21世紀に入ってからも、人間の活動が直接的または間接的に原因となり、多くの動物が絶滅しています。
この記事では、近年人間の影響で絶滅した動物14種、21世紀以前に絶滅した動物5種、そして日本で絶滅した種を詳しく紹介し、現在絶滅の危機に瀕している動物たちについても触れます。
私たちがこれ以上絶滅危惧種を増やさないためにできることを考えることが、今ある生物多様性を守ることに繋がります。
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目次
21世紀以降の近年に人間が原因で絶滅した動物14選
21世紀以降の近年に絶滅した動物を一覧で解説します。
- ピレネーアイベックス
- テイオウキツツキ
- ヨウスコウカワイルカ
- サウジガゼル
- クリスマスアブラコウモリ
- ワキアカカイツブリ
- ピンタゾウガメ
- ミヤココキクガシラコウモリ
- ダイトウノスリ
- タイワンウンピョウ
- ブランブルケイメロミス
- キタシロサイ
- スムース・ハンドフィッシュ
- ハシナガチョウザメ
ピレネーアイベックス
ピレネーアイベックスは現存するスペインアイベックスの亜種で、スペイン北部に生息していました。
しかし狩猟が原因で絶滅したとされています。
なお、2009年にDNAからクローン作成がされましたが、誕生から数分でなくなってしまったそうです。
テイオウキツツキ
このキツツキは森林伐採などにより2003年に絶滅した世界最大のキツツキの一つとされていました。
それに加えて、食用や民間療法を目的とした狩猟も行われてしまいました。
ヨウスコウカワイルカ
ヨウスコウカワイルカは中国の長江に生息していたイルカです。
河川や周辺地域の開発などを原因とした環境の悪化により徐々に数を減らし2006年に絶滅が宣言されました。
サウジガゼル
サウジガゼルはクウェートなど中東の国に生息していたカモシカの仲間です。
元々個体数は少なかったそうですが、食用やツノを目当てにした乱獲や森林の伐採により2008年に絶滅が宣言されました。
クリスマスアブラコウモリ
クリスマスアブラコウモリはインド洋のクリスマス島に生息していた小型のコウモリです。
人間が連れ込んだ犬や猫を始めとした動物からの捕食や病原菌、寄生虫、駆虫薬などにより死亡した個体が多いとされています。
結果として2009年にオーストラリア政府から絶滅が宣言されました。
ワキアカカイツブリ
ワキアカカイツブリはマダガスカルに生息していた鳥です。
生息地の破壊や狩猟、多種との交雑などにより、生息数を減らし、2010年に絶滅が宣言されました。
ピンタゾウガメ
ピンタゾウガメはガラパゴス諸島のピンタ島に分布していた大型のカメです。
食用を目的とした乱獲やヤギによるの自然の破壊によって生息数が減少し、2012年に絶滅が宣言されました。
ミヤココキクガシラコウモリ
ミヤココキクガシラコウモリは宮古島に生息していた比較的小型のコウモリです。
絶滅した原因は正確にはわかっていませんが、森林の破壊によって絶滅したと言われており、2012年に絶滅とされました。
ダイトウノスリ
ダイトウノスリは北大東島と南大東島のみに生息していたタカの仲間です。
元々の生息数が少なかったこともありましたが、彼らが餌としていた小型の鳥が減少したことにより、2012年に絶滅が宣言されました。
タイワンウンピョウ
タイワンウンピョウはかつて台湾に生息していた肉食のネコの仲間で全身が雲のような斑点で覆われています。
ウンピョウは原始的な密林を好みますが、そのような森林が伐採されたことで、台湾の亜種は2013年に絶滅しました。
ブランブルケイメロミス
ブランブルケイメロミスはブランブル・ケイというグレートバリアリーフの島にのみ生息する固有種でした。
しかし、地球温暖化の影響で浸水などが発生し、生息地に大きな変化をもたらしたため、2016年に絶滅したと言われています。
キタシロサイ
キタシロサイはアフリカに住んでいたサイで、亜種として南アフリカにもミナミシロサイが今も生息しています。
内戦に加え、装飾品や薬として使われるツノを目的とした密猟によって急速に数を減らし、2018年に最後のオスが死亡したため事実上の絶滅を迎えました。
スムース・ハンドフィッシュ
スムース・ハンドフィッシュは「泳げない魚」としても知られていた、オーストラリア南東部原産の魚です。
絶滅の主な原因には乱獲、海水汚染、生息地の減少が挙げられます。
ハシナガチョウザメ
ハシナガチョウザメは中国の河川に生息していた世界最大の淡水魚です。
乱獲やダム建設による生息環境の悪化により2022年に絶滅が宣言されました。
21世紀以前に人間が原因で絶滅した動物5選
21世紀以前に人間が原因で絶滅した動物を一覧で紹介します。
リョコウバト
リョコウバトはかつて鳥類として最も生息数が多いと言われていた鳥で、北アメリカに生息していました。
アメリカ先住民もリョコウバト狩りをしていましたが、自然に配慮した狩りをしていました。
しかし入植したヨーロッパ人が虐殺とも称される狩りを行ったため、1900年代前半に絶滅しました。
フクロオオカミ
フクロオオカミはオーストラリアに生息していた、有袋類に分類される犬科の動物です。
オーストラリアに上陸してきた人類やその家畜との競争に敗れ、タスマニア島に逃れました。
その後、大航海時代になると、羊を襲う害獣としてさらに駆逐されることになり、1930年代に絶滅が確認されました。
ジャワトラ
