環境省の資料によると、2026年3月31日現在、RE100に参加している日本企業は95社で、世界全体では443社です。
企業の環境ページに「RE100に加盟」とあっても、何を約束し、どんな条件を満たした企業なのかは、その一言からは分かりません。
環境省によると、加盟基準は2025年3月に改められたため、以前の解説とは数字が合わない場面もあります。
この記事を読むと、RE100の意味と最新の条件がつかめ、企業が示す再エネの目標を、年や割合まで確かめながら読めるようになります。
意味と仕組み、加盟条件、調達手段、日本企業の動き、課題、関わる仕事の順に、2026年9月時点の公式資料を、原文で確かめながら整理しました。
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環境問題の記事や企業、キャリアの情報は、次のページにまとまっています。
RE100とは
RE100とは、事業で使う電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げる、企業の国際的なイニシアチブです。
名称は「100% Renewable Electricity」を表し、2014年に発足しました。
環境省の資料によると、CDPとのパートナーシップのもと、国際NGOのClimate Groupが運営しています。
日本では、2017年4月から日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が地域パートナーとして、日本企業の参加を支援しています。
使命は、世界の電力網のゼロカーボン化を2040年までに加速させることです。
環境省は、参加のメリットとして、リスク回避、コスト削減、ESG投資の呼び込み、コネクションの拡大を挙げています。
気候変動が起きる仕組みから知りたいときは、以下の記事が入口になります。
≫【2026年最新】気候変動とは?原因・影響・対策をわかりやすく解説
参考:環境省「RE100について」、JCLP、Climate Group
RE100の仕組み
加盟する企業には、次の3つが求められます。
- 目標年を決め、事業全体の電力を100%再エネにすると公表する
- 途中の年の中間目標を設定する
- 電力の使用量と再エネの調達量を、毎年CDP(企業に環境情報の開示を促す国際NGO)に報告する
技術基準は、風力、太陽光、地熱、海洋、持続可能なバイオマス、持続可能な水力の6種類を、再エネと数えます。
パリ協定・SBTとの関係
環境省の説明では、SBTは、パリ協定の目標達成を目指す削減シナリオに合った目標を、企業が設定して実行するよう求める国際的な取り組みです。
RE100が扱うのは、事業で使う電力の再エネ比率です。
リコーグループは、SBTの認定を受けた削減目標と、電力の再エネ100%を、別々の目標として掲げています。
パリ協定そのものの内容を知りたい方は、次の記事をご覧ください。
参考:環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム、リコー
RE100の加盟条件
加盟条件は、「RE100 Joining Criteria 2025」に書かれています。
環境省の資料は、この基準を2025年3月のものと紹介しています。
企業に求められる条件
原文の条件のうち、主なものを整理します。
- 年間の電力需要が0.1TWh(100GWh)以上であること
- 事業全体で、購入電力と自社発電の電力を、100%再エネにすること
- 親会社を含むグループ全体で加盟すること(別ブランドで年間1TWhを超える子会社は例外)
100GWh未満でも、優先市場の主要事業者や業界の主要企業など、影響力があると判断された企業は、例外的に検討されます。
RE100が優先市場として挙げる11の国・地域には、日本も入っています。
日本企業については、JCLPと環境省の資料が、50GWh以上に緩和されていると紹介しています。
ただし、2025年版の基準の全文には、国ごとに数値を変える記載がなく、緩和は例外の判断として扱われています。
対象の電力から、輸送用の燃料や、熱をつくるための燃料は除かれます。
化石燃料、航空、軍需品、ギャンブル、たばこの分野だけを事業とする企業は、加盟の検討対象になりません。
JCLPへの加盟は条件ではなく、参加の可否は、Climate Groupが判断します。
目標年と中間目標
環境省の資料によると、目標年は当初、例外なく2050年まででしたが、2025年3月の加盟基準で「遅くとも2040年」に更新されました。
原文は、遅くとも2040年の目標年での加盟を、RE100が期待していると書いています。
