集落とはどんな場所か知っていますか。
集落で進行している深刻な問題を知っていますか。
なんとなくのイメージはあるけれど、いざ言葉にすることは難しいと思います。
この記事では、集落の問題やその問題に対する取り組み、私たちにできることを紹介しています。
ぜひ自分ができることは何だろう、集落はどうあるべきだろう、と考えながら読んでみてください。
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目次
集落とは
集落とは、複数の住宅が密集している地域を指します。
集落には、地域住民がお互いに支え合いながら、生活の質を維持・向上させるための機能があります。
具体的には、冠婚葬祭などの生活扶助機能、草刈りや道普請などの生産補完機能、そして農林地や地域固有の文化資源の管理機能です。
しかし近年、若者が集落から離れて都市部に行くことで、人口減少が問題になっています。
その結果、消滅の可能性のある集落は増加傾向にあり、深刻な問題と言えます。
消滅の可能性のある集落に関する詳しい内容は「消滅集落とは」の記事でまとめられています。
合わせてチェックしてみてください。
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集落と村との違い
「集落」と「村」は、一見似た概念に思えますが、実は明確な違いがあります。
一般的に、「集落」とは数世帯から数十世帯が密接に居住する小規模な居住区域を指します。
これに対して「村」は行政的な区画としての意味合いが強く、公共施設や自治体が定める一定の行政サービスを提供する地域単位を示します。
集落はなぜ「落ちる」が入っている?
らく【落】には、落ちるという意味のほか、人々が集まり定着する所という意味があります。
そのため、集落には「落ちる」という感じが入っています。
人口減少による課題
それでは、人口が減少したらどんな課題が生まれるのでしょうか。
今回は主要な課題を3つ紹介します。
- 商業施設の閉鎖
- 耕作放棄地の増加
- 空き家の増加
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商業施設の閉鎖
人口が減少することで商業施設の利用が減り、閉鎖せざるをえない状況になっています。
また、商業施設で働く人も減少することで、施設の運営が成り立たなくなります。
その結果、不便な環境であることから他の地域へ移住する人も多いです。
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耕作放棄地の増加
農林水産省がまとめた耕作放棄地の動向から、耕作放棄地面積は集落のある中間農業地域で最も多いことがわかります。
耕作放棄地が増えることで、雑草や害虫が発生したり、廃棄物の不法投棄の原因になります。
担い手を見つける活動が進んでいますが、さらなる加速が求められます。
これまで利用していた耕作地を管理できず、手放す人が増えています。
出典:農林水産省「(2)耕作放棄地の動向と担い手への農地利用集積の促進」
空き家の増加
令和元年度に国土交通省が集落の実態調査を行いました。
その結果、過疎地域の集落の居住快適性をみると、6割以上の集落では空き家の管理が不十分であることがわかりました。
空き家が増加すると集落での管理ができず、景観の悪化や犯罪リスクの増加につながります。
実際、集落の空き家では事件の発生や不法侵入などで、地域環境の悪化が問題視されています。
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集落を維持するための取り組み具体例
集落を維持するには、生活サービスへのアクセスがしやすい環境をつくる必要があります。
では、具体的にどんな取り組みが推進されるべきでしょうか。
- 施設の整備
- 物流ネットワークの構築
- 交通ネットワークの整備
施設の整備
現存する施設の有効活用が大切です。
施設の取り壊しや新設には、時間やお金がかかるため効果的とは言えません。
そのため、古くなった建物の改修や再利用が必要です。
物流ネットワークの構築
効率的な物流ネットワークをつくるため、共同輸送という取り組みが進んでいます。
共同輸送とは、一度で荷物のお届けや高齢者の見守りなど様々なサービスをまとめて行うことです。
例えば、宮崎県西米良村では村営バスを活用した郵便や新聞の配送、買い物代行を共同輸送しています。
これにより、商業施設や働き手が減少する中、集落の利便性を高められています。
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交通ネットワークの整備
集落が成り立つために、交通インフラの整備が欠かせません。
例えば、道路がなければ輸送ができず、食材や商品を届けられなくなってしまいます。
政府では、古くなった道路の整備や幹線バスの購入等の支援が計画されています。
しかし、交通分野の計画を実施する場合、費用が高くなることが多いです。
そのため、都市部の交通インフラの整備が優先順位として高く、他の取り組みと比べるとあまり進んでいません。
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集落の問題に私たちにできること
集落の現状を知った今、私たちにできることは何でしょうか。
- 地域おこし協力隊への応募
- 記事の拡散
地域おこし協力隊への応募
地域おこし協力隊とは、地方自治体の委嘱を受けて地域で生活し、各種の地域協力活動を行う団体です。
集落における協力隊は、集落の将来について住民や自治体の人と話したり集落を巡回したりします。
隊員は、20代から30代が7割を占め、男女比もほぼ同じです。
地域の諸問題に触れられるため、ぜひホームページを確認してみてください。
記事の拡散
記事の拡散が集落のために私たちができることだと知っていましたか。
集落の現状を知ってもらい、集落のこれからについて考える輪が広がることで、たくさんの支援のきっかけが生まれます。
ご自身のSNSなどで簡単にシェアができるので、もし良かったら拡散をよろしくお願いします。
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さいごに
集落は最悪の場合、消滅して消滅集落となってしまう可能性があります。
人口減少は日本にとって大きな社会問題の一つですが、集落では特に過疎化が進んでいる現状があります。
今後、集落の持続可能性を考えたときに必要なことは何でしょうか。
この記事で紹介したものは一例にすぎません。
あなたが今からできること、これから集落はどうあるべきかをぜひ考えてみてください。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。