みなさんが住んでいるまちは住みやすいと思いますか。
病院と薬局が離れてて大変、川の近くに家が多くて防災的に不安など、様々な問題を抱えています。

その問題を解決するためにはどうしたらよいでしょうか。

現在、まちづくりにおいて持続可能でみんなが住み続けられるまちが重要なテーマになっています。
まちの様々な問題に対して色々なアプローチ方法で取り組もうとしているのです。

その1つの方法としてコンパクトシティがあります。

今回は近年、日本で注目されているコンパクトシティについて見ていきましょう。

※【企業様向け】地方創生への取り組みをPRしませんか?
 掲載を希望される企業様はこちら

コンパクトシティとは

コンパクトシティとは、生活に必要な機能と住宅を密集させたまちのことです。

住民の便利で快適な生活とともに、環境の保全など持続可能なまちが目指されています。

具体的には、次の3つが整ったまちとなります。

①密な生活機能
居住地域と環境保全地域や生活サービス地域の境界が明確で、特に住宅と生活に必要な施設の近接した状態

②公共交通機関のつながり
都市内のどこの地域でも公共交通機関による市街地への移動が容易

③地域サービスや職場までのアクセス
住民が徒歩か公共交通機関を利用するだけで、地域サービスを利用可能

コンパクトシティについて本でも学ぶ(PR)


スマートシティとの違い

スマートシティは、都市の様々な問題に対して柔軟かつ効率的な対策が必要となったことから、注目されました。
都市の柔軟性や効率化は、コンパクトシティと似ています。

では、スマートシティとコンパクトシティの違いは何でしょうか。
それは、手段の具体性の違いです。
スマートシティは、ICT(情報通信技術)の利活用によるまちづくりでした。

一方で、コンパクトシティは、土地利用や公共施設の有効利用に注目されています。
このように、持続可能なまちづくりという目標は同じでも、その目標を達成するための考え方が明確に違います。

スマートシティとは?メリットやデメリット、事例を簡単に紹介!


コンパクトシティが求められる理由・背景

都市の現状の課題を見ることで、コンパクトシティの重要性を考えましょう。

地方都市

地方都市は現在、人口減少と高齢化に直面し、地域の維持が難しい地域が増えています。
限界集落は、その例です。

別の記事でまとめているので合わせてご覧ください。

限界集落とは?定義や3つの原因、自治体の対策をわかりやすく解説

また、最近では商店街や住宅街が以前のように集中しておらず、お店や住宅が分散してしまっています。

このような状況を受けて、都市を今後も持続可能に維持していくためには、都市の局部的な問題に対する対応だけでは不十分です。

都市全体を見直し、施策を推進する必要があります。

少子高齢化問題とは?現状や原因、問題点、若者にできること

大都市

日本は戦後、大都市を中心に高い技術力を駆使し、わずか半世紀で建物や道路、土地の区画整理を実現しました。

その結果、大都市には人口が集中しましたが、高齢者の割合も増加しています。

高齢者が増加すると、医療や介護の需要が急増し、医療サービスの提供が満足に出来なくなる恐れがあります。

実際、新型コロナウイルス感染症拡大時は、医療施設がひっ迫しました。
需要と供給のバランスを見直すことが求められます。

都市問題とは?人口移動による世界と日本の都市化の課題と解決策
インフラ整備とは?日本と世界の現状やメリット、SDGsとの関係を紹介


コンパクトシティのメリット

コンパクトシティのメリットを3つ紹介します。

持続可能な都市経営

社会保障費の増加やインフラの老朽化への対応など、都市を経営するのに必要なお金はひっ迫しています。

今後の公共投資や社会保障費の抑制に向けて、業務の効率化や合理化が求められます。

限られた財源と変化する都市環境で、いかに公共サービスを維持し、住みやすい町にするかがポイントです。

高齢者の生活環境と子育て環境の支援

少子高齢化社会の今、私たちは高齢者と子どもの両方での強固な施策が必要です。

現在、1人暮らしの高齢者を中心に見守りネットワークがありますが、今後の高齢者の急速な増加に対して地域で支え合うのは困難でしょう。

また現状では、少子高齢化対策として子育てや就業環境の整備が進まず、出生率は減少傾向にあります。

教育や医療の利用環境の向上が求められます。

防災

災害が起きる前にできること、起きてからの備えの両面が考えられます。

特に防災で重要な考え方として、災害イマジネーションがあります。

災害は、いつどこで発生するかわかりません。

災害が起きた時自分がどんな行動をすべきかイメージしておくことが重要です。

コンパクトシティの国内事例

コンパクトシティの例を1つ紹介します。

-花巻市-居住と生活サービスを明確に分ける

花巻市は平成12年以降、人口減少に悩まされていました。

市内の活力は低下し、病院や学校、商業施設の郊外移転が深刻化しました。

この現状を打破すべく、花巻市は都市機能の見直しを行い、市内で居住地域と生活サービス地域を明確に分けました。

その結果、生活サービス地域には多くの人が集まるため、商業施設や病院が再び新設されるようになりました。

岩手県の社会問題とは?医療や人口減少など地域の課題を解説


コンパクトシティのデメリット・課題

ここからは、コンパクトシティのデメリット・課題を見ていきましょう。

居住地域の制限

コンパクトシティにより、居住地域と環境保全地域の境界が明確になります。

そのため、これまで環境保全地域に住んでいた人は、生活スタイルの変更が必要です。

また、特定の地域に人が集まれば、都市の中で人口が二極化され、それに伴う騒音やプライバシーの問題にも繋がります。

地価の急騰

コンパクトシティにより、都市機能がまとめられ、都市の中で地価の差が激しくなります。

その結果、コンパクトシティ化した都市は、生活機能が整っていても住民にとって利用しにくい都市になるかもしれません。

逆に、環境保全地域のような開発を抑えた地域の地価は下落することでしょう。

地方創生に取り組む企業10選~ベンチャーから大企業まで~

さいごに

都市が抱える課題解決のためにコンパクトシティは推進されています。

しかし、都市計画の推進は決して簡単なものではありません。

法律や地域特性など、幅広い事柄を考える必要があるからです。

ぜひ、COCOCOLOREARTHの記事を見て、視野を広げてみてください。

地方創生とは?問題となっている8種類の課題や企業の事例を分かりやすく解説


【企業様向け】地方創生への取り組みをPRしませんか?

広告掲載・資料請求はこちら