電力の小売サービスも提供しており、機器を届ける事業と電力を届ける事業の両方で脱炭素に関わっています。

参考:気候変動対応(リコー)

積水ハウス株式会社

戸建住宅や賃貸住宅を手がけるハウスメーカーです。

RE100には2017年に参加し、2040年までに100%を目指しています。

特徴的なのが「積水ハウスオーナーでんき」です。

10年のFIT買取期間が終わった住宅オーナーから太陽光発電の余剰電力を買い取り、全国の事業所や工場、展示場で使います。

新しく発電設備をつくるのではなく、これまで建ててきた家を電源として捉え直す組み立てになっています。

参考:積水ハウスオーナーでんき(積水ハウス)

株式会社丸井グループ

マルイやモディを運営し、エポスカードの金融事業も手がける会社です。

2018年7月にRE100へ加盟し、2030年までにグループの事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーにする目標を掲げています。

中間目標として2025年までに70%を置き、段階を踏んで進めています。

多くの人が訪れる店舗の電力を切り替える取り組みで、小売と金融の両方に関わる点が他の加盟企業と異なります。

参考:気候変動への取り組み(丸井グループ)

ヒューリック株式会社

東京都心のオフィスビルや商業施設を保有・開発する不動産会社です。

2019年にRE100へ参加し、2023年に達成しました。

グループのヒューリックエナジーソリューションが小売電気事業者となる「自社グループ完結型コーポレートPPAモデル」を築きました。

太陽光と小水力で発電した電力を、自社に供給しています。

全保有建物の電力を100%再エネにする目標は2029年に前倒しされ、それまでに総額約660億円を投じて発電設備を新規に開発する計画です。

参考:再生可能エネルギーの有効活用(ヒューリック)

TOTO株式会社

トイレや洗面台などの住宅設備を製造する会社です。

2021年にRE100へ加盟し、2040年までに事業活動で使う電力をすべて再生可能エネルギーにすることを目指しています。

2025年度の再エネ電力比率は約36%、太陽光発電設備は約7.1MW(DC)まで増えました。

陶器を焼く工程で大量の熱を使うため、2025年3月にはグリーン水素を混ぜて焼く技術の確立に向けて水素発生装置を導入しています。

参考:気候変動への対応(TOTO)

再生可能エネルギーそのものを事業にしている企業を探しているなら、再生可能エネルギーに取り組む企業10選も参考になります。

RE100加盟企業を志望するときに見ておきたいこと

加盟しているかどうかだけでは、社内でどんな仕事が動いているかは分かりません。

求人票と公開資料を並べて読むときの見方を3つ挙げます。

目標年と現在の比率のへだたり

目標年が2030年でも、現在の比率が30%台なら、これから切り替えを一気に進める段階です。

逆に80%を超えていれば、残りの難しい部分をどう埋めるかが論点になります。

比率はサステナビリティレポートや統合報告書に毎年載るため、数年分を並べれば進み方の速さが見えます。

電力をどう調達しているか

同じ100%でも、証書を買って達成する場合と、自社で発電設備をつくる場合では、社内に生まれる仕事が変わります。

後者を選ぶ企業では、用地の確保、発電事業者との契約、設備の保守といった業務が発生します。

ヒューリックのように小売電気事業者を自社グループに持つ例もあり、その場合は電力の需給を管理する仕事まで社内にあります。

自分の職種がどこで関わるか

電力の切り替えに直接関わるのは、環境・サステナビリティ部門と施設・工場の管理部門です。

ただ、開示の担当が数値をまとめ、調達の担当が契約を結び、広報が社外に伝えるため、関わる職種は環境の専門職に限りません。

再生可能エネルギー分野の職種の広がりは、再生可能エネルギー業界の仕事で整理しています。

技術そのものに関心があるなら、建物の壁面にも置けるペロブスカイト太陽電池のような次世代の太陽電池も動きの速い領域です。


まとめ

RE100に加盟する日本企業は、2026年9月時点で96社あり、国別では最も多くなっています。

目標年は2023年から2050年まで幅があり、業種は製造業と不動産・建設で半分を占めます。

加盟しているという事実は出発点で、そこから先は目標年と現在の比率のへだたり、電力の調達方法、自分の職種が関わる場所を見ていくことになります。

一覧を手元に置いて、気になる企業の開示資料を並べてみてください。

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よくある質問

RE100に加盟する企業について、よく見かける疑問にお答えします。

Q. RE100に加盟している日本企業は何社ですか?

A. RE100公式のメンバーリストには2026年9月時点で439社が掲載されており、そのうち本社を日本に置く企業は96社です。アメリカの86社を上回り、国別では最も多くなっています。業種の内訳は、製造が29社、インフラ・建設が20社、サービスが19社、小売が10社、食品・飲料・農業が7社、医薬・ヘルスケアが6社です。参加年で見ると2019年から2022年の4年間に64社が集中しており、2020年10月の政府によるカーボンニュートラル宣言と重なる時期に加盟が進みました。

Q. RE100を達成した日本企業はありますか?

A. ヒューリックが2019年に参加し、2023年にRE100を達成しています。グループのヒューリックエナジーソリューションが小売電気事業者となる自社グループ完結型コーポレートPPAモデルを築き、太陽光と小水力で発電した電力を自社に供給する形です。全保有建物の電力を100%再エネにする目標は2029年に前倒しされ、それまでに総額約660億円を投じて発電設備を新規に開発する計画です。RE100が公表する目標年を2026年までに置いている企業は、ほかに11社あります。

Q. RE100とはどのような枠組みですか?

A. RE100は、事業活動で使う電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す企業が参加する国際的な枠組みです。国際環境NGOのThe Climate Groupが、企業の環境情報開示を進めるCDPと連携して2014年に始めました。加盟には、遅くとも2050年までに100%にすること、そこに至る中間目標を置くこと、進捗を毎年報告することが求められます。宣言だけで終わらず達成度が外から見えるため、企業を比べるときの手がかりになります。

Q. RE100加盟企業を志望するとき、何を見ればよいですか?

A. 目標年と現在の再生可能エネルギー比率のへだたり、電力の調達方法、自分の職種が関わる場所の3つです。比率はサステナビリティレポートや統合報告書に毎年載るため、数年分を並べれば進み方の速さが分かります。証書を買って達成する企業と、自社で発電設備をつくる企業では、社内に生まれる仕事が変わります。後者では用地の確保や発電事業者との契約、設備の保守といった業務が生まれ、電力の需給を管理する仕事まで社内にある企業もあります。


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