近年、日本をはじめとする多くの国々で「ヤングケアラー」という言葉が注目されています。

ヤングケアラーは、家族や親戚の介護を担当する若者たちを指し、彼ら自身が未成年や若年層であるにもかかわらず、日常的に介護や育児の役割を果たしています。

本記事では、ヤングケアラーとは何か、その実態や抱える問題、そして支援の方法や私たちができることについて詳しく説明します。

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ヤングケアラーとは

ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことです。

ヤングケアラーは、具体的には18歳未満の子どもで、兄弟の世話や両親、祖父母の介護、病気や障がいをもつ家族の世話に加え、料理や買い物、洗濯などの家事をしています。

他にも、日本語が第一言語ではない家族のための通訳や、アルコールや薬物、ギャンブルの問題を抱えている家族の世話、感情面のケアなどをしています。

参考:ヤングケアラーの実態に関する調査研究

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ヤングケアラーの割合

令和4年3月に株式会社日本総合研究所が行った調査では、家族の世話をしていると回答した小学生は 6.5%という結果でした。

また、家族の世話をしている人のうち、就学前から世話をしている人が17.3%、低学年のうちから世話をしている人が30.9%いることがわかりました。

参照:令和4年3月ヤングケアラーの実態に関する調査研究


ヤングケアラーの抱える問題

ヤングケアラーの抱える問題を解説します。

ヤングケアラーの抱える問題一覧

  • 勉学・進路に支障が出る
  • 年相応の過ごし方ができない
  • 表面化しにくい

勉学・進路に支障が出る

まず、中高生に大事な勉強や課題の時間が十分に取れないという問題があります。

上記の国による調査では、中学生では家族の世話のために「宿題や勉強の時間が取れない」と回答した人が16%でした。

通信制の学校では、家族の世話に1日7時間以上費やしている生徒は24.5%にも上るそうです。

ヤングケアラーでなければ、全日制の高校に通えた可能性もあります。

参照:令和2年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究

年相応の過ごし方ができない

ヤングケアラ―に「あてはまる」と回答した人のうち、「自分の時間が取れない」と回答した人は33.0%に上りました。

「あてはまらない」と回答した人では11.4%であり、実に3倍の数値となっています。

他にも、「睡眠が十分にとれない」「友人と遊ぶことができない」という回答が24.5%となっており、「あてはまらない」と回答した人の3.1%の、約8倍となっています。

参照:令和2年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究

表面化しにくい

上記の調査で、相談した経験がないと答えた中学生、高校生はともに6割を超えています

理由として多いのは、「相談するほどの悩みではない」「相談しても状況が変わると思わない」などです。

そもそも、家族の世話をすることが当たり前という認識を持つ子どももいます。

自覚がない・相談しないことで、表面化しにくいという問題があります。

参照:令和2年度ヤングケアラーの実態に関する調査研究


ヤングケアラーの支援

ここまで問題点などをあげてきましたが、ケアを受けるべき人が悪いわけではありません。

大事なのは、子どもが一人で抱え込まないように、社会全体で支えていくことです。

国は、大きく4つに分けて支援策を打ち出しています。

①早期支援(ヤングケアラ―問題の周知、実態調査の推進等)

②相談支援(スクールカウンセラーの配置、オンラインでの相談受付等)

③家事育児支援

④介護サービスの提供

このほかにも、子どもの居場所づくりや学習支援・食事支援など、さまざまな面での支援が求められます。

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ヤングケアラーについて、私たちができること

ヤングケアラーについて、私たちができることを解説します。

まず、当事者でない方も、この問題についてまずは知ることが重要です。

また、政府だけでなく民間レベルでも、ヤングケアラ―の支援を行う団体が複数あります。

このような活動を支援したり、参加したりすることで子どもたちを救うことができます。

  • 寄付をする
  • ボランティアをする
  • ヤングケアラーの問題を伝える

寄付をする

ヤングケアラーを支援する団体に寄付を行うことで、彼らが必要とする教育やカウンセリングサービスなどを提供する手助けができます。

〇ヤングケアラーに取り組むおすすめの寄付先3選
認定NPO法人カタリバ
認定NPO法人Learning for All
認定NPO法人D×P(ディーピー)

ボランティアをする

地域のヤングケアラー支援団体でボランティアとして参加することで、直接的な支援ができます。

活動内容には、教育プログラムの補助やイベントの企画・実施、ピアサポートなどが含まれることがあります。

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ピアサポートとは?ピアサポーターの意義やなるための方法

ヤングケアラーの問題を伝える

ヤングケアラーの存在と彼らが抱える問題を周囲に広めることも重要です。

SNSや友人・知人を通じて認識を高めることで、彼らへの支援が広がりやすくなります。

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まとめ

ヤングケアラーは、若い年齢にも関わらず家族の介護を担うことで多くの困難に直面しています。
 
勉学や進路への支障、年相応の生活が難しいといった問題を抱えながら、その苦労が表面化しにくい現状があるため、彼らへの正確な理解や支援が必要です。
 
企業や個人として、ヤングケアラーの支援や理解を深める活動に参加することで、より健全な社会を築いていくことが期待されます。
 
最後に、よくある質問セクションで、ヤングケアラーに関する基本的な疑問点を解説していますので、興味のある方はぜひご参照ください。

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ライタープロフィール

るりまる
津田塾大学 多文化・国際協力学科3年
非婚意識、ジェンダー、韓国に興味あり
Twitter:@rrmaaru39


ヤングケアラーについてのよくある質問

ヤングケアラーとは?

「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことです。具体的には、18歳未満の子どもで、兄弟の世話や両親、祖父母の介護、病気や障がいをもつ家族の世話に加え、料理や買い物、洗濯などの家事をしています。

ヤングケアラーが抱える問題は?

  • 勉学・進路に支障が出る
  • 自分の時間が取れない
  • 睡眠が十分にとれない
  • 友人と遊ぶことができない
  • 自覚がない・相談しないことで、表面化しにくい

ヤングケアラーの支援は?

  • 早期支援(ヤングケアラ―問題の周知、実態調査の推進等)
  • 相談支援(スクールカウンセラーの配置、オンラインでの相談受付等)
  • 家事育児支援
  • 介護サービスの提供