目標年と中間目標の最低ラインは、次のとおりです。
| 対象 | 100%の目標年 | 中間目標の最低ライン |
|---|---|---|
| 原則 | 遅くとも2040年 | 2030年に70%、2035年に90% |
| アジア・アフリカ・南米に本社を置く企業 | 2041〜2050年 | 2030年に60%、2040年に90% |
RE100は、アジア・アフリカ・南米の一部の市場では、2040年以前の達成が現実的でないと認めています。
2041年以降の目標年は、本社の所在地や事業の性質などを見て、RE100が個別に判断する仕組みです。
Climate Groupの加盟案内ページの要約には「遅くとも2050年まで」という記載も残りますが、条件を定めているのは、そこからリンクされた2025年版です。
報告・検証・費用
加盟後は、CDPの気候変動質問書で毎年報告し、再エネ電力の使用量について、第三者の検証を受けます。
環境省の資料は、年会費を、ゴールドが18,000米ドル、スタンダードが6,750米ドルと紹介しています。
RE100公式の2025年版の基準には、金額の記載がありません。
条件を満たさない団体は「再エネ100宣言RE Action」
RE100の条件を満たせない中小企業や自治体、学校などは、日本独自の「再エネ100宣言RE Action」に参加できます。
遅くとも2050年までの100%再エネ化の目標を公表し、消費電力量と再エネ率を毎年報告する取り組みです。
環境省のページによると、参加団体は、2026年5月20日時点で380団体に上ります。
環境省の詳細資料によると、参加費は、団体の区分と従業員数に応じて、年額25,000円から200,000円です。
参考:RE100 Joining Criteria 2025、RE100 Technical Criteria、RE100 membership
参考:環境省「RE100詳細資料」、環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム、JCLP FAQ
再エネ調達の手段
RE100は、再エネの調達を、自家発電、発電事業者との直接契約、電力会社との契約、証書の購入、系統からの受動的な調達の5つに分けています。
日本の企業向けには、環境省が「はじめての再エネ活用ガイド」(2022年3月)で、10の手法を整理しています。
再エネの種類や仕組みそのものは、次の記事で説明しています。
≫再生可能エネルギーとは?脱炭素社会を支える新しい働き方を紹介
自家発電
自家発電とは、自社が所有する設備で発電し、その電気と再エネの価値を自社で使うことです。
環境省のガイドは、新しく設備をつくる取り組みは、再エネの量を増やす「追加性」があるとして、積極的に評価する流れがあると書いています。
PPA(発電事業者との直接契約)
PPAとは、Power Purchase Agreement(電力購入契約)の略で、発電事業者から電気を買う契約です。
フィジカルPPAは、他者の設備から、電気と再エネの価値の両方を調達する形です。
バーチャルPPAは、再エネの価値だけを調達し、電気は別に買います。
日本と韓国では、長期の証書契約が、バーチャルPPAとして宣伝される場合があると、RE100の技術基準は述べています。
ただし、この契約には、差金決済の仕組みがありません。
買い手が電力価格の変動リスクをどこまで引き受けるかも不明確なため、RE100は、証書のみの調達として報告する見解です。
再エネ電力メニュー
再エネ電力メニューとは、小売電気事業者が提供する、再エネ100%(証書を含む)の電気の契約です。
環境省のガイドは、現在の契約を切り替えるだけで調達でき、最も簡易的でコストも安価な手法だと書いています。
デメリットは、小売電気事業者によって、電源の内訳が異なることです。
再エネ電力証書
再エネ電力証書とは、電気とは別に、再エネ由来の環境価値だけを取り出して売買する証書です。
日本で一般的に使われる証書として、RE100の技術基準は、非化石証書、グリーン電力証書、J-クレジットを挙げています。
非化石証書は、資源エネルギー庁の解説によると、非化石電源の電気から非化石価値を取り出して売買する制度で、取引は2018年5月に始まりました。
J-クレジットは5種類あり、再エネ調達に使えるのは、「再生可能エネルギー(電力)由来クレジット」だけです。
環境省のガイドは、J-クレジットとグリーン電力証書について、発行量が限られ、需要が供給を上回る可能性があると注意しています。
一方、非化石証書は、供給量が他の再エネ電力証書より大きいと、同じガイドが説明しています。
