あなたは「ヤングケアラー」って聞いたことありますか?
実はあなたの周りにもいるかもしれません。
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目次
ヤングケアラーとは

厚生労働省によると「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことです。
具体的には18歳未満の子どもで、兄弟の世話や両親、祖父母の介護、病気や障がいをもつ家族の世話に加え、料理や買い物、洗濯などの家事をしています。
他にも、日本語が第一言語ではない家族のための通訳や、アルコールや薬物、ギャンブルの問題を抱えている家族の世話、感情面のケアなどをしています。
≫福祉とは?定義や10種類の具体的な問題、企業の取り組みを簡単に解説
参考:ヤングケアラーの実態に関する調査研究
ヤングケアラーの割合
2020年12月から今年1月にかけて文科省と厚労省による調査では、中学生は5.7%で17人に1人、全日制の高校で4.1%で24人に1人という結果でした。
ケアに費やす時間は、中学生は平均4時間、高校生は3.8時間となり、7時間以上費やしている人もいます。
ヤングケアラーの抱える問題
1.勉学・進路に支障が出る
まず、中高生に大事な勉強や課題の時間が十分に取れないという問題があります。
上記の国による調査では、中学生では家族の世話のために「宿題や勉強の時間が取れない」と回答した人が16%でした。
通信制の学校では、家族の世話に1日7時間以上費やしている生徒は24.5%にも上るそうです。
ヤングケアラーでなければ、全日制の高校に通えた可能性もあります。
2.年相応の過ごし方ができない
ヤングケアラ―に「あてはまる」と回答した人のうち、「自分の時間が取れない」と回答した人は33.0%に上りました。
「あてはまらない」と回答した人では11.4%であり、実に3倍の数値となっています。
他にも、「睡眠が十分にとれない」「友人と遊ぶことができない」という回答が24.5%となっており、「あてはまらない」と回答した人の3.1%の、約8倍となっています。
3.表面化しにくい
上記の調査で、相談した経験がないと答えた中学生、高校生はともに6割を超えています。
理由として多いのは、「相談するほどの悩みではない」「相談しても状況が変わると思わない」などです。
そもそも、家族の世話をすることが当たり前という認識を持つ子どももいます。
自覚がない・相談しないことで、表面化しにくいという問題があります。
ヤングケアラーの支援
ここまで問題点などをあげてきましたが、ケアを受けるべき人が悪いわけではありません。
大事なのは、子どもが一人で抱え込まないように、社会全体で支えていくことです。
国は、大きく4つに分けて支援策を打ち出しています。
①早期支援(ヤングケアラ―問題の周知、実態調査の推進等)
②相談支援(スクールカウンセラーの配置、オンラインでの相談受付等)
③家事育児支援
④介護サービスの提供
このほかにも、子どもの居場所づくりや学習支援・食事支援など、さまざまな面での支援が求められます。
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ヤングケアラーについて、私たちができること
コロナ禍でステイホームやオンライン授業が続くなか、負担をさらに抱えるヤングケアラーは増えているかもしれません。
当事者でない方も、この問題についてまずは知ることが重要です。
また、政府だけでなく民間レベルでも、ヤングケアラ―の支援を行う団体が複数あります。
このような活動を支援したり、参加したりすることで子どもたちを救うことができます。
ココカラアースは、社会貢献をキャリアにしたいと考える方のお手伝いをしています。
他にもご興味のある記事があれば、ぜひご覧ください。
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るりまる
津田塾大学 多文化・国際協力学科3年
非婚意識、ジェンダー、韓国に興味あり
Twitter:@rrmaaru39
ヤングケアラーについてのよくある質問
ヤングケアラーとは?
「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことです。具体的には、18歳未満の子どもで、兄弟の世話や両親、祖父母の介護、病気や障がいをもつ家族の世話に加え、料理や買い物、洗濯などの家事をしています。
ヤングケアラーが抱える問題は?
- 勉学・進路に支障が出る
- 自分の時間が取れない
- 睡眠が十分にとれない
- 友人と遊ぶことができない
- 自覚がない・相談しないことで、表面化しにくい
ヤングケアラーの支援は?
- 早期支援(ヤングケアラ―問題の周知、実態調査の推進等)
- 相談支援(スクールカウンセラーの配置、オンラインでの相談受付等)
- 家事育児支援
- 介護サービスの提供