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地球の限界が近づいてきています。
人類が生存できる領域と限界点を定義する概念をプラネタリー・バウンダリーと言います。
このプラネタリー・バウンダリーにある9つの指標のうち4つが限界を超えているのです。
私たちにできることはあるのでしょうか?
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目次
プラネタリー・バウンダリーとは
プラネタリー・バウンダリーとは、地球の限界又は、惑星限界とも呼ばれ、人類が生存できる領域と限界点を定義する概念です。
2009年、ストックホルム・レジリエンス・センター所長ロックストロームを代表とする29名の科学者グループによる論文によって注目を集めました。
プラネタリー・バウンダリーは、9つのプラネタリーシステムを取り上げ、安全領域から限界点までを定義しています。
気候変動
成層圏オゾン層の破壊
海洋酸性化
窒素とリンの循環
グローバルな淡水利用
土地利用変化
生物多様性の損失
大気エアロゾルの負荷
化学物質による汚染
しかし、定量的に測れていないものもあり、研究途中です。
また、「気候変動」、「生物多様性の損失」、「土地利用変化」、「窒素とリンの循環」については、人間が安全に活動できる境界を越えるレベルに達していると指摘されています。

参考:平成29年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書 (概要)
プラネタリー・バウンダリーを本でも学ぶ
プラネタリー・バウンダリー3つの分類

閾値が明確に定義されたグループ
気候変動、成層圏オゾン層の破壊、海洋酸性化の3つは閾値が明確に定義されています。
一定の数値を超えると地球全体に影響を与えます。
以下のような基準が元になっています。
気候変動では、大気中の二酸化炭素濃度(ppm)と産業革命以来(1750年以降)の放射強制力の増加量(W / m2)
成層圏オゾン層の破壊では、成層圏オゾン濃度
海洋酸性化では、表層海水中のアラレ石の全球平均飽和状態
また、気候変動については、すでに限界値を超えています。
緩やかな限界値を持つグループ
窒素とリンの循環、グローバルな淡水利用、土地利用変化、生物多様性の損失の4つがこのグループに含まれます。
この4つは、地球全体へ直接影響を与える前章のグループに対して、限定的な地域に影響を与えます。
地球規模への影響を与えることは少ないが、複数の組み合わせによって影響を与えるでしょう。
人類が作り出した脅威のグループ
このグループには、大気エアロゾルの負荷と化学物質による汚染が含まれます。
これらのグループは、多くのプロセスが関連しています。
そのため、閾値が定められておらず、研究が進められています。
限界を超えた4つのプラネタリーシステムの詳細

二酸化炭素濃度
二酸化炭素濃度は、限界地の下限350ppmをすでに超え約400ppmに達しています。
さらに、破壊的な転換を起こしうる上限450ppmに近づきつつあります。
参考:温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)による観測速報
生物多様性
生物多様性は最も深刻です。
生物は、自然状態の約1000倍以上の速さで絶滅しています。
過去にも自然現象などの影響により大量絶滅が起きていますが、現在は第6の大量絶滅と呼ばれています。
土地利用
土地利用では、熱帯雨林や熱帯林での森林伐採が深刻です。
地球の回復力に必要な自然森林被覆75%に対し、すでに60%しか残っていません。
窒素生産
窒素生産量は、限界地野ねん4400万トン以下に対して15000万トンに達してしまい、限界地内に戻すことは難しいと言われています。
参考:地球の限界 “プラネタリーバウンダリー” & 循環型社会
私たちにできること

このような深刻な現状の中で、私たちにできることはあるのでしょうか?
ここでは2つ紹介します。
再生可能エネルギーの使用
特に発電ではたくさんのCO2が排出されています。
そのため、家庭の電力を再生可能エネルギーを使用する電力会社に切り替えることでこの問題に取り組むことができます。
実質再生可能エネルギーを使用する電力会社には、さすてな電気や自然電力、ハチドリ電気、Looopでんきなどがあります。
≫気候変動に取り組む企業10選!~ベンチャー企業を中心にご紹介~
環境負荷の低い食材の使用
窒素は農作物の成長において最も必要な栄養素の一つです。
現状では、合成窒素肥料が多く使われており、河川に流れて水質汚染の原因となっています。
そのため、合成窒素肥料が使われていない食材の購入も効果的です。
その他にも、バーチャルウォーターやフードマイレージなども意識しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
プラネタリー・バウンダリ―の9つの指標のうち4つは、すでに限界を超えています。
私たち一人一人がこの状況を深刻に受け止めなければならないでしょう。
ここで取り上げた2つの取り組み以外にも、できることはたくさんあります。
ぜひ考えてみてください。