同じガイドによると、非化石証書は「FIT非化石証書」と「非FIT非化石証書」に分かれ、需要家が直接買えるのは、FIT非化石証書だけです。
日本卸電力取引所(JEPX)の2024年3月の案内では、2024年度分から、全ての非化石価値に発電所名などが付く「全量トラッキング」になりました。
非化石電源には原子力なども含まれますが、RE100が再エネと認めるのは、前述の6種類です。
調達の主な決まり
技術基準は、調達する再エネ電力に、運転開始またはリパワリングから15年以内の発電設備という期限を設けています。
自家発電や、特定の発電所から最初の買い手として長期で調達する契約などには、例外があります。
リパワリングとは、既存の発電所の設備を大きく入れ替えることです。
総消費電力量の15%までは対象外にでき、2025年の使用分なら、2010年1月1日以降の設備が対象です。
2025年3月の第5.0版には、石炭との混焼で生まれた電力を調達してはならないという決まりが加わりました。
適用は、2027年のCDP開示サイクルの報告からです。
参考:JEPX「非化石価値取引の改定」(2024年3月4日)、環境省「はじめての再エネ活用ガイド」(2022年3月)
日本企業の動き
日本の加盟企業数と、企業3社の公式な記載を確認します。
日本の加盟企業数と再エネ比率
環境省の資料は、2025年度の加盟企業数を、日本95社、世界全体443社と示しています(2026年3月31日現在)。
日本で最初にRE100へ参加した企業は、2017年4月のリコーです。
RE100メンバーの日本での再エネ使用率は、前回の25%から36%になりました(Climate Groupの年次開示報告書のページ、2025年5月22日)。
再エネに取り組む企業を、大手からベンチャーまで見たいときは、次の記事が参考になります。
≫再生可能エネルギーに取り組む企業10選!就職・転職におすすめの大手企業からベンチャー
参考:環境省「RE100について」、Climate Group「2024 RE100 Annual Disclosure Report」
株式会社リコー
株式会社リコーは、2024年3月18日の発表で、RE100の達成を、従来の2050年から10年前倒しし、2040年としました。
リコーグループの目標は、使用電力の再エネ比率を、2030年度に85%、2040年度に100%とするもので、RE100の技術要件に準拠しています。
実績は、2022年度の27.5%から、2025年度の55.7%へ上がりました(開示範囲の見直しで再算出した数値)。
手段は、再エネ電力の購入、自家発電、PPA、再エネ証書などで、バーチャルPPA(VPPA)契約では追加性を重視した導入を強めるとしています。
株式会社丸井グループ
株式会社丸井グループは、2018年7月にRE100に加盟しました。
2030年までに、事業活動で使う電力の100%を、再エネから調達する目標を掲げています。
中間目標は、2025年までに70%です。
2025年の達成状況は、この記事では扱っていません。
アスクル株式会社
アスクル株式会社は、2030年までにグループ全体での再エネ利用率を100%にすると宣言し、RE100に参加しています。
参考:アスクル企業サイト
RE100の課題と限界
公式の資料には、難しさも書かれています。
調達のしやすさは地域で違う
PPAの割合は、2022年に初めて減りました。
環境省の資料は、その理由を、PPAを使いにくいアジア諸国からの加盟が増えたためと推定しています。
新しい設備をどこまで求めるか
技術基準の15年要件は、古い発電所から調達した分の量に、上限を設けるものです。
技術基準の説明では、証書だけの購入は、別に買う電気の代金に上乗せされる費用にしかなりません。
「100%」の範囲と意味
RE100が対象にするのは電力で、輸送用の燃料や熱をつくる燃料は入りません。
そのため、RE100の目標を達成した企業でも、温室効果ガスの排出が残る場合があります。
技術基準は、ほとんどの場合、再エネの環境価値の所有権を企業に与える契約や証書を、求めています。
企業が使う電気が、物理的にすべて再エネで発電されたものとは限らない点にも、注意が必要です。
再エネのコスト
環境省の資料が説明するのは、再エネの調達が、化石燃料や炭素の価格の変動に左右されにくく、エネルギーコストの管理強化につながるという点です。
一方、丸井グループは、TCFD(気候関連の財務情報の開示)に沿った開示で、再エネ単価の上昇を予測し、財務への影響を挙げています。
気候変動に取り組む企業を、ベンチャーを中心に選んだ記事もあります。
≫気候変動に取り組む企業10選!就職・転職におすすめのベンチャーを中心に紹介
RE100に関わる仕事
RE100の基準や環境省のガイドが企業に求める、毎年の報告、電力の契約、設備の導入といった作業から、関わる仕事を整理します。
サステナビリティ・脱炭素推進
サステナビリティ・脱炭素推進は、目標年と中間目標を設定し、毎年の進捗をCDPに報告する仕事です。
数字を正確に整理する力と、社内の各部署に協力を頼む調整力が活きます。
エネルギー調達・設備管理
エネルギー調達・設備管理は、PPA、再エネ電力メニュー、証書のうち、どの手法を組み合わせるかを決め、屋根の太陽光などの設備も運用する仕事です。
電力や契約の基礎知識と、費用を比べる力が役立ちます。
排出量の算定・検証・コンサルティング
排出量の算定・検証・コンサルティングは、電力の消費量と再エネの使用量を確かめ、企業の報告を支える仕事です。
RE100の事務局は、条件の確認に迷う企業に、コンサルタントの利用を勧めています。
再エネ事業者(発電・小売)
再エネ事業者は、企業向けにPPAや再エネ電力メニュー、証書を提供する側の仕事です。
再エネ業界の仕事内容と必要なスキルは、次の記事で整理しています。
≫再生可能エネルギー業界で働くには?仕事内容・必要スキル・キャリアパスを解説
政策提言・団体の運営
政策提言・団体の運営は、企業の声をまとめ、再エネを増やす制度づくりに働きかける仕事です。
RE100は、再エネに関する世界の政策を変えることに力を入れていると、自ら説明しています。
民間企業で働く道を選ぶ手がかりは、CSRやソーシャルビジネスとの違いを説明した、次の記事にあります。
≫民間企業で社会課題解決に関わるには?CSR・サステナ・ソーシャルビジネスの違いと選び方
よくある質問
RE100の加盟や対象範囲について、押さえておきたい疑問を3つ取り上げました。
Q. RE100とは何ですか?
A. RE100とは、事業で使う電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げる、企業の国際的なイニシアチブです。2014年に発足し、CDPとのパートナーシップのもと、国際NGOのClimate Groupが運営しています。日本では、2017年4月から日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が地域パートナーとして、日本企業の参加を支援しています。環境省の資料によると、2026年3月31日現在の加盟企業数は、日本が95社、世界全体が443社です。
Q. RE100に加盟するための条件は何ですか?
A. 2025年版の加盟基準では、年間の電力需要が100GWh以上であること、事業全体の電力を100%再エネにする目標を公表することなどが求められます。日本企業は50GWh以上に緩和されているとJCLPが案内しています。目標年は遅くとも2040年が期待され、中間目標は2030年に70%、2035年に90%です。アジアなどに本社を置く企業は、2041〜2050年の目標年が個別に検討される場合もあります。加盟後は毎年CDPに報告し、化石燃料など対象外の業種は加盟できません。
Q. 中小企業や自治体は、RE100に参加できませんか?
A. RE100は、年間の電力需要が100GWh以上という条件があり、日本企業は50GWh以上に緩和されているとJCLPが案内しています。環境省は、多くの中小企業や自治体、教育機関が、RE100の要件では参加できないと説明しています。その場合は、日本独自の「再エネ100宣言RE Action」に参加できます。遅くとも2050年までの100%再エネ化の目標を公表し、消費電力量と再エネ率を毎年報告する取り組みで、参加費は年額25,000円から200,000円です。
まとめ
RE100とは、事業で使う電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げる、企業の国際的なイニシアチブです。
環境省によると、2025年3月の加盟基準で、目標年は遅くとも2040年に改められました。
日本の加盟企業は、2026年3月31日現在で95社です。
企業の開示で目標年を読むときは、原則が2040年、例外が2041〜2050年という、この記事の表が物差しになります。
環境問題に取り組む企業の事業内容は、ココキャリアで、課題別に一社ずつ確かめられます。
RE100の目標は、毎年の報告や電力の契約といった、手堅い作業に支えられています。
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【企業様向け】再生可能エネルギーへの取り組みをPRしませんか?

この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