ジャワトラはジャワ島のみに生息していた小型のトラです。
ジャワ島内における開発により、生息地が奪われただけでなく、餌となるシカの生息数も減少したこと、また狩猟も重なり1980年に絶滅したとされています。
なお、最後の1頭も射殺されたとのことです。
ニホンカワウソ
ニホンカワウソには、本州以南に生息していた種類と北海道に生息していた種類の2種類が生息していましたが、どちらも絶滅したと言われています。
どちらの種も毛皮目的で人間によって乱獲されたことが主な原因となっています。
カリブモンクアザラシ
カリブモンクアザラシは、かつてカリブ海に生息していたアザラシです。
しかし、食肉目的の乱獲と観光地開発による陸地の変化で生息地が減少したことで、1950年代に絶滅しました。
なお、まだ種の保存にあまり目が向けられていなかった時代のため、有効な手立てがたてられなかったとのことです。
日本の絶滅種一覧
日本の絶滅種を6つ一覧で紹介します。
ニホンオオカミ
ニホンオオカミは、本州・四国・九州に生息していたイヌ科の生物です。
1905年1月に奈良県で捕獲されたニホンオオカミのオスを最後に生息している情報がないため、絶滅したと考えられています。
シマハヤブサ
シマハヤブサは、日本の硫黄島のみに生息していたハヤブサです。
太平洋戦争時にすでに絶滅していた可能性もありますが、調査があまり行われなかったため、詳しい絶滅原因は不明で2018年に絶滅とされました。
オガサワラガビチョウ
オガサワラガビチョウは、小笠原諸島にのみ生息していたトリです。
1828年に4匹の個体が採取されただけとなっているため、すでに絶滅していると判定されています。
カンムリツクシガモ
カンムリツクシガモは、日本では北海道に生息していたカモの仲間です。
1916年に朝鮮半島の釜山で採取された標本が最後に生存が不明となっており、生態に関する情報が少ないことから詳細については判明していません。
ミナミイトヨ
ミナミイトヨは、京都府と兵庫県にのみ生息が記録されているトゲウオの一種です。
1960年に記録されたのが最後となり、その後の生息情報は皆無であるため絶滅したと言われています。
カドタメクラチビゴミムシ
カドタメクラチビゴミムシは、高知県の大内洞でのみ生息が確認されたゴミムシの仲間です。
2010年代に大内洞跡地にて40年ぶりに発見されましたが、現在は絶滅したと考えられています。
近年絶滅の可能性が高いとされる動物たち
近年絶滅の可能性が高いとされる動物を紹介します。
ジャワサイ
インドネシアのジャワ島に住むサイで、乱獲や生息地の減少で絶滅が心配されています。
かつては東南アジアに生息していましたが、2019年の時点で67頭のみが生息し、近年中の絶滅が心配されています。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-46778703
オランウータン
オランウータンも東南アジアに生息する哺乳類です。
類人猿といって人間に非常に近しい種類の動物で、「森の人」という別名を持ちます。
ジャワサイと同じく密猟や生息地の減少での絶滅が心配されています。
マウンテンゴリラ
マウンテンゴリラも類人猿で、アフリカのジャングルに生息しています。
現在は650頭ほどが生息しており、生息数は微増しているものの、絶滅の危機に瀕しています。
主な原因としては、生息地の破壊や密猟が挙げられます。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141218/428905/
クロサイ
クロサイはツノを目当てにした密猟などで生息数が減少しており、いくつかの国では野生絶滅したと考えられています。
その後エスティワニなどでは野生に再導入されていますが、依然として絶滅の危機に瀕しています。
タイマイ
タイマイは世界中の海に生息しているウミガメです。
ベッコウ(亀甲)細工の原料としてもかつては使われており、そのような乱獲に加え、海洋汚染も原因となっており、急速に数を減らしています。
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これ以上絶滅危惧種を増やさないためにできること
これ以上絶滅危惧種を増やさないために私たちは何ができるでしょうか。
まずは自身の購買行動を見直すといいかもしれません。
この記事で紹介したように、例えば木材の伐採が種の絶滅を招いた例が多くあります。
そのため、必要なものを必要な量だけ買うことで資源の無駄使いを減らすことができます。
また、何かを購入する際には、環境に配慮した商品を選ぶことも重要です。
例えば、レインフォレストアライアンス認証は、フェアトレードの側面だけでなく生物多様性の損失の有無もチェックしています。
≫絶滅危惧種が増える原因は?現状と増やさないための対策を解説
≫レッドリストとは?絶滅危惧種のIUCN・環境省による評価基準やカテゴリーを解説
まとめ
絶滅した動物たちを振り返ることで、私たちは自然界との共存方法を見直すきっかけを得ることができます。
21世紀以降に絶滅した多くの種は、環境破壊や過剰な資源利用が原因です。
日本を含む世界中で絶滅した種の事例から学び、今後の生物多様性の保護に向けた具体的な行動を起こすことが急務です。
私たち一人一人が意識を変え、行動することが、これ以上の絶滅を防ぐために不可欠です。
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。