世界中にはXジェンダーやノンバイナリーなど、性的嗜好の違いに多様性を持つ考え方を浸透させる取り組みが行われていますが、身近に事例がないとなかなか理解できていない方も多いのではないでしょうか。
しかし、日本においてもさまざまな性的アイデンティティを持っている方がいて、国内企業でもLGBTQ+への取り組みが行われているのです。
そこで本記事では、LGBTQ+に含まれている「クィア」の意味やクエスチョニングとの違い、国内企業の取り組みについてわかりやすく解説していきます。
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目次
クィア(Queer)とは?意味をわかりやすく解説
クィアとは、ゲイ・レズビアン・トランスジェンダー・クロスドレッサー・アセクシュアルなど男性にも女性にもはっきりと当てはまらない性自認をしている人を包括している言葉です。
ここでは、LGBTQ+の意味やクィアとクエスチョニングの違いについて触れながら、クィアとは何かを詳しく解説していきます。
LGBTQ+のQ?
そもそもLGBTとは、「レズビアン(Lesbian)」「ゲイ(Gay)」「バイセクシュアル(Bisexual)」の3つの性的指向と「トランスジェンダー(Transgender)」という性自認が組み合わせられて作られた性的多様性を表現する言葉です。
さらに、最近ではここで「Q」が付け加えられた「LGBTQ+」という表現がされることも多いのです。
「LGBTQ+」に使用されている「Q」は「クィア(Queer)」と「クエスチョニング(Questioning)」という2つの言葉の頭文字をとっています。
また、「+」にはこうした言葉では表現しきれない多様性も含まれています。
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クィアとクエスチョニングとの違い
先ほどもお伝えした通り「LGBTQ+」には「クィア(Queer)」と「クエスチョニング(Questioning)」という2つの言葉が使用されていますが、それぞれの言葉には違った意味があります。
「クィア(Queer)」は日本語で「風変わりな」や「奇妙な」という言葉があるように、もともとは侮辱的にゲイを表現する言葉として使用されていました。
しかし、20世紀以降にセクシャルマイノリティが中心となって、「私たちはクィアだ」と主張するようになり、性の多様性を主張する言葉として浸透してきました。
一方で「クエスチョニング(Questioning)」とは、自分の性的自認や性的嗜好が定まっていない、もしくは意図的に性的嗜好を当てはめないセクシャルティを指す言葉です。
自分に性を当てはめないことで生きやすくなる人のために使われることがあります。
性をカテゴライズしない「クィア」
先ほどもお伝えした通り「クィア」はもともとゲイに使われていた言葉でしたが、現代では以下のような性的マイノリティを包括している言葉として使用されます。
・ゲイ
・レズビアン
・トランスジェンダー
・クロスドレサー
・アセクシュアル
また、男性にも女性にもはっきりと当てはまらない性自認をしている人のことを指す言葉である「Xジェンダー」や「ノンバイナリージェンダー(nonbinary gender)」と同様の意味で使用されることもあります。
クィアと公言している有名人の事例
クィアを公言している有名人はたくさんいますが、日本でも大人気の世界的シンガーソングライターであるサム・スミスさんもクィアであることを公言しています。
サムスミスさんは、2019年に行われたインタビューにおいてクィアを公言した後に「私は男性でも女性でもありません。その中間にいると思います。私はそう受け止めています。全てはスペクトルの上にあります」という言葉を残し、世界中から注目を集めました。
参考:インタビュー動画
LGBTQ+に対する企業の取り組み
ここでは、LGBTQ+に対する取り組みを行っている企業の事例についてご紹介していきます。
楽天グループ株式会社
70カ国以上のさまざまな出身地の従業員を30,000人近くを抱える楽天グループ株式会社では、配偶者の規定を同棲パートナーを含むことや、性別に関わらずに誰でも利用できる多目的トイレの設置、LGBTQ+に対する理解度を促進されるセミナーの開催などの取り組みを行なっています。
パーソルホールディングス株式会社
アジアパシフィックエリアで総合人材サービスを提供する事業会社であるパーソルホールディングス株式会社では、生まれた場所や育った環境・年齢・性別・経験・価値観に違いを理解するための「Diversity, Inclusion & Equality(DI&E)」を毎月全社員を対象に開催することや、LGBT当事者のための転職支援サービスを開始するなどの取り組みを行なっています。
スターバックスコーヒージャパン株式会社
人種・年齢・性別・個人の価値観などの違いを超えて、すべての人を温かく迎え入れ、認め合い、そして一人ひとりが自分らしくいられる社会の実現を目指すために「#NO FILTER」というテーマを掲げているスターバックスコーヒージャパン株式会社では、LGBTQ+に対する理解度を深めるオンライン社内勉強会の開催や、従業員のドレスコード改定、「同性パートナーシップ登録制度」および「性別適合手術のための特別休暇制度」の2つの人事制度導入などの取り組みを行なっています。
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私たちにできること
本記事では、クィア(Queer)についてわかりやすく解説していきました。
私たちがまずできることは、「こんな人はいるはずがない」という無意識の固定概念を持たずに幅広い視野で価値観や性的嗜好を考えるとともに、クィアやLGBTQ+について知ることから始めることです。
私たちがさまざまな性的嗜好を知ることによって、すべての人が過ごしやすい世の中を作ることに繋がります。
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よくある質問[一問一答]
クィア(Queer)とは?
クィアとは、ゲイ・レズビアン・トランスジェンダー・クロスドレッサー・アセクシュアルなど男性にも女性にもはっきりと当てはまらない性自認をしている人を包括している言葉です。
クィアとクエスチョニングの違いは?
クィアは性の多様性を主張する言葉、クエスチョニングは性的自認や性的嗜好が定まっていないもしくは意図的に性的嗜好を当てはめないセクシャルティを指す言葉です。